BMWのクーラント液って何?警告灯が点灯する前に交換がおすすめ
クーラント液には、エンジンを冷却してオーバーヒートを防ぐ役目があります。市販品のクーラント液にはさまざまな種類がありますが、性能を維持するためにはBMW純正品を使用した方がよいでしょう。
ここではクーラント液の補充方法や点検の仕方、点検してもらえる場所についてご紹介します。定期的に点検を行い、愛車を長く乗りましょう。
※目次※
・クーラント液はエンジンを冷やす役割
・BMWのクーラントは希釈が必要!水道水は応急措置に留めておこう
・クーラントは定期的な点検が必要!自分にあったお店を選ぼう
クーラント液の意味とBMWの場合の注意点
車のエンジンに必要なクーラント液ですが、どのような目的で使用するのか知っていますか。クーラント液にはエンジンを冷やす役目があり、オーバーヒートが発生しないために用いられています。エンジンの冷却装置の構造も詳しくチェックし、BMWの場合の注意点や、クーラント液の代わりに何が使えるかについても確認しておきましょう。
クーラント液はエンジンを冷やす役割
クーラント液は、ロング・ライフ・クーラントとも言われ、エンジンを正常に動作させるためになくてはならないものです。
車のエンジンが動いている間、内部は非常に高温になります。温度が上がりすぎるとエンジンが性能を発揮できなかったり、焼き付いてしまったりと不具合が発生するので対策が施されています。
エンジン内部にポンプを利用してクーラント液を循環させると、クーラント液がエンジンの熱を吸収し温度を調節することが可能です。
しかし循環しているだけではクーラント液も熱くなりすぎてしまうため、ラジエーターという冷却装置が取り付けられています。
ラジエーターには細かいギザギザがついたフィンと呼ばれる部品があり、熱くなったクーラント液が水路を通過すると走行風が当たります。外気温は暑い日でも40℃ほどなので、クーラント液が高温になっていても外気温程度まで冷ますことができるのです。
また冷却水の循環を調節する役目を果たすサーモスタットも取り付けられています。エンジンがまだ熱くなっていないときは冷却の必要がないため、ラジエーターを通らずに循環した方が効率的です。
サーモスタットはエンジンの冷却が必要かどうかを判断し、熱すぎる場合のみラジエーターに冷却水を送る役割を担っています。
クーラント液には、車が氷点下にあっても凍ることのない「不凍性」と、エンジン内部の金属部品を錆びさせない「防錆性」などの性能も必要です。
BMWはクーラントが減少すると警告灯が点く
エンジン内ではガソリンと空気が混ざり合って爆発が起きており、この現象が動力となって車が動きます。
冷却水が減少すると、エンジンの稼働限界温度を超える恐れがあります。エンジン内部の温度を適切に保つことができず温度が上昇しすぎてしまうからです。これをオーバーヒートと言います。
オーバーヒートを避けるため、BMW車ではクーラント液が減少しすぎると、「冷却水レベルが低すぎる」として、スピードメーターパネルの近くに、ランプが点灯するようになっています。
オーバーヒートが起きると、エンジンの動作異常が起きるだけでなく、エンジンから発煙して火災になったり、エンジンが壊れて交換が必要になったりと、リスクが発生するのです。
ラジエーターは密閉されているため、基本的にクーラントは減ることはありません。減少した場合は、液漏れの恐れもあるので注意が必要です。
BMWのクーラント代わりに水道水を使っても良い?
オーバーヒートが発生した際などの緊急時には、クーラント液の代替えとして水道水を使用しても大丈夫ですが、あくまでも応急措置であることを知っておきましょう。
水は比熱が小さく、熱しやすく冷めやすい特徴を持っているため、冷却するという点においては、クーラント液の代替え品として役立ちます。
しかし、先にも述べた通り、クーラント液には「不凍性」や「防錆性」などの性能も必要です。クーラント液の主成分はエチレングリコールで、水よりも沸点が高く、錆に強いように設計された商品です。
水道水にはさまざまな物質が含まれており、エンジン内部の金属部品に錆を引き起こす恐れがあります。また水は100℃で沸騰するため、高温になりすぎるとキャビテーションを起こし、オーバーヒートに繋がるかもしれません。水道水を使用した場合は放置せず、整備工場などで点検を受けましょう。
BMWのクーラントを補充する方法は?
