車のエンジンオイルランプが点灯したらどうする?緊急性や対処法を解説!
走行中に車のエンジンオイルランプが点灯した場合、慌ててしまう方もいるのではないでしょうか。まずは落ち着いて、冷静に対処することが大切です。ただし、警告を無視して走行を続けるとエンジンが焼き付いてしまう恐れがあるため、速やかに対処しましょう。
本記事では、車のエンジンオイルランプが点灯した際の緊急性や対処法を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※目次※
5.車のエンジンオイルランプ点灯を防ぐにはメンテナンスが重要
6.車のエンジンオイルランプが頻繁に点灯するのは買い替えのサイン?
・車のエンジンオイルランプは2種類あり、オイル不足を早期に知らせる「黄色」と危険な状態を知らせる「赤色」がある。
・車のエンジンオイルランプが黄色の場合は最寄りの整備工場まで運転しても問題ない。
・車のエンジンオイルランプが赤色の場合は安全を確保してエンジンを切ろう。
車のエンジンオイルランプとは?
車のエンジンオイルランプには黄色と赤色の2種類があり、それぞれが示す意味と緊急性は異なります。なお、警告灯・表示灯のマークは国際規格(ISO)で色や記号が決められているため、メーカーや車種、国産車や輸入車における違いはありません。
黄色はオイル量の不足を示し、比較的緊急性は低いものの早めの対応が必要です。一方、赤色は油圧低下を意味し、即時に停車が必要な緊急事態といえます。
エンジンオイルレベル警告表示:黄色
車のエンジンオイルのランプが黄色に点灯している場合、エンジンオイルの量がオイルレベルゲージの下限付近であることを示しています。「エンジンオイルレベル警告表示」や「油量警告灯」と呼ばれるこの表示は、オイル不足を早期に知らせるものです。
傾斜路に停車すると点灯する場合があるため、走行中に警告灯が付いたり消えたりする場合は、水平路面に移動した状態で点灯するかどうか確認しましょう。
油圧警告灯:赤色
車のエンジンオイルのランプが赤色に点灯している場合、エンジンオイルの圧力低下を示しています。「油圧警告灯」と呼ばれるこの表示は、エンジン内部の潤滑機能が著しく低下している危険な状態を知らせる警告灯です。
黄色のエンジンオイルのランプとは異なり、赤色は即時対応が必要な深刻な状況を意味します。この状態でエンジン回転を続けると内部の温度が急激に上昇し、エンジンの焼き付きを引き起こすため注意が必要です。
車のエンジンオイルランプが点灯する理由
エンジンオイルランプが点灯する主な理由には、エンジンオイルの燃焼によるオイル量の減少、オイルポンプの故障による油圧低下、オイル漏れによるオイル量の不足が考えられます。
ここでは、エンジンオイルランプが点灯する3つの理由について解説します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
エンジンオイルの燃焼
基本的にエンジンの燃焼室は密閉されていますが、完全に密閉されているわけではありません。正常なエンジンでも、エンジンオイルは徐々に燃焼することで減少します。エンジン内部の燃焼室にオイルが侵入し、ガソリンとともに燃焼されるのは自然な現象です。
一方、不具合によって通常よりもエンジンオイルの減りが早くなることもあります。ピストンリングやステムシームの摩耗により、エンジンオイルが燃焼室に侵入する量が増える「オイル上がり」や「オイル下がり」と呼ばれる現象です。
エンジンオイルが減少し適正量を下回った場合、エンジンオイルランプが点灯します。
オイルポンプの機能低下
オイルポンプは、エンジン内部でオイルを循環させる重要な部品です。エンジンの最下部に位置する「オイルパン」からエンジンオイルを汲み上げ、エンジン内を循環させます。
このポンプにエンジン内部で発生した金属の摩耗粉などの異物が混入すると、エンジンオイルの循環が妨げられ油圧が低下する恐れがあり、車のエンジンオイルランプ点灯につながります。放置すると、オイルポンプの損傷につながるため注意が必要です。
オイル漏れ
車のエンジンが直接的な損傷を受けたり、経年によって隙間ができたりすることで、エンジンオイルランプが点灯するケースもあります。
漏れを確認するには、エンジンルーム内の各部品や接合部にオイルのにじみがないか目視で確認しましょう。また、オイル漏れが考えられる箇所は多岐にわたりますが、アンダーカバーなどで覆われているため、漏れている箇所が見つけにくくなっています。
また、駐車場所の地面に油の跡がないか定期的に確認することも大切です。
車のエンジンオイルランプ点灯時の対処法
エンジンオイルランプが点灯したときは、その色の意味を把握した上で適切な対処が必要です。それぞれ緊急性と必要な対応が異なるため、正しい知識を持つことが車のトラブルを最小限に抑える鍵となります。
ここでは、車のエンジンオイルランプ点灯時の対処法を色ごとに解説します。なお、赤色のエンジンオイルランプの点灯は、緊急事態であることを理解しておきましょう。
エンジンオイルランプが黄色の場合
黄色のエンジンオイルランプが点灯した場合は、最寄りのディーラーや整備工場までの走行に支障はありませんので、なるべく早く工場へ持ち込みましょう。エンジンオイルの量が減少していることを示しているものの、緊急性はそれほど高くありません。
