廃車手続きの種類と流れを解説!永久抹消・一時抹消の違いと費用の目安

長年愛用した車も、いずれは手放す時期がやってきます。事故や故障で動かなくなった車、車検切れで長期間放置している車、買い替えで不要になった車など、廃車を検討する理由はさまざまです。
しかし「廃車手続き」と聞くと、複雑で面倒なイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。この記事では、普通自動車と軽自動車それぞれの廃車手続きについて、必要書類から具体的な手順、費用、還付金まで詳しく解説します。
※目次※
・廃車手続きには永久抹消と一時抹消があり、永久抹消は解体して再登録不可、一時抹消は保管して再登録可能で、いずれも税金や自賠責の還付が受けられる。
・普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会が窓口となり、必要書類や手順が異なるため事前準備と確認が重要である。
・費用は申請手数料350円程度からで、解体費・レッカー費用が追加となる場合もあり、条件により自動車税・重量税・自賠責保険が還付される。
\30秒でカンタン査定依頼!/
廃車手続きの基本知識と選び方

廃車手続きには、永久抹消や一時抹消など複数の方法があります。選択肢や必要書類、窓口の違いによって手続きや費用に大きな差が生じる点も重要です。まずは、車種ごとの流れや事故車の処分方法まで、基本から順を追って詳しく解説します。
2種類の廃車手続きの定義と違い
廃車手続きには、「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の2種類が存在します。永久抹消登録は車両を解体し再登録ができなくなる手続きで、一時抹消登録は車両自体は保管しつつ、登録を一時的に停止できるものです。
再利用の可否が主な違いとなり、永久抹消は再使用不可、一時抹消は再登録ができます。いずれの場合も、自動車税や自賠責保険の還付手続きが可能です。
普通自動車・軽自動車の廃車手続きの窓口の違い
廃車手続きの窓口は、車種により異なります。普通自動車の場合は管轄の運輸支局(陸運局)が担当し、軽自動車は軽自動車検査協会の事務所または支所で手続きを行う決まりです。
登録や管理を行う行政機関が異なるため、手続き場所も違うことを覚えておきましょう。手続きは、通常平日の9時~16時まで受け付けており、事前に必要書類を漏れなく準備することが重要です。
事故車・不動車の廃車手続きで選ぶ3つの手段
事故車や動かない車両を廃車する場合、主な方法は「解体」「輸出」「買取」の3種類です。解体は安全基準やリサイクル法に則って行われ、海外輸出は日本車の信頼性・需要により現地で価値が高まる場合があります。
買取サービスを活用すると、部品取りや海外流通など複数の活用法があることから、高額買取してもらえることも珍しくありません。複数社で見積もり比較をすることで、最適な方法が選べます。
\30秒でカンタン査定依頼!/
廃車手続きに必要なものと準備方法

