自動車のローンに総量規制は関係ある?総量規制適用可否について徹底解説
自動車を購入する場合、ローンを利用するという選択肢があります。支払いを伸ばせるので金銭面を考慮して購入する形です。
とはいえ、ローンには様々な種類があります。銀行(金融機関)ローンやディーラーローン、残価設定ローン、消費者金融、クレジットカードのキャッシングなどです。
この中の一部には『総量規制』という制度が適用され、借入を制限されてしまう場合があります。
今回はこの『総量規制』が適用されるローンはどんなローンなのか、各ローンの金利や特徴、車購入でおすすめのローン会社などについて確認していきましょう。
※目次
・総量規制とは何か?ローンの制度について知っておこう
・ローンの種類を把握して自動車ローンが総量規制に対してがどのように関わってくるのか確認しよう
・自動車購入の際におすすめのマイカーローンを3種ピックアップ!
自動車ローンに総量規制は関係ある
ローンには様々な種類が存在します。マイカーローンもその1つです。自動車を購入する場合、一部ローンにおいては総量規制がかかるローンもあります。
どのローンが総量規制の対象となるのか、ここで確認していきましょう。
総量規制とは
総量規制とは、借入可能な金額が年収1/3までと限定される制度です。(賃金業法『第十三条のニ』)
この制度は返済能力を超える貸付けを行わないよう定められました。総量規制がかかる場合、この限度からさらに貸金業者が定めた規定の範囲内にてお金を借りることができます。
※貸金業者の規定は各会社毎に異なる為、実際にいくら借りれるかは都度確認が必要です。
例えば、総量規制適用のローンを年収300万円の方が組む場合、100万円までが借入の限度額となります。計算式は単純なので、各々確認してみてください。
自動車ローンではこの制度が適用されるタイプのローンがあります。次の項目ではローンの種類はどんなものがあるのか確認していきましょう。
(参考: 『金融庁』)
ローンの種類について
車購入時に利用可能なローンの種類は次の通りです。
ローンの種類 |
詳細 |
銀行(金融機関)ローン |
都市銀行・地方銀行・信用金庫などが提供するローン |
ディーラーローン |
ディーラーの提携している会社(信託会社・クレジットカード会社・保証会社など)が提供するローン |
消費者金融 |
消費者金融が個人に小口の融資を行うカードローン |
クレジットカードのキャッシング |
クレジットカードに設定したキャッシング枠を限度額として借入可能 |
これらローンの中で、自動車購入の際利用するローンのことを『マイカーローン』と呼びます。マイカーローンは銀行(金融機関)ローン、ディーラーローンの2種類です。
銀行(金融機関)ローンは、銀行など金融機関のローンとなります。労金やJAもその1つです。ディーラーローンは、メーカー系の信販会社が提供するローンとなります。金利は銀行(金融機関)ローンのほうがやや安いです。
総量規制の対象となるケース
総量規制の対象となるケースは消費者金融やクレジットカードのキャッシングとなります。これは、対象になる貸付が『貸金業者の貸付け』である点が理由です。
銀行などの金融機関やディーラー提携の信販会社はこの『貸金業者』にはあたりません。
この総量規制は各貸金会社毎にかかるわけではなく、借りた金額の総額が対象となります。そのため、消費者金融やクレジットカードのキャッシングなど数ヶ所でお金を借りた場合の総量規制対象金額は、借りたお金の全額です。
限度額を超えないよう、借りる金額は利子も踏まえて検討しておくとよいでしょう。
総量規制対象外となるケース
銀行(金融機関)ローンやディーラーローンは総量規制の対象外です。総量規制の適用可否については、『除外貸付け』という形で一部ローンを除外する項目が用意されています。内容は次の通りです。
自動車購入資金貸付 |
療養費貸付 |
有価証券担保貸付 |
不動産担保貸付 |
不動産売却を元に返済を行う貸付 |
自動車購入時に、銀行(金融機関)ローンやディーラーローンを利用する場合は『自動車購入資金貸付』にあたるため、総量規制の対象外となります。
ただし、前述した消費者金融やクレジットカードのキャッシングの場合は借入の用途を上記除外項目に当てはめることができません。
その為、自動車購入時に消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用した場合は総量規制が該当することになります。この点は注意してください。
