電気自動車の充電料金はいくら?ガソリン代との比較やお得に充電する方法も◎
ここ数年で急速に普及している電気自動車は、走行時に二酸化炭素を排出しないことから環境負荷が低いことで注目され、各自動車メーカーから発売されています。
ガソリン車とは異なりガソリン代がかからないため、維持費の面でも電気自動車は優れているといわれていますが、実際にどれほどの充電料金がかかるのかが気になるポイントです。
本稿では、電気自動車の充電方法や充電料金を紹介します。またガソリン代と充電代の比較や、充電代を抑える方法も紹介しているので、電気自動車の購入を検討している方は参考にしてみてください。
※目次※
・電気自動車の充電スポットには無料で利用できる場所もある。
・充電スポットは自動車メーカーの販売店や大型商業施設、高速道路のパーキングなどに設置されているが、場所によって充電方式が変わるので注意が必要。
・電気料金や充電認証カードのプランを見直すことで、充電料金を抑えられる。
電気自動車の充電料金はいくら?自宅充電の場合
電気自動車の充電料金は、自宅充電を使用する場合と、外出先の充電スポットを利用する場合で異なります。まずは、自宅充電にかかる充電料金の目安や、自宅充電の特徴を確認してみましょう。自宅に充電設備を設置する際にかかる料金についても解説します。
自宅充電の料金目安
自宅で充電をする場合は、契約している電力会社のプランによっても変わります。一般的には1kWhあたり15円~35円程度を目安にするとよいでしょう。
例えば、関西電力の「はぴeタイムR」のナイトタイム(夜間時間)に充電を行った場合、1kWhあたり15.37円で充電が可能です。また、電力需要の多い夏季のデイタイム(昼間時間)で充電をした場合は、1kWhあたり28.87円で充電できます。
代表的な電気自動車の自宅での充電料金(0%~100%まで)の目安は以下の通りです。
車種名 |
バッテリー容量 |
充電料金の目安 (1kWhあたり31円で算出) |
日産 サクラ |
20kWh |
620円 |
日産 リーフ |
40kWh |
1,240円 |
トヨタ bZ4X |
71.4kWh |
2,213円 |
テスラ モデル3 パフォーマンス |
82kWh |
2,542円 |
メルセデスベンツ 2022 EQE 350+ Base |
90.6kWh |
2,809円 |
自宅充電の特徴
自宅で充電する方法は、普通充電と呼ばれている充電方式で、主に200Vの交流電源にて充電を行います。設置する充電器や電気自動車の種類によっても詳細は異なりますが、一般的には3kW充電です。
出力が3kW程度のため、満充電までに時間を要するデメリットがあります。一方で、寝ている間に充電ができる他、順番待ちをすることなく充電ができる点がメリットです。
自宅に充電設備を設置する際にかかる料金は?
自宅で電気自動車を充電するための設備には、「壁面取り付けコンセント」「スタンド」「V2H機器」といった種類があります。このうち、自宅充電設備の主流は、設置費用が比較的安い壁面取り付けコンセントです。
壁面取り付けコンセントは、充電器本体と工事費用を合わせても、10万円程度で設置できます。電気自動車の充電コンセントは主に200V用です。100Vまでしか対応していない場合、200Vにするには追加の工事が必要になるため、事前に確認しておきましょう。
また、自治体によっては充電設備の購入や設置で申請できる補助金制度を設けている場合があるため、調べておくことをおすすめします。
電気自動車の充電料金はいくら?充電スポットの場合
電気自動車を充電する方法には、普通充電と急速充電が存在します。自宅での充電は、200Vの交流電源で充電する充電方法が主流ですが、充電スポットでは高圧の直流で急速充電を行うことが可能です。
ここでは、電気自動車を充電スポットで充電する場合の料金や充電スポットの特徴について解説します。
充電スポットの料金は充電認証カードの種類によって異なる
出かけた先で充電を行う場合は、公共の充電スポットを利用します。充電スポットの利用には、各自動車メーカーなどが発行している「充電認証カード」が必要です。
自動車メーカーや利用プランによって金額は異なりますが、基本的には月額1,000円~1万円の会費を支払います。
また、充電スポットを利用する際には、月会費とは別に都度料金が発生することも忘れてはいけません。料金は普通充電で約1.5円~5円/分、急速充電では約16.5円~100円/分が目安です。
充電認証カードの月会費目安と料金目安
