車のバッテリーの役割や仕組みは?交換・寿命の目安やトラブルの原因も解説
車のバッテリーは、電気を充電し電力を電飾品などに供給させる重要な役割を持つ部品です。しかし、なんらかの原因で正常に動かなくなると、バッテリーが上がるというトラブルが発生します。
バッテリーが上がる原因はどのようなものなのか、復活方法はどのように対応すればいいのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、バッテリーの役割や仕組み、交換時期や寿命の目安、予防法や対処法をご紹介しますので参考にしてください。
※目次※
・車のバッテリーにはいつくかの種類があり、エンジンの動きを利用して充電されるしくみとなっている。
・バッテリーが上がってしまう原因はエンジン停止状態での電力の仕様などがある
・バッテリーには寿命もあるため、バッテリーの劣化が気になる時は整備や乗り換えがおすすめ
車のバッテリーとは何のためにあるの?
車のバッテリーは何のためにあるのか、ハイブリッドではガソリン車と異なるのかなど疑問に思う方もいるのではないでしょうか。バッテリーは電気を充電し、電飾品やエンジンの始動などに使う電力を供給する役割があり、ハイブリッド車には2種類搭載されています。
この項目では、バッテリーの役割や仕組み、どの部分に設置されているのかなどを詳しくご紹介しますので参考にしてください。
車のバッテリーの役割
バッテリーは、エンジン始動の際に使う電力やヘッドライト、ブレーキランプなどのライト系、パワーウィンドウ、ワイパーまで、多くの電飾品に電力を供給する役割を持っていることが特徴です。
多くの車種でエンジンルームの中にバッテリーが搭載されており、車種によっては運転席または助手席の椅子の下、荷室などの床下、トランクルームなど設置場所が異なる場合があります。
車の取扱説明書に設置場所が記載されているので、よく確認しておきましょう。
車のバッテリーの仕組み
エンジンには、モーターのような作りになっている「オルタネーター」と呼ばれる発電機が備わっています。オルタネーターはファンベルトなどを通してエンジンの動きを伝え、オルタネーターの中心にある電磁石を回転させ電力を生み出す仕組みです。
エンジン始動には多くの電力を必要とするため、バッテリーだけでは足らずオルタネーターが作動し発電が行われ電気が作られます。走行中には消費している電気を補うために発電されている電力をバッテリーに充電しており、エンジンの停止時などに電飾品などへ電力の供給を行う仕組みです。
オルタネーターは重要な部品であるため、故障した際にはバッテリーへの充電が行えず、充電がなくなればバッテリーが上がった状態となります。
ハイブリット車のバッテリーは2種類
ガソリン車には「開栓型バッテリー」が搭載されていることが一般的です。しかし、ハイブリッド車には「補機バッテリー」と「ハイブリッドバッテリー」が搭載されています。この2種類は、電気を供給する場所が異なるということが特徴です。
ハイブリッドバッテリーは大容量となっており、駆動用モーターへ電力を供給しエンジンのアシストを行うため、感電死するほどの電流が流れています。
補機バッテリーは重要な役割を持っており、ハイブリッドシステムを作動させるための電力やライト系統、センサーなどへ電気の供給を行うものです。
そのため、補機バッテリーが上がってしまうと、ハイブリッド車でもスイッチが入らず動かすことができなくなります。
車のバッテリーが上がってしまう5つの原因
車のバッテリーが上がりが起こってしまった場合、車が一切動かなくなってしまいます。そのようなことにならないためには、バッテリーが上がってしまう原因を知って対処しておくことが大切です。原因とはどのようなことが挙げられるのか気になる人もいることでしょう。
この項目では、原因をいくつかピックアップしてご紹介しますので参考にしてください。
エンジンOFFでライト点灯
エンジンが回っていない状態でヘッドライトが付きっぱなしになってしまうと、約3~4時間でバッテリーの充電がなくなります。
夜間だと消し忘れに気付きやすいですが、日中にトンネルなどを利用した場合消し忘れてしまうことが考えらるでしょう。
そのようなことにならないためにも、トンネルなどの暗い場所に行った場合にはライトを確認することや、車から降りた際に確認をするなど注意しておく必要があります。
エンジンOFFでエアコン使用
エンジンをかけずにエアコンを使った場合も、バッテリーが上がってしまう原因となります。エアコンはヘッドライトよりも電力を消耗するため、充電が早く無くなってしまう場合があるため注意が必要です。
特に暑い夏場には、温度設定を低くすることもあるでしょう。その際、電力の消費が多くなってしまいます。
