ハイブリッドカーの燃費は?本当にお得なのかガソリン車と徹底比較
車選びの際、維持費のために燃費を重視するという方は少なくありません。その場合、燃費が良いと言われているハイブリッドカーを購入候補に入れる方も多いでしょう。
しかし、車にあまり詳しくない方だと「ハイブリッドカーは本当に燃費が良くてお得なのか」と疑問や不安を抱くこともあるのではないでしょうか。そこでこの記事では、ハイブリッドカーの燃費事情について情報をまとめました。
ハイブリッド車の仕組みを詳しく説明するほか、中古車情報も紹介します。ガソリン車との比較もおこないますので、燃費の良い車をお探しの方はぜひ参考にしてみてください。
※目次※
・今では主流!ハイブリッドカーの普及率は10年間の間で16倍にも上がっている
・ハイブリッドカーは初期費用がかかるものの、維持費を抑えることができたり環境に優しかったり様々なメリットがある
・ハイブリッドカーを購入するなら中古車もおすすめ!中古車購入の際はぜひネクステージへ
解説!ハイブリッドとは
まずは「ハイブリッド」とは何かを詳しく見ていきましょう。今では燃費の良さやエコといったイメージが定着しつつありますが、実際はそういった意味の言葉ではありません。
ハイブリッドとは、複数の異なる品種(動物、植物など)を人工的に組み合わせたものを表します。「雑種」や「混合」という言葉が意味合いとしては同じになるでしょう。
詳しい仕組みについては後述しますが、ハイブリッドカーはガソリンと電気という異なる要素が掛け合わさった工業製品であるということになります。
ハイブリッドカーには種類がある!
ハイブリッドカーは「HV」と略称で表記されることもありますので、ハイブリッド車を探す際は覚えておくと良いでしょう。
続いてこの項目では、ハイブリッドカーの種類について解説、紹介を行います。ハイブリッドカーと一口に言っても、種類がいくつかあるので簡単に違いを確認しておきましょう。種類を把握することで、車選びもスムーズになるかと思います。
1:シリーズ方式とは
シリーズ方式とは、基本バッテリーの「電気」でモーターを回して走行する方式です。電気が尽きたらエンジンで発電機を回すことでモーターを動かします。
エンジンはあくまで発電時に使い、車を動かすのはモーターです。主に電気を必要とするため、分類としては「電気自動車」に近いかもしれません。エンジン音が小さいといったメリットもあります。
2:スプリット方式とは
スプリット方式とは、シリーズ方式と次で紹介するパラレル方式の仕組みを上手く使い分けて車を走らせる方式です。エンジンと電気(モーター)の両方を効率良く動力源として使うため、そのままシリーズ・パラレル方式と呼ばれることもあります。
発進するときや低速で走るときはモーターを使用し、速度が上がったらエンジンを併用するといった仕組みで動く車です。一番燃費効率が良いと言われていますが、その反面で構造上重量が増えてしまうというでメリットもあります。
3:パラレル方式とは
パラレル方式とは、エンジンを主体とする方式です。エンジンが動力のメインではありますが、発進や加速といった強い力を必要とするときに、モーターがアシストしてくれます。
エンジンだけでは発進や加速で燃費が悪くなりがちですが、モーターによって燃費を向上してくれるのです。なかにはモーターのみの走行に切り替えるシステムを搭載している車もあります。
マイルドハイブリッドについて
ハイブリッド車は一般的に、電気モーターが搭載された「ストロングハイブリッド」と呼ばれるものが主流でした。しかし、最近では「マイルドハイブリッド」という新しい仕組みを使っている車も増えてきています。
マイルドハイブリッドにはモーター機能付きの発電機が搭載されています。これは発進時などトルクの弱い回転域でアシストするもので、基本的に通常走行で使用されるのはモーターでなくエンジンなのがマイルドハイブリッドの特徴です。
マイルドハイブリッドにおけるモーターはあくまで補助のためにあるものと考えると良いでしょう。バッテリー容量が小さいため、車の重量が比較的軽い、車内空間が広めにとれるといったメリットがあります。ストロングハイブリッドよりも低コストという点も魅力です。
仕組みの違いを解説
この項目では、ハイブリッド車とその他車がどのように違うのか、仕組みについて詳しく解説していきます。ガソリン車や電気自動車といったハイブリッドとは異なる仕組みで動く車も多く存在しますが、具体的にどう違ってくるのでしょうか。
種類によるものの、ハイブリッド車は電気モーターを使うことから「電気自動車との違いがイマイチ分からない」と混乱する方も少なくはありません。以下の内容で、違いを確認してみましょう。
電気自動車と違うの?
