車を購入したときの仕訳方法!税金の控除などはどうすればいいの?
車を購入する時はたくさんの費用がかかります。実際の請求書を見た時に、細かく内訳が書かれていますが、この中から「経費にして税金の控除ができないのか」といった疑問も浮かぶでしょう。そこでこの記事では、車両を購入する時にかかる費用の内訳、仕分けをご紹介しますので、これから車を買おうとしている人は購入前にぜひご一読ください。
・車両を購入する時にかかる費用の内訳
・車両購入時の仕訳費用
・車を購入するときは税金の控除ができるのか
車両購入時の内訳
車を買うときに発行される請求書を確認すると、総支払額からさまざまな内訳に分かれています。基本的に車を購入するときは、車両本体価格から税金や保険、名義変更といった諸費用まで、さまざまな費用がかかります。
主な内訳は、以下のように分けることができます。
- ・車両購入費用
- ・預かり法定費用
- ・課税諸費用(消費税など)
- ・保険料金
- ・リサイクル料金
それでは詳しく見ていきましょう。
車両購入費用
車を買うときは車本体の価格である「車両本体価格」と、カーナビやオーディオなどといった後付けのパーツなどの「オプション価格」が合わさります。販売店などで明示されている価格は車両本体価格のみで、後のオプションを付けていくと思わぬ金額となることもあるため、車両本体価格だけで計算することがないように注意しましょう。
また、この2点の価格から、これからご紹介する法定費用や保険料、手数料、さらに消費税などの金額が重なってくるため、購入の見積もりを取り終わる頃には車両本体価格から大きく跳ね上がっていることも考えられます。車種やサービス内容にもよりますが、おおよそ車体本体価格より1~2割ほど高い金額になると見込んでおきましょう。
預かり法定費用
預かり法定費用は主に2つに分類されます。
・車庫証明の取得にかかる費用
普通自動車は資産になりますので、新車・中古車問わず購入するときには保管するところを登録しなければいけません。このときに登録する必要があるのが「車庫証明書」となります。費用の支払いは現金ではなく、収入証紙で支払うことになります。
車庫証明書を申請するときには2100円が必要で、商標と呼ばれるステッカーの発行には手数料が500円かかります。必要な金額は地域によって微妙に違ってくるため、少し余裕を持って準備しておきましょう。また、軽自動車は一部に地域を除くほとんどの地域で車庫証明書は必要ありません。
・検査や登録にかかる費用
車検や名義変更など車の登録にかかる手数料のことで、申請の区分や車の種類によって細かく分類されています。この費用も現金ではなく、収入印紙・収入証紙を納付書や検査表に貼り付けて運輸支局に提出します。
課税諸費用(消費税など)
車を購入・維持するときはさまざまな税金がかかりますのでご紹介します。
・自動車税
毎年4月1日時点で車を所有している人に対し、自動的にかかる費用となります。
そのため、廃車にするときは廃車手続きをしないと車を手放しても税金を納めなければいけません。
また、4月2日に車を買えば次に税金を納めるまで1年近くの間があるため、購入時期を考えることで節税効果もあります。
・環境性能割
環境性能割は臨時は2019年10月に自動車取得税の廃止と共に導入された新しい自動車税の1つです。
自動車を購入する際に必要になる費用であり、燃費性能に応じて、登録車は0~3%、軽自動車は0~2%課税されます。つまり、燃費のいい車ほど税が軽減される仕組みで、電気自動車は0%となっています。
・自動車重量税
車の新規登録や毎回の車検時にかかる税金となり、車の重さによって細かく税額が分けられています。有効期間分の保険料をまとめて支払うことになります。ちなみに軽自動車は一律料金となります。
・消費税
ものを買ったりサービスを受けたりする時に必ず発生するのが消費税となります。2019年10月から10%に引き上げられました。
保険料金
保険料金には2種類の保険があります。まず、公道を走るときは必ず加入しなければいけないのが「自賠責保険」となります。必ず入らなければいけない保険であるため「強制保険」とも言われます。
自賠責保険の保証内容や保険料はどこの保険会社でも変わりませんので、保険会社同士で比較検討する必要はありません。
基本的には車検の時にセットで更新されるため、2年毎の支払いとなります。主な金額は、24ヶ月(2年)で、
・軽自動車・・・19,730円
・普通自動車・・・20,010円
となりますので、おおよそ20,000円ほどかかると考えておきましょう。
また、自賠責保険ではまかないきれない額や、相手の民家や塀を壊してしまった時、自分で怪我をしてしまった時などを保証するために「任意保険」にも加入します。こちらの保険は絶対ではありませんが、自賠責保険だけではカバーしきれないことが多いため、加入しておく必要があります。