廃車手続きを円滑に進めるためには、車種や状況ごとに必要な書類を正しくそろえることが重要です。普通自動車と軽自動車で異なる点や、代理申請時の追加書類にも注意が求められます。
ここでは、不備を防ぐための確認ポイントとともに、車種別の書類一覧や入手方法について詳しく見ていきましょう。
普通自動車の廃車手続きに必要な書類と入手先
|
手続種別 |
必要書類 |
|
一時抹消登録 |
・自動車検査証(原本) ・ナンバープレート(前後2枚) ・手数料納付書(自動車検査登録印紙貼付/キャッシュレスの場合はその旨記載) ・一時抹消登録申請書(OCR第3号様式の2) ・所有者の印鑑証明書(3か月以内) ・実印(申請書または委任状に押印) ・委任状(代理人手続の場合) ・理由書(ナンバープレート紛失・盗難時。盗難は警察届情報も記載) ・住民票や戸籍附票でつながりが証明できるもの(氏名・住所に変更がある場合) ・登記簿謄本または登記事項証明書(法人の場合) |
|
永久抹消登録 |
・自動車検査証(原本) ・ナンバープレート(前後2枚) ・永久抹消登録申請書(OCR第3号様式の3) ・所有者の印鑑証明書(3か月以内) ・実印(申請書または委任状に押印) ・解体報告記録(リサイクル券記載の引取証明書) ・委任状(代理人手続の場合) ・理由書(ナンバープレート紛失・盗難時。盗難は警察届情報も記載) ・住民票や戸籍附票でつながりが証明できるもの(氏名・住所に変更がある場合) ・登記簿謄本または登記事項証明書(法人の場合) |
いずれも、所有者の印鑑証明書や自動車検査証の原本提出が必要で、法人や住所・氏名変更の有無によっては追加書類を提出します。
軽自動車の廃車手続きに必要な書類と入手先
|
手続種別 |
必要書類 |
|
一時使用中止(返納) |
・自動車検査証(原本) ・ナンバープレート(前後2枚) ・自動車検査証返納届(軽第4号様式) ・自動車検査証返納証明書交付申請書(希望者のみ) ・申請依頼書(代理人手続の場合) ・車両番号標未処分理由書(ナンバープレート紛失時) |
|
解体返納(廃車) |
・自動車検査証(原本) ・ナンバープレート(前後2枚) ・解体届出書(軽第4号様式の3) ・使用済自動車引取証明書(リサイクル券番号の記載必要) ・申請依頼書(代理人手続の場合) ・車両番号標未処分理由書(ナンバープレート紛失時) |
一時使用中止は車両の一時的な使用中断用、解体返納は完全な廃車・解体時に必要な手続きです。どちらも自動車検査証の原本とナンバープレートが必須となり、代理の場合やナンバー紛失時は追加書類も準備しましょう。
廃車手続きで追加書類が必要なケース
代理人による廃車手続きでは、委任状や代理人本人の身分証明書が必要です。所有権がディーラーやローン会社にある場合は、所有権解除に必要な書類も準備しなければなりません。
相続の場合は、遺産分割協議書が必須です。ナンバープレート紛失時には、理由書と必要な手数料を添えて申請します。各ケースごとに、適切な書類の確認が重要です。
> 廃車手続きに必要なものについてさらに知りたい方はこちら!
\30秒でカンタン査定依頼!/
普通自動車の廃車手続きの流れ

普通自動車の廃車手続きは、一時抹消・永久抹消・輸出抹消仮登録の3つから目的に応じて選択する必要があります。それぞれ申請方法や必要書類、手続き後に発行される証明書の内容などが異なるため、事前の確認が大切です。
ここからは、各手続きの特徴や注意点について順に整理し、詳しく紹介します。
普通自動車の廃車手続き【一時抹消登録】の手順
普通自動車の一時抹消登録は、運輸支局で行います。事前に用意すべき必要書類は、車検証・印鑑証明書(発行日から3か月以内)・実印・ナンバープレート2枚です。
窓口で申請書と手数料納付書、自動車税申告書を入手し、350円分の登録印紙を納付書に貼付します。ナンバープレートを返納し、書類一式を提出すれば「登録識別情報等通知書」が交付されるのが基本の流れです。
完了後は税申告窓口で還付手続きを行い、後日月割りで還付金が振り込まれます。
普通自動車の廃車手続き【永久抹消登録・解体届出】の手順
永久抹消登録は、まず車両の解体業者への引き渡しから始めます。解体後は「使用済自動車引取証明書」「解体報告記録日」「移動報告番号」を受領し、車検証・印鑑証明書・実印とともに、運輸支局で永久抹消登録申請書(第3号様式の3)を提出する流れです。
手数料は無料で、ナンバープレートも返納します。手続きと同時に、重量税還付申請も行うことが可能です。書類審査後「抹消登録証明書」が交付されます。
普通自動車の廃車手続き【輸出抹消仮登録】の手順と注意点
輸出抹消仮登録は、車両を海外へ輸出する際に必要な手続きで、輸出予定日の6か月前から申請可能です。
車検証・印鑑証明書(3か月以内)・実印・ナンバープレート2枚を準備し、運輸支局で第3号様式の2の申請書と350円分の印紙を添えて提出します。
審査後「輸出抹消仮登録証明書」が発行されますが、証明書の有効期限は輸出予定日までとされている点に注意が必要です。輸出がされなかった場合は、15日以内に「輸出抹消仮登録証明書返納届」を行わなければなりません。
なお、輸出者と所有者が異なる場合は、名義変更手続きが求められます。自動車税やリサイクル料の還付はありますが、重量税還付は還付の対象外となる点に留意しましょう。
\30秒でカンタン査定依頼!/
軽自動車の廃車手続きの流れ

