AudiTT ROADSTER|カーライフ

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入社したのはほんの2年前。まだ「新人」に属する企業もあるなか、24歳の水谷冴美は今、チーフという役職を背負い、店長とともにネクステージ鈴鹿店を引っ張っている。一見すると、派手な印象のクールビューティー。しかしひと言話すと、柔和な表情とやさしい声に引き込まれる。中古車販売の最前線に立つカーライフアドバイザーとして、彼女の売上げはいつもトップクラス。「クルマを売ることよりも、お客様の言葉をひとつでも多く引き出すことを意識する」という彼女のポリシーが、見事に実を結んでいるのだろう。

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入社後に勤めたスモールカー専門店「セレクト100」と違い、ネクステージには専門性の高い知識を持った来客も多い。戸惑いもあっただろうが、「専門的な内容はメカニックに任せています」とさらり。その分、ハートで勝負するのが身上のようだ。チーフになり、意識してスーツを着る時間を増やした。そして自分にプレゼントしたのが、アウディTTロードスター。「見た目は大切。自分がかわいいと思わないと、きっと大事にしないですから」。彼女の言葉から、ネクステージのポリシーである“クルマを売るのではなく、ライフスタイルをコーディネイトする”というポリシーが垣間見えた。

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人からは「わがまま」と言われることも。しかしそれを「自分らしさ」と認識しているしたたかさが水谷の持ち味だ。「わがままと言っても、相手が受け入れてくれる範囲のものです」とも。しかし先輩・後輩問わず、彼女を慕う人間は多い様子。どうやら彼女なりの“わがままというコミュニケーション”が、店の潤滑油として機能しているようだ。

それでもお客様に対しては、甘え心を微塵にも出さない。「女性が接客すると、お客様は壁を作りにくいと思います。その点ではメリットを感じますが、性別を問わず『水谷冴美だからクルマを買う』というお客様をどんどん増やしたいですね」。自分自身をブランド化するというのが当面の目標。その思いは少しずつ、着実に実を結んでいると言っていいだろう。2006年には、中古車市場の現状をレポートするテレビ番組に出演。またネクステージの会社案内などでも、彼女のプロフィールや活躍は積極的に取り上げられている。最初は戸惑っていたようだが、今では“自分のため”と前向きだ。「新しい職場には、なかなか手の届かないライバルがいます」と続けた彼女。その瞳の奥には秘めたる闘志が伺えた。

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四日市で生まれ育ち、再び三重に帰ってきた。彼女が住む四日市、そして勤務地である鈴鹿。ともに海が近い街である。オープンカーを買った大きな理由が「風を感じ、空気の匂いが分かるから」。休みの日になると自然に体が海の方向へと向くのは、彼女が育った環境によるものだろう。もっとも、仕事におけるポジションがあがった今は、プライベートな時間が減ったのも事実。たまの休みも家に閉じこもり、体を休めることばかり考える日が続いた。

そんな彼女も、TTの購入をきっかけに、外へ出る時間が増えてきたと言う。通勤時にはルーフを閉じたオンタイム仕様のTTも、休日にはルーフが開け放たれ、潮風の方角へハンドルを向ける。マリーナ河芸もお気に入りのドライブコースのひとつ。自宅からほど遠く、それでいて別世界。マリーナには船が浮かび、浜辺では散策も楽しめる。「昔からスポーツは苦手で…。海も眺めるのが専門。特に何をするわけでもなく、ただ波を眺めることが多いんです」。クルマを降りると、オフタイムの表情へと変わった。

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しかし彼女の相棒は、ときに駄々をこねる。「持ち主に性格が似ているかもしれません…」とぼそり。6000キロの低走行車を購入したものの、しばらくすると水漏れが発生。修理後、1週間ぐらいすると今度はエンジンルームから煙が…。いずれも大事には至らなかったが、シボレークルーズに乗っていた頃は、修理経験ゼロ。直しながら走るという今の状態に最初はカルチャーショックを受けたそうだ。「最近は、修理を含めてこのクルマの個性かなと感じています。もちろん、修理に預けている間はさびしいですが。そういえば最近も何か漏れているかな…」。細かいことを気にしないのも水谷流といったところか。外観が気に入っていることもあり、アフターパーツなどは付けていない。次に装着したいものはとの問いには「カーナビです。いろんな景色に出会いたいから」。走行距離は半年で1万キロと相当なもの。きっとカーナビゲーションには、いろんな海岸がインプットされることだろう。

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自分の大好きな場所で、のんびりと過ごす休日。自分自身でもマイペースと分析する彼女だが、仕事においての向上心は人一倍だ。「今は足りないことだらけ。頼られる時間も増えてきたので、自分の中に芽生えた責任感をもっと育てていきたい」と聞かせてくれた。役職は?の問いに彼女は続ける、「人間としてもっと成長し、人から本当に必要とされる大きな存在感を身に付けたときに、役職は自然についてくるものだと思っています」。


“水谷冴美というブランド”について考えると、「自分らしくありたい」と言った彼女の言葉が、その全てなのかもしれない。おそらくこれから、彼女の成長に呼応するかのようにTTロードスターの走行距離も伸びていくことだろう。ひとつは営業マンとして街をかけまわるメーターの分、そしてもうひとつは、休日の自分を解放するメーターの分。オンタイムとオフタイムの間で、彼女の心のバランスを保つのがこのクルマの役目のよう。たまにすねるのもご愛嬌。もし相棒に口があるのなら、彼女と同じく「自分らしくありたい」と言うのかもしれない。

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Photographs by Noriyuki Washizu Text by Eiji Kito Creative Direction & Art Direction by Akihiro Imao

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