車のボディに鉄粉が付着する原因とは?除去方法やボディケアについて解説
愛車のボディに小さな赤茶色の斑点を見つけたことはありませんか。それは「鉄粉」かもしれません。鉄粉は単なる見た目の問題だけでなく、放置すると塗装を傷めてしまう厄介な存在です。しかし、「鉄粉除去は難しそう」とお考えの方もいるでしょう。
この記事では、車の美観を守るための鉄粉除去の重要性と、その方法について紹介します。鉄粉除去に使用するアイテムや手順を把握できるでしょう。ボディのメンテナンスについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
※目次※
・鉄粉は、微細な鉄の粒子のことで、ボディの水平な面に付着しやすい。
・付着した鉄粉を放置すると、塗装の劣化やサビにつながり見た目を悪化させる要因となる。
・鉄粉除去に使用するアイテムは、専用スプレーやラバーパッド、粘土などがある。
車に鉄粉が付着する原因と除去の必要性
車のボディに付着する鉄粉は、見た目だけでなく車の寿命にも影響を与える厄介な存在です。ここでは、鉄粉の概要と発生原因、車体への影響、そして除去の頻度について解説します。愛車を長く美しく保つために、鉄粉の正体を知って、その影響を理解しましょう。
鉄粉の定義と発生原因
車のボディに付着する鉄粉とは、空気中を漂う微細な鉄の粒子のことです。これらは、工場地帯や鉄道沿線、交通量の多い道路など、さまざまな環境で発生します。
鉄粉は車体全体に付着しますが、特にボンネットやルーフなど、水平な面に集中して付着しやすい点が特徴です。また、車自体も鉄粉の発生源となることがあります。
特に輸入車では、ブレーキパッドだけでなくディスクローターも摩耗しやすいため、ホイール周辺に黒い点状の鉄粉が付着することも珍しくありません。鉄粉の存在は、洗車後のボディを手でなぞることで確認できます。ザラザラとした感触があれば、それが鉄粉です。
鉄粉が車体に与える影響
鉄粉が車体に与える影響は、見た目だけでなく車の寿命にも関わる深刻な問題です。まず、鉄粉はボディにザラつきを生じさせ、美観を損ねます。特に白やシルバーなど明るい色の車では、その影響が顕著です。
さらに、鉄粉は時間とともに酸化し、さびを引き起こします。さびは塗装面を侵食し、放置すればボディ全体に広がる可能性があるため注意が必要です。
また、鉄粉の付着は洗車効果を低下させます。鉄粉が付着した表面は水切れが悪くなり、汚れが落ちにくくなるため、手入れにより多くの時間がかかるでしょう。
鉄粉除去の頻度
鉄粉除去の頻度は、使用環境やコーティングの有無によって異なります。コーティング施工車なら半年に1回程度、付着が多い環境では2か月~3か月に1回が目安です。
定期的な鉄粉除去は車の美観を保つだけでなく、塗装の寿命を延ばし、愛車を長く楽しむことにつながります。ボディのザラつきを感じたら、早めの対応を心がけましょう。
車の鉄粉除去の準備|必要な道具と選び方
車の鉄粉除去作業を効果的に行うためには、適切な道具の選択が重要です。ここでは、鉄粉除去に必要な道具や、初心者向けの選び方のポイントについて解説します。鉄粉除去用のアイテムと同時に、一般的な洗車道具も用意しておくとよいでしょう。
鉄粉除去に必要な道具
鉄粉除去には、専用の道具が欠かせません。基本となる道具は以下の3つです。
・鉄粉除去剤
・ラバーパッド
・トラップ粘土
鉄粉除去剤は、スプレータイプが主流で、鉄粉を化学的に溶解させる効果があります。ラバーパッドは広範囲の鉄粉除去に適しており、ゴム製の表面で優しく鉄粉を取り除くことが可能です。トラップ粘土は頑固な鉄粉に効果的ですが、使用には注意が必要です。
これらの道具を組み合わせることで、効率的に鉄粉を除去できるでしょう。ただし、各道具の特性を理解し、適切に使用することが重要です。
初心者向け鉄粉除去剤の選び方のポイント
初心者が鉄粉除去剤を選ぶ際は、使いやすさと安全性を重視しましょう。スプレータイプは扱いやすく、広範囲に使用できるため、初心者におすすめです。
特に、鉄粉と反応して色が変わるタイプは、効果が目で確認できます。また、中性の製品を選ぶと、塗装への影響が少なく比較的安全です。
安全で効果的な車の鉄粉除去の手順
車の鉄粉除去作業は、適切な手順を踏むことで効果的に行えます。ここでは、鉄粉を除去するための具体的な手順を解説します。作業前の準備から除去剤の使用方法、そして仕上げまでの一連の流れを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
鉄粉除去前|車体の洗浄と確認
鉄粉除去作業を始める前に、まずは車体を丁寧に洗浄しましょう。これは、鉄粉以外の汚れを落とし、作業効率を上げるためです。洗車には中性のカーシャンプーを使用し、ボディ全体を隅々まで洗います。
洗車後、車体を乾かし、鉄粉の付着状況を確認します。手のひらで優しくボディをなでると、ザラザラとした感触が鉄粉の存在を教えてくれます。
