ローン残債ありでも車は売れる!手続きの流れと残債処理方法を解説

ローンが残っている車を手放したいと考えているものの、実際に売却できるのか不安に感じていませんか。所有者が誰になっているかによって売却方法が大きく異なるため、まずは所有権を確認することが重要です。
この記事では、ローン残債がある車の売却手続きから高額売却のコツまで、段階的に詳しく解説していきます。ローン残債がある車の売却を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
※目次※
3.所有者がローン会社・ディーラーの場合のローン残債車の売却手続き
・ローン残債がある車でも適切な手続きを行えば売却は可能で、まず車検証の所有者欄を確認して所有者が本人かローン会社かを把握することが重要である。
・所有者が本人名義の場合は比較的シンプルに売却でき、査定額がローン残債を上回れば差額を受け取れるが、下回る場合は不足分を自己負担する必要がある。
・所有者がローン会社・ディーラーの場合は所有権解除手続きが必要で、完済証明書や印鑑証明書などの書類を準備し、陸運支局で名義変更を行わなければならない。
ローン残債がある車は売却できる?

ローン残債がある車の売却は、完済するまで売れないのでしょうか。実は、適切な手続きを行うことで売却できます。そのためには、まず車検証の所有者欄を確認することが必要です。まずは、基本的な仕組みから売却パターンまで説明します。
ローン残債がある車でも売却は可能
ローンを返済している最中の車でも、売却はできます。ローン残債がある車を売却するには、適切な手続きを踏むことが欠かせません。
重要なのは、車検証の所有者欄を確認することです。所有者が自分名義なら比較的簡単に売却できますが、ローン会社名義の場合は所有権を解除する手続きが必要になります。
ローン残債のある車の売却では、まず現在の残債額と車の査定額を正確に把握することが第一歩です。
車検証でローン残債がある車の所有者を確認する手順
車検証の所有者欄を見れば、車の所有者が誰なのかを確認できます。A4サイズの従来の車検証なら、所有者名が記載されているので簡単に確認可能です。
2023年から導入された電子車検証(軽自動車は2024年)では、所有者情報が券面に記載されていません。この場合、「車検証閲覧アプリ」を使って、ICタグを読み取ることで所有者情報を確認できます。
アプリを使うには、券面に記載されたセキュリティコードを入力し、スマートフォンのNFC機能でICタグを読み込むことが必要です。
所有者別!ローン残債がある車の売却パターンと注意点
車検証の所有者によって、ローン残債のある車の売却手続きは大きく変わります。所有者が本人名義の場合、比較的シンプルな手続きで売却できるでしょう。
一方、ローン会社やディーラーが所有者となっている場合は、所有権留保の状態となります。この状況では、まず所有権を解除する手続きが必要です。ローン会社に連絡して、所有権解除用の書類一式を取得し、陸運局での手続きを経る必要があります。
特に注意すべきは故人が所有者となっているケースで、この場合は相続手続きが必要となり、戸籍謄本や遺産分割協議書などの書類を準備しなければなりません。
所有者が本人の場合のローン残債車の売却手続き

所有者が本人名義の場合、ローン残債のある車の売却手続きは比較的シンプルに進められます。ただし、正確な情報把握と適切な準備は欠かせません。ここでは、現在のローン残債額の確認から必要書類の準備まで、具体的な方法と注意点を説明します。
車ローンの残債金額の正確な確認方法
ローン残債の正確な金額を把握するには、直接金融機関に問い合わせることが手っ取り早い方法です。コールセンターの専用ダイヤルに電話することで、借入本人のみに残債額を回答してもらえます。
電話での残高照会では、本人確認のために氏名や生年月日などの情報が必要です。個人情報保護の観点から、代理人による照会は受け付けていない金融機関が多いでしょう。
書面による残債証明書が必要な場合は、融資を受けた金融機関に直接連絡して発行を依頼します。
売却価格とローン残債の差額処理方法
査定額がローン残債を上回る場合、その差額分を売却益として受け取れます。
例えば、ローン残債100万円の車が150万円で売却できた場合、差額の50万円が手元に残るでしょう。この場合、買取業者がローン会社に100万円を一括返済し、所有権移転手続きを行った後、売り手に差額を支払う流れになります。
一方、査定額がローン残債を下回るケースでは、不足分を自分で負担しなければなりません。不足分を一括で用意できない場合は、買取業者が提供する残債整理ローンを利用して、分割返済する方法もあります。
必要書類の準備と手続きの流れ
ローン残債のある車を売却する際、書類の準備が手続きをスムーズに進める鍵となります。必要書類は以下の通りです。
・車検証
・自賠責保険証明書
・リサイクル券
・納税証明書
・実印
・印鑑証明書(発行後3か月以内)
軽自動車の場合は実印が不要で、認印で手続きができます。書類に不備があると売却が遅れるため、事前確認が重要です。
売却手続きの流れは、まず買取業者選びから始まります。「査定依頼→書類準備→契約締結→車両引き渡し→入金確認」の順序で進むのが一般的です。
所有者がローン会社・ディーラーの場合のローン残債車の売却手続き

