車検は何年ごとに受けるもの?時期を確認する方法や申し込むタイミング
車を所有するにあたり、避けて通れないのが「車検」です。車検を受けるタイミングは法律で定められているものの、車の用途や車の種類で変わります。
自家用乗用車の場合は新車かそうでないかでも変わるため、いつ車検を受けるのかはっきり分からないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、車検は何年ごとに受けるのか、車検有効期限の調べ方を解説します。車検満了日を早めに確認したほうがよい理由も紹介しますので、これまで以上に車検の段取りがスムーズになるでしょう。
※目次※
・車検の有効期限は車ごとに変わり、新車(初回登録時)かそうでないか(継続)によっても変わる。
・車検の有効期限を調べる方法は「車検証を見る」「車検シールを見る」の2つがある。
・車検は早く受けると有効期限が短くなるため、満了日の1か月以内に受けるのがおすすめ。
車検は何年ごとに受けるもの?
車検を受けるタイミングは車ごとに異なるため、一概に「何年ごと」とはいえません。しかし、どの車であっても車検を受ける目的に変わりはなく、有効期限が切れると同等のリスクを負います。
ここでは、車検の概要と車検が切れた場合のリスク、車ごとに定められた車検のタイミングを見てみましょう。
車検は法律で定められた制度
車検は、正式名称を「自動車検査登録制度」といいます。道路運送車両法で定められている車を所有する人の義務で、公道を走行する車は車検に合格しなければなりません。
車検の目的は、国が定めた安全・環境基準を満たしているかの確認です。ユーザーが日頃行う日常点検や、1年ごと・2年ごとに受ける点検整備と目的が異なります。
この他にも、車の所有権を明らかにして車社会の秩序を保つこと、車の保有実態を把握することも車検の目的です。
車検切れの状態では公道が走れない
車検は定期的な検査とはいえ頻繁に受けるものではないため、うっかり車検切れとなってしまうこともあるでしょう。私有地内でのみ走行したり駐車場に止めているだけだったりする車は、車検切れになっても罰則はありません。
しかし、車検が切れた車で公道を走行すると道路運送車両法違反となります。違反点数が6点加算され、30日間の免許停止処分が科されるため注意が必要です。
なお、車検切れの車のほとんどは自動車賠償責任保険(自賠責保険)も切れています。車検切れに加えて自賠責保険も切れていると、さらに厳しい罰則を受けなければいけません。
何年ごとに受けるかは車両ごとに決められている
日常生活に使う「自家用乗用車」、運送業に使われる「貨物車」、中型・大型バイクの「二輪自動車」のように、車の種類はさまざまです。それぞれ車の用途や種類が異なることから、車検のタイミングも車両ごとに決められています。
貨物車に含まれる軽トラックを例に見てみると、運送業として使う場合は「初回.・継続共に2年」ですが、自家用として使う場合は「初回3年・継続2年」です。
同じ「自動車」であっても車検のタイミングは異なるため、自分の車はいつ車検を受けるのかをしっかりと確認しておきましょう。
自分の車が何年ごとの車検に該当するのかを調べてみよう
事業用でない四輪自動車は、自家用乗用車もしくは自家用軽乗用車に該当します。どちらの自家用車も同じサイクルで車検を受けますが、新車かそうでないかで変わるため注意しましょう。車種ごとの車検のタイミングの一例は以下の通りです。
車種 |
有効期限 |
||
初回登録時 (1回目) |
継続 (2回目以降) |
||
乗用自動車 |
普通・小型 |
3年 |
2年 |
軽 |
|||
三輪 |
2年 |
||
自家用/定員11名以上のマイクロバス |
1年 |
1年 |
|
自家用特種自動車 (貨物を除く) |
普通・小型・軽 |
2年 |
2年 |
大型 |
|||
幼児専用車/定員10名以下のスクールバス |
1年 |
1年 |
|
レンタカー |
普通・小型 |
2年 |
1年 |
軽 |
2年 |
||
貨物自動車 (緑・黒ナンバー) |
車両総重量8t以上 |
1年 |
1年 |
車両総重量8t以下 |
2年 |
||
軽 |
2年 |
||
二輪自動車 |
250cc超 |
3年 |
2年 |
次回の車検が何年後なのかを調べる方法
車のユーザーが自ら車検を受けに行くのは、2回目以降の継続車検です。車検を受けるサイクルは分かっても、次の車検がいつなのかすぐに判断できない方もいるでしょう。
どこかにメモを残しておくなどの特別なことをしなくても、次回の車検を確認する方法があります。寸前になって焦ることのないよう、早めの確認が大切です。