特に、ボンネットやルーフ、サイドパネルなど、水平な面に注目しましょう。鉄粉の分布を把握したら、車体の状態に応じて、適切な鉄粉除去剤と道具を選びます。
鉄粉除去の手順
鉄粉除去剤を効果的に使用するには、正しい手順を守ることが重要です。まず、車体が乾いた状態で作業を始めます。スプレータイプの除去剤なら、ボディに均一に吹きかけ、製品の指定時間だけ放置しましょう。この間、鉄粉が溶解し始め、多くの製品では紫色に変化します。
放置時間が経過したら、除去剤が乾く前に十分な水で洗い流します。この際、高圧洗浄機を使用すると効果的ですが、水圧が強すぎないよう注意が必要です。
粘土タイプの除去剤を使用する場合は、専用の潤滑剤を併用し、軽い力で円を描くように磨きます。どの方法においても一度に広範囲を処理せず、小さな区画に分けて作業することで、より確実に鉄粉を除去できるでしょう。
鉄粉除去後|すすぎと仕上げ
鉄粉除去作業が完了したら、除去剤の残留物を取り除いていきましょう。すすぎ後は、清潔なマイクロファイバータオルで水滴を拭き取ります。拭き取る際は、一方向に動かし、円を描くように拭かないことがポイントです。これにより、微細な傷の発生を防ぎます。
最後に、ボディの状態を確認します。手のひらでなでて、ザラつきが残っていないか確認しましょう。
もし鉄粉が完全に除去されていない箇所があれば、その部分のみ再度処理を行います。仕上げとして、ワックスやコーティング剤を塗布すると、より美しく仕上がります。
鉄粉除去作業時の注意点
鉄粉除去作業には細心の注意が必要です。まず、作業場所は日陰や屋内を選び、直射日光を避けましょう。除去剤が急速に乾燥すると、効果が低下するためです。また、作業中は手袋を着用し、皮膚への接触を防ぎます。
除去剤を使用する際は、風向きに注意し、飛散を防ぐことが大切です。万が一、目に入った場合は直ちに大量の水で洗い流し、医師の診察を受けましょう。
鉄粉除去後のボディケアの方法
鉄粉除去後のボディケアは、車の美しさを長期的に維持するために欠かせません。ここからは、鉄粉除去を行った後のボディケア方法について詳しく解説します。ポイントを押さえておくことで、愛車の美しさを保ちましょう。
鉄粉除去後の適切なボディケア方法
鉄粉除去後のボディケアは、車の美しさを長く保つ重要な工程です。洗車の頻度は、使用環境や走行距離によって異なりますが、一般的に2週間~1か月に1回程度を目安にするとよいでしょう。
ただし、泥道や雪道を走行した後や、鳥のフンや虫の死骸が付着した場合などは、速やかに洗車することをおすすめします。
洗車のタイミングも重要です。夏場は早朝や夕方が適しており、真昼の強い日差しを避けることで、イオンデポジットやウォータースポットの発生リスクを抑えられます。また、風の強い日は砂やほこりが舞いやすく、洗車キズの原因となるため避けましょう。
鉄粉除去後はボディコーティングもおすすめ
ボディコーティングは、車の塗装面を保護し、汚れを付きにくくする効果的な方法です。ガラス系コーティングの場合、塗装面に強固な保護膜を形成し、鉄粉が直接塗装に触れるのを防ぎます。これにより、鉄粉の除去作業が容易になり、塗装の劣化も抑えられます。
コーティングのメリットは多岐にわたります。洗車の手間が大幅に軽減され、水洗いだけで汚れが落ちやすくなります。艶やかな外観を長期間維持できるため、車の資産価値の保持にもつながるでしょう。
ただし、ボディコーティングにはデメリットもあります。施工費用が比較的高額であり、DIYでの施工は難易度が高い点です。きれいな仕上がりを求めるのであれば、費用はかかりますがプロによる施工をおすすめします。
ボディコーティング後のメンテナンス方法
ボディコーティング後のメンテナンスは、その効果を長く保つ鍵となります。まず、軽い汚れの場合は、水洗いだけで済むでしょう。汚れが目立つ場合は中性のシャンプーを使用します。シミを防ぐためにも、汚れたら洗車することが重要です。
強い洗剤や硬いブラシは、コーティング層を傷つける可能性があるため避けましょう。また、コーティング後においても鳥のフンや虫の死骸などが付着した場合は、速やかに除去しておきましょう。長時間放置するとコーティング層を劣化させる恐れがあります。
日々の点検と適切なケアを心がけることで、コーティングの効果を最大限に引き出し、愛車の美しさを長く保つことができるでしょう。
まとめ
車の鉄粉は、放置すると塗装面にダメージを与える可能性があるため、適切な除去が必要です。鉄粉除去には専用の道具と手順が重要で、安全性と効果を考慮して選択しましょう。除去作業は慎重に行い、その後のボディケアも忘れずに実施することが大切です。
定期的な鉄粉除去と予防策を講じることで、愛車の美しさを長く保てます。また、ボディコーティングの施工も効果的な保護方法のひとつとして検討する価値があるでしょう。
【この記事の執筆者】
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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