ナンバープレートの損傷は修理すべき?取り付けのルールと罰則が分かる
自動車のナンバープレートに傷や変形を発見したものの、大丈夫だろうと放置するのはおすすめできません。ナンバープレートの損傷は、法律上、見過ごせない問題です。道路運送車両法では、ナンバープレートの適切な管理と表示が義務付けられており、破損状態での走行は思わぬトラブルや罰則の対象となる可能性があります。
この記事ではナンバープレートの基礎知識から破損時の対処法、法的リスクまで、知っておくべき重要なポイントを解説します。図柄入りナンバープレートなどについても触れるので、ぜひ参考にしてください。
※目次※
・ナンバープレートが破損した場合は、再交付手続きや修理の依頼で復元する。
・不備がある状態で公道を走ると、50万円以下の罰金などペナルティが科せられる。早急に対応できるよう、手続きの流れや必要書類を把握しておこう!
・希望ナンバー制度を利用して、ナンバーを好きな数字に設定することもおすすめ!図柄入りナンバープレートへの変更も可能。
ナンバープレートの基礎知識
自動車に欠かせないナンバープレートは、登録と保安基準適合の証として重要な役割を担っています。一台一台を正確に識別できるよう、自動車の種類に応じた登録車用と軽自動車用の2種類があり、さらにペイント式、字光式、図柄入りなどタイプはさまざまです。ここでは、ナンバープレートの基本的な情報から、具体的な種類までを解説します。
ナンバープレートとは?
ナンバープレートは、自動車が正規に登録され、保安基準に適合していることを示す重要な標識です。自動車の識別だけでなく、有料道路の料金設定や無謀運転の通報にも活用される社会的な機能を持っています。
大きく分けて登録車用の自動車登録番号標と、軽自動車用の車両番号標の2種類があり、それぞれにペイント式、字光式、図柄入りのタイプが存在します。ナンバープレートは正しく表示する必要があるので、取り付け方法にルールがあるため、傷や変形などがある場合は修理もしくは交換することが重要です。
ナンバープレートの各表示の意味
ナンバープレートに表示される情報は、4つの要素で構成されています。左上に表記されるのは、自動車の使用拠点を示す「広島」や「品川」などの都道府県や地域名です。その右側には3桁の数字やアルファベットが配置され、これは車両の種類や用途を表しています。例えば「330」は乗用車、「400」は貨物自動車です。
3つ目の要素は、平仮名やアルファベット1文字で、さ行やた行などは自家用車、あ行やか行などは事業用車といった区分を表しています。最後に、右端には4桁以下の数字が表示され、これは同じ地域・種類の車両を識別するための固有の番号です。このように、ナンバープレートは1台1台の車両を正確に識別できるよう、体系的に設計されています。
ナンバープレートの種類
ナンバープレートは、登録車用の自動車登録番号標と軽自動車用の車両番号標に大きく分類されます。両者には、ペイント式と字光式が存在し、希望すれば図柄入り(シート式)も選択可能です。ただし、軽自動車の場合、事業用には字光式と図柄入りのナンバープレートは用意されていません。
サイズについては、使用する自動車の種類によって3種類が規定されています。大型トラックやバスには大型プレート、一般的な乗用車には中型プレート、二輪車には小型プレートが使用されます。
ナンバープレートを修理するには?
なんらかの理由でナンバープレートが破損した場合、適切な方法で修理が必要です。再交付や変更など、複数の方法から好みの手段を選べます。取得前に公道を走る場合は、仮ナンバーの申請も忘れないよう注意しましょう。ナンバープレートが破損した際の対処方法について、4つの項目に分けて詳しく解説します。
ナンバープレートを再交付してもらう
「これまでと同じ内容のナンバープレートを使いたい」という場合は、所定の機関で再交付手続きをしましょう。以下のように、区分によって申請先が異なります。
・普通車:自動車検査登録事務所または運輸支局
・軽自動車:軽自動車検査協会
それぞれ定められた必要書類を提出し、手数料を支払うことで再交付が可能です。同じナンバープレートを作成する際は数日程度を要するため、不安な方は交付までの所要期間を確認しておくと良いでしょう。
新しいナンバープレートに変更する
故障したナンバープレートにこだわらないのであれば、新しいものを取得する方法もあります。手続きをする場所は以下です。
・普通車:自動車検査登録事務所または運輸支局
・軽自動車:軽自動車検査協会
同じものを作成するケースとは異なり、手続きした当日中にナンバープレートが取得できます。複数回足を運ぶ手間が省けるため、時間を短縮したい方にも適した選択肢といえるでしょう。ただし、車を持ち込む際の移動手段を考慮する必要があります。
ナンバープレートを修理する
別の数字に変わることを避けたい方は、業者に依頼して修理する方法を検討しても良いでしょう。へこみや傷の修理と同じように、破損したナンバープレートも復元が可能です。一般的に使用されるものであれば、数千円程度で修理できるケースもあります。
修理期間は状態によって変動しますが、繫忙期に長期化しやすいリスクも理解しておきましょう。修理内容や金額を相談しながら、再交付など他の方法と比較して決めることもおすすめです。
仮ナンバーの申請も忘れずに
