車のボディ構造と各部の名称・役割を初心者向けに徹底解説
車は私たちの生活に欠かせない乗り物ですが、その構造や各部品の名称、役割を理解しているでしょうか。ボディの形状や材質は、走行性能や安全性に大きな影響を与えます。
また、ボディ各部の名称と役割を知れば、適切なメンテナンスや補修に役立ちます。フロントからリアまで、車のボディ構造と各部位の名称・役割を確認しましょう。
※目次※
・車のボディタイプや材質は多様なため、用途に合わせて選ぶ必要がある。
・車のフロント外装パーツは、車の安全性や走行性能、デザインに大きく影響するものが多い。
・車のリア外装パーツには、荷物の積み降ろしや後方視界の確保など重要な役割を担うものが多い。
車のボディの基本構造
車のボディにはさまざまな種類があるため、用途に合わせて選ぶ必要があります。ボディの材質も鋼板、アルミニウム、炭素繊維など種類が多様です。車のボディの基本構造について、種類や材質、剛性と安全性の観点から詳しく解説します。
ボディの種類
車のボディタイプは多様なため、用途に合わせて選ぶ必要があります。セダンは乗り心地が良く、ファミリーユースに適しています。
荷室が広いワゴンは、アウトドアのレジャーにも便利です。SUVは車高が高く、悪路走破性に優れています。ハッチバックは小回りが利く上、燃費も良好です。
このように、ボディタイプによって長所と短所があるため、自分の用途に合わせて、ボディタイプを選びましょう。例えば家族が多い人であれば、ミニバンがおすすめです。単身で使うのであれば、コンパクトカーが向いている可能性が高いでしょう。
ボディの材質
車のボディには、鋼板、アルミニウム、炭素繊維などの素材が使われています。鋼板は安価で一般的ですが、重量があります。
アルミは軽量で強度が高いものの、加工が難しく高価です。炭素繊維は最も軽量で強度も高いのですが、製造コストが高く現在のところまだ普及には至っていません。
素材の選び方は、予算や用途に合わせて検討する必要があります。例えば燃費重視なら、軽量素材がおすすめです。一方、修理のしやすさを重視するのであれば、鋼板が無難でしょう。
このように、ボディの素材にも一長一短があり、自分のニーズに合わせて選ぶことが大切といえます。
ボディの剛性と安全性
ボディの剛性は、走行性能や安全性に大きな影響を与える要素です。ボディの剛性が高いと、走行中の車体のゆがみが少なくなり、さまざまな利点を得られます。例えば、ドアの開閉がスムーズで、長期間使っても隙間が生じにくいのが特徴です。
また、サスペンションの効果が高まるため乗り心地が向上し、タイヤのグリップ力が上がるため、コーナリングや直進安定性が高まります。
しかし、剛性が高すぎると車の挙動が硬くなりすぎる可能性もあるでしょう。そのため、メーカーは各部分の剛性を調整し、最適なバランスを保つ工夫をしています。
車のボディ各部の名称と役割【フロント外装パーツ】
次に、ボンネット、ルーフ、ピラーなど、車のボディを構成するフロント外装パーツの名称と役割について解説します。
これらのパーツは車の安全性や走行性能、デザインに大きく影響するため、その役割を理解することが大切です。また、メンテナンスの観点からも、各部品の特徴を知っておく必要があるでしょう。
ボンネット
ボンネットは、車の前部にあるエンジンルームのふたを指します。エンジンルームを覆うことで、外部からの衝撃からエンジンなどを守るのが役割です。一方で、歩行者と衝突した際には、ボンネットがクッションの役割を果たし、歩行者に対する衝撃を和らげてくれます。
また、ボンネットは車の外観にも大きく影響する要素です。ボンネットの形状や高さ、プレスラインなどによって、車の印象が大きく異なります。近年では、空気抵抗を減らすためにボンネットの形状が工夫されている車種も増えているのです。
ボンネットは定期的な点検が重要で、汚れや傷を放置すると、さびや車の劣化を早める原因になってしまいます。異常に気づいたら早めに対応しましょう。
ルーフ
ルーフとは、車の屋根部分です。雨や雪、日光などから車内を守る重要な役割を果たしています。頑丈な素材で作られているため、車体の強度を高める効果も発揮する存在です。
一部の車種では、開閉式の天窓である「サンルーフ」が搭載されています。サンルーフは車内に開放感をもたらし、快適性を高めてくれます。
