覆面パトカーのマークXってどんな車?起用されたモデルや実力を紹介
トヨタマークXは、ミドルクラスセダンの代名詞として一時代を築いたトヨタマークIIの後継モデルとして2004年にデビューしました。時代に合わせたスタイリッシュなデザインを取り入れつつも、4ドアセダンというオーソドックスなボディ形状をしています。
惜しまれつつも2019年に生産が終了しましたが、根強い人気もあり、まだまだ街中で見かけるモデルです。ここでは覆面パトカーとして採用されている最終型のマークXを中心に紹介します。
※目次※
3.マークX+Mスーパーチャージャーは走行性能以外もすごい!
・覆面パトカーという役割にぴったりな高い動力性能を誇っている
・パトカーの採用基準にもぴったりな居住性の高い4ドアセダンボディ
・パトカーに選ばれるスポーツセダンはマークX以外にも存在する
マークXは覆面パトカーに起用されている
2代目となるマークXはV型6気筒自然吸気エンジンの2.5Lと3.5Lが設定され、初代よりもさらに洗練されたデザインとなり2009年に登場しました。
標準モデルの他、GR SPORTや+Mスーパーチャージャー、GRMNといったスポーツ仕様の特別仕様車やコンプリートカーが数多く設定されていたことも特徴で、スポーツセダンとしても人気を博しました。
覆面パトカーとして現れるマークX
日本国内のパトカーには、一般的な白黒のパトカーの他、外見は一般車と区別が付きにくい覆面パトカーが存在します。その中でも交通取り締まりに使用される覆面パトカーには、悪質な速度超過などを取り締まるため、高い動力性能が求められます。
パトカーとしてさまざまな採用基準がある中で、4ドアセダンでパワフルなエンジンを搭載する2代目マークXのコンプリートカーである+Mスーパーチャージャーが警視庁で採用され、話題となりました。
2代目登場後は2019年に生産終了を迎えた
2代目マークXは2009年から2019年までの10年間生産されましたが、セダン人気の衰退とミニバンブームの影響などもあり、現在は新車で購入することができません。
しかし、生産が終了してから5年未満ということもあり、中古市場ではまだまだ流通量も多く、手に入れることは比較的容易なモデルです。
しかし、覆面パトカーに採用された+MスーパーチャージャーなどマークXのコンプリートカーなどは希少性も高く、流通量も少なくなっているのが現状です。
+Mスーパーチャージャーはモデリスタのコンセプトカー
スーパーチャージャーモデルは、トヨタのカスタマイズブランドであるモデリスタがプロデュースしたコンプリートカーです。3.5LV型6気筒エンジンにトムス製2GR用スーパーチャージャーを組み合わせることにより、トルクの上がり幅が向上し、力強い加速力を発揮しています。
加えて、3連ヘッドランプや電動でポジションの調整が可能なシートの標準装備など、スポーティーで高級感あふれる内外装デザインが特徴です。リア部分に貼ってある、モデリスタの頭文字をあしらった専用エンブレム「+M」と「SUPER CHARGER」で見分けられます。
覆面パトカーに選ばれたマークXの実力を見てみよう
覆面パトカーとして採用されたマークX +Mスーパーチャージャーは、標準モデルには無い高い動力性能が特徴のモデルです。
スーパーチャージャーと呼ばれる加給装置が追加されていることが注目のポイントとなりますが、スーパーチャージャーとは一体何なのでしょうか。また、+Mスーパーチャージャーのベースとなったモデルについても紹介します。
スーパーチャージャーとは?