電気自動車は外部で充電し、その電気でモーター走行を行う車です。モーターとエンジン両方を使うハイブリッド車に対し、電気自動車は100%電気を使って動くというのが一番の違いでしょう。
また、電気自動車にもいくつか種類が存在します。バッテリーの電池で駆動する純電気自動車(BEV)や水素と酸素で発電しモーターで駆動する燃料電池車(FCV)が代表的です。(プラグインハイブリッド(PHV)も外部から充電ができます)
純電気自動車はEVとも呼ばれますが、EVは電気を使う自動車の総称としても使われているためBEV表記で区別されているという点は覚えておくと良いかもしれません。
ガソリン車の仕組みは?
ガソリンエンジンの場合は燃料と空気が混ざった混合気というものを圧縮し、そこで発生した混合ガスに点火プラグから出る火花で着火して燃焼するのです。燃焼してエネルギーを生み出すことで車は走ることができます。
この燃焼した時に発生するガスが、いわゆる排気ガス(CO2)と呼ばれるものです。排気ガスの量が多いほど車の推進力・加速力が強くなりますが、近年では環境問題のひとつにもなっています。
ハイブリッドカーのメリットは?
ハイブリッドカーはガソリン車よりも、初期費用は高めです。しかし、それでも日本ではハイブリッドカーのグレードのみをラインナップするメーカーも出てくるほどハイブリッドカー主流になりつつあります。
2009年の時点ではハイブリッド車は約52万台程度しか普及されていませんでしたが、2019年には約845万台までに増加しているのです。10年で普及率が16倍にまでなったハイブリッドカーには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット|静かで環境に優しい
ハイブリッドカーのメリットとしてまず挙げられるのは、静寂性の高さや環境に優しいといった点が挙げられます。ハイブリッド車はガソリン車に比べると、そこまで大きな音が出ません。エンジンをかけるのが躊躇われる時間帯でも、ご近所迷惑になることはないでしょう。
また、モーターを利用するハイブリッド車はガソリン車に比べて排出するCO2の量が少なく済みます。このことから、ハイブリッドカーは環境に優しいエコカーとして注目を集めているのです。
メリット|下取り価格が高い
近年はハイブリッドカーの下取り価格が高い傾向にあります。理由としては、人気がある(需要がある)ためメーカーが装備を充実させているといった点が挙げられるでしょう。装備や機能が豊富な車の方が、売りに出すときの価格も高くなります。
ハイブリッド車は維持費の面でもメリットが高いため、中古車でも需要が高いのです。そのため、後のことを考えてハイブリッドカーを購入するという方は少なくありません。
メリット|購入時のエコカー減税
上記でハイブリッド車は「維持費の面でもメリットが高い」と述べましたが、その理由はエコカー減税という制度にあります。エコカー減税とは、対象車となる車の税金が免除される制度です。燃費基準を達成した数値によって、免除される金額は変わってきます。
ハイブリッド車は最大で自動車取得税と重量税が全額免除、さらに自動車税も75%(軽自動車であれば50%)されるので、維持費を節約したい方にはおすすめです。
しかし、このエコカー減税はずっと適用される訳ではなく有効期限は2021年4月30日までなので、その点は注意が必要になるでしょう。
メリット|ガソリン代の節約
ハイブリッドカーはモーターとエンジン両方を使用しているため、燃費効率が良いと言われている車です。そのため、ガソリン代を抑えることができ、結果として維持費の節約になります。
ガソリンの消費が遅いということは、ガソリンを入れる手間もそれだけ省くことができるということです。節約できる上に手間も減るということは、運転者によって大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
ただし、ハイブリッドカーは走行環境によって燃費の良さを発揮できないこともあります。場合によってはガソリン車とそう変わらない燃費になることは念頭に置いた方が良いかもしれません。
デメリット|購入価格が高い
ハイブリッドカーにはメリットと言える点が多々ありますが、その反面デメリットもあります。一番のデメリットは、ガソリン車よりも初期費用が高いという点です。中古車であっても高めに価格が設定されているため、手を出しにくいと思う方も少なくはないでしょう。