ローン会社が所有権を持つ車の売却では、通常とは異なる対応が必要になります。所有権解除という重要なステップを経なければ、売却自体ができません。以下で、具体的な手続きから残債処理まで、詳しく確認していきましょう。
ローン完済後の所有権解除の手続きの流れと必要書類
所有権を解除するには、車検証の所有者欄に記載されているディーラーへの連絡が必要です。ただし、一部のディーラーでは電話での対応は行っておらず、FAXまたは郵送での申請となります。
【必要書類一覧】
・車検証のコピー(電子車検証の場合は自動車検査証記録事項のコピー)
・印鑑証明書(発行後3か月以内)
・委任状(実印押印)
・完済証明書(完済後にローン会社から発行される)
・自動車税納税証明書のコピー
・所有権解除依頼書
・返信用封筒(レターパックまたは簡易書留用切手貼付)
これらの書類は有効期限があるため、受け取り後は速やかに手続きを進めることが必要です。申請後、書類に不備がなければ、約2営業日~4営業日で所有権解除書類が発送されます。
その後、普通車の場合は管轄の陸運支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会で移転登録手続きを行う流れです。
なお、道路運送車両法では、自動車の所有者が変更になった場合、その事由があった日から15日以内に名義変更をしなければならないと規定されています。
Web申請での所有権解除の手続きの流れと必要書類
近年では、多くのローン会社でWeb申請を受け付けており、必要書類をアップロードするだけで手続きができます。申請時には以下が必要です。
・車検証(または自動車検査証記録事項)の画像データ
・本人確認書類(運転免許証または印鑑証明書)
申請後1週間程度で、所有権解除に必要な書類一式が自宅に送付されます。その書類を持って、運輸支局(または軽自動車検査協会)で名義変更手続きを行うことで、所有権解除が完了する流れです。
売却代金によるローン残債一括返済の流れ
車の売却代金でローン残債を一括返済する際、買取業者がローン会社へ直接支払いを代行するのが一般的です。買取業者が売却代金から、ローン残債分をローン会社に直接振り込みを行います。
このため、売主が複雑な送金手続きを行う必要はありません。返済完了後は、ローン会社から「完済証明書」が発行されるので、きちんと受け取りましょう。
売却代金がローン残債を上回る場合、差額分は後日指定口座に振り込まれます。逆に不足分がある場合は、契約時に現金で精算するか、買取業者の提携ローンを利用することも可能です。
ローン残債車を高額売却するためのコツと最適なタイミング

ローン残債がある車でも、適切な戦略と準備をすることで高額売却を実現できます。査定額を最大化するためには、業者選びから車両の準備まで総合的なアプローチが必要です。最後に、残債処理と次の車購入を組み合わせる方法も含め、具体的な方法を解説します。
複数の買取業者でローン残債車の査定額を比較する方法
ローン残債のある車を高く売るには、複数の買取業者による査定額比較が効果的です。
一括査定サービスを利用することで、複数の業者から同時に見積もりを取得でき、業者間の競争により査定額が高くなる可能性が高まります。査定申し込みから結果取得までにかかる時間は、数日~1週間程度です。
査定を受ける際は、車両の状態を正確に伝えることが欠かせません。走行距離・年式・修復歴などの基本情報に加え、整備記録やオプション装備についても詳しく説明しましょう。
ローン残債車を高く売るための準備と整備ポイント
売却前の適切な準備により、ローン残債のある車でも査定額を大幅に向上させられます。
まず車内外の清掃を徹底的に行い、査定士に良い印象を与えましょう。特に車内の臭いは査定に大きく影響するため、重曹を使った掃除や換気を心がけてください。
書類の準備も、査定額アップに直結します。点検整備記録簿があることで、定期的なメンテナンスを受けてきた証明となり、プラス査定につながるでしょう。
また、エンジンの状態確認も重要です。査定前にエンジンが正常に始動するか確認し、バッテリー上がりなどの問題があれば事前に対処します。
ローン残債をまとめて次の車購入に活用する方法
ローン残債と新車購入資金をまとめてひとつのローンにする方法は、資金が不足している場合でも車の買い替えを可能にします。この仕組みは「オーバーローン」と呼ばれ、現在の車の残債額に新車の購入費用を上乗せし、新たなローンを組む方法です。
例えば、残債100万円の車を50万円で下取りに出し、200万円の新車を購入する場合、不足分の50万円を新車代金と合わせて250万円のローンを組めます。
オーバーローンのメリットは、手持ち資金が少なくても車の買い替えができ、複数のローンを管理する手間が省けることです。一方で、借入額が大きくなるため月々の返済負担が増加し、総支払い額も高くなるリスクがあります。
まとめ

ローン残債がある車でも、適切な手続きを踏めば売却できます。まず車検証で所有者を確認し、本人名義なら残債金額を把握して売却代金との差額を処理しましょう。
ローン会社名義の場合は、事前連絡と所有権解除手続きが必要です。複数業者での査定比較や車の状態を整えることで高額売却を実現でき、残債を次の車購入時にまとめることも検討できます。
▼ライタープロフィール

鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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