車のへこみを修理するには?DIY修理と業者依頼のメリットとデメリットを紹介
愛車のボディにへこみを見つけたとき、多くの方が頭を悩ませるのではないでしょうか。駐車場での接触事故やショッピングカートの衝突など、少しの不注意でも車のボディは傷が付きやすいものです。
へこみを放置してしまうとさびの原因となり、車の寿命を縮めてしまう可能性があります。へこみの修理方法としてDIYと専門業者への依頼の2通りがありますが、修理にかかる費用や仕上がりはそれぞれ異なるため、十分な注意が必要です。
そこでこの記事では、車のへこみ修理に関する疑問について詳しく解説します。業者に依頼する際の注意点も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
※目次※
3.車のへこみの修理を業者に依頼する場合のメリットとデメリット
・車のへこみ修理は、DIYなら費用を抑えられる一方、業者依頼なら確実な仕上がりが期待できる。
・へこみの修理費用は部位によって異なり、サイドステップなら2万円~3万円、トランクなら5万円~15万円程度の費用がかかる。
・へこみは放置するとさびの原因となるため早めの修理が重要。へこみの修理で保険を利用する際には補償内容の確認が大切。
車のへこみを自分で修理する場合のメリットとデメリット
車のへこみを自分で修理する際、事前にメリットとデメリットを十分に理解しておくのが重要です。安易に作業を始めてしまうと、かえって状態を悪化させたり、余計な出費を強いられたりする可能性があります。
自分の技術レベルや修理箇所の状態、作業にかけられる時間など、さまざまな要素を考慮した上で修理方法を選択しましょう。ここでは、DIY修理のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
車のへこみを自分で修理する場合のメリット
車のへこみを自分で修理する最大の利点は、修理費用を抑えられることです。専門業者に依頼すると一定の修理費用がかかりますが、DIYなら市販のリペアキットなどの費用だけで済ませられます。軽度なへこみであれば、比較的簡単に修理できるでしょう。
また、修理のタイミングを自由に選べることも大きなメリットです。仕事や家事の合間を見て作業を進められるため、生活リズムを崩すことなく修理に取り組めます。車の持ち込みや引き取りの手間も省けるため、時間を有効に活用できるでしょう。
車のへこみを自分で修理する場合のデメリット
自己修理のデメリットのひとつは、プロの技術に比べて仕上がりの質が劣ることです。へこみを元の状態に戻すには、熱処理や引っ張り出し、研磨など、高度な技術が求められます。
誤った方法で作業を進めてしまうと、かえって車体に傷を付けてしまったり、修復が困難な状態を招いたりする危険性もあるでしょう。また、近年の車両には高性能な安全装置が搭載されており、修理作業でセンサーの位置がずれると、重大な事故につながる可能性もあります。
さらに、不適切な修理は車の査定額を下げる原因にもなりかねません。また、手間と時間をかけたにもかかわらず、満足のいく仕上がりが得られないというリスクも考慮する必要があります。
車のへこみを自分で修理する方法
車のへこみ修理を業者に依頼するのではなく、自力で修理したいと考える方もいるのではないでしょうか。
決して簡単な作業ではないため、全ての方にはおすすめできませんが、業者に依頼するより費用を安く抑えられるのがメリットです。ここでは、自力で修理する方法と費用について見ていきましょう。
ドライヤーで温めて修理する
自力で直す際には、家庭で使っているドライヤーを使用しましょう。例えば、バンパーのような樹脂製のパーツは熱風を当て続けることで柔らかくなり、変形しやすい状態になります。
十分に温まったら、今度は冷却スプレーを吹きかけて一気に冷やしましょう。一度では直らなくても、温めて冷やすことを繰り返せば、少しずつへこみが解消します。
ただし、この方法で直せるのは表面的な傷だけです。内部にまで損傷が広がっている傷は直せません。また、樹脂製のパーツは温めすぎると溶ける恐れがあります。温めるときは決して目を離さずに、状態を確認しながら作業を進めましょう。
ハンマーで裏側からたたいて修理する
樹脂製のハンマーで裏側からたたくことで、へこみを元に戻したり形を整えたりするのもひとつの方法です。ただし、へこみの裏側にスペースがなければハンマーでたたけません。
