ワゴンR RR-DIの走行性能とは?燃費や外装・内装の特徴も紹介
軽自動車の常識を覆す高性能モデルとして、その名を轟かせたワゴンR RR-DIは、当時の軽自動車としては最高レベルの出力を誇り、スポーティーな走りを実現したモデルです。
インタークーラー付きターボエンジンを搭載し、高速走行時の安定性にも優れたRR-DIは、今でも多くの自動車ファンから支持されています。このモデルが実現した革新的な性能と、その技術的な秘密について詳しく見ていきましょう。
※目次※
・ワゴンR RR-DIは2003年に登場し、軽自動車初の直噴ターボエンジンで64PSの出力を実現した。
・ワゴンR RR-DIは特に市街地での軽快な走りが強みで、高い車高にもかかわらず優れたコーナリング性能を発揮する。
・ワゴンR RR-DIは、RR専用のフロントグリルやバンパー、タコメーター付き自発光メーターやスポーツシートなど、スポーティーな内外装である。
ワゴンR RR-DIのエンジン性能と特徴
2003年に登場したRR-DIは、軽自動車初の直噴ターボエンジンを搭載し、高出力と低燃費を両立させました。複数の先進技術を組み合わせることで、軽自動車の常識を超えた性能を実現しています。
まずは、エンジンの仕組みや特徴、実際の走行性能について見ていきましょう。
ワゴンR RR-DIのインタークーラー付きターボエンジンの仕組み
ワゴンR RR-DIのインタークーラー付きターボエンジンは、軽自動車の性能向上に革新をもたらした画期的な技術です。排気ガスの力を利用してタービンを回転させ、圧縮した空気をエンジンへ送り込むことで、効率的な燃料燃焼を実現しました。
圧縮された空気は高温になりやすく、そのままではエンジンの性能低下を招くため、インタークーラーで冷却することで出力向上と安定性を確保しています。
2003年に登場したRR-DIは、軽自動車のターボエンジンとして初めて直噴(DI)方式を採用し、燃料を直接シリンダー内に噴射することで燃焼効率を大幅に向上させました。これらの先進技術により、高出力と低燃費を両立させたエンジンシステムが実現したわけです。
ワゴンR RR-DIが最高出力64PSを実現する秘密
ワゴンR RR-DIは、軽自動車のターボエンジンとして画期的な直噴(DI)方式を採用することで、点火プラグ付近への直接的な燃料噴射を実現し、最高出力64PSという高性能を達成しました。この高出力を支える技術は、主に3つあります。
・インタークーラーターボにより圧縮空気を冷却し、エンジンに多くの空気を送り込む技術
・DOHC 12バルブ機構による吸排気効率の向上
・電子制御燃料噴射装置による燃料噴射量の制御
高出力と低燃費を両立させたこれらの革新的な技術により、軽自動車の常識を超えた走行性能が実現しました。
ワゴンR RR-DIの加速性能
ワゴンR RR-DIの最大の特徴は、市街地での軽快な走行性能です。発進から中間加速まで、ターボエンジンならではの力強い走りを実現しています。
特に70km/h~80km/hからの再加速では、直噴エンジンとターボの組み合わせにより、アクセルを踏み込むだけでスムーズな加速が得られるのが強みです。
また、車高が高めに設定されているものの、専用チューニングが施された足回りにより、ハンドリングが安定しています。ただし、高速道路での巡航時は、軽自動車特有の車体サイズによる制約から、加速性能は若干低下するでしょう。
ワゴンR RR-DIは、市街地走行に特化した都市型スポーツモデルといえるでしょう。
ワゴンR RR-DIの走行性能と乗り心地
ワゴンR RR-DIの走行性能を特徴付ける重要な要素が、サスペンションとコーナリング性能です。専用設計のスポーツサスペンションと空力性能の向上により、軽自動車の限界に挑戦した走りを実現しています。
ここでは、RR-DIが持つ走行性能の特徴について、サスペンション設定がもたらす効果と、実際の走行シーンでの挙動についてチェックしましょう。
ワゴンR RR-DIのスポーツサスペンションがもたらす走行安定性
ワゴンR RR-DIには、専用設計のスポーツサスペンションが採用されています。通常のワゴンRより硬めのチューニングにより、車体の挙動を効果的に抑制する仕組みです。
1,635mm(2WD)という高い車高にもかかわらず、コーナリング時の安定性が優れています。車体のロールを効果的に抑え、ワイドタイヤの装着による高いグリップ力と相まって、スポーティーな走りを楽しめるでしょう。
時速70km/h~80km/hからの加速でも、ストレスのない軽快な走行が可能です。ただし、このスポーツサスペンションは路面の凹凸を拾いやすく、乗り心地は通常モデルより硬めといわれています。これは、走行性能を重視した結果といえるでしょう。
ワゴンR RR-DIのコーナリング性能と高速走行時の安定性
専用エアロパーツと低い最低地上高により、優れた空力性能を実現したワゴンR RR-DIは、コーナリング性能と高速走行時の安定性で軽自動車の限界に挑戦したモデルです。