クーラント液を補充しようと思っても、どうすれば良いか分からないこともあるでしょう。ここではクーラント液を補充する手順や注意点などについてチェックしていきます。ラジエーターキャップを開ける際は、高温になっていないか確認が必要です。またBMWにはどのようなクーラント液が良いのかもチェックしていきましょう。
補充方法
準備するのは、補給用クーラント液と、バケツ、ジョッキ、雑巾などです。そしてクーラントチャージャーがあれば、クーラント液をこぼすことなく補充できます。
補充用液が希釈タイプの場合は、指定の濃度まで薄めておきましょう。リザーブタンクの蓋を開け、「MAX」の部分まで補充用液を注ぎます。リザーブタンクがない場合はラジエーターに入れましょう。補充時は火傷のないよう気をつけてください。
クーラント液の補充が終了したら、リザーブタンクの蓋を閉めます。クーラント液の減りが激しい場合は、液漏れしている恐れもあるのでしっかり確認してください。
クーラント液には色がついているためBMW専用を使う
クーラント液には色がついているのを知っていますか。車のエンジン付近には、クーラント液だけでなく、オイル類などもあるため、どの液体が漏れたのかを確認しやすくするため色付けがされています。
メーカーによって色が異なっているのは、他社との差別化を図るためです。他社のクーラント液と混ぜると、変色するため車内の錆や汚れが見つけにくくなるだけでなく、ウォーターポンプの不調に繋がることもあります。そのため、市販品は使用せずに、BMW専用品を補充しましょう。
クーラントは希釈する?BMW用の希釈済みの商品も
クーラント液には、交換用原液タイプと補充用補充液タイプの2種類があります。交換用原液タイプは、濃度が高いため希釈して使用します。補充用補充液は、交換用原液を希釈した商品なので、水で薄めずに使用することが可能です。
購入する際はどちらのタイプか確認して購入しましょう。ちなみにBMW専用のクーラント液は、希釈して使用するタイプです。
希釈する際は水道水の使用は避けた方が無難でしょう。上述したように水道水にはさまざまな成分が入っているため、錆などのトラブルが発生する恐れがあります。希釈する際は、精製水か専用の希釈液を使用しましょう。
BMWのクーラントに漏れ止め剤は必要?
漏れ止め剤として市販されているものには、クーラント液の粘度を上げて皮膜を作りピンホールを埋めるタイプや、微繊維状の粉を液体化し空気と接触することで固化してピンホールを埋めるタイプなどがあります。
漏れ止め剤は一定の効果が得られますが、ラジエーターが目詰まりを起こしエンジンがオーバーヒートするなどの不具合が発生する原因にもなります。漏れ止め剤は無闇に使用せずに、異常を感じた場合は点検を受けましょう。
ラジエーターキャップを開けるときには注意が必要
ラジエーターキャップは、ラジエーターを密閉することでクーラント液が沸騰して気化するのを防いでいます。またラジエーター内の圧力調整も担っているため、開けるときには注意が必要です。
車を使用後、エンジンが熱を持っているときには、ラジエーター内部に圧力がかかっている状態です。そのため蓋を開けるとクーラント液が噴出し、火傷することもあります。
ラジエーターを開けたときは、パッキンにヒビや劣化がないかも確認しておくと安心です。
BMWなどのクーラント補充時にはエア抜きをする
BMW車にクーラント液を補充する際は、エア抜きが必要です。リザーブタンクに補給し蓋を閉めたら、次はラジエーターキャップをはずしてエンジンをかけます。すると液面に泡が発生します。この泡は冷却水路に混入した空気で、気泡となって抜けているのです。
冷却水路内に空気が混ざっていると十分な冷却効果が得られず、エンジンの損傷に繋がるケースもあるので、エア抜きは必ず実施しましょう。
愛車のクーラントがなくなる前に点検しよう
クーラント液が不足するとオーバーヒートなど不具合が発生する危険性があるため、定期的に点検が必要です。自分でスムーズに点検できるように、クーラント液の残量をチェックする方法や、交換時期の目安について確認していきましょう。
クーラントの残量点検方法
