安い中古車があるのはなぜ?選ぶときのポイントや注意点を紹介
自動車を購入する際、新車にするか、中古車にするか悩まれる方も多いのではないでしょうか。中古車の魅力といえば何といっても価格の安さです。比較的新しい車種でも、新車価格に比べてかなり割安で売られていることも珍しくありません。
ここで疑問となるのが、なぜ安い中古車が販売されているのかということです。この記事では、その理由や、安くて狙い目となる中古車の種類についてご紹介します。安く、お買い得な中古車の購入方法についても触れるので、ぜひ参考にしてみてください。
※目次※
・需要の低下などにより安い中古車が出回っている一方で、事故車や水没車などの故障リスクが高い車両も紛れている場合がある。
・安い中古車を購入する際は、整備履歴や車の状態、販売先のサポートなどをチェックすることが大切。
・フルモデルチェンジ後や新車販売開始から奇数年が経過した車種は、人気車でも中古車価格が下がる可能性が高い。
安い中古車が販売されている理由とは?
現在、ほとんどの新車は100万円以上するため、購入するには多くの費用がかかります。そのため、中古車の購入を検討している方もいるでしょう。
中古車であれば100万円以下で購入できる可能性が十分にあります。ただし、なぜ安く買えるのかを把握しておくことが大切です。ここでは、安い中古車が販売されている理由について解説します。
新車と異なり個体差があるため
重要と供給によっても異なりますが、中古車は基本的に新車よりも安い価格で販売されています。これは、以前の使用者によって走行を重ねている他、年数経過による劣化によって車自体の価値が下がるためです。
また、車種とグレードが同じでも、マイナーチェンジやモデルチェンジによって価格に差が生じる点は中古車の特徴といえます。さらに、ボディカラーによる人気度の違いや内外装の損傷の有無、走行距離などの個体差も、価格に影響する要素です。
注意が必要な中古車もある
安い中古車には、大きく分けて2つのケースがあります。ひとつは、年式や走行距離など割安になる原因が明確で、状態を確認すれば誰の目からでも明らかな場合です。この場合は見極めやすいためそこまで心配する必要はありません。
しかし、注意が必要なのは、車体内部の状態や過去のオーナーの履歴などから、今後問題が起きそうだと予想は付くものの、一目見ただけでは分からない場合です。
後者を見極めるのは、素人ではなかなか難しい部分もあります。まずは相場より安い中古車を見かけたら、理由がどこにあるのか探してみましょう。
安い中古車を買うときに意識すること
安い中古車を購入する場合は、車の状態をしっかりと確認することが大切です。どの部分をどのようにチェックすれば良いのか、知りたい方もいるでしょう。ここでは、安い中古車を購入する際に、押さえておきたいポイントを5つ解説します。
定期点検整備記録簿を確認する
定期点検記録簿は、車検時に実施する24か月点検などの法定点検を受けた際に、発行される書類です。定期点検記録簿がしっかりと備わっている車両は、車の整備履歴が分かるため、大切にされてきたのか判断する材料になり得ます。
エンジンオイルなどの消耗品や劣化している部品がしっかりと交換されているのであれば、多くの場合良好な状態がキープされているため、安い車でも比較的安心して購入できるでしょう。ただし、故障リスクが全くないとはいえないため、参考程度に確認することをおすすめします。
エンジンを確認する
しばらくエンジンをかけていなかった車は、始動直後に白煙が上がることがあります。これだけなら問題はありませんが、モクモクした煙が長く上がり続けるという場合は、オイルが燃えていると考えられるため要注意です。
エンジン始動後はスムーズに回転の上げ下げができるか、アイドリングの際に回転が安定しているか、そして異音がないかを確認します。違和感を覚えた場合は購入を見合わせることをおすすめします。試乗可能であれば、乗って確かめてみましょう。
腐食状態を確認する
サビによる腐食が発生していると、思わぬトラブルに見舞われることもあります。サビは塩害などが原因で起きるため、下回りのコンディションも確認しましょう。特に雪の降る地域では、融雪剤でサビが発生しやすいので注意が必要です。
マフラーに穴があきそうなところはないか、ボディ下部に穴があきそうなところはないか、ボディの塗装が剥げている部分がないかもチェックします。小さなサビも放置をすることで大きく深刻なサビへと進行していくため、早めの対処が必要です。
走行距離で選ぶ
車のおおよその寿命は走行距離から測れます。10万kmを超過すると、さまざまなパーツが交換時期となるので、消耗部品の交換状況を確認しましょう。
ただし、最近の車は10万km以上でも問題のない車も多く、メンテナンスをしっかりとしていれば20万kmでも十分走行可能な車は少なくありません。