軽自動車の廃車手続きには、使用状況に応じた3つの方法が用意されています。一時的な使用中止から完全な解体まで、それぞれ異なる手続きや注意点があるのが特徴です。
以下、目的に合った手順や必要書類、軽自動車ならではのポイントについて詳しく解説します。
軽自動車の廃車手続き【一時使用中止】の手順
軽自動車の一時使用中止は、車両を解体せずに登録だけを一時的に停止する手続きです。車検証・前後2枚のナンバープレート・軽第4号様式の申請書を、事前に用意しておきましょう。
申請書は、軽自動車検査協会の窓口やホームページで入手できます。窓口でナンバープレートを返納して申請書類を提出すると、「自動車検査証返納証明書」が交付され、公道での走行ができなくなる流れです。申請手数料は350円となっています。
軽自動車の廃車手続き【解体返納・解体届出】の手順
軽自動車の解体返納は、車両を完全に廃車にするための手続きです。解体業者に車両を引き渡し、解体完了後に「使用済自動車引取証明書」や「移動報告番号」を受け取ります。
手続きには、一時使用中止後に発行される「自動車検査証返納証明書」と「リサイクル券」が必要です。軽自動車検査協会窓口で、解体届出書(軽第4号様式の3)と軽自動車税申告書を記入して提出します。申請手数料は無料です。
車検が1か月以上残る場合は、重量税還付申請も併せて行えます。
軽自動車の廃車手続き【輸出予定届出証明書】の申請手順
軽自動車の海外輸出時には、輸出予定届出証明書が必要です。輸出予定日の6か月前から、申請を受け付けています。
管轄の軽自動車検査協会で、軽第4号様式の2申請書に必要事項を記入し、車検証と2枚のナンバープレートを添えて提出しましょう。手数料は1件につき350円です。
証明書を入手したものの輸出がされなかった場合は、有効期限が切れてから15日以内に「輸出予定届出証明書返納届出」を行わなければなりません。
>廃車手続きを代行業者に依頼する方法について関連する記事はこちら!
\30秒でカンタン査定依頼!/
廃車手続きの費用や還付金、オンライン申請はできる?

廃車手続きにかかる費用や受け取れる還付金の内容は、手続きを進める上で重要なポイントです。近年は、オンライン申請や事前予約制度の導入により利便性も高まっています。
最後に、費用や還付金の目安と手続き方法、そして車両価値の確認方法について見ていきましょう。
廃車手続きにかかる費用の目安と内訳
廃車手続きの費用は、内容や車両状態により変動します。一時抹消登録や一時使用中止の申請手数料は350円、永久抹消登録や解体届出は無料です。
車両解体費は通常1万円~2万円程度ですが、自走不可車両はレッカー費用1万円~3万円程度が追加されます。
リサイクル料金は、普通車で6,000円~1万8,000円、軽自動車で7,000円~1万6,000円程度ですが、2005年以降登録車は支払い済みの場合がほとんどです。
廃車手続き後に還付されるお金(税・重量税・自賠責)の受取方法
廃車手続き後は、自動車税種別割の還付通知書が1か月~2か月後に届き、銀行や郵便局、口座振込で受け取れます。窓口受け取りの際は、本人確認書類と印鑑が必要です。
自動車重量税の還付は、車検が1か月以上残っている場合に永久抹消登録時の申し込みが必要で、2か月~3か月後に指定口座に振り込まれます。ただし、一時抹消では重量税還付はありません。
自賠責保険の解約返戻金は保険会社に連絡し、抹消登録証明書のコピーなど必要書類を提出すると約2週間後に返金されます。
廃車手続きのオンライン申請・事前予約・郵送の可否と使い方
廃車手続きの多くは、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)を利用してオンライン申請が可能です。普通車の一時抹消登録だけでなく、現在は永久抹消登録(還付あり・還付なし)にもOSSで対応しているケースが増えています。
ただし、車種や申請内容、車両の状態によってはオンライン申請ができない場合もあるため、OSSの公式サイトや利用条件を確認しましょう。
ナンバープレートや証明書類に関しては、「窓口持参が基本」とされるケースが多いものの、一部自治体では郵送による手続きも可能です。例えば、狛江市などでは廃車申告書やナンバープレート、証明書類などを郵送で提出する対応が行われています。
郵送対応の可否は自治体によって異なるため、事前に地域ごとの案内を確認することが必要です。
廃車手続きの前に車としての価値を確かめる方法
廃車前に車両の市場価値を把握することは、経済的損失を防ぐ上で重要です。廃車買取業者による査定なら、年式や走行距離、事故歴などを伝えるだけで、部品や資源価値も含めて評価されます。
実際の鉄スクラップ相場や自動車重量税・自動車税の還付金額も考慮し、複数業者から見積もりを取ることで、廃車時に受け取れる金額の目安をより正確に算出できるでしょう。
\30秒でカンタン査定依頼!/
まとめ