リサイクル料金
リサイクル料金とは、車を廃棄処分する時にかかる費用を前払いで負担するものを言います。
車を廃棄処分する際は全て廃棄処理をするのではなく、再利用できる部品はリサイクルとして使いますが、この時にかかる費用をあらかじめ預けておくことになります。
車を購入する時にリサイクル料金を支払うことは、法律によって義務付けられており、預けたお金は自動車リサイクル促進センターが管理することになります。
リサイクル料金はさらに詳しく見てみると以下の通りに分けることができます。
・シュレッダーダスト料金
車を廃棄する時に出てくる要らないもののことを「シュレッダーダスト」といい、これを再利用するためにかかる費用となります。
・エアバッグ類料金
車を廃棄する時にエアバッグが暴発しないように適切に処理する必要があり、これにかかる料金のことを言います。
・フロン類料金
車のエアコンに使われているフロンは適切に処理をしなければ大気中のオゾン層を破壊してしまいます。そのため、この処理にかかる費用を負担します。
・リサイクル情報管理料金
廃車する時に引き取ってもらったり、車を業者に引き渡したりする時に必要な情報を管理してもらうために必要となります。
車両購入時の仕訳費用
では実際車を購入した際にどれだけの仕訳がかかるのでしょうか。例として、次の車を購入したと考えて仕訳を考えてみましょう。
※下記に記載される金額は仕訳説明のための例えであり、実際の費用ではありません。
- 1.車両本体価格・・・1,500,000
- 2.オプション・・・50,000
- 3.付属部品・・・50,000
- 4.自動車税・・・24,000
- 5.環境性能割・・・14,000
- 6.自動車重量税・・・12,000
- 7.自賠責保険料・・・20,000
- 8.車庫証明・・・2,600
- 9.検査登録・・・2,000
- 10.検査登録手続代行・・・30,000
- 11.車庫証明手続代行・・・15,000
- 12.納車手数料・・・10,000
- 13.シュレッダーダスト費用・・・4,000
- 14.エアバッグ類料金・・・3,000
- 15.フロン類料金・・・3,000
- 16.情報管理料金・・・500
- 合計費用・・・1,745,100
これをもとに仕訳をすると、次のようになります。
- ・車両(1.車両本体価格・2.オプション・3.付属部品・12.納車手数料)・・・1,610,000円
- ・租税公課(4.自動車税・5.環境性能割・6.自動車重量税)・・・50,000円
- ・保険料(7.自賠責保険料)・・・20,000円
- ・車両費(8.車庫証明・9.検査登録・10.検査登録手続代行・11.車庫証明手続代行・16.情報管理料金)・・・50,100円
- ・前払金(13.シュレッダーダスト費用・14.エアバッグ類料金・15.フロン類料金)・・・10,000円
車を購入すると税金が控除されるのか
車の税金を控除することができますが、その場合は事業でどのような用途でどれくらいの割合で使っているのかによって変わります。また、車は高額なもののため「減価償却」によって数年に分けて均等償却していく必要があります。まず、「減価償却」とは、10万円を超えるもので、数年に渡って利用ができるものは少しずつ経費計上するというルールがあり、
耐用年数は何年か、もしくは定額法か定率法を使うかによって変わります。
普通自動車の場合、耐用年数は6年、軽自動車ならば4年と定められています。毎年一定額を均等償却することを「定額法」といい、毎年一定割合を均等償却することを「定率法」と呼びます。個人事業主であれば定額法を選択することになりますので、例えば120万円の普通車を買った場合、毎年20万円ずつ経費にしていく計算となります。
そのほかに、以下の費用も経費にすることもできます。
・課税諸費用(消費税など)
「租税公課」の勘定項目で経費になる
・保険料金
「保険料」の勘定項目で経費になる
・ガソリン代、洗車代、車検代などの維持費
「車両費」の勘定項目で経費になる
・駐車場代
月極駐車場で常時利用している場合は「地代家賃」として、時間貸しの駐車場の利用は「旅費交通費」で経費となります。
さらに、車を購入する時にはローンを組むことも考えられますが、支払いの利息の部分は経費にすることができます。
まとめ
車を購入したときにかかる仕分けは細かく、覚えるには少し時間がかかるでしょう。また、車を購入するときは車両本体価格だけでなく、税金や保険料、手数料などたくさんの費用がかかりますが、項目によっては税金を控除することができるものもありますので、控除できる項目を覚えておき、少しでも税金を抑えるようにしましょう。
さらに、車を所有しているときにかかるガソリン代や駐車場代などの維持費も控除の対象にできるため、車を購入することによる節税効果は比較的大きいとも言えるでしょう。