エンジンを切ったままエアコンを使いたいと思ってもなるべく控えるようにするか、もしくは車を運転しすぐに充電を行うことも大切です。
エンジンOFFで半ドア放置
車はドアを開けると室内灯が付く仕組みのため、半ドア状態となると室内灯が付きっぱなしになってしまいます。
数時間で気づくといいのですが、気づかず長時間置いてしまうとバッテリーが上がる可能性が高くなるでしょう。
室内灯はそこまで電力を多く使うものではありませんが、バッテリーの劣化などもあると数時間でも上がってしまうことも考えられます。防犯面も考慮して、きちんとドアを閉めたか確認しておくことが大切です。
長期間走行していない
車を動かしていない場合でも自己放電をしているため、約1か月間ほど使用せずに放置するとバッテリーが上がってしまいます。
駐車監視機能付きドライブレコーダーや時計など、さまざまな電子機器で微量の電力を使用しているため、充電していた電流が減っていくことが原因です。
アイドリングを行う方法もありますが、バッテリーは30分ほどの走行で充電ができます。アイドリングよりも定期的に車を動かしたバッテリー充電の方が効率的な方法と言えるでしょう。長期間車に乗れない場合は、ターミナルを外しておくこともおすすめです。
バッテリー液の不足
バッテリー液が減少すると電圧の低下が起こり、バッテリー上がりを招きかねません。
バッテリー液は、過充電が起こると電解液中にある水分子が分解し、酸素ガスと水素ガスを放出するため水分が蒸発するとい現象が起きます。また、夏場にエンジンルームが高温になることでも蒸発し減少してしまうため、メンテナンスを定期的に行うことが大切です。
バッテリーの側面にある、最高液面線の中間まで液が入っていれば問題はありません。しかし、線より下になっている場合は劣化が進み故障の原因にもなるため、注意しておく必要があります。
車のバッテリーは気温の影響を受ける
車のバッテリーは高温や低温に弱く、性能の低下や液の減少などが起こりやすくなります。気温の変化とバッテリーは深い関係にあるため、冬季と夏季での影響を知っておくことでバッテリー上がりを避けることが可能です。
この項目では、冬季と夏季の影響や対処法をご紹介しますので参考にしてください。
冬季の場合
バッテリーは低温に弱く、状況によってはバッテリー液の化学反応が鈍くなり機能や性能が低下します。気温が著しく低い日にエンジンがかかりにくい原因のひとつです。
寒冷地の場合は一般的な車のバッテリー容量では追いつかないこともあるため、メーカーでは「寒冷地仕様」を用意しています。寒冷地仕様の車は、バッテリーやオルタネーターが大きなものを搭載しているため、寒い冬の始動も心配ありません。
寒冷地でない場合でもこまめな走行をし、バッテリーを充電しておくようにしましょう。
夏季の場合
気温の高い夏季の場合は、バッテリーへの負担が大きくなる傾向にあります。長期休暇がある夏には遠出をする人も多く、渋滞にかかる時間が長くなりがちです。しかし、エンジンの回転数が低いアイドリング状態で、エアコンを長時間使用するとバッテリーが上がってしまう原因になります。
また、屋根の無い駐車場などに長時間止めておくとバッテリー液が蒸発してしまう原因にもなるため、対策を立てておかなくてはなりません。
そのため、エアコンの風量を調節することや屋根のある駐車場を利用するなど、さまざまな工夫を行うことがおすすめです。
車のバッテリーにおける寿命や交換時期
消耗品であるバッテリーにも寿命や交換時期があります。そのため、定期的にメンテナンスや交換が必要です。寿命や交換時期になるまでどの程度の期間があるのか、どのような症状が現れたら寿命なのかを事前に知っておきましょう。
この項目では、交換時期や寿命の目安についてご紹介しますので参考にしてください。
交換の目安
バッテリーには保証期間があり、大抵は外箱に記載されています。メーカーが安全に使用できると保証している期間で、書かれている年数が交換の目安と考えてもいいでしょう。
ハイブリッド車では、生産完了時から容量が減少していきます。車に乗っている状況や、製造から購入までの期間がどの程度経過しているかなどによっても交換時期が異なるため注意が必要です。
普通に車を運転した場合の交換時期の目安を以下の表からご確認ください。あくまでも目安のため、期間が前後することもあります。
ガソリン車 |
2年~3年程度 |
ハイブリッド車 |
4年~5年または10万km程度 |
寿命のサイン
寿命が近づくと、何かしらのサインがあります。まずは、エンジンをかけた時です。エンジン始動時にかかりが悪く、セルモーターの回転音が弱い・遅いという場合、バッテリーが弱っている可能性を疑いましょう。
また、ヘッドライトなどの電気系統が暗くなった、パワーウィンドウの開閉が鈍い、室内灯が付かないなどの症状も現れます。これらの症状が出た場合は、バッテリーの寿命が近いことが考えられるため、早めに交換することがおすすめです。