代表的な充電認証カードの発行手数料や月会費、都度料金は以下の通りです。
カード名称 |
発行手数料 |
月会費 |
都度料金 |
|
急速 |
普通 |
|||
e-Mobility Power カード (eMPカード) |
1,980円 |
1,540円~4,180円 |
27.5円/分 |
3.85円/分 |
日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3 (ZESP3) |
1,650円 |
1,100円~1万1,000円 |
33円~99円/分 |
3.3円/分 |
Mercedes me Charge 充電カード |
無料 |
3,000円~5,720円 |
16.5円/分 |
無料 |
BMW Chargingカード |
無料 |
2,750円~5,500円 |
16.5円/分 |
無料 |
Volkswagen充電カード |
無料 |
2,970円~7,810円 |
27.5円/分 |
3.85円/分 |
自動車メーカーが発行する充電認証カードは、新車購入後1年間は月会費が無料になる場合もあります。
充電スポットの特徴
自宅での充電方法とは違い、充電スポットを利用した充電方法は急速充電を採用しているケースが多い傾向があります。急速充電器の種類にもよりますが、20kW~50kWの高い出力のため、自宅充電よりも短時間での充電が可能です。
ただし、充電スポットを利用するには一般的に充電認証カードが必要で、充電時間に応じた都度料金が発生することも覚えておきましょう。また、急速充電気の使用は、一般的に1回あたり30分までとされていため、使用する際には注意が必要です。
無料利用が可能な充電スポットもある◎
電気自動車の充電は有料が基本ですが、一部のスポットでは無料充電が可能です。その多くは、自動車メーカーの販売店や大型ショッピングセンターなどに存在します。
自動車メーカーが無料で充電できるスポットを提供する大きな理由は、電気自動車の普及の促進です。また大型ショッピングセンターは、充電している時間を施設内で過ごしてもらうことで、売り上げの向上を目的としています。
無料の充電スポットを探す際は、検索サービスなどを活用するとよいでしょう。
電気自動車の充電スポットがある場所は?
近年、電気自動車の充電スポットが増えてきています。どのような場所に設置されていることが多いか傾向を知っておくことで、万が一の場合であっても冷静に対応できるでしょう。充電器の種類と設置場所は以下の通りです。
充電器の種類 |
主な設置場所 |
普通充電 |
・自動車メーカーの販売店 ・大型商業施設 ・宿泊施設 ・オフィスビルの駐車場 |
急速充電 |
・自動車メーカーの販売店 ・大型商業施設 ・高速道路のSAやPA ・道の駅 ・地方自治体の施設 |
一般的に滞在時間が長い場所には普通充電、滞在時間が短い場所には急速充電が設置されているケースが多い傾向です。
電気自動車の充電料金とガソリン代の燃費比較
電気自動車は、燃費性能の高いエコカーとして注目されています。一方で、ガソリン代と比較した場合、燃料費はどの程度の差になるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、車を利用する際にかかる電気自動車とガソリン車の料金目安について個別に解説します。
電気自動車の料金の目安
電気自動車の種類によっても燃費性能は異なりますが、ここではモデルケースとして「Honda e」の燃費性能を参考に解説します。
車種 |
Honda e |
普通充電器 |
1.65円/分 |
満充電までの時間 |
12時間(720分) |
満充電の走行距離(WLTCモード) |
283km |
充電料金の合計 |
1,188円 |
ガソリン車の料金の目安
電気自動車と同様に、ガソリン車についても車種やモデルによって燃料費が異なります。ここでは、ホンダの低燃費車種「インサイト」をモデルケースとして見てみましょう。
下記表は、上記で解説した電気自動車「Honda e」満充電時の走行距離283kmと、同様の走行距離となる約10L分のガソリン価格をベースに算出したものです。
車種 |
インサイト |
ガソリン価格(レギュラー) |
168.5円/L |
WLTCモード燃費 |
28.4km/L |
約10L分のガソリン代 |
1,685円 |
充電料金との価格差 |
+497円 |
WLTCモード燃費28.4km/Lほどの低燃費車種と比べても、電気自動車の燃料コストが安い結果となりました。
1年間で1万km・2万km走った場合は?
