【ハリアー vs CX-5】買うならどっち?ジャーナリストが徹底比較
人気の高い都市型SUVであるハリアーとCX-5をご存じでしょうか。どちらもSUVの定番モデルであり、サイズ感も近いため購入を検討する際に、比較して悩むという人もいることでしょう。
今回はそんな人気SUVの2車種を比較してご紹介していきます。自身のカーライフにはどちらが合っているのか記事を読みながらチェックしてみましょう。
※目次※
・両車の特徴をチェック
・各部で両車を細かく比較
・それぞれのどんなカーライフの人にオススメ?
ハリアーとCX-5の特徴をチェック
ミドルサイズSUVというサイズ感、オフロードよりもオンロードが似合うアーバンなデザインなど共通点が多いハリアーとCX-5ですが、両車の特徴的なポイントを簡単に見ていきましょう。
トヨタハリアーの特徴
ハリアーの特徴は高級感溢れるデザインとインテリアの質感です。初代モデルは海外市場でレクサスRXとして販売され、「高級クロスオーバーSUV」という新たなジャンルを切り開きました。
現行モデルもクーペのようなルーフラインや流れるようなランプ類のデザインを多用し美しいSUVデザインに仕上げられています。また、高級感たっぷりなインテリアと各種装備も特徴的なポイントです。
また、2022年9月にプラグインハイブリッドが追加されましたが、コチラは価格が一段階高いため今回は比較対象からは外して考えることとします。
マツダCX-5の特徴
現行CX-5は2017年から販売されていて、2021年に大幅改良でデザインなどにも変更が加えられました。販売開始から長い期間が経過していますが、マツダの中では現在でもトップクラスで人気の車種となっています。
その理由は適度なサイズ感とコストパフォーマンスに優れる装備内容、そして大幅改良によって商品の新鮮さが保たれているポイントです。
また、他の国産SUVにない特徴としてはディーゼルエンジンが選べる点も挙げられます。現代のマツダブランドを牽引する1台と言えるでしょう。
ボディサイズ比較
ミドルサイズSUVに分類されることが多いハリアーとCX-5ですが、それぞれのボディサイズを見てみましょう。(単位はmm)
ハリアーのボディサイズ
全長:4,740mm
全幅:1,855mm
全高:1,660mm
ホイールベース:2,690mm
最低地上高:190~195mm
CX-5のボディサイズ
全長:4,575mm
全幅:1,845mm
全高:1,690mm
ホイールベース:2,700mm
最低地上高:210mm
ボディサイズで大きく差があるのは全長です。その差は165mmですが、大きなポイントとしてはハリアーの全長が4,700mmを超えているということでしょう。
近年ではこの数値の制限がある駐車場も少なくなりましたが、全長4.7mというのは駐車場の制限におけるひとつの壁となっている場合もあります。この点は購入を検討する際に自身が契約している駐車場の条件をチェックしておきましょう。
また、最低地上高はCX-5の方が20mmほど高い設計です。どちらも都市SUVに分類されることが多いですが、アウトドアやウィンターシーズンでの悪路走破性や下回りのクリアランスに関しては若干CX-5の方に分があると言えます。
エクステリアデザイン
どちらもSUVとしては舗装されていない悪路よりも、都市部のアスファルトを走るのが似合うデザインとなっていますが、各々のキャラクターは異なります。
SUVとしてはオーソドックスなデザインを採用しているCX-5に対し、ハリアーはよりデザイン性を重視した形です。
CX-5はマツダのデザインコンセプトである魂動デザインを基調とし、先代モデルよりも全体的に立体感を強めたデザインとなっています。
しかしながら横から見たシルエットはオーソドックスなSUVのものとなっており、さまざまなシチュエーションに馴染むデザインを体現していると言えるでしょう。
対するハリアーはルーフからテールエンドのラインに大きな特徴が表れているように、クーペを思わせるようなCピラーを絞り込んだ比較的見た目重視のデザインを採用しています。
また、グリルからヘッドライトに流れるような連続的なラインや一文字のテールランプなど近年のデザインのトレンドを多く取り入れたデザインとなっているのが特徴的です。
積載力比較
ハリアーは5人乗車時にゴルフバッグが3つ積載することが可能で、リアシートは6:4分割で倒すことができます。
リアシートを倒したときは床面がフラットになり、常識的な実用性を確保していると言えるでしょう。また、デッキボード下にも収納スペースを用意しています。
対するCX-5は5人乗車時にゴルフバッグ4つが積載可能となっていて、デッキボードの高さが変更できる他、床下には大容量のサブトランクが用意されています。
また、リアシートは4:2:4での分割ができるため、長物を積載する時でも4人乗車が可能です。なお、足元の操作だけでリアトランクの開閉が可能なハンズフリーパワーバックドアは両車共に用意があります。
両車を比べてみると積載性やラゲッジスペースの利便性に関してはCX-5の方が優位と言えますが、これはデザイン重視でルーフからリアエンドにかけて絞り込んだラインとなったハリアーが犠牲にした部分と言えるでしょう。
走行性能比較
両車の走行性能を比較する上で大きなポイントとなるのがパワーユニットです。どちらも複数のパワーユニットを用意していますが、メーカーイチオシのパワーユニットとしてハリアーがハイブリッドなのに対して、CX-5はディーゼルとなっています。