また、登録(届出)済未使用車のように走行距離が極端に少ない車にも注意しなければなりません。ほとんど動かしていなかった車を突然動かすと、メンテナンス不足により不具合が発生する可能性が高いといえます。
そこで、走行距離を目安に車の状態をチェックし、自身の使い方も考えてみましょう。少しでも安く車を購入したいのであれば、過走行車を狙うというのもひとつの方法です。
信頼性のある販売先を選ぶ
安い中古車を購入する際は、車のコンディションだけでなく販売店の質やアフターサポートについてもチェックしておくことが大切です。販売前に整備を実施してくれるのか、保証が付いているのかなどを確認することで、購入後のトラブル防止につながります。
また、お店の雰囲気や口コミ情報などから、信頼できるかどうかを判断するとよいでしょう。
中古車を選ぶときは安い理由を考えながら慎重に判断しよう
相場よりも安く中古車が販売されている場合、異音や異臭がするなど、特別な理由があるケースに注意が必要です。そのため、できる限り実車を確認しましょう。ここでは、異音や異臭、そして改造の観点から安く販売される理由について解説します。
異音や異臭がする
自動車は、走行時にエンジンなどの作動音や、タイヤと地面が接触することにより生じる走行ノイズなどの音が発生します。正常な音なら問題ありませんが、部品に不具合があると異音がする場合もあるので、チェックすることが大切です。
エンジンやエアコンが作動中の音や、試乗が可能であれば走行時の足回りからの音に注目するとよいでしょう。また、車内や車外において異臭がしないかどうか確認することも重要な観点です。
オイル漏れや水漏れなどが発生している場合は、独特な異臭が発生します。また、車内ではペットやタバコの臭いなどの異臭がないかも、エアコンを作動させつつチェックしましょう。
改造が多い
自動車を改造して楽しむ方もいるため、中古車購入時は社外パーツの有無をチェックすることが大切です。バンパーなどの外装のカスタムであれば、特に問題はないでしょう。
ただし、走行に関わる部分の改造は、電気配線のショートなど、思わぬ不具合につながる可能性があります。
また、サスペンションを改造して車高が下がっていたり、マフラーを交換して排気音が大きくなっていたりした場合は、購入後の車検で不適合となるかもしれません。
> 安い中古車を安全に買う方法についてさらに知りたい方はこちら!
安い中古車は理由によって購入を控えることも大切
年式が比較的新しく、走行距離が少なくても、相場より非常に安く販売されているケースがあります。
このような中古車は、修復歴や水没歴が理由で、価格が大幅に下げられているのかもしれません。ここでは、修復歴と水没歴のある車を購入するリスクについて解説します。
修復歴がある
修復歴とは、車の骨格となる部分を損傷し、修復した履歴があることを指します。このような車両は修復歴車として中古車市場に出回っており、相場よりも格安で販売されている点が特徴です。
現在の自動車は、ぶつかった衝撃をボディ全体で受け止める構造が採用されています。そのため修復歴がある車は、ぶつかった部分だけでなく、その他の部位に不具合が発生するリスクがあることを覚えておきましょう。
きしみ音や雨漏れなど、修理が困難なケースもあるため、修復歴車を購入することは可能な限り避けることをおすすめします。
水没歴がある
水害などの影響で水没した車は、冠水車と呼ばれ、修復歴車と同様に価格が安い傾向があります。
冠水車を販売する場合、それをしっかりと明示することが販売店のルールです。これは、冠水車が車の品質に大きく関わるためであり、故障のリスクが高いことを示しています。
電気系統の不具合やシートベルトなどの内装部品のサビ、異臭などが冠水車を購入する具体的な懸念点です。水没歴がある中古車も、購入を避けたほうが無難といえるでしょう。
PR魅力的なセダンいろいろ
中古車を安い価格でお得に購入する方法
中古車は、ある特定のタイミングを狙うことによって、その車種の相場価格よりもさらに安く購入できる可能性があります。
ほんの少し時期を変えるだけでも数十万円の節約ができることがありますので、狙い目を知っておいて損はありません。これからご紹介する4つのタイミングを見計らって中古車をお得に購入しましょう。
車を買う時期を選ぶ
車には安く買いやすい時期があります。最も需要が高まるタイミングは新生活が始まる前の3月頃までです。
反対に4月~5月は需要が落ち着き、中古車の購入希望者が減ります。業者は売れ残った車の処分のために価格の見直しをすることが多く、安く購入しやすくなる傾向です。
3月末や9月末は業者が決算期を迎えるため、ここでも安く購入できる可能性が高まります。この点を踏まえて考えると、安く購入できる可能性が高いタイミングとなるのは3月末~5月初旬にかけての約1か月と、9月末の2つです。