廃車手続きには永久抹消や一時抹消などがあり、目的によって選ぶ方法が異なります。普通車と軽自動車で申請窓口や必要書類も違うため、事前に確認が必要です。
手続きの流れや費用、還付金の受取方法も、車種・種類ごとに整理されています。自治体によっては、オンラインや郵送での申請も可能です。まずは車の価値を調べ、状況に合った手続きを選びましょう。
▼ライタープロフィール

鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
豊富なラインアップのネクステージ中古車情報をチェック!
いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
ネクステージでは、他店に負けない数多くの中古車をラインアップしていますので、中古車の購入を検討されている方は、ネクステージの公式Webサイト上で最新の在庫状況をチェックしてみてください。また中古車購入に際して、ネクステージ独自の保証もご準備しております。お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q.車を廃車にする手順は?
A.車の廃車手続きは、業者を通じて行うか、運輸支局で直接行うかの2つの方法があります。業者を利用する際の基本的な流れは、見積もり取得、書類準備、車の引き渡し、証明書受取です。 運輸支局では、用紙入手、書類作成、ナンバープレート返却、書類提出、保険解約の順で手続きを進めましょう。手続きの種類には永久抹消登録、一時抹消登録、解体届出があり、選択によって具体的な手順が変わります。
Q.廃車手続きにかかる費用は?
A.廃車手続きにかかる費用は、車の状態や地域によって変動しますが、一般的に1万円~7万円程度が相場です。主な費用内訳としては、解体費用が1万円~2万円、運搬費用が距離に応じて1万円~3万円、リサイクル料金が8,000円~2万円程度かかります。 費用を抑えたい場合は、廃車買取業者や中古車買取店の利用を検討するのもよいでしょう。
Q.廃車にすると戻ってくるお金は?
A.廃車にすると、いくつかの税金や保険料の一部が「還付金」として戻ってきます。主な対象は自動車税、自動車重量税、自賠責保険、任意保険です。 例えば、自動車税は廃車した翌月から年度末までの分が還付されます。還付を受けるには適切な廃車手続きが必要です。自動車税の場合、抹消登録完了から約1か月後に都道府県税事務所から還付通知が届きます。
Q.車を廃車手続きしないとどうなる?
A.車を廃車手続きせずに放置すると、幾つかの問題が発生する恐れがあるでしょう。例えば、自動車税や軽自動車税が引き続き課税されます。 また、車体の劣化が進み、売却が困難になったり、価値が下がったりする恐れがあるでしょう。維持コストの増加、環境への悪影響、安全性の低下なども懸念されます。これらの問題を避けるためにも、適切な時期に廃車手続きを行うことが重要です。
\30秒でカンタン査定依頼!/