パワーユニットから現れる違いとしては、ハリアーは低速から力強くスムーズで静かな走りが魅力です。
対してCX-5ディーゼルエンジン特有の低回転トルクの大きさはありますが、最大トルクを直ぐに発生するモーターを使ったハイブリッドを採用しているハリアーに対しては、出だしの力強さとスムーズ、静粛性は一歩敵わないと言ったところです。
一方で、サスペンションはCX-5の方がややハードに仕上げられている印象です。
また、ハンドル操作に応じてトルク配分とブレーキによる姿勢安定化制御をコントロールするG-ベクタリング コントロール プラスが採用されています。これにより、安心感があり思い通りに曲がるフィーリングを体感できるでしょう。
これらのメカニズムにより高速道路での長距離ドライブでの安定性などはCX-5の方がやや優位という印象を受けます。
装備比較
トヨタ車に初採用された調光パノラマルーフや人が乗っていない席の空調を抑制するS-FLOWと言った最新の装備があるか否かといった部分は、登場が新しいハリアーの方が充実していると言えます。
また、モニターはCX-5が10.25インチなのに対して、ハリアーは12.3インチと大きくなっていて、この点も先進性を感じる部分と言えるでしょう。
しかし、CX-5も装備が充実していないという訳ではありません。
サンルーフやシートヒーター、ステアリングヒーター、ハイエンドオーディオといった快適・豪華装備だって装備することが可能ですし、置くだけ重電といった現代のモデルとして欲しい利便性の高い装備も用意があります。
どちらも実用で考えると装備に差はさほどありませんが、最新かつ先進の装備を備えたいという一部の人にとってはハリアーの方に軍配が上がると言えそうです。
燃費比較
燃費性能は上級グレードで考えた場合(ハリアー2WDハイブリッド、CX-5 ディーゼル2WD)ハリアーはWLTCモード22.3km/Lで CX-5は17.4km/Lとなっています。
トヨタのハイブリッドシステムは優秀で燃費性能に優れているため致し方無い部分であると言えるでしょう。
しかし、ディーゼルエンジンが得意としているのは高速道路での燃費性能の高さです。高速道路モードでのCX-5の燃費は19.5km/Lとなっています。ハリアーは22.1km/Lとより高い燃費性能ですが、燃料代は軽油を使用するCX-5の方が安く済みます。
街中でのストップ&ゴーが多いのであれば燃費性能はハリアーの方が優れているのは間違いないですが、燃料代も加味して考えると高速道路での移動が多い使い方ならばCX-5も経済的にはいい勝負と言えるでしょう。
価格比較
両車の価格帯は以下の通りです。
ハリアー:312万8,000円~514万8,000円
CX-5:290万9,500円~422万5,100円
エントリーグレードの乗り出し価格は似通っていますが、充実した装備を選んでいくとCX-5の方が、お買い得感が高いと言えるでしょう。
また、CX-5は装備内容を見てもグレードの選択肢が比較的広いのに対して、ハリアーは車格やキャラクターを考えると欲しくなる装備が用意されているのが実質的に上級グレードのZ系になってしまうのがネックです。
レザーシートが欲しいとなると最上級グレードのZ“Leather Package”しか選択肢はありません。実質的なグレード選択が上級グレードのみになってしまい、実売価格が高くなるという点を考えると購入金額はCX-5の方がリーズナブルと言えそうです。
それぞれどんな人にオススメ?
それぞれ得意不得意があるハリアーとCX-5ですが、これまでの情報を踏まえてどんな人にそれぞれどちらが向いているかを改めて見つめ直してみましょう。
ハリアーがオススメの人
CX-5に対するハリアーの利点は、優れた燃費性能と先進性、低速域での乗り心地や静粛性といった快適性の高さです。街中での高い燃費性能やハイブリッド特有の静けさなどが欲しい人はハリアーの方がオススメと言えます。
また、CX-5が国産SUVの中ではややハードなサスペンションを装着しているのもありますが、乗り心地に関してはハリアーの方が優れていると言えます。燃費や乗り心地、街中での快適性を重視する人にハリアーはオススメです。
CX-5がオススメの人
ハリアーに対するCX-5の利点は、積載性と高速域での安定性、価格設定の安さやグレード選択の豊富さなどが挙げられます。
両車とも都市型SUVに分類されることが多いですが、CX-5にはオフロードテイストを加えたグレードであるフィールドジャーニーも用意されるため、多くの荷物を積む機会が多い人やアウトドアも楽しみたい人はCX-5のほうが適した選択と言えるでしょう。
豊富なグレードから選ぶ楽しみを味わいたい人、高速道路での移動が多い人にCX-5はオススメと言えます。
まとめ
人気の国産ミドルサイズSUVであるハリアーとCX-5を細かく比較して紹介してきました。それぞれに得意不得意がありますが、その得意不得意を自身のカーライフと照らし合わせてみればどちらの選択肢が自身に適しているかが見えてくるハズです。
いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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▼ライタープロフィール
西川昇吾
自動車ライター
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」