ただし、黄色のエンジンオイルランプを無視して走行を続けると、さらにオイル量が減少し、最終的には赤色のエンジンオイルランプが点灯します。赤色のエンジンオイルランプが点灯しないうちにエンジンオイルを補充(交換)をすることが重要です。
エンジンオイルランプが赤色の場合
赤色のエンジンオイルランプが点灯した場合は、すぐにエンジンを停止する必要があります。まずは、安全に停車できる場所へ移動した上でエンジンを停止しましょう。次に、オイル量を確認してください。不足している場合は、エンジンオイルを補充します。
しかし、オイル量が正常であるにもかかわらずランプが点灯している場合は、より深刻な問題が考えられます。危険な状態であるため自分で車を運転せず、ディーラーやカーショップ、ロードサービスなどに連絡しましょう。
車のエンジンオイルランプ点灯時のオイル量の確認方法
車のエンジンオイルランプが点灯した際は、オイル量を確認しましょう。エンジンを切った状態かつ、十分に冷めていることを確認した上で行うことが大切です。
まずは車のボンネットを開け、リング状(オレンジ・黄色・白など)のオイルレベルゲージを探しましょう。ゲージを引き抜き、ティッシュやペーパータオルなどで拭き取り、汚れ具合を確認します。色だけでエンジンオイルの状態を判断するのは難しいものの、こげ茶色や黒色はエンジンオイルを交換するひとつの目安となります。
次にゲージを元に戻し、再度引き抜いてオイル量をチェックしましょう。オイルゲージ先端の「F」(上限)と「L」(下限)の間にオイルの跡があれば適切な量ですが、「L」を下回る場合はオイル不足です。
車のエンジンオイルランプ点灯を防ぐにはメンテナンスが重要
車のエンジンオイルランプの点灯を防ぐには、適切なメンテナンスが欠かせません。定期的なエンジンオイル交換とオイル漏れの確認を行うことで、エンジントラブルの発生リスクを減らせます。 適切に手入れをすれば、愛車を長く安全に使い続けられるでしょう。
ここでは、エンジンオイルの交換目安やオイル漏れの確認方法について解説します。
定期的なエンジンオイル交換の実施
定期的なエンジンオイル交換は、車のオイルランプ点灯を未然に防ぐために欠かせないメンテナンスです。エンジンオイルは経年劣化や走行を重ねることで徐々に劣化し、本来の性能が失われていきます。
なお、適切なエンジンオイルの交換時期は車種や使用状況によって異なりますので、メンテナンスノート(整備手帳)で確認しましょう。一般的なエンジンオイルの交換目安は、下記の表の通りです。
|
通常使用の場合 |
シビアコンディションの場合 |
ガソリン車(自然吸気) |
1万5,000km/12か月 |
7,500km/6か月 |
ガソリン車(ターボ) |
5,000km/6か月 |
2,500km/3か月 |
ディーゼル車 |
5,000km~2万km 6か月~12か月 |
2,500km~2万km 3か月~6か月 |
軽自動車(自然吸気) |
1万km/6か月 |
5,000km/3か月 |
軽自動車(ターボ) |
5,000km/6か月 |
2,500km/3か月 |
※2025年3月時点において自動車メーカーが推奨するタイミングを基に表を作成。
上記の通り、走行距離もしくは期間のどちらか早いほうのタイミングで交換することが推奨されています。なお、シビアコンディションと呼ばれるエンジンへの負担が大きい使用環境ではオイルの劣化が早まるため、通常より早めの交換を心がけましょう。
オイル漏れの早期発見
オイル漏れを早期に発見することは、車のオイルランプ点灯を未然に防ぐことにつながります。エンジントラブルを未然に防ぐには、オイル漏れの兆候を見逃さないよう定期的な車両の点検が欠かせません。
具体的には、車の駐車場所に油の跡がないか、エンジンルームの各部品や接続部からオイルが滲んでいないかを確認します。
また、エンジンオイルの急激な減少はオイル漏れのサインかもしれません。目視では異常を確認できない場合でも、一般的な交換時期に達するまでにオイルレベルゲージの下限付近まで減る場合、オイル漏れがないか整備工場で点検してもらうと安心です。
車のエンジンオイルランプが頻繁に点灯するのは買い替えのサイン?
車のエンジンオイルランプが点灯する場合は、オイルが不足しているだけでなく、何らかのトラブルを抱えている可能性があります。古い車のオイルトラブルが何度も発生する場合は、買い替えを検討すべきひとつのタイミングと捉えてみてはいかがでしょうか。
例えば、エンジン内部の気密性を保つガスケットやシール類の交換、エンジンオイルを汲み上げるオイルポンプの交換といった修理が必要になれば、数十万円のコストがかかることもあります。
修理代が車両価値を超える場合や走行距離が10万kmを超えている車は、買い替えを検討したほうが出費を抑えられることも少なくありません。
まとめ
車のエンジンオイルランプは、エンジンオイルの量や圧力に問題があることを知らせる重要な警告灯です。点灯した場合は慌てず、黄色と赤色のどちらかを確認した上で適切に対処しましょう。
また、トラブルを未然に防ぐには、定期的なエンジンオイルの交換とオイル漏れの早期発見が欠かせません。古い車のオイルトラブルが何度も発生する場合は、買い替えを検討すべきひとつのタイミングと捉えてみてはいかがでしょうか。
▼ライタープロフィール
松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
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