車買取時の税金還付はどうなる?自動車税の仕組みと還付条件を詳しく解説
車を売却する際、「支払った自動車税は戻ってくるのか」という疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。実は、車買取と廃車では税金還付の仕組みが大きく異なります。
買取業者に車を売る場合、自動車税の還付はどのような扱いになるのでしょうか。この記事では、車買取時の税金還付の正しい仕組みから具体的な計算方法、注意すべきポイントまで詳しく解説します。
※目次※
・車買取では、廃車と異なり自動車税の直接的な還付制度は適用されないが、多くの買取業者は残存期間に応じた自動車税相当額を査定額に上乗せする形で対応している。
・自動車税の還付金額は「年税額÷12×売却翌月から3月までの残存月数」で計算される。
・軽自動車税は、年単位課税方式のため月割還付制度が存在せず、4月1日に所有していれば年額1万800円を満額納付する義務があり、その後売却しても税金は還付されない。
車買取時の税金還付の基本的な仕組み
車買取時の自動車税還付は、廃車とは異なる複雑な仕組みになっています。買取業者の対応や普通車と軽自動車の制度の違いなど、事前に把握しておかないと損をする可能性があるでしょう。
以下、売却時の税金取り扱いについて、重要な3つのポイントを詳しく解説します。
車買取では税金(自動車税)の直接還付は受けられない
車買取では廃車手続きと異なり、所有者変更のみで車両が再販されるため、自動車税の直接的な還付制度は適用されません。
しかし多くの買取業者は、売却月の翌月から翌年3月までの残存期間に応じた自動車税相当額を、査定額に上乗せする形で対応しています。買取業者の対応により、実質的に税金分を回収できる仕組みです。
ただ、買取業者によって対応が異なるため、契約前に見積書で「自動車税相当額」が明記されているか確認することが欠かせません。
車買取業者が査定額に税金還付額を上乗せする方法
買取業者は、売却月の翌月から翌年3月までの残存期間を月割計算します。通常は見積書に「自動車税相当額」として別項目で明記しますが、中には総査定額に含めて表示する業者もあるでしょう。
売却前には担当者へ、自動車税相当額が含まれているか、自動車税分の計算方法を直接確認し、明確に説明できる信頼性の高い業者を選択することが賢明です。
軽自動車には税金還付制度が適用されない理由
軽自動車税は、毎年4月1日を賦課期日とする年単位課税方式のため、普通車のような月割還付制度が存在しません。
4月1日に軽自動車を所有していれば、年額1万800円を満額納付する義務が発生します。4月2日に廃車手続きを行っても、税金は還付されないので注意が必要です。
ただし、軽自動車でも自動車重量税については、売却後に廃車になる予定かつ車検残存期間が1か月以上ある場合に限り還付申請できます。
車買取時の税金還付金額の計算方法
車買取時の税金還付額は、月割計算や車検残存期間によって大きく変わります。排気量別の自動車税額や重量税の扱いを正確に把握することで、査定額の妥当性を判断できるでしょう。以下、具体的な計算方法と還付相当額について詳しく解説します。
自動車税の月割計算による還付金額の求め方
自動車税の還付金額は「年税額÷12×売却翌月から3月までの残存月数」で算出され、100円未満は切り捨てられます。
例えば、排気量2,000ccの普通車(年税額3万6,000円)を8月に売却すると、9月から3月までの7か月分で2万1,000円が査定額に上乗せされる計算です。
売却時期により還付相当額は大きく変動し、4月中なら11か月分、3月中なら0か月分で上乗せはありません。税金還付を考慮した売却タイミングの検討が、実質的な手取り額を左右する要素となります。
排気量別の自動車税還付金額の早見表
下記は、排気量別の年間自動車税額と、月割で還付される金額です。
排気量 |
年額 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
1,000cc以下・電気 |
2万5,000 |
2万2,900 |
2万800 |
1万8,700 |
1万6,600 |
1万4,500 |
1万2,500 |
1万400 |
8,300 |
6,200 |
4,100 |
2,000 |
0 |
1,000cc超~1,500cc以下 |
3万500 |
2万7,900 |
2万5,400 |
2万2,800 |
2万300 |
1万7,700 |
1万5,200 |
1万2,700 |
1万100 |
7,600 |
5,000 |
2,500 |
0 |
1,500cc超~2,000cc以下 |
3万6,000 |
3万3,000 |
3万 |
2万7,000 |
2万4,000 |
2万1,000 |
1万8,000 |
1万5,000 |
1万2,000 |
9,000 |
6,000 |
3,000 |
0 |
2,000cc超~2,500cc以下 |
4万3,500 |
3万9,800 |
3万6,200 |
3万2,600 |
2万9,000 |
2万5,300 |
2万1,700 |
1万8,100 |
1万4,500 |
1万800 |
7,200 |
3,600 |