ナンバープレートが破損した状態で公道を走る場合は、あらかじめ仮ナンバーを取得しておく必要があります。運転するエリアの市区町村で手続きをしましょう。発行から5日が経過するまでは、運行経路の走行が可能です。以下の書類を提出して発行を待ちます。
・申請者の身分証明書
・自動車臨時運行許可申請書
・自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)証明書
・車検証など、自動車を確認するための書類
理解しておきたいのは、「特例として発行される」という点です。再交付手続きなど、臨時的に車を運転するために申請します。運行経路以外で走行しないよう注意しましょう。
修理と同時にナンバープレートの基準を押さえておこう
ここでは道路運送車両法で定められた各種基準について、取り付け方法やフレーム・ボルトカバーの規定、そしてその他の重要な基準について説明します。
ナンバープレートの適切な取り付けは、交通秩序の維持や事故時の車両特定に不可欠です。破損や汚損が見つかった場合は速やかな修理や再交付が必要ですが、その前に基準について押さえておきましょう。
取り付け方法に関する基準
ナンバープレートの取り付けには、道路運送車両法で定められた具体的な基準があります。まず、ナンバープレートの全ての表記がはっきり見える位置に取り付けていることが重要です。
そして、角度についても規定されています。例えば前側のナンバープレートの場合、上下10°以内で、左右については左10°で右方向に傾けることはできません。後ろ側のナンバープレートについては、取り付け高さによって許容される角度が異なります。
フレームやボルトカバーの基準
ナンバープレートに使用できるフレームやボルトカバーにも、明確な基準が設けられています。フレームを取り付ける場合、文字やナンバーの視認性を妨げないことが大切です。縁の幅は、上部10mm以下・下部13.5mm以下・左右18.5mm以下で、厚さも細かく規定されています。
他にも、ボルトカバーは直径が28mm以下で、厚さは9mm以下です。どちらも脱落することがないよう取り付ける必要があります。
その他の基準
ナンバープレートに関する基準として、カバーやシールによる被覆が禁止されています。カバーについては、無色透明でも使用できません。シールなどを貼り付けて番号が判読できない状態での走行はもちろん、汚れにも注意が必要です。固定が不十分な状態や、上下逆さま、表裏を間違えた取り付けも違反となります。
道路運送車両法に基づき、ナンバープレートは常に見やすい状態を保つ必要があります。これは交通秩序の維持や事故防止の観点から重要な規定です。万が一、破損や汚損が見つかった場合は、速やかに修理もしくは再交付の手続きを行いましょう。
破損ナンバープレートでの走行に関する法的リスクと罰則
ナンバープレートが破損した状態での走行は、道路運送車両法に違反する行為となります。具体的な罰則として、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
破損の程度や状態に関わらず、ナンバープレートの視認性が損なわれている場合は違反の対象となるでしょう。故意や過失に関係なく、事故による損傷であっても違反となるケースがあるため、速やかな対応が必要です。
ナンバープレートを再交付する手順と料金
ナンバープレートが不適切な状態で所有している方は、再交付手続きの方法を詳しくチェックしておきましょう。
必要書類を把握すると、実際の手続きもスムーズに進めやすくなります。再交付手数料など、金銭面での準備も大切です。3つの項目に分けて、再交付手続きのステップや料金をご紹介します。
専門機関にナンバープレートの再交付を申請
普通車の場合は自動車検査登録事務所または運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会が申請場所です。仮ナンバーのように市区町村役所では対応できないため、営業時間も注意しながら準備を進めましょう。
再交付希望の旨を伝え、申請に関する記入書類を受け取ります。直後に手続きを実行できるため、車検証などをそろえて必要事項を明確にしておくと安心です。記入方法が分からない場合は、申請先の担当者に直接聞いても良いでしょう。
再交付に必要な書類
ナンバープレートの再交付を申請する際には、いくつかの重要な書類が必要です。自動車登録番号標再交付申込書(様式5)、自動車検査証、そして破損・汚損したナンバープレートを準備します。
ナンバープレートの作成には、通常のペイント式で6営業日、字光式で7営業日、図柄入りナンバーの場合は10営業日ほどかかるでしょう。申請後に交付された引換証には、1か月間の有効期限があります。この期限を過ぎると引き換えができなくなるため、余裕を持って手続きを行うことが重要です。
登録自動車の場合、後面のナンバープレートを再交付する際は、封印作業が必要となるため、現車の持ち込みが求められます。なお、ナンバープレートが盗難や紛失、または一文字でも判別できない状態の場合は、再交付ができません。この場合は別の手続きが必要となります。
また、インターネットでの申し込みはできないため、必ず窓口での手続きが必要です。天災などのやむを得ない事由がある場合は、期限が切れる前に予約センターに相談することで、延長措置を検討することができます。
再交付の料金