例えば、夏場の車内が暑くなりがちな時期には、サンルーフを開けば風通しが改善し、涼しく過ごせるでしょう。ルーフは車の外観にも影響するため、デザインにもこだわりが詰まっています。
ピラー
ピラーは柱を意味する言葉で、車においてもルーフ(屋根)を支える柱を指します。フロントガラスの横にあるAピラーから始まり、後方に向かってBピラー、Cピラー、Dピラーと続きます。
ピラーの重要な役割は、車体の強度を保つことです。例えば横転事故の際には、ルーフがつぶれるのを防ぎ、乗員を守ります。
一方で、ピラーは視界の妨げにもなるため、近年では細くしたり形状を工夫したりと、視界を確保する努力がなされています。ピラーは、車のデザインにも影響を与える重要な部品です。
フロントガラス
フロントガラスは、運転席の正面に取り付けられた頑丈なガラスを差します。飛び石や傷、事故の衝撃から乗員を守るのが重要な役割です。例えば、歩行者と衝突した際には、フロントガラスがクッションの役割を果たし、衝撃を和らげてくれます。
また、フロントガラスの下部にあるダッシュボードには、各種メーターやエアコン、ナビゲーションなどの機器が搭載されています。ダッシュボードの上部にあるレジスターは、エアコンの風の吹き出し口で、車内の温度調整に役立つ存在です。
ワイパー
ワイパーは、フロントガラスの雨や雪、汚れを拭き取る重要な装置です。ゴムブレードが直接ガラスに当たり、拭き取る役割を担っています。例えば雨の日に運転する際には、ワイパーを作動させることで視界の確保が可能です。
ゴムブレードは消耗品なので、定期的に交換しなければなりません。劣化したゴムを放置すると、拭きむらができたり、ガラスに傷が付いたりしてしまいます。ワイパーは、雨天時の安全運転に欠かせない装置のため、軽視しないようにしましょう。
ドアミラー
ドアミラーは、運転席近くの左右のドアに取り付けられた小さなミラーのことです。後方の視界を確保し、安全運転を支援する重要な役割があります。例えば車線変更の際には、後方を確認することで事故を未然に防げるのです。
近年では、死角を減らすために曲面ミラーを採用したり、ヒーター付きで曇りにくくなったりと機能が進化しています。ドアミラーは小さな部品ですが、運転時の安全性に大きく影響する存在です。調整を怠らず、常に後方の視界が確保できるように意識しましょう。
ヘッドライト
ヘッドライトは、夜間や悪天候時に前方を照らし、ドライバーの視界を確保する重要な装置です。例えば夜道を運転する際、ヘッドライトがなければ前方が見えず、非常に危険です。
近年では、従来のハロゲンランプに代わりLED照明が主流になりつつあります。ハロゲンランプは明るさに優れていましたが、省電力かつ長寿命、すぐに明るくなるといったメリットのあるLEDに置き換わりつつあるのが現状です。
ヘッドライトは、夜間の安全運転に欠かせない装備であるだけでなく、車の顔ともいえる重要なパーツのため、デザインにもメーカーのこだわりが詰まっています。
フロントグリル
フロントグリルは、ボンネットの下部に取り付けられた格子状のパーツです。かつては、エンジンルームへの空気の取り入れ口という機能的な役割がありました。
しかし近年ではデザイン性が重視されるようになり、車の個性や表情を主張する重要な要素となっています。メーカーや車種ごとにさまざまな形状のフロントグリルが採用されており、その車の特徴を際立たせる役割を果たしているのです。
フロントバンパー
フロントバンパーは、車の前部に取り付けられた衝撃を吸収するためのパーツです。衝突時の衝撃から車体や乗員を守る役割があります。例えば衝突した際に、フロントバンパーがクッションの役割を果たし、衝撃を和らげてくれるのです。
表面はプラスチック製が一般的で、内側には金属製の骨格が組み込まれています。近年では、デザイン性も重視されるようになり、車のイメージを左右する重要な外装パーツとなっています。フロントバンパーは、安全性とデザイン性を両立する欠かせない部品です。
フェンダー
フェンダーとは、タイヤの上部を覆う泥よけを指します。主な役割は、走行中にタイヤが巻き上げる泥や小石などが飛び散るのを防ぐことです。これにより、後続車や歩行者に対する危険を防止できます。
例えば、雨の日に走行するとタイヤから水はねが起きますが、フェンダーがあればその水はねを防げるのです。フェンダーは車の安全性を高める重要な部品であるだけでなく、デザイン面でも車の印象を左右するポイントといえます。