0 |
2,500cc超~3,000cc以下 |
5万 |
4万5,800 |
4万1,600 |
3万7,500 |
3万3,300 |
2万9,100 |
2万5,000 |
2万800 |
1万6,600 |
1万2,500 |
8,300 |
4,100 |
0 |
3,000cc超~3,500cc以下 |
5万7,000 |
5万2,200 |
4万7,500 |
4万2,700 |
3万8,000 |
3万3,200 |
2万8,500 |
2万3,700 |
1万9,000 |
1万4,200 |
9,500 |
4,700 |
0 |
3,500cc超~4,000cc以下 |
6万5,500 |
6万 |
5万4,500 |
4万9,100 |
4万3,600 |
3万8,200 |
3万2,700 |
2万7,200 |
2万1,800 |
1万6,300 |
1万900 |
5,400 |
0 |
4,000cc超~4,500cc以下 |
7万5,500 |
6万9,200 |
6万2,900 |
5万6,600 |
5万300 |
4万4,000 |
3万7,700 |
3万1,400 |
2万5,100 |
1万8,800 |
1万2,500 |
6,200 |
0 |
4,500cc超~6,000cc以下 |
8万7,000 |
7万9,700 |
7万2,500 |
6万5,200 |
5万8,000 |
5万700 |
4万3,500 |
3万6,200 |
2万9,000 |
2万1,700 |
1万4,500 |
7,200 |
0 |
6,000cc超 |
11万 |
10万800 |
9万1,600 |
8万2,500 |
7万3,300 |
6万4,100 |
5万5,000 |
4万5,800 |
3万6,600 |
2万7,500 |
1万8,300 |
9,100 |
0 |
なお先述の通り、軽自動車の自動車税(種別割)は還付制度がありません。
車検残存期間による自動車重量税の扱い
自動車重量税は、廃車手続きを行い、かつ車検残存期間が1か月以上ある場合のみ還付申請が可能で、買取では直接的な還付は受けられません。
しかし、多くの買取業者は車検残存期間を査定価格に反映させています。「納付済み重量税額×車検残存期間÷車検有効期間」で算出された金額を参考に、車検残存価値として査定に組み込むのです。
例えば、重量税3万2,800円で車検残存期間4か月なら5,467円が還付対象となり、還付対象額が査定価格に反映される仕組みとなっています。
車買取時の税金還付で注意すべきポイント
車買取の税金還付では、納税状況や業者の対応方針によってトラブルが発生する可能性があります。売却後の手続き完了確認を怠ると、思わぬ損失を被ることもあるため注意が必要です。最後に、売却を進める際に重要な3つのポイントを詳しく解説します。
自動車税未納時は車買取ができない理由と対処法
自動車税未納では、名義変更手続きに必要な納税証明書が取得できず、運輸支局での手続きが停止されるため車買取が不可能となります。
未納状態が続くと、年利7.3%~14.6%の延滞金が加算されることを覚えておきましょう。税事務所で未納額を確認し、コンビニやクレジットカード決済で速やかに納付することが重要です。
一括納付が困難な場合は、税事務所に分割納付の相談をしましょう。車買取の税金還付を検討する前に納税義務を履行することが、売却成功への第一歩となります。
買取業者が税金相当額を上乗せしない場合の対応策
自動車税相当額が査定に含まれていない場合、まず見積書の内訳を確認し、担当者に自動車税の残存期間分の反映方法を直接質問することが大切です。
事前に残存期間の税額を計算しておき、9月売却の2,000cc車なら年税額3万6,000円の6か月分で1万8,000円と、具体的な金額を示して上乗せを要求します。
業者が応じない場合は「自動車税還付委任状」への署名を拒否し、他業者への相談も検討しましょう。
売却後の名義変更確認と遅延時のリスク回避方法
名義変更は通常、売却から2週間~1か月程度で完了します。期限を過ぎても連絡がない場合は業者への問い合わせが必要です。
次年度の自動車税納税通知書が自分宛てに届いた場合は、名義変更未完了の可能性が高いでしょう。道路運送車両法に基づく15日以内の手続き義務について、業者へ確認することが重要です。
遅延が判明した場合は、内容証明郵便での督促や法的手続きも検討します。名義変更手続きは、車買取の税金還付以上に重要な問題であることを覚えておきましょう。
まとめ
車買取では、廃車と異なり税金の直接還付は受けられませんが、多くの買取業者が査定額に自動車税相当額を上乗せします。還付金額は月割計算で決まり、排気量によって金額が変わるのが通常です。
ただし、軽自動車には還付制度がありません。自動車税未納時は売却できないため、事前納付が必要です。
買取業者が税金相当額を含めない場合は他の業者への売却を検討し、売却後は名義変更完了の確認も欠かせません。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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