しかし、ハイブリッドカーはその分維持費の節約ができますし、手放すときも高く売ることができます。そのことを考えると、このデメリットはそこまで大きいものではないと言えるでしょう。
ハイブリッドカー維持費/燃費をガソリン車と比較
ガソリン車よりも維持費が節約できると評判のハイブリッドカーですが、実際どのくらい維持費を節約できるのでしょうか。この項目では、ハイブリッドカーとガソリン車の維持費と燃費をそれぞれまとめました。
かかってくる税金や年間ガソリン代を記載しますので、ぜひ車選びの参考にしてください。ただし、運転者によって燃費や車検費用など変動してくる点はありますので、あくまで参考として見て頂ければと思います。
ノアのハイブリッド車
ノアのハイブリッド車(HYBRID Si“W×B Ⅲ”)の維持費と燃費から見ていきましょう。まず燃費についてですが、カタログ燃費はWLTCモードで19.0km/Lと公式サイトには記載されています。
以下表に記載してある燃料費は、カタログ燃費の数値とガソリン代の平均価格で計算されたものです。下記は減税されていない金額になりますが、減税の対象となる車であれば税金はもう少し抑えることができます。
自動車税 |
3万9,500円 |
重量税 |
3万2,800円 |
自賠責保険料 |
2万10円 |
車検の基本料金 |
1万~1万5,000円程度 ※場所によって変動 |
燃料費 |
7万2,222円* |
(2021年1月時点の情報です)
*ガソリン代=130円で計算
(参考: 『ノア(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ノアのガソリン車
続いてノアのガソリン車(Si“W×B Ⅲ” 2WD)の維持費と燃費を見ていきましょう。燃費はWLTCモードで13.2km/Lと公式サイトには記載されています。ハイブリッド車よりも数値は低いので、年間でかかる燃料費も高くなります。
自動車税 |
3万9,500円 |
重量税 |
3万2,800円 |
自賠責保険料 |
2万10円 |
車検費用 |
1万~1万5,000円程度 ※場所によって変動 |
燃料費 |
9万8,484円* |
(2021年1月時点の情報です)
*ガソリン代=130円で計算
搭載電池には寿命がある?
ハイブリッドカーに搭載されている電池には寿命があり、いずれは交換しなければならないものです。まず、寿命は電池の種類で異なります。ニッケル水素電池だと10年以上も持ち、故障なしのまま廃車まで乗り続ける方も少なくありません。
リチウムイオンバッテリーを搭載しているハイブリッド車も多いですが、こちらは5年以上が寿命とされています。また、保証期間に関してはメーカーによって対応が異なるので注意が必要です。
5年間、走行距離が10万km走行まで保証するというメーカーが多い傾向にありますが、期間については事前にメーカーから確認を取っておくと良いでしょう。保証期間外で交換する場合は約20万~30万円の費用がかかりますので、交換のタイミングにはお気を付けください。
ハイブリッドカー燃費TOP6と中古相場
今では多くのメーカーがハイブリッドカーを提供しており、どの車を買おうか悩んでいるという方も多いかと思います。この項目では、おすすめのハイブリッドカーをランキング形式にまとめました。
燃費に焦点を当てたランキングになりますので、燃費の良いものを求めている方はぜひ確認してみてください。また、車それぞれの中古相場も紹介しますのでそちらもご参考ください。
6位トヨタ カローラフィールダー
燃費の良いハイブリッドカーとして6位に入ったのは、トヨタのカローラフィールダーです。実燃費の平均値は22.5km/Lと良い数値を出しており、走行性能も良いので長距離運転にも適している車と言えます。
新車価格は現行(2021年2月の時点)のハイブリッド車で228万1,400円ですが、中古車であれば約100万~250万程度で購入可能です。
(参考: 『カローラフィールダー(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
5位トヨタ ヴィッツ
5位にはトヨタのヴィッツがランクインしました。ヴィッツは軽自動車を除き、トヨタの中で最も小さい車という特徴があります。グレードも豊富で、人気が高い車です。また、実燃費の平均値は23.1km/Lと高く優秀な燃費性能と言えるでしょう。
ハイブリッド車の新車価格はグレードにもよりますが、現行(2021年2月の時点)で199万8,000 円~249万3,000 円となります。中古車であれば、約100万~420万程度で購入可能です。