ひと昔前までは、パワフルな走りの車は排気量が大きいというのが鉄則でした。しかし、技術の進歩に伴い、近年エンジンのダウンサイジングが主流となってきています。ダウンサイジングしたエンジンのパワーを補うのが過給機です。
過給機には、ターボチャージャーとスーパーチャージャーがあり、用途に合わせて使い分けられています。スーパーチャージャーは、クランクシャフトの回転が駆動源です。欧米では、シボレー・BMWなどのメーカーが採用しています。国内ではトヨタが初採用しました。
スーパーチャージャーは、エンジンが回りだすと同時に過給を開始するため、小排気量エンジンであっても低回転から最大トルクまでの立ち上がりが良いという特徴があります。
ベース車両はスポーツグレードの「350S」
マークX +Mスーパーチャージャーのベースとなったグレードは、カタログモデルの中でも最もスポーティーな仕様の350Sです。350Sは、V型6気筒3.5Lエンジンを搭載した上級グレードで、+Mスーパーチャージャーになると最高出力も360PSという高出力を誇り、そのパフォーマンスは十分すぎる程の高性能モデルといえます。
トランスミッションは6速ATでマニュアルモードを装備し、高出力を支えるために対向ピストンキャリパーブレーキも標準装備されています。
覆面パトカーに採用されるエンジンスペック
「気持ちよく走ること」を追求してモデリスタにより開発されたマークX +Mスーパーチャージャーは、車を意のままに操る楽しさを体感できます。 スーパーチャージャーの優れた瞬発力・加速力ゆえに、覆面パトカーで活躍していたことは冒頭で述べたとおりです。
3.5Lエンジンに、専用スーパーチャージャーとECUチューニングが施されたモデルの具体的なエンジンスペックは、下記表を参照してください。
型式 |
GRX133-VWMGTS |
エンジン種類 |
V型6気筒DOHC |
排気量[cc] |
3,456 |
最高出力[kW(PS)/r.p.m] |
265(360)/6,400 |
最大トルク[N・m(kgf.m)r.p.m] |
498(50.8)/3,200 |
マークX+Mスーパーチャージャーは走行性能以外もすごい!
マークX +Mスーパーチャージャーは、インテリアやユーティリティー面がベースとなる350Sのものをそのまま採用していますが、元々ハイグレードである350Sであるため、十分すぎる程の装備が搭載されています。
専用の装備としてはスーパーチャージャーの他に専用サスペンションやエンブレム類が挙げられます。ここでは+Mスーパーチャージャーの走行性能以外の部分をご紹介しましょう。
乗り心地
マークX +Mスーパーチャージャーの足回りには、モデリスタのローダウンキットが組み合わされています。これは、ドライバーが意のままに操れるフィーリングを目指し開発された専用サスペンションです。ベースモデルの350Sより約20mmローダウンしていることが特徴です。
快適な乗り心地を重視したベース車よりも、スポーツモデルらしい引き締まったシャープな乗り心地を実現しています。18インチタイヤとの相性も良く、適度な踏ん張り感と滑らかさは、コーナリングでも抜群の安定感を誇ります。
室内空間と積載量
フルモデルチェンジした2代目マークXは、初代と比較すると室内寸法や積載量が若干広くなっています。セダンに求められる使い勝手の良さと快適性をさらに追求した設計が感じられます。
+Mスーパーチャージャーの室内寸法やラゲッジスペースは、ベース車である350Sと同一です。室内寸法は、室内長1,975mm×室内幅1,500mm×室内高1,170mmとなっていて、ラゲッジスペースは、ゴルフバッグを4つとシューズケースなどを収めることが可能なサイズです。また、積載しやすさも考慮し、開口部も広く設計されています。トランク容量は、VDA法測定値で479Lです。
安全性の高さ
スーパーチャージャーモデルも、ベース車と同じく、トヨタの優れた安全性能が多数装備されています。安心して走りを楽しめる点はあらゆるドライバーにとって魅力的なポイントのひとつです。2016年11月以降のモデルには、先進安全装備のトヨタセーフティセンスPが標準装備されています。
トヨタセーフティセンスPとは、事故が起こりやすいシーンをカバーした予防安全を目的とし、ミリ波レーダーと単眼カメラが組み合わされている衝突回避支援パッケージです。下記の先進安全機能が装備されています。
このパッケージに含まれる機能は、プリクラッシュセーフティシステムと呼ばれる前方の車両や歩行者との衝突を回避してくれる自動ブレーキなどの機能です。
また、長距離ドライブで疲労を軽減してくれるブレーキ制御機能付のレーダークルーズコントロールや夜間の運転に便利なオートマチックハイビーム、自社の車線を逸脱した際に作動する警報とステアリング制御を行うレーンディパーチャーアラートなどが搭載されています。
マークX以外で覆面パトカーに採用されている車は?