最小回転半径4.4mという小回り性能と、スポーツサスペンションによる安定した挙動により、意のままに運転できるでしょう。中速コーナーでは、ワイドタイヤとの相乗効果で軽快な走りを楽しめます。
高速道路での巡航性能も十分で、追い越し時の加速にも余裕があるでしょう。ただし、長距離走行では軽自動車特有の不安定さは否めず、都市部での機動性を重視したユーザーに最適な一台といえます。
ワゴンR RR-DIの外観・内装の特徴と機能性
ワゴンR RR-DIの外観・内装は、スポーツモデルとしての個性と実用性を両立させた設計が特徴です。RR専用デザインの採用から、運転の楽しさを演出する装備まで、具体的な特徴を見ていきましょう。
ワゴンR RR-DIの外観の特徴
スポーティーな印象を強調したRR専用のフロントグリルとバンパーが、上級スポーツモデルとしての存在感を演出します。
サイドビューでは、直立気味のフロントウィンドウで室内の広さを確保し、165/55R14サイズのワイドタイヤとラウンドリムタイプのアルミホイールが、スポーティーな印象です。
リアゲートには、歴代ワゴンRの最速モデルにのみ与えられる「RR」のロゴマークを配置しました。2005年9月のマイナーチェンジでは、フロントグリルやバンパーのデザインを一新しています。
シンプルで機能的な中にもスポーティーさを取り入れた外観は、実用性と走りの楽しさを両立したRR-DIの特徴をよく表現しているといえるでしょう。
ワゴンR RR-DIの内装の特徴と収納スペース
運転席にはタコメーター付き自発光メーターを採用し、スポーティーな雰囲気を演出しています。エアフィルター付きオートエアコンや、6スピーカー付きMD・CDプレイヤーなど、快適装備も満載です。
コラム式4速ATの採用により広々とした足元を確保し、前後席ともに大人2名ずつがゆったりと座れるスペースを実現しました。後席には左右独立のスライド機構を採用し、乗員の体格に合わせた細かな調整が可能です。
荷室は、リアシートを後方に下げた状態でも、日常的な買い物に十分な容量を確保しています。シートを片側または両方を前倒しすることで、フラットなカーゴスペースを作り出せるのもポイントです。
助手席下には取っ手付きの収納ボックスを装備し、取り外してバケツとしても使用できるなど、細部まで実用性を追求しています。
ワゴンR RR-DIのメンテナンスと中古車市場での評価
ワゴンR RR-DIを長く快適に使用するためには、適切なメンテナンスと状態の良い個体の選定が重要です。ターボエンジンの特性を理解し、定期的な点検整備を行うことで、故障リスクを軽減できます。
最後に、RR-DIのメンテナンス時の注意点や故障傾向、そして中古車市場での評価や価格相場について見ていきましょう。
ワゴンR RR-DIのターボエンジンの整備と故障傾向
ワゴンR RR-DIのターボエンジンは、定期的なメンテナンスが欠かせません。直噴エンジンの特性上、エンジン内部にスス状の汚れが付着しやすく、これが不調の原因となることがあります。
特に注意が必要なのは、高圧燃料ポンプの状態です。エンジンオイルにガソリンが混入すると、ガソリン臭が強くなります。
これは、直噴ポンプの内部リークが原因であることが多いため、早期発見が重要です。また、EGRバルブにカーボンが堆積し、アイドリング不調やエンストの原因となることもあります。
さらに、燃料タンクのさびにも要注意です。タンク内部のさびは燃料の変色や燃料ポンプの故障につながり、修理は高額になりやすいため、予防的なメンテナンスを心がけましょう。
ワゴンR RR-DIの中古車市場での評価と価格相場
2024年現在、ワゴンR RR-DIの中古車価格は15万円~49万円程度で推移しており、走行距離は5万km~18万km前後までと幅広く分布しています。新車価格約126万円からすると、比較的手頃な価格で購入可能です。
人気の装備としては、ETC・キーレスエントリー・ナビ・TVなどが挙げられ、特に2007年5月発売の最終モデルは高い人気を誇ります。なお、買取相場は5万円程度のようです。
まとめ
スズキが誇るハイパフォーマンス軽自動車「ワゴンR RR-DI」は、インタークーラー付きターボエンジンにより最高出力64PSを実現し、低速から高速まで安定した走行性能を発揮します。
スポーティーな外装デザインと専用シート、メーターパネルを採用した上質な内装も特徴で、カタログ燃費は17.4km/L~19.0km/Lと実用的です。ただし、ターボエンジンの特性上、定期的なオイル交換とターボ系統の点検が重要となります。
適切なメンテナンスを行えば10万km以上の走行も可能ですが、中古車購入時は整備記録や走行距離、エンジン音などの入念な確認が必須です。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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