損傷箇所によっては内装を取り外さなければならないので、車の構造に詳しくないと難しいでしょう。内装を取り外すためには専用工具が必要です。また、外した内装を元に戻せなくなる恐れもあります。
専用工具の購入費用や失敗したときのリスクを考えると、あまり手軽な方法とはいえません。普段から車をカスタマイズする方向けの方法なので、車の知識に自信がない方は避けたほうがよいでしょう。
市販修理キットを使って修理する
市販されている修理キットは、一般的に「デントリペアキット」と呼ばれています。車のへこみを直すための専用キットで、2,000円程度で手に入る場合がほとんどです。リーズナブルなので手軽に試せるでしょう。
修理する際には、専用の工具を使ってへこんだ部分を引っ張り出します。ただし、内側に工具が入らない箇所では使用できません。部品を取り外す場合もあるため、修理には最低限の知識が必要です。
キットに説明書が付いている場合もありますが、車に詳しくない方だと正しく理解できるとは限らないでしょう。また、内部の電装ケーブルに傷を付けると故障の原因になるといったリスクもあります。
パテ塗りで修理する
へこみだけでなく、傷や塗装の剥がれがある場合、板金修理が必要です。まずは、ここまで取り上げたいずれかの方法でへこみを直しましょう。その後、塗装が剥がれている部分にパテを塗ります。
後で削って滑らかにするので、塗るときは多少でこぼこでも構いません。パテが十分に乾いてから、ヤスリを使って滑らかに仕上げます。削ったパテの上から塗装すれば、自己流の板金修理は完了です。
塗料の色が少しでも違うと、傷のある部分が目立ってしまいます。用意した塗料が車体の他の部分となじむかどうか、事前に確認しましょう。ただし、板金修理は工程が多く、専用の工具も必要です。手間をかけたくない方はプロに任せたほうがよいでしょう。
車のへこみの修理を業者に依頼する場合のメリットとデメリット
車のへこみ修理を専門業者に依頼することで、プロの技術によるきれいな仕上がりを期待できます。しかし、その選択にはメリットとデメリットが存在するため、十分な注意が必要です。
美しい仕上がりが保証される一方で、費用や時間など、検討すべき課題もあるでしょう。ここでは、実際の修理事例や相場を踏まえながら、業者依頼のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
車のへこみの修理を業者に依頼する場合のメリット
専門業者に修理を依頼するメリットは、プロによる確かな修復を期待できることです。特殊な工具と長年の経験を持つ専門家が、高度な技術を使用して修理します。
塗装が必要な場合でも、経年変化による微妙な色の違いまで考慮した調色が可能で、新車同様の美しい仕上がりが可能でしょう。
へこみによって剥がれた塗装面からサビが発生するリスクもありますが、業者なら適切な処理が可能です。熟練の技術を持つ業者に依頼すれば、自己修理では対応が難しい場所や複雑なへこみでも、きれいに修理してもらえることが期待できます。
車のへこみの修理を業者に依頼する場合のデメリット
業者依頼のデメリットのひとつは、高額な修理費用です。へこみの規模や場所によって異なりますが、一般的に数万円~数十万円程度の費用が発生します。
部品交換が必要となる場合は、さらに高額な修理費用を覚悟しなければなりません。加えて、修理には相応の時間がかかるため、車両を数日~数週間使用できなくなるケースもあるでしょう。
また、保険を利用した修理の場合、等級が下がることで次回以降の保険料が上昇する可能性があります。修理費用が比較的少額で済む場合は、保険を使用せずに現金で支払うのがよいでしょう。
なお、修理工場によって見積金額や修理期間に差が出るため、複数業者からの見積もりをおすすめします。
車のへこみの修理にかかる費用の目安
車のへこみ修理にかかる費用は、損傷箇所や修理方法によって大きく異なるため、修理を検討する際には各部位の特性や修理にかかる費用を把握しておきましょう。一般的な相場を知っておくことで、適切な修理方法の選択が可能です。
また、事前におおよその費用を把握しておくと、修理の依頼がしやすくなるでしょう。ここでは、各部位別の修理費用について詳しく解説していきます。
サイドステップのへこみを修理する際にかかる費用
サイドステップの修理費用は、一般的に2万円~3万円程度が相場です。バンパーと同様のエアロパーツ素材が使用されているため、比較的修理がしやすい部位といえます。小さなへこみであれば、デントリペア技術を用いることで2万円程度での修復が可能です。
