ジープ・ラングラーの燃費性能は?ライバルオフローダーと燃費を比較してみよう
ジープ・ラングラーはアメリカのオフロード4WD車の代表的な車種で、日本でも人気です。オフロード専門のジープから発展したことから悪路の走破性は抜群で、その特徴を残しながらも次第に乗用車的な要素が強まり、SUVとして一般的に普及するようになりました。
オフロード4WD車といっても、普段使いとなると燃費が気になる人もいるのではないでしょうか。この記事ではジープ・ラングラーについて燃費をはじめ歴史や特徴を解説します。ライバル車もあわせて紹介しますので、比べてみるのも面白いかもしれません。
※目次※
4.ジープ・ラングラーとライバル車種の燃費の違いはどのくらい?
・ジープ・ラングラーは軍用車両だったジープを一般向けに発展させた車で、現行モデルは4代目
・デザインはジープの伝統を守りながら、中身やメカニズムは大きく進化、燃費性能も向上している
・ジープ・ラングラーのライバルも個性的な車ばかり。燃費性能とともに比較してみよう
CJ-7を感じるデザインのジープ・ラングラー
ジープ・ラングラーは古くからのジープが継続して発展してきたモデルです。ジープブランドではいまでこそ現代的なSUVも生産していますが、ジープ・ラングラーはSUVとは一線を画した成り立ちに捉えられるでしょう。
そのデザインは、初代ラングラーの登場まで販売されていたCJ-7の伝統的な面影を感じさせます。ここではジープ・ラングラーの歴史を中心に解説します。
ラングラーの起点は軍用車両
ジープ・ラングラーの歴史を遡ると、そのスタートは軍用車両になります。アメリカ陸軍の発注に対して開発された初代ジープとなるWILLYS MBは、タフでありながら使い勝手に優れ、幅広い用途で活躍しました。
その後、民生用として登場したCJシリーズは走破性だけでなく快適性も向上されたことで、個人ユーザーにも使われるようになりました。そして1987年、1950年代から続いてきたCJシリーズのデザインを受け継ぎながらも現代的な内容で登場したのがジープ・ラングラーです。
現行モデルは4代目
初代ラングラーは1996年まで生産され、1997年から2006年まで販売された2代目はCJ-7に似たレトロなエクステリアを採用しつつもサスペンションなどの内容を一新し、オフロード性能やオンロード性能が大幅に向上しています。
また、この2代目からロングホイールベースの4ドアモデルであるアンリミテッドが追加されました。
2007年に登場した3代目は、性能を向上させながらも丸型ヘッドライトや7スロットグリルなど、伝統ともいえるデザインはキープされていることが特徴です。2018年に登場した4代目は、走破性をさらに向上させるとともに、内装の質感を高め、安全性能も進化しました。
5代目モデルの登場も控えている
2023年にはジープ・ラングラーの歴代販売台数が500万台に達し、500万台目のオーナーには5,000ドル相当のオプションパーツと生涯にわたるカスタマーケア特典がプレゼントされました。
これと同時に5代目モデルとなる2024年型モデルが、今四半期中に北米のディーラーに導入されると報道されています。
4代目ジープ・ラングラーの燃費の目安
オフロード4WDが原点のジープ・ラングラーはその成り立ちから、燃費性能においてはあまり追求されてきませんでした。しかし、SUVとして一般ユーザーが日常的に使うようになった現代では燃費も性能のひとつとして重要となってきていて、現在ではさまざまな改良が行われています。
ここではジープ・ラングラーの燃費について、2023年10月時点の発売モデルを参考にその特徴を見てみましょう。
Unlimited Saharaの燃費
ジープ・ラングラーはガソリンエンジン車とプラグインハイブリッドの「4xe」があります。ここではガソリンエンジン車に絞って紹介します。ガソリンエンジン車は2つグレードがあり、Unlimited Saharaはベースグレードです。
ジープにも低燃費化が要求される時代で、エンジンは大排気量多気筒からダウンサイジングされた2リッターターボとなり、アイドリングストップも付いています。
4WDシステムはジープならではのパートタイム4WDに加えて電子制御センターデフによるオートモードがあり、フルタイム4WDのように使うことも可能です。Unlimited Saharaの燃費は以下の通りとなっています。
JC08モード |
11.5km/L |
WLTCモード |
10.0km/L |
市街地モード |
6.8km/L |
郊外モード |
10.7km/L |
高速道路モード |
11.7km/L |
Unlimited Rubiconの燃費
Unlimited Rubiconは上位グレードにあたり、エクステリアではフロントグリルやヘッドライトベゼルにダークグレーのアクセントが入り、アルミホイールが専用のものになります。
機能面ではターンシグナル付きの格納式ヒーテッドパワードアミラーや、フロントシート背後にさまざまな収納機能が追加できるシステムが装備されていることが特徴です。エンジンや8速オートマチックはUnlimited Saharaと共通ですが、4WDシステムが異なります。
トランスファーの4WDローギヤのギヤ比がUnlimited Saharaの約2.7:1に対して4:1となり、前後のデフをロックする機能が装備され、走破性がさらに向上したモデルです。Unlimited Rubiconの燃費は以下の通りとなっています。
JC08モード |
10.1km/L |
WLTCモード |
9.4km/L |
市街地モード |
6.6km/L |
郊外モード |
10.1km/L |
高速道路モード |
10.8km/L |
丸型ヘッドライトを採用した4代目ジープ・ラングラー
ジープ・ラングラーは初代こそ角型ヘッドライトを採用していましたが、1997年に登場した2代目以降は丸型ヘッドライトとなり、7スロットグリルとともにジープのデザイン面での伝統を守っています。
その一方で、ジープならではの走破性や現代の車としての快適性はモデルチェンジとともに進化していることが特徴でしょう。ここでは、2018年に登場した4代目「JL」型のコンセプトやデザインについて解説します。
コンセプト
11年ぶりのフルモデルチェンジとなった4代目ジープ・ラングラーは、デザインなどでジープの伝統を継承しつつ、中外装とも進化させています。一目でジープとわかる基本デザインを基に洗練されたエクステリアと、ジープらしさを保ちながらクオリティーを高めたインテリアなどの進化も魅力的です。
また、先進技術を採用し、走破性がさらに向上するとともに燃費にも配慮しています。さらに安全性能も進化したモデルです。
エクステリア
エクステリアはジープの特徴といえる丸型ヘッドライトや7スロットグリルを基本に、エアロダイナミクス性の改善が行われました。具体的には、ウインドシールドやグリルの上部をわずかに傾斜させることで空気の流れを最適化し、空気抵抗の低減とともに静粛性にも貢献しています。
またドアやフェンダーなどに高強度の軽量アルミニウムを採用することで90kgを超える軽量化を達成し、強度や耐久性を保ちつつ燃費向上にも寄与していることが特徴です。さらに、丸型ヘッドライトのデザインを残しながら、テールランプやフォグランプとともにLEDを設定し、周囲をさらに明るく照らします。
インテリア
インテリアは、過去の歴史を踏まえつつ、現代的な先進技術や上質なデザインを備えています。そして一番の特徴は、ルーフを全開にできるフリーダムハードトップです。