ちなみに、ディーラーローンの借入の方法として残価設定ローンというものもあります。残存価格(下取り価格)を予め設定してその金額を差し引いた残価をローンとして借り入れるローンが残価設定ローンです。
こちらもディーラーローンの一種なので、総量規制の対象にはなりません。
各ローンについて
ここではここまで紹介した銀行(金融機関)ローンやディーラーローン、消費者金融、クレジットカードのキャッシングなどにおける主な審査項目や各ローンの特徴、各ローンの金利相場などに各ローンの違いについて解説していきます。
ローンの主な審査項目
銀行(金融機関)ローンやディーラーローン、消費者金融、クレジットカードのキャッシングなど、ローンには様々な種類があります。それぞれに審査基準が用意されていますが、この基準は公表されているわけではありません。
とはいえ、審査においてチェックすべき項目はある程度自身でも確認ができます。内容は次の通りです。
主な審査項目 |
詳細 |
収入 |
現在の年収・月収など |
雇用形態 |
正社員・パート・アルバイト |
借入金額(他社含む) |
総量規制適用時に確認 |
借入状況(他社含む) |
総量規制適用時に確認 |
取引履歴 |
ブラックリストの確認 |
雇用形態が無職の場合、審査が通る可能性は低くなります。また、借入状況においても短期間で多額の借入れをしている場合審査が通らない可能性もあるでしょう。
また、総量規制に該当する場合、審査側は現時点の収入以上の借入れになるか、借入状況を含め確認が必要です。
総量規制に該当しなくても、現時点の収入で賄えない金額でローンを組もうとすると審査が厳しくなる可能性もあります。ローンを組む際は上記を考慮して計画的に行いましょう。
各ローンの特徴
各ローンには様々な特徴があります。例えば、銀行(金融機関)ローンとディーラーローンを比べると、ディーラーローンのほうが審査は緩いです。そこで、各ローンにどんな特徴があるのか、違いを表にしてみました。
|
審査時間 |
返済期間 |
完済までの所有者 |
ディーラーローン |
1時間程度 |
短め |
ディーラー |
銀行(金融機関)ローン |
1~3営業日程度 |
長め |
車購入者 |
消費者金融 |
最短30分 |
長め |
車購入者 |
クレジットカードのキャッシング |
3営業日程度 |
短め |
車購入者 |
ディーラーローンや銀行ローンの場合、ローンの利用用途にも違いがあります。ディーラーローンの場合、購入したい車に対してのローンを組むことが可能です。車購入時に付与するオプションを購入するときにも組むことができます。
一方、銀行(金融機関)ローンは購入したい車やオプションだけでなく、消耗品や車検、修理、免許取得にかかる費用に対しても用いることが可能です。このように、ローンを組む際は予め用途も確認しておく必要があります。
各ローン金利の相場
ディーラーローンや銀行(金融機関)ローンの金利相場について一覧にしてみました。銀行ローンについては都市銀行や地方銀行、信用金庫の3種に分けています。
|
金利相場 |
ディーラーローン |
4~8% |
都市銀行ローン |
1%前後 |
地方銀行ローン |
1~4%前後 |
信用金庫ローン |
2~3%前後 |
全体の金利相場を見てみると都市銀行ローンが一番金利が安いです。ただし、その分審査は厳しくなる為ローンの計画はしっかり立てておく必要があります。
また、金利には『固定型』や『変動型』など設定が可能です。固定型は返済期間中の金利が一律、変動型は市場の金利動向に合わせて利率が変動する仕組みとなります。
ローンの利用状況は『信用情報機関』で確認可能
自動車ローンを検討する際、『審査を通りやすくする為、予め返済状況を確認したい』場合があります。自身でローンの借り入れ状況を知りたい場合『信用情報機関』を利用することで借り入れ状況を確認することが可能です。
CICでは自身の信用情報を確認することができます。開示方法は『インターネット』『郵送』『窓口』の3種です。
注意点としては開示までの期間が挙がります。例えば、郵送を選択した場合の開示報告書が届くのは約10日後です。インターネットなら開示報告書の回答が作成されしだい、パソコンやスマホですぐ確認ができます。窓口の場合はその場で手渡しです。
このように開示方法にも違いがあるため、自身に合った方法で開示報告書を確認してみてください。
(参考: 『CIC』)
気になるマイカーローンを3種ピックアップ
ここではおすすめのマイカーローンを3種紹介していきます。今回紹介するのは『損保ジャパン』『イオン銀行』『三菱UFJ銀行』の3社です。銀行(金融機関)ローンやディーラーローンにどのようなプランがあるのか、それぞれ確認していきましょう。