フルモデルチェンジ後がおすすめ
車は1年~2年に一度のペースでマイナーチェンジが、5年~7年に一度のペースでフルモデルチェンジが行われます。フルモデルチェンジが行われると、デザインから安全性能まで多くの部分が生まれ変わり、注目度も上昇する傾向です。
結果的に旧モデルの需要が低くなり、中古業者も在庫処分という形で旧モデルを取り扱う機会が増えるため、値下がりが起こります。フルモデルチェンジ直後の車種の旧モデルは、中古車の中で特にお得な存在といえるでしょう。
試乗車・代車落ちを選ぶ
新車と変わらないクオリティの車を中古車で手に入れたいという場合は、試乗車や代車落ちの車を狙いましょう。中古業者はこういった車をディーラーから直接仕入れることがあり、新車と比べて格安な価格で入手できることがあります。
試乗車や代車として使われていた車は、ディーラーでも中古業者でも大切に扱われており、基本的に整備が行き届いています。前オーナーによって使い回されていた一般的な中古車よりも安心して購入しやすいでしょう。
新車発売から奇数年を目安に購入する
新車販売から3年目、5年目などの奇数年も中古車が安くなりやすいためチャンスです。なぜこのタイミングかというと、車検をきっかけに車を買い替えることを決めるオーナーが多いためです。
最初の車検は新車購入から3年後に訪れます。その後は2年ごとに車検を受ける義務が生じます。これを機に手放そうと考えるオーナーは多く、同一車種が中古車市場に向けて一斉に流れることとなり、供給が増加して価格が下がるという流れです。
安い価格で探しやすい中古車の種類とは?
特に車種にこだわりがなく、価格の安さを優先したいという場合には、候補にしておくと良い車種がいくつかあります。
具体的にはセダンと、もともとの新車価格が安い軽自動車です。それぞれの車種がなぜ安いのか、これから項目を分けてご説明します。これまでにご紹介したお得なタイミングも合わせて、より安く良い車を入手しましょう。
セダンは値段が下がりやすい
値段が下がりやすい車種として狙い目になるのはセダンです。現在の中古車市場において特に人気が高いのはSUVであり、セダンの注目度は下がりつつあります。新車価格ではSUVとセダンに大差がありませんが、中古車で比較すると20万円~30万円の差が生じます。
例えばマツダのアテンザセダン XD Lパッケージの場合、新車価格は250万円以上でしたが、中古車の場合は相場が一気に下がります。ネクステージで販売中の同車種・2015年式・走行距離4万kmという中古車の場合は、152.9万円で販売しています。
(2024年8月時点の情報です)
元値が安い軽自動車
軽自動車は維持費用が安く日常使いしやすいことや、車内空間の快適性も向上していることから非常に高い人気を誇っています。新車価格は普通車に比べて安いため、中古価格の相場も軽自動車のほうが安いことが魅力です。
特に不人気車の場合は低価格化されることが多く、狙い目が増えることも軽自動車のメリットといえるでしょう。
欲しいボディタイプを絞って安い中古車を探そう
中古車の購入を検討している場合、ジャンルやボディタイプをすでに決めている方もいるでしょう。
ここでは、自動車のジャンル別におすすめの車種を紹介します。軽自動車・コンパクトカー・ステーションワゴン・セダン・SUVを狙っている方は、ぜひ参考にしてっみてください。
軽自動車:スペーシア
スペーシアは、スズキから販売されている4人乗りの軽自動車です。一番の特徴は、141mm確保した高い室内高と、27インチの自転車も積み込めるラゲッジスペースです。家族で出かけるのも、一人でアウトドアに向かうのも楽しめる自由度の高さが人気を集めています。
さらに、「スズキ セーフティ サポート」による潤沢な安全機能も搭載されており、安全面でも性能の高い1台です。ネクステージでは、29万9,000円~202万9,000円で販売しています。
(2024年8月時点の情報です)
(参考:『スペーシア(スズキ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
コンパクトカー:アクア
トヨタから販売されているアクアは、トヨタのハイブリッド車では初となる「快感ペダル」という装備が採用されています。この装備は、ドライブモードスイッチで「POWER+」モードを選択すれば、アクセルペダルだけで加減速をコントロールしやすくなるものです。
ペダルの踏み替えの頻度を減らせるため、快適なドライブが楽しめるでしょう。そして、グレードにより変わりますが、平均でも30km/L超えの燃費の良さも大きな魅力です。ネクステージでは、39万9,000円~277万9,000円で販売しています。
(2024年8月時点の情報です)
(参考:『アクア(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ステーションワゴン:レヴォーグ