まずは車内にある水温計をチェックしましょう。C(クール)とH(ヒート)があり、針がHの方向に向いていると冷却に異常があることを意味します。針がCの方向を向いていることを確認しましょう。
次にボンネットを開けて冷却水の残量を確認します。エンジンルームにあるリザーブタンクには「MAX」と「MIN」のしるしがあり、クーラント液の液面がこの印の間にあれば異常はありません。液面が「MIN」よりも下にある場合はクーラント液を補充しましょう。
BMWのクーラント交換時期
クーラント液の交換時期の目安は2年ごとです。継続車検に合わせて交換を行いましょう。クーラント液は長寿命化が進んでおり、スーパーロングLLCと呼ばれる商品もあります。
スーパーロングLLCは、成分が強化されておりシビアな濃度管理が必要です。新車の場合で、最初の交換が「平均走行距離16万kmまたは7年後」になります。2回目以降は「平均走行距離8万kmまたは4年毎」となるので、忘れずに交換しましょう。
プロに頼もう!クーラントを点検してもらえる場所
クーラント液が減っている場合は、どこかの部品に不具合が発生していることもあるため、プロに点検してもらった方が安心です。点検できる場所は、ディーラーやカー用品店、修理工場などがあります。それぞれの店舗のメリットとデメリットを知って、自分に合うお店を探しましょう。
ディーラー
ディーラーはメーカーと特約店契約を結んでいるため、そのメーカーの車のみを取り扱っています。スタッフのサービスや技術水準などがメーカー基準で統一されているため、全国どの店舗でも一定の水準をクリアしたサービスが受けられます。
ディーラーで整備などを行った場合、ほかの店舗に比べると割高となる傾向にあります。ディーラーではメーカーの純正品を使用するためコストがかかってしまいますが、その分安心して修理を受けることができます。
カー用品店
カー用品店では各メーカーの純正品だけでなく、メーカーや車種に関係なく使用することができる汎用タイプの製品も取り扱っています。店舗数も多いため気軽に入店できるのもメリットでしょう。
整備士の人数やピット数が多く、ディーラーと異なりカー用品の在庫も豊富にあるため、比較的短時間で修理できるのも魅力です。
しかし外車など特殊な車種の場合は、カー用品店では修理など対応できない場合があります。また難しい作業を必要とする修理の場合も対応できないことがあるので注意してください。
整備工場
整備工場やチューニングショップでは1店舗ごとに経営している店舗が多いため、行きつけの店を決めておけば親身になった相談を受けることができます。故障部分について詳しい説明があるケースも多いので車にも詳しくなれるでしょう。
チューニングショップは車が好きな人が集まる場所でもあるので、お客さん同士で情報交換を行ったり、チューニングショップが開催するサーキットなどに参加したりとメリットがあります。
デメリットは、個人経営のお店が多いため技術水準が分かりにくくお店選びが難しい点です。お店によっては整備士の人数が少なく、修理に時間がかかってしまう場合もあります。また定休日もあるので、車が故障してもすぐに修理を受けられないケースも考えられます。
BMWをはじめとする車のクーラント交換費用は?
交換するクーラント液のタイプやどの店舗で交換するかによっても費用は変わってきますが、排気量が2,000ccまでの車だと4,000円~7,000円程度、排気量が2,001cc以上の車では4,500円~8,000円程度の費用がかかります。
詳細な費用を知りたい場合はお近くのお店に確認しましょう。車検などほかの整備と同時に行うことで費用を抑えられる場合もあります。
まとめ
エンジンを冷やすクーラント液には、エンジンの故障を防いでくれる役割があります。オーバーヒートしてエンジンが故障した場合、高額な修理費用が必要となるので、定期的にクーラント液の点検を行いましょう。
交換期限を過ぎて使用した場合、十分な性能を発揮できず不具合が起きる危険性があるので、忘れずに交換してください。
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