今回紹介したマークX +Mスーパーチャージャーの他にも、覆面パトカーとして活躍する車が数多く存在します。交通取り締まり用の覆面パトカーだけでなく、凶悪事件などにも出動する捜査用覆面パトカーなど用途によってさまざまな車両があります。
ここでは、そんな覆面パトカーの中でも現在活躍している代表的な3車種について紹介します。
トヨタ クラウン
覆面パトカーの代名詞的存在ともいえるのがトヨタクラウンです。覆面パトカー以外にも白黒の警邏用パトカーとしても目にすることの多いモデルで、長きにわたりパトカーの代表格として君臨しています。
クラウンのパトカーは、市販車両とは装備類が異なり、形式もパトカー専用の設定が与えられています。しかし、搭載されるエンジンは市販車と同じもので交通取り締まり用には3.5LのV6エンジン搭載車が採用されています。
日産スカイライン
日産では過去にセドリックなどが覆面パトカーとして活躍していた他、スカイラインも採用されていた実績があります。
最近のモデルではV36型が捜査用の覆面パトカーとして活躍していますが、交通取り締まり用、捜査用ともにV37型スカイラインが配備されている地域もあります。
またR34型スカイラインGT-Rも埼玉県警に覆面パトカーとして配備された実績もあり、少数ながらもあらゆる形式のスカイラインが覆面パトカーとして活躍しているようです。
スバル WRX S4
スバル車の覆面パトカーはあまり馴染みが無い印象ですが、ここ数年で一部の地域に先代のWRX S4が配備されています。
WRX S4はリニアトロニック式CVTやアイサイトなどにより、イージーにスポーツドライブを楽しめるモデルとして人気となっていますが、2.0L直噴ターボエンジンを搭載し、最高出力は300PSを誇ります。
交通取り締まり用の覆面パトカーとしては異色の存在ですが、その高い実力により、違反車両を猛追し検挙している光景も多く目撃されています。
まとめ
マークX +Mスーパーチャージャーは覆面パトカーに採用されるほどの高い動力性能を誇る車ということもあり、一般のユーザーにとっても、運転の楽しいスポーツセダンとしておすすめの1台です。
他にも今回紹介したトヨタ クラウンや日産 スカイライン、スバルWRX S4など、交通取り締まり用の覆面パトカーとして採用されているモデルは、マークX同様に居住性と走りを両立してくれるモデルとして、ぜひチェックしておきたいモデルです。
▼ライタープロフィール
井元 貴幸
自動車ライター
初代レガシィの10万キロ世界速度記録をドキュメンタリー番組で目にして、その走行性能と耐久性に感動したことがきっかけで、レガシィに憧れ、そのまま自他ともに認めるスバルマニアに。BG型、BH型、BP型、BR型と4世代のレガシィツーリングワゴンのターボモデルを乗り継ぎ、現在の愛車は初代レヴォーグ2.0GT-S アイサイト。2017年から2018年にかけては、スバル公式のモータースポーツ応援プロジェクトリーダーを担当。オーナー目線でのスバル車のフィーリングや装備や改良ポイント、さらにはカスタマイズ、チューニングまでスバル関連のことについては新旧問わず造詣が深い。トラックやバスなどの大型車や特殊車両なども得意とするジャンルやメーカーに特化した自動車ライター。
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