ステーションワゴンは、人気絶頂期だった80年~90年代に比べると、やや他のボディタイプに人気を取られています。しかし、その中でもスバル レヴォーグは日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するほどの信頼と魅力のあるステーションワゴンです。
ステーションワゴンらしい奥行きのある室内空間で、長さのある荷物も楽に積み込めます。また、スバルの安全性能であるアイサイトXも標準装備されており、安心安全な走行も難なくこなせる点が魅力です。
ネクステージでは、89万9,000円~429万9,000円で販売しています。
(2024年8月時点の情報です)
(参考:『レヴォーグ(スバル)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
セダン:プリウス
トヨタから販売されているプリウスは、まさに低燃費のハイブリッド車の代名詞といっても過言ではない存在です。
内燃機関、バッテリーなどはもちろんのこと、外装における空気抵抗やアルミホイール形状の改良などにも余念がない開発が、圧倒的な低燃費を実現させています。さらに、「E-Four」による電気式4WDの搭載により、雪道でも安定した走行が可能です。
ネクステージでは、47万9,000円~452万9,000円で販売されています。
(2024年8月時点の情報です)
(参考:『プリウス(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
SUV:ランドクルーザープラド
ランドクルーザープラドは、「地球上のあらゆる道を走破する」をコンセプトにトヨタが開発したSUVです。オフロード走行時に活躍する走行支援モードを5つ搭載しています。
場面に応じてモードを切り替えることにより、エンジンスロットルの特性やブレーキ油圧などが自動でコントロールされるため、悪路でも快適かつ安定した走行が楽しめることで人気です。ネクステージでは、217万9,000円~629万9,000円で販売しています。
(2024年8月時点の情報です)
(参考:『ランドクルーザープラド(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
中古車は、車種やタイミングを見極めることにより、非常に安い価格で購入できるチャンスがあります。ただし修復歴ありの車や水没車は故障リスクが高く、おすすめできません。
安い中古車を購入する際は、エンジンやボディのコンディションだけでなく、定期点検記録簿や販売先の雰囲気などのチェックを忘れないことが大切です。異音や異臭などがないかも確認することをおすすめします。
▼ライタープロフィール
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
豊富なラインアップのネクステージ中古車情報をチェック!
いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
ネクステージでは、他店に負けない数多くの中古車をラインアップしていますので、中古車の購入を検討されている方は、ネクステージの公式Webサイト上で最新の在庫状況をチェックしてみてください。また中古車購入に際して、ネクステージ独自の保証もご準備しております。お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q.なぜ中古の車を選ぶのか?
A.中古車を選ぶ主な理由は、コストパフォーマンスの良さです。新車と比べて大幅に安い価格で購入できるため、同じ予算でより上級なグレードや高級モデルを手に入れられる可能性があります。 また、現行モデルでは手に入らないモデルを求める人や、初心者で傷や汚れを気にせず乗りたい人にも人気です。経済的な理由だけでなく、好みの車種や使用目的に合わせた選択肢の広さも中古車の魅力となっています。
Q.中古車の値段が下がるタイミングはいつですか?
A.中古車の価格が下がりやすいタイミングは、自動車販売店の決算期である3月頃です。需要が落ち込む4月と5月も価格が下がりやすいでしょう。 また、大型連休後やボーナスシーズン前も、需要の減少により相場が下がる傾向があります。さらに、新型モデルが発売された直後は、旧モデルの中古車価格が下落しやすいでしょう。
Q.中古車は何kmから安くなる?
A.中古車の価格は走行距離が増えるにつれて下がる傾向にありますが、10万kmを超えると価格が大きく下がります。これは市場のニーズに合わせた価格設定によるものです。 予算を重視する場合は10万km以上の中古車を検討するのが良いでしょう。ただし、車両状態には個体差があるため、購入時には整備記録や車両状態の確認が大切です。