ただし、へこみが広範囲に及ぶ場合や深い傷が伴う場合、新品パーツへの交換を検討したほうが経済的な場合もあります。見積もりを取る際は、修理と交換の費用を比較検討するとよいでしょう。
ドアのへこみを修理する際にかかる費用
ドアのへこみ修理は、小規模な場合で約2万円程度が一般的な相場です。ただし、パワーウィンドウの機構や各種配線が内部に通っているため、修理作業は複雑になりやすい特徴があります。
大きなへこみの場合、ドア全体の交換が必要となり、10万円前後まで費用がかかる恐れもあります。さらに塗装が必要な場合は追加費用がかかるでしょう。作業の難易度が高いため、複数の業者からの見積もりをおすすめします。
側面のへこみを修理する際にかかる費用
側面の修理費用は、へこみの範囲によって大きく変動する可能性が高いでしょう。小さなへこみであれば2万円~3万円程度で修復可能ですが、バンパーやフェンダーなど複数のパーツにまたがる場合は4万円~6万円程度まで上昇します。
これは修理の難易度が高くなり、より多くの作業時間と技術が必要となるためです。また、深刻な損傷の場合はパーツ交換が必要となり、さらに高額になる可能性があります。
天井のへこみを修理する際にかかる費用
天井部分の修理費用は、通常3万円~7万円程度が相場です。複数のへこみを修理する場合は、高額な費用が発生する可能性があります。
天井のへこみを修理する際、内張りの脱着が必要な場合には追加費用がかかるでしょう。作業スペースが限られるため、修理時間も長くなる傾向にあります。
トランクのへこみを修理する際にかかる費用
トランクの修理費用は5万円~15万円程度と、比較的高額になりやすいでしょう。トランク部分は複雑な曲面構造を持ち、開閉機構や各種センサー類への配慮が必要なためです。
小さなへこみであればデントリペアでの修理で済みますが、大きな損傷の場合はパーツ交換が必要です。車種によっては15万円以上かかることもあるでしょう。修理方法を決定する際には、へこみの状態と予算を考慮して慎重に判断する必要があります。
バンパーのへこみを修理する際にかかる費用
バンパーの修理費用は、一般的に3万円程度が相場です。樹脂製の特殊素材を使用しているため、専門的な技術が求められます。
へこみが大きくバンパー交換が必要な場合は6万円以上かかり、輸入車の場合はさらに高額になる可能性が高いでしょう。また、塗装が必要な場合は追加の費用が発生します。修理業者の選択肢も多いため、複数の見積もりを取得してから比較検討するとよいでしょう。
車のへこみの修理にかかる費用が高額になりやすい理由
車のへこみ修理が高額になる理由には、作業工程の複雑さと専門的な設備投資が大きく関係しています。修理には入念な下処理から最終仕上げまで、多くの工程と時間が必要です。
また、特殊な工具や設備、そして熟練した技術者の確かな技術力も求められるでしょう。これらの要素が重なり合って、修理費用が高額になっているのです。ここでは、車のへこみの修理にかかる費用が高額になりやすい理由についてご紹介します。
下処理工程を行う必要がある
車のへこみ修理では、美しい仕上がりを実現するために複数の下処理工程が必要です。最初に、へこんだ部分を専用の工具で引き出しやたたき出しを行い、元の形状に近づけます。
その後、特殊な充填剤であるパテを使用して表面を整え、乾燥後に入念な研磨作業を行うのです。さらに、下地処理としてサフェーサーと呼ばれる専用塗料を塗布し、再度の乾燥と研磨作業を経て、最終的な塗装工程へと進みます。
これらの工程は省略できません。それぞれに時間と専門的な材料が必要となるため、結果として修理費用に大きな影響を与えます。
特殊な工具を使用する
高品質な修理を実現するには、専門的な工具や設備が欠かせません。特に重要となるのが、塗装作業を行うための専用ブースです。わずかなほこりや異物も塗装の仕上がりに影響を与えるため、空調管理された清潔な環境での作業が求められます。
また、へこみの修正に使用するデントツールや塗装用のスプレーガンなど、高価な専門工具も必要です。さらに、有機溶剤を使用する塗装作業には、専用の換気設備や作業者の安全を守る防護具などを用意します。これらの設備投資によって、高額な修理費用がかかることもあります。
専門の知識や技術が求められる
車のへこみ修理には、長年の経験で培われた専門知識と高度な技術力が必要です。特に、新車時の色と一致させるための調色作業、へこみを元の形状に戻すための引き出し・たたき出し作業などには、熟練の技が求められます。