サイドシル
サイドシルは、車のドアの下部にある細長い部品です。その主な役割は、乗り降りの際に足をかける「踏み板」としての機能です。例えば、ドアを開けた際に、サイドシルに足をかけることで乗り降りがスムーズになります。
サイドシルは左右のボディをつなぐフレームでもあるため、車体の強度を高める重要な構造部材でもあるのです。サイドシルを高い位置に設計すればボディ剛性が向上する一方で、乗り降りの利便性は低下します。つまり、サイドシルの設計には強度と利便性のバランスが求められます。
フロントドア
フロントドアは、運転席と助手席への乗り降りを可能にする開口部です。それだけでなく、車の安全性や機能性、デザインにも大きく貢献しています。例えば、ドアミラーはフロントドアに取り付けられ、後方の視界を確保して安全運転を支援します。
またドア下部のサイドシルは、乗り降りの際の踏み板としての役割を果たし、利便性を高めています。さらに、前述の通りサイドシルはボディの強度を保つ、重要な構造部材でもあるのです。
このように、フロントドアは単なる開口部ではなく、周辺のパーツと連携しながら、さまざまな機能を果たしています。
ホイール
ホイールとは、タイヤの内側にはめ込まれた車輪のことです。車軸につながっており、タイヤに動力を伝える重要な役割を担っています。
一般的にスチールやアルミ合金製で、デザインにもこだわりが詰まっています。例えば、スポーティーなデザインのホイールを装着すれば、車の印象が大きく変わるでしょう。
またホイールのサイズも重要で、大きいほどグリップ力が向上し、ハンドリングが良くなる傾向にあります。しかし乗り心地が硬くなるデメリットもあり、用途に合わせて適切なサイズを選ぶ必要があるのです。
このように、ホイールは走行性能とデザイン性を両立する、車にとって欠かせない部品といえるでしょう。
タイヤ
タイヤは車と路面の接点であり、車の走行に欠かせない重要なパーツです。タイヤは車体の重さを支え、エンジンやブレーキの力を路面に伝えて車を動かします。また、走行中の路面の凸凹による衝撃を吸収し、乗り心地を改善する役割もあるのです。
タイヤの空気圧や溝の深さが適切でないと、十分な機能を発揮できません。そのため、定期的な点検と適切な時期での交換が重要です。
タイヤは消耗品のため、摩耗が進むと安全性が損なわれてしまいます。安全運転のためにも、タイヤのメンテナンスは欠かせません。
車のボディ各部の名称と役割【リア外装パーツ】
次に、車のリア外装パーツについて見ていきましょう。リア部分には、荷物の積み降ろしや後方視界の確保など、重要な役割を担うパーツが数多く装備されています。
バックドア、バックドアガラス、リアワイパーなど、それぞれの名称と機能を確認しながら、車のボディの構造を理解しましょう。
バックドア
バックドアとは、車の後部にある荷物の積み降ろしに使われる開閉式の扉のことです。車種によって開き方が異なり、上部にヒンジのある跳ね上げ式以外にも、横開き式や左右両方に開く観音開き式などがあります。
バックドアは、荷室へのアクセスを容易にするだけでなく、後方視界の確保にも重要な存在です。バックドアガラスを通して後方を確認できるため、安全運転に欠かせない存在といえるでしょう。
バックドアガラス
バックドアガラスは、車の後部にあるバックドアに取り付けられたガラスのことです。後方の視界を確保するために欠かせない存在で、走行中に後方の状況を確認できるよう設計されています。
バックドアガラスには、リアワイパーが装備されているケースが多く、雨や雪、汚れを拭き取り、後方視界を確保する役割を担っています。安全運転のためにも、バックドアガラスは重要なパーツです。
トランクリッド
トランクリッドとは、セダンタイプの車に装備されている開閉式のトランクのふたです。荷物を積むためのトランクスペースを覆い、雨風から守る役割があります。
例えば、旅行に行く際に大きな荷物を車に積むとき、トランクリッドを開けてスペースを確保できるのは便利でしょう。またトランクリッドを閉めておけば、荷物がぬれたり汚れたりするのを防げます。
このように、トランクリッドは車の荷物スペースを守り、利便性を高める重要な部品です。
リアワイパー
リアワイパーは、バックドアガラスに取り付けられたワイパーです。雨や雪、泥などの汚れをバックドアガラスから拭き取り、後方視界を確保する重要な役割を担っています。