損保ジャパン『ジャパンダ・ネットマイカーローン』
損保ジャパンでは『ジャパンダ・ネットマイカーローン』が用意されています。金利は固定で1.9~2.95%、借り入れ金額は20~1000万円まで可能です。借り入れ期間は6ヶ月~10年となっています。保証人は不要です。
ただし、利用条件は定職・定収入があり、かつ年収280万円以上の方が指定されています。返済方法は元金と利息を定額で返済する形です(ボーナス返済可)。公式サイト上でシミュレーションも可能となっています。
イオン銀行『イオンアシストプラン』
イオン銀行では、『イオンアシストプラン』が用意されています。金利は固定で3.8~8.8%、借り入れ金額は10万~700万円です。借り入れ期間は1~8年となっています。保証人は不要です。
利用条件として、満20歳以上~60歳未満の方が対象となっています。返済方法は、元金と利息を定額で返済する形です(ボーナス返済可)。
車購入だけでなく、保険料や車検、修理、各種税金、オプション品(カーナビなど)などにも利用できます。
『イオンアシストプラン』については、公式サイト上で返済額のシミュレーションを行うことが可能です。
三菱UFJ銀行『ネットDEマイカーローン』
三菱UFJ銀行では『ネットDEマイカーローン』が用意されています。金利は変動で1.5~2.45%、もしくは3.975%です。ローンのタイプは2種類あり、通常のローンと据置タイプが用意されています。※金利は据置タイプの方が高いです(3.975%)。
今回紹介した中で一番金利が安いプランですが『ネットDEマイカーローン』は金利が固定ではなく変動です。今後の利率は変動する可能性がある為注意しておく必要があります。
ちなみに据置タイプは3年間元金を据置して利息のみ支払い、その後7年間で元金を返済するという仕組みです。当面の返済額を抑えたい方向けのプランとなっています。トータル金額を抑えたい場合は通常プランがおすすめです。
繰り上げ返済をインターネットから行う場合、手数料無料となります。審査結果の回答は最短で即日です。
> マイカーローンの仕組みについてさらに知りたい方はこちら!
ネクステージでもローンが組める
各信販会社での審査は必要ですが、ネクステージでも自動車ローン購入は可能です。ジャックス、オリコ、SMBCファイナンスサービス、その他信販会社などネクステージでは様々なローンプランに対応しています。
『自分の収入状況に合わせた支払いプランについて詳しく聞きたい』『各信販会社の違いをもっと知りたい』『ローン時の買い替えはどうやればいいか』など、ネクステージなら様々な疑問に答えることも可能です。
気になることがあればぜひ弊社スタッフまでお気軽にお声かけください。
まとめ
今回は自動車をローンで購入するときに『総量規制』が関係あるのか、という点について解説しました。金利を考慮したうえで自動車をローンで購入する場合、主なローンとしてはディーラーローンや銀行(金融機関)ローンが選択肢となってきます。
その際様々な要素を考慮してローンを組むことになりますが、ネクステージならスタッフへのより詳細な相談も可能です。例えばオリコなら、車の購入と同時にローン申し込みも完了させることができます。
相談含め、スムーズに取引を進めたい方は、ぜひネクステージのスタッフにご相談ください。
よくある質問
Q.年収500万で車ローンは幾らまで借りられますか?
A.年収500万円の場合、一般的な目安として年収の半分である250万円程度までが車の購入予算として推奨されています。 ただし、この金額には税金や保険料などの諸費用(車両価格の10%~20%)も含まれるため、実際の車両価格は210万円~220万円程度が上限の目安です。住宅ローンや子育て費用などの家計状況によって、より低い予算設定が賢明な場合もあります。
Q.トヨタファイナンスは総量規制の対象ですか?
A.トヨタファイナンスのような自動車ローンは、「自動車購入資金貸付」として総量規制の適用対象外です。銀行ローンやディーラーローンは、貸金業者による貸し付けではないため、適用されません。 消費者金融やクレジットカードのキャッシングなどで自動車を購入する場合に、総量規制が適用されます。
Q.おまとめローンは総量規制の対象ですか?
A.おまとめローンは総量規制の対象外です。これは複数の借り入れを一本化して返済負担を軽減する目的があるためで、年収の3分の1という上限を超えた借り入れができます。 ただし、貸付額は審査で決定されるため、必ずしも希望額が融資されるわけではありません。また、銀行による独自の限度額設定により、実質的な借入制限が設けられる場合もあります。