車検証で確認する
2023年1月より、車検証が「電子車検証」に変わりました。2023年1月以前に車検を受けた方の場合は、車検証の左下にある「有効期限の満了する日」から次回車検の期日を確認できます。
2023年1月以降に車検を受けた方に渡される電子車検証には有効期限を記載する欄がないため、紙面からは確認できません。国土交通省が提供する「車検証閲覧アプリ」を使えば、オンライン上で有効期限を確認できます。
車検証閲覧アプリはスマートフォンまたはパソコン(Windowsのみ)で利用でき、どちらもICタグ付きの車検証が必要です。
車検シールで確認する
次の車検の期日は、フロントガラスの中央上部(2023年7月以降に車検を受けた場合は運転席側の上部)に貼ってある車検シールで確認できます。
車検シールの表側(車の外から見える面)には車検有効期限の年月が記載してあり、大きい数字が「月」、小さい数字が「年」です。裏側(車内から見える面)には、有効期限の満了年月日が記載されています。
表側の月だけを確認して「今月中に車検を受ければ大丈夫」と思っていても、その月の1日が満了日という場合もあるため、日にちまでしっかり確認しておきましょう。車検は有効期間満了日の1か月前から受けられます。余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
何年ごとに車検を受けるのかは早めに確認しておこう
日常生活に使う車の車検は、2回目以降は2年ごとに受けます。同じ車であっても「いつ車検を受けたか」で有効期限が変わるため、スケジュール管理が大切です。
ここでは、車検のタイミングを早めに確認したほうがよい理由を「期限」と「費用」の面から解説します。
原則として車検の有効期限は延長できない
車検の実施は道路運送車両法で定められていることから、原則延長はできません。ただし、道路運送車両法第六十一条の二に定められている「天災その他やむを得ない事由」に該当した場合は、有効期限の伸長が可能です。
新型コロナウイルス感染症が蔓延していた2020年には、感染の終息、クラスター発生防止を目的に、該当有効期限を有する車両の車検有効期限が1か月伸長されました。
また、東日本大震災では複数の地域で、2024年1月に起きた能登半島地震では石川県の一部の地域で車検の有効期限が伸長されています。
車検は車の維持にかかる大きな出費のひとつ
車検費用は車ごとに異なりますが、軽自動車であれば7万円前後、コンパクトカーであれば8万円前後、SUVやミニバンになると10万円以上かかります。維持費の中では金額の高い部類に入るため、まとまったお金の用意が必要です。
車検費用は「法定費用」「車検基本料・検査料」「整備費用」で構成されます。法定費用の中には重量税と自賠責保険料が含まれており、それぞれ支払いは2年分です。
タイヤ交換などの整備が加わると整備した分費用がかさむため、車の状態によっては相場以上の費用がかかる場合もあります。
車検時の費用の負担を抑えるコツはある?
2年ごととはいえ、10万円近くのお金が一度に出ていくのは大きな負担になります。車検自体は避けられず、法定費用も安くはできませんが、整備費用はコストカットが可能です。
ここでは、車検費用を抑えるためのポイントを2つ紹介します。負担を少しでも減らせるよう、今から準備を始めましょう。
普段からのメンテナンスを心がける
普段から定期的にメンテナンスしなければならない箇所がいくつかあります。思わぬ車のトラブルを引き起こさないように、チェックしておきましょう。
エンジンオイルは、定期的な交換が必要です。交換時期はターボの有無などで変化しますが目安としてはノーマルコンディションの場合、5,000km~1万5,000kmでの交換、もしくは半年~1年での交換が理想です。
タイヤの空気圧や溝があるかどうかは、小まめに確認しておきましょう。ワイパーはゴムが劣化していないか確認します。車のメンテナンスを怠っていると、故障や事故にもつながり危険です。分からないことは、自動車販売店に確認しましょう。
車検時以外も点検を受けておく
車には、車検の他に「定期点検整備」という定期的な点検があります。点検のタイミングは車の用途や種類によって異なり、自家用乗用車であれば1年ごとと2年ごとです。
それぞれの点検項目は異なりますが、故障や部品の摩耗はないかを確認し、必要に応じて整備を行います。
定期点検整備を受けていると、点検の項目に該当する場所に不具合や故障が見られたときにメーカー保証の適用が可能です。また、点検整備記録が記載されていれば、売却時に車のメンテナンス状況が高く評価されることもあります。
車検は何日前に申し込むのがおすすめ?