特にタイヤから跳ね上がった泥が付着しやすいハッチバックやミニバンなどでは、リアワイパーの存在が欠かせません。
雨の日でも、後方の安全確認ができるおかげで、事故を未然に防ぐことにつながるのです。リアワイパーは小さな存在ですが、安全運転に大きく貢献しているパーツといえます。
リアドア
リアドアとは、後部座席への乗降口となるドアのことです。一般的な「ヒンジドア」と、開口部が広く狭い場所でも便利な「スライドドア」の2種類があります。乗員の乗り降りを容易にするだけでなく、荷物の積み降ろしにも役立つ重要なパーツです。
例えば、子どもを抱えた家族連れの場合には、スライドドアなら狭い場所でも安全に乗り降りができるでしょう。このように、リアドアは利便性と安全性を両立させる、車のボディの要となる部品のひとつです。
リアバンパー
リアバンパーは、車の後部に設置されたパーツで、後方からの衝撃を吸収する役割を担っています。
例えば追突事故の際に、車体や乗員への被害を最小限に抑えるために重要な働きをする部品です。プラスチック製の表面と金属製の骨組みで構成されており、軽量化と強度を両立させています。
デザイン性も重視されており、車種やメーカーのコンセプトに合わせたさまざまな形状が採用されています。さらに、バックランプやリフレクターなどの安全装備が組み込まれているケースもあり、夜間の視認性向上にも一役買っているのです。
テールランプ
テールランプは、車の後部に設置された灯火器具で、夜間や悪天候時に自車の存在を後続車に知らせる重要な役割を担っています。ヘッドライトと連動して点灯するのが一般的で、視界が悪い状況でも安全運転を支援してくれる存在です。
例えば、雨の日でも後続車に自車の位置を伝えられるので、追突のリスクを大幅に下げられます。このように、テールランプは事故防止に大きく貢献する安全装備です。
ブレーキランプ
ブレーキランプは、ブレーキペダルを踏むと赤く点灯するランプのことです。後続車に減速していることを知らせる大切な役割を担っています。例えば、急な減速が必要な場面で、ブレーキランプが点灯すれば、後続車に危険を伝えられます。
テールランプと一体型になっている車種が多く、夜間でも視認性が高くなるように設計される部品です。ブレーキランプは小さな存在ながらも、安全運転に欠かせない重要な装備です。
バックランプ
バックランプとは、シフトレバーを「R(リバース)」に入れたときに点灯するランプのことです。後退時に点灯することで、周囲の車や歩行者に後退していることを知らせる重要な役割を果たします。
夜間や悪天候時など視界が悪い状況では、バックランプの存在が事故防止に大きく貢献するでしょう。後続車は、バックランプの点灯で前方の車が後退していることを認識し、適切な対応をとることができるのです。
フューエルリッド
フューエルリッドとは、車の給油口のカバーのことです。運転席でレバーを操作すると、後方にあるフューエルリッドが開きます。給油の際に開けるため、燃料を入れる上で重要な部品です。
ガソリンスタンドで給油しようとすれば、フューエルリッドを開けないと給油口にアクセスできません。このように、フューエルリッドは車の燃料補給に欠かせない存在です。
また、フューエルリッドを閉めておけば、雨風から給油口を守ることもできます。小さな部品ですが、車の動力源である燃料を守る大切な役割を担っているのです。
まとめ
車のボディは、フロントグリルやフェンダー、バックドアなどさまざまな部品から構成されています。各部品にはそれぞれ役割があり、ボディ全体の剛性や安全性を高める上で重要な機能を果たしているのです。
ボディの構造や材質、耐久性などについて把握することで、適切なメンテナンスや修理が可能になります。車を長く安全に乗り続けるためには、ボディの重要性を理解し、適切なケアを心がけることが重要です。
【この記事の執筆者】
五十嵐巧
大手出版社での書籍編集を皮切りに、25年以上にわたり書籍・雑誌・Webメディアの編集・ライティングに携わる。現在はフリーランス編集者・ライターとして活動し、複数の自動車メディアでもコンテンツの編集・執筆に取り組む。豊富な取材経験と専門知識を活かし、読者に信頼される情報を提供し続けている。
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