(参考: 『ヴィッツ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
4位トヨタ カローラスポーツ
4位にはトヨタのカローラスポーツがランクインしました。オーリスの後継として登場した車で、インテリアの雰囲気や質の良いデザインに定評のある車です。平均実燃費はヴィッツと同様、23.1km/Lと高い数値を出しています。
ハイブリッド車の新車価格は現行(2021年2月の時点)で248万8,000円~284万1,000円で、中古車であれば約115万~290万程度で購入可能です。
(参考: 『カローラスポーツ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
3位ホンダ フィット
3位にはホンダのフィットがランクインしました。フィットはコンパクトカーのなかでも、車内空間が広く、荷室容量も十分に確保しているので便利性が高いと評判の車です。燃費性能も高いと好評で、ハイブリッド車の平均実燃費は23.6km/Lでした。
新車価格は現行(2021年2月の時点)で199万7,600円~232万7,600円となります。中古車であれば、約10万~150万程度で購入可能です。
(参考: 『フィット(ホンダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
2位トヨタ プリウス
2位にはトヨタのプリウスがランクインしました。プリウスは世界初の量産ハイブリッド専用車であり、ハイブリッド車の先駆けとも言われている車です。実燃費の平均も24.1 km/Lと高く、多くのユーザーに愛されています。
新車価格はグレードによって大きく変わってきますが、現行(2021年2月の時点)で260万8,000円~335万9,000円で購入可能です。中古車の場合は約10万~400万で購入できます。
(参考: 『プリウス(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
1位トヨタ アクア
1位に輝いたのはトヨタのアクアです。アクアは燃費性能が世界トップクラスと言われている車であり、実燃費の平均値も24.2 km/Lと良い数値を出しています。また、便利性の高いコンパクトなサイズ感も人気のひとつと言えるでしょう。
新車価格は現行(2021年2月の時点)で181万8,300円~261万300円で、中古車だと約15万~240円程度で購入可能です。価格も比較的リーズナブルなので、ぜひ購入候補に入れてみてください。
(参考: 『アクア(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
中古ハイブリッドカーを選ぶ際のポイント
ハイブリッドカーは新車で購入すると、初期費用が高くなりがちです。高くて手が届かない、ガソリン車の方が安いからそちらを購入するか悩む……といった方も多いでしょう。そんな方は、中古車でハイブリッドカーを購入することも検討してみてください。
少しでも費用を抑えたいという方に、中古車購入はおすすめです。ただし、しっかりと選んで買わないとすぐに故障するといったトラブルも起きてしまうので注意しましょう。
中古のハイブリッドカーを選ぶ場合は、バッテリー、電池の寿命や走行距離の長さをチェックしましょう。走行距離が長いものはそれだけバッテリーが消耗されていますし、極端に距離が短いものは劣化している可能性があります。
そのため、バッテリーの消耗具合を見極めるポイントのひとつとなるのです。最近のハイブリッドカーはバッテリーの質も上がっており、交換不要のケースも多いですが確認は必要です。
そのほか燃費やバッテリー、電池の種類などが気になる場合はメーカーによって違いが出てくるので、事前に調べておきましょう。
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まとめ
ハイブリッドカーは燃費も良く、環境に優しい車です。初期費用が高いようにも感じますが、維持費の面を考えるとデメリットと言うほどではありません。購入する車にお悩みの方は、ぜひハイブリッドカーを候補に入れてみてください。
ハイブリッド車は中古車市場にも多く流れていますので、費用を抑えたい方は中古車購入も視野に入れてみると良いでしょう。その際はぜひ、品揃えが豊富な『ネクステージ』をご利用ください。