また、パテ埋めや研磨作業でも、適切な力加減や角度、使用する道具の選定など、細かな判断が必要です。さらに、温度や湿度による塗装への影響を考慮し、塗料の種類や量、乾燥時間なども状況に応じて適切に判断しなければなりません。
これらの専門的な技術と知識を持つ熟練工の人件費も、修理費用に反映される重要な要素です。
車のへこみの修理を業者に依頼する際のポイント
車のへこみ修理を依頼できる業者はさまざまです。そこで、重要になるのは「どの業者を選ぶか」という点です。車がへこんでしまったという経験が初めての方は、依頼先に悩んでしまうこともあるでしょう。
ここからは、業者に依頼する際にチェックしておきたいポイントについて解説します。メリット・デメリットや修理期間の目安を確認しておきましょう。
メリットとデメリットを確認
車のへこみ修理を依頼する際の主な選択肢は、板金塗装専業店、カー用品店、ガソリンスタンド、車検専門店などです。
板金塗装専業店では、車の修理を専門としているため、安心して依頼できます。また、専門店ならではの効率的な作業により、比較的費用を抑えられるのも大きな利点です。ただし、依頼先によって仕上がりの品質に差が出やすいという課題があります。
一方、カー用品店、ガソリンスタンド、車検専門店では、軽度なへこみであれば迅速な対応が期待できます。また、普段から利用している店舗であれば、スムーズな作業の進行も期待できるでしょう。ただし、大きなへこみの修理には対応できないケースもあります。
修理を依頼する際は、これらのメリットとデメリットを考慮しながら、へこみの状態や希望する仕上がりの品質に応じて、適切な業者を選択しましょう。
修理期間目安を確認
5cm~15cm四方の小さなへこみであれば、半日~1日程度で直るケースが多いでしょう。1辺が20cmを超える大きなへこみや、複数のへこみがある場合は、4日~5日ほどの期間を必要とするケースが大半です。
また、修理する箇所によってもかかる時間は異なります。例えば、同じバンパーでもフロントバンパーは2日、リアバンパーは4日が目安といったように日数に差が出ます。またクォーターパネルやドアなどは5日程度と修理に時間がかかる傾向にあります。
車のへこみを業者に依頼する際の注意点
車のへこみは小さくても放置は厳禁です。ぶつけた場所からさびが広がってしまうため、見つけたら早めに修理をするようにしましょう。
また、車両保険を利用するときにも注意点があります。ここでは、それぞれのポイントをまとめて解説します。車がへこんでしまったからといって焦らず、以下の点を事前に確認するとよいでしょう。
車のへこみを発見したら早めに修理しよう
車のへこみを発見したら、早めに対処するよう心がけましょう。車のボディには、塗装によって防錆加工が施されています。へこみや傷が付くと、塗料が剥がれてしまい、そこからボディがさびてしまうので注意が必要です。
へこみを放っておき、さびが発生してしまうと、それが塗装の内側に広がっていきます。車がどんどん劣化してしまい、長く愛車に乗り続けられなくなる可能性もありますので、早急に対応するのが大切です。
保険金の免責金額や限度額を確認しよう
車にへこみが生じたとき、場合によっては、任意保険の車両保険を適用できます。支払い要件を見て、利用できるかどうかを確かめましょう。限度額などが設定されていると、車両保険を利用できない可能性もあります。
また車両保険を利用する際は、「へこみが発生した理由」が重要です。この理由によっては、等級が下がってしまい、より多くの保険料を支払わなければなりません。割増率などを事前に確認し、どの方法が安く済むのかを見極めましょう。
まとめ
車のへこみ修理では、DIYと専門業者への依頼、どちらの選択肢もメリットとデメリットを慎重に検討する必要があります。DIY修理は費用を大幅に抑えられる一方で、技術不足による失敗や塗装剥離などの二次被害のリスクが伴うかもしれません。
専門業者への依頼は、きれいな仕上がりが期待できますが、修理箇所や作業内容によっては高額な費用が発生します。へこみの状態、予算、車の使用状況などを総合的に判断し、最適な修理方法を選ぶことが大切です。
▼ライタープロフィール
兒島裕和
2018年よりフリーランスのWebライターとして活動。車関係の記事を中心に、これまでに2,000本以上の記事を執筆。日本の普通自動車免許に加えて、EU圏内の自動車免許を2020年に取得。国内に加えて海外の自動車事情にも精通。
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