車検は「いつまでに受ける」という期限はあるものの、申し込みについては指定がありません。
期限ぎりぎりに受けるよりも、早めに受けるほうが車検切れの心配を減らせるでしょう。しかし、早ければよいというものでもありません。ここでは、車検を申し込むおすすめのタイミングを紹介します。
満了日の1か月以内がおすすめ
車検自体は、有効期限の半年前や1年前でも受けられます。しかし、有効期限が受けた日から2年後になるため、早く受けるほど車検サイクルが早まる点に注意が必要です。
有効期限を無駄なく使うために、車検は「満了日の1か月以内」に受けましょう。有効期限が2024年4月30日であれば、2024年3月30日以降がおすすめのタイミングです。
車の販売台数が増えやすい3月と12月頃は、その後の車検を受けるタイミングが重なり混みやすいといわれているため、混雑期と重なる場合は早めに予約をしておきましょう。
指定整備工場のある店舗なら45日前でも可能
予定などにより、1か月以上前に車検を受けたいという場合もあるでしょう。指定工場での車検であれば、45日前に受けても有効期限を無駄にせずに済みます。
指定工場は民間車検場とも呼ばれ、車検用の検査ラインを持つ国の認可を受けた整備工場です。指定工場では検査に合格したことを示す「保安基準適合証」の発行ができ、15日間の有効期限の間に運輸支局へ書類を提出することで車検を完了させます。
満了日の45日前に車検を受けたとしても、保安基準適合証の有効期限により車検有効期限の引き継ぎが可能です。
まとめ
車検を受けるタイミングは車の種類によって変わります。自家用乗用車の場合、2回目以降の継続車検は2年ごとです。車検の有効期限は前回の車検実施日から設定されているため、車ごとに有効期限が変わります。
有効期限を調べられるのは、車検証もしくは車検シールです。電子車検証は専用アプリでしか確認できないため、車に貼ってある車検シールで確認することをおすすめします。
車検は早く受けるとその分有効期限が短くなることから、満了日の1か月前がベストタイミングです。希望の日時で予約ができるよう、早めにスケジュールを立てておきましょう。
▼ライタープロフィール
中村浩紀 なかむらひろき
クルマ記事に特化したライター
現在4台の車を所有(アルファード・プリウス・レクサスUX・コペン)。クルマ系のメディアでさまざまなジャンルの記事を執筆し、2024年1月までに300記事以上の実績をもっている。
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よくある質問
Q 車検の間隔は10年を超えたら短くなるの?
A.以前は、10年を経過した車は毎年車検を受ける必要がありました。しかし、このルールは、1995年の道路運送車両法の改正により廃止されています。普通自動車であれば、継続車検の間隔は何年経っても2年です。ただし、車は年数が経てば経つほど小まめなメンテナンスが必要になります。車検以外でも定期的な点検を心がけましょう。
Q.車検の間隔は車種によって異なる?
A.乗用の普通自動車・軽自動車の車検間隔は2年です。初回のみ、新車購入後3年となっています。キャンピングカーなどの8ナンバー特殊車両は、初回・継続ともに2年です。貨物自動車の継続車検は、普通車の場合は1年ごと、軽自動車の場合は2年ごとになっています。バスやタクシーなどの旅客自動車の車検は1年間隔です。
Q.中古車を購入した場合の車検の間隔は?
A.中古車には、車検切れの車と車検が残っている車があります。車検切れの場合は、購入時に車検を通せば、以降の車検は通常通り2年ごとです(乗用車の場合)。車検が残っている車は、購入時に車検費用を負担する必要がないので、初期費用を抑えられます。中古車を選ぶときは、車検がいつまで残っているかチェックしましょう。
Q.車のメンテナンスは車検のときだけで大丈夫?
A.車検時には、法律で義務付けられた24か月法定点検が実施されます。しかし、安心して車を運転するためには、これ以外にも定期的な点検や消耗品の交換が必要不可欠です。例えば、エンジンオイルは、走行距離10,000km~15,000kmもしくは半年~1年で交換します。運転頻度が多い場合は、特に小まめな点検・整備を心がけましょう。