ナンバープレートの再交付に必要な料金は、申請する機関のエリアによって変動します。以下は神奈川県を例に挙げた1枚当たりの金額です。
・普通車のペイント式:725円
・普通車の字光式:1,435円
・軽自動車のペイント式:735円
・軽自動車の字光式:3,875円
(2025年2月時点の情報です)
希望ナンバーで人気の高い数字とは
全国的に人気が高い数字は、抽選システムを用いて交付者を決定します。競争率が高いものは取得できる確率も低減するため、どのような数字に需要があるのか把握しておきましょう。早い段階での交付を希望する場合は、人気の度合いを基準に決めることも有益な方法です。希望ナンバーの傾向について、3つのポイントをご紹介します。
ゾロ目の数字
希望ナンバーの中でも特に人気の高いものが、全体をゾロ目でそろえた数字です。代表的なものには以下が挙げられます。
- ・1111
- ・3333
- ・5555
- ・8888
視覚的にも簡潔なイメージを与え、覚えやすい点が人気の理由といえるでしょう。「8」は無限や結びを表現できることもあり縁起がよく、幅広いボディタイプで高い人気を集めています。「3」や「5」は、風水の観点で好ましいとされる数字です。事故などのトラブルを避ける意味合いも込めて、このような数字の希望者が多い傾向にあります。
縁起の良い数字
一般的に好ましいといわれる数字は、希望ナンバーで抽選の対象になりやすいと考えた方が良いでしょう。「7」や「8」にまつわる数字が多く、以下は代表的な例です。
- ・7や7777など
- ・8(末広がりの意味)
- ・8008(縁結び)
反対に、縁起が悪いとされる数字は希望者が低い傾向にあります。以下のようなナンバーは、避けたいと願うユーザーも多くいるようです。
- ・死を連想させる「4」
- ・悪魔の数字を意味する「666」
- ・自殺を連想させる「432」
語呂合わせの数字
希望ナンバーを申請するユーザーの中には、語呂合わせで数字を決めるケースも見られます。以下のように、好きな言葉を当てはめて数字化することもおすすめです。
- ・2525(にこにこ)
- ・8996(育む)
- ・2933(福耳)
- ・3150(最高)
- ・8981(厄払い)
- ・8341(優しい)
- ・1122(良い夫婦)
連想しやすい単語だけでなく、車種名や家族の名前を反映する場合もあります。子どもや恋人の誕生日など、特別な日付を設定しても良いでしょう。
図柄入りや特別仕様のナンバープレートへの変更もおすすめ
ナンバープレートの汚損や視認性の低下が気になる方におすすめの選択肢として、図柄入りや特別仕様のナンバープレートへの変更があります。デザイン性の高い図柄入りナンバープレートは、全国版と地方版が用意されており、さらに大阪・関西万博の特別仕様プレートも要注目です。ここでは、特殊なナンバープレートについて紹介します。
図柄入りナンバープレート
全国版の図柄入りナンバープレートは、全国47都道府県の花をモチーフにしたデザインで、美しい日本を表現しています。令和4年4月18日から交付を開始し、令和9年4月30日まで申し込みが可能です。
取り付けできる車種は、自家用登録車・事業用登録車・自家用軽自動車です。ただし、事業用軽自動車と二輪車は対象外となります。また、字光式ナンバープレートの選択はできません。
地方版図柄入りナンバープレートは、地域の魅力を発信する「走る広告塔」として、平成30年から導入されています。現在は第1弾41地域、第2弾17地域、第3弾10地域の計68地域で交付されています。個性を出せるので、ナンバープレートを交換したい場合はぜひ検討してみてください。
特別仕様(大阪・関西万博)のナンバープレート
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を記念した特別仕様ナンバープレートの申込受付は、令和4年9月26日から開始されました。交付期間は令和4年10月24日から令和7年12月26日までとなります。
デザインは、公式ロゴマークのフォルムをモチーフに、万博での感動が心の中で走り続けるというコンセプトで作られています。
フルカラー版とモノトーン版が用意されており、1,000円以上の寄付でフルカラー版を選択可能です。事業用登録車は緑色、自家用軽自動車は黄色の枠取り塗色が施されます。
申込みは、WEBや地域の予約センター窓口、ディーラー・整備工場・行政書士を通じて行えます。
(2025年2月時点の情報です。)
まとめ
ナンバープレートに損傷がある場合は、修理や再交付を検討しましょう。ナンバープレートは取り付け方法が明確に規定されており、違反すると罰則が設けられているためです。プレートが破損した場合、自己修理または業者への依頼が選択肢となります。交換手続きには、普通車と軽自動車で異なる申請先があり、必要書類と手数料の確認が重要です。
また、図柄入りや特別仕様のナンバープレートへの変更も、車両の個性を表現する方法として検討できます。修理や交換の際は、法定基準を満たしているかどうかの確認を忘れずに行うことが大切です。
▼ライタープロフィール
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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