前述のHonda eの満充電の走行距離と、インサイトの燃費の数値を参考に、1年間で1万km走った場合と2万km走った場合の充電料金とガソリン代のおおよその金額と差額を算出しました。
走行距離 |
Honda eの充電代の目安 |
インサイトのガソリン代の目安 |
差額の目安 |
1万km |
約4万2,000円 |
約5万9,000円 |
約1万7,000円 |
2万km |
約8万4,000円 |
約11万9,000円 |
約3万5,000円 |
上記の数値は、WLTCモードにおける走行距離と燃費をもとに算出しているため、実際の走行環境や運転の仕方によって走行距離や燃費は変化します。自身がどのように使用することが多いのか、どちらが自身に合っているかを見極めて選択しましょう。
電気自動車の充電料金を抑えるコツ
電気自動車はガソリン車よりも燃費コストが安いため、従来よりも費用を抑えることが可能です。
電気契約や充電カードの見直しをすることで、さらに充電料金を抑えることもできるでしょう。ここからは、充電料金を抑えるコツとして3つのポイントを解説します。
自宅の電気契約の見直し
自宅で充電をする場合、契約している電気料金のプランを見直すことでコストを抑えられます。例えば、関西電力の料金プランをモデルケースにした場合、一般的な料金プランの「従量電灯A」で15kWhから120kWhまでの電気料金は1kWhあたり20.21円です。
一方で、夜間しか充電をしない場合、はぴeタイムRのナイトタイム(夜間時間)では1kWhあたり15.37円で利用できます。そのため、従来プランよりも1kWhあたり4.84円の節約が可能です。
充電カードの見直し
加入している充電カードの契約プランを見直すことでも、充電料金を抑えることが可能です。例えば、日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)では、都度課金制だけではなく、走行距離の目安に応じた料金プラン「プレミアム」が提供されています。
200分相当の急速充電ができる「プレミアム200」の月会費は6,600円/月です。一方、都度課金制で200分の充電した場合の金額は99円/分のため、合計1万9,800円と最大1万3,200円/月もの節約ができます。
料金が安い充電スポットを利用する
電気自動車の充電料金を抑えたい場合は、出先で利用する充電スポットの選び方にも工夫しましょう。充電料金の安いスポットや、前述したような無料で利用することが可能な充電スポットを活用することで、充電料金を抑えられます。
出かける際は、あらかじめ料金が安い充電スポットを見つけてルートを決めておくことで、充電が減ってきても焦ることなく効率よく出かけられるでしょう。
エコドライブを心がける
電気自動車もガソリン車と同様に、運転の仕方で燃費効率が変動します。例えば、急発進や急加速、エアコンの使用などは電力を消費しやすい傾向にあるため、エコドライブを心がけることで充電料金を節約できるでしょう。
ガソリン車の場合はエンジンの熱源を利用して空気を暖めますが、電気自動車の場合は電力消費によって空気を暖めるため、エアコン使用時の電力消費は大きい傾向にあります。必要なとき以外は使用しないなど、エコドライブで節約をしましょう。
電気自動車に乗り換えるメリット
ガソリン車と比べて環境負荷も優しく、実用性の高い電気自動車には、多くのメリットが存在します。ここからは、一般的な車から電気自動車に乗り換えた場合、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
振動がなく静か
ガソリン車の場合、エンジン音や振動が発生するため、騒音が気になるという方も少なくありません。また、アイドリングストップからエンジンを始動させる際にも、一定の騒音は発生します。
一方、電気自動車の場合は、走行するための動力源がモーターのため、エンジン音などの騒音や振動は発生しません。走行中も振動がなく静かな車内となるため、騒音によるストレスも解消します。
ランニングコストが低く経済的
電気自動車は、低燃費なガソリン車やハイブリッドカーよりも経済的です。燃料コストとなるのは充電料金のため、従来の燃費より大幅にコストダウンを図れます。
また、ガソリン車の場合、エンジンルームを正常に保つため、オイル交換を定期的にしなければなりません。電気自動車は、このようなメンテナンスコストもかからないため、総じてランニングコストも低く経済的といえるでしょう。
災害時の非常用電源としても活用できる
地震や台風、洪水など、災害時には電気、ガス、水道といったライフラインが使えなくなるリスクがあります。停電によって電力が回復しない状態が継続した場合、スマートフォンの充電や夜間の照明なども使用できなくなるでしょう。
このような災害による停電が起きた場合にも、電気自動車には大容量のバッテリーを搭載しているため非常用電源として活用できるメリットがあります。
まとめ
近年は脱炭素の流れが強まり、各自動車メーカーからさまざまな電気自動車が発売されています。電気自動車は、ガソリン車の低燃費車種と比較しても、燃料代を大幅にコストダウンできます。
自宅での充電が多い方は電気料金のプランを見直す、出先での充電が多い方は充電認証カードのプランや無料の充電スポットを活用することで、さらにランニングコストを抑えられるでしょう。
▼ライタープロフィール
真鍋裕行
出版社勤務を経て2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立し、自動車雑誌、ウェブサイトなどに原稿を寄稿。編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで幅広くリポート。業務拡張につき2011年に会社を設立。自動車ジャーナリストとしての自動車メディアへの寄稿は続けつつ、メディアコンテンツの製作(雑誌、Web、アプリetc)に取り組んでいる。メディアコンテンツの製作ではオーナーや協力者のコミュニティを作ることを考えるなど、単純な製作で終わらないことを心掛ける。また、近年ではレースチームのディレクターや PRも積極的に携わる。
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