その他にも、バッテリー本体に異常が見られることもあり、膨らんでいる、端子の周りが粉っぽい、液量が少ないなども寿命のサインであるため気をつけておきましょう。
アイドリングストップが搭載されている車は、アイドリングストップが作動しなくなった場合もサインのひとつです。
車のバッテリー上がりが起きた際の復活方法
バッテリーが上がると、慌ててしまう人も多いのではないでしょうか。慌てず冷静に対処するためにも、復活方法をしっておくことが大切です。復活方法にはいくつかあり、注意しておかなくてはならない点もあります。
この項目では、復活方法や注意点をご紹介しますので参考にしてください。
救援車とつないで対処する
この方法は「ジャンピングスタート」と言い、バッテリーが上がってしまった際に、他の車から電気を一時的に分けてもらいエンジンを始動させます。
故障車と救援車のバッテリーに赤と黒の専用のコードを繋ぎ電流を流し、バッテリーを充電させるため簡単にできますが、コードが断線していないかなど不具合がないかよく確認してから行う必要があります。ジャンピングスタートは応急処置となるため、早めに点検に出すようにしましょう。
また、ハイブリッド車の補機バッテリーとガソリン車のバッテリーを繋げることは危険です。ハイブリッド車のバッテリーは容量が大きく大電流が流れているため、ジャンピングスタートを行うとハイブリッドユニットなどが故障する可能性があります。
そのため、ハイブリッド車を救援車に使用することは不可能ということを覚えておきましょう。
ジャンプスターターを使用する
「ジャンプスターター」という、エンジンをかける小型のバッテリーを使用する方法もあります。このスターターがあると、他の車がいない場合でもエンジンをかけることが可能です。電流が流れるため、取り扱いには注意しましょう。
製品により使用方法はさまざまですが、スマートフォンを充電できる機能がついたものもあるため、災害時などの非常用としてもおすすめです。
ロードサービスを利用する
ジャンピングスタートができない状況やジャンプスターターがない場合、ロードサービスを利用することも手段のひとつです。
バッテリーが上がってしまったら、JAFや保険会社などのロードサービスに連絡して救援を要請しましょう。
要請先により異なりますが、電話やメールで簡単に呼ぶことができます。バッテリーだけでなくその他のトラブルにも対応してもらえるため、ロードサービスに加入しておくと安心です。
車のバッテリー劣化が心配なら定期点検がおすすめ
車のバッテリー劣化が心配であれば、定期的に点検を行うことが大切です。劣化は自分では気づきにくい場合もあるため、急にバッテリーが上がることも考えられます。そのようなことにならないためにも日頃の点検が必要です。
この項目では、定期点検を行う必要性などをご紹介しますので参考にしてください。
定期的に日常点検を行う
一般的に交換する時期は2年から3年となっていますが、車を運転する環境や使用状況により目安が異なるため注意が必要です。
正確にこの時期に交換を行うということはないため、個人ではわからない場合が多くあるでしょう。そのため、定期的にガソリンスタンドや車用品店、ディーラーなどで電圧を測ってもらうことがおすすめです。
その際、バッテリーが弱っていると言われ場合は交換を検討してもいいでしょう。バッテリーの点検は無料で行なっている場合も多いため、相談してみてください。
ネクステージはメンテナンスサービスが充実
中古車専門店のネクステージの取扱車は、無料保証を全車に付帯しています。中古車は少し不安という方でも安心です。また、ネクステージは全ての車を専門のメカニックが納車前に点検・整備を行っています。
突然起こるバッテリートラブルが心配な方は、ロードサービス付帯のメンテナンスパックがおすすめです。
ネクステージのロードサービスでは、搬送可能距離が100km無料や帰宅支援、ガス欠時の給油、無料点検なども付帯しており、安心してカーライフを送れるよう365日・24時間体制でサポートいたします。
まとめ
バッテリーは、車にとって重要な役割を持った部品です。エンジン始動からライト類、カーナビなどの電飾品へ電力を供給しているため、バッテリー上がりが起きると車が動かなくなります。この原因にはさまざまなものがありますが、対処法を知っていれば焦ることなく対処ができるでしょう。
しかし、一番はトラブルを未然に防ぐことです。定期的な点検はトラブルを防ぐ効果があるため、ぜひ一度プロに点検を依頼しましょう。
ネクステージでは、メンテナンスを付帯した保証をご用しております。購入後も安心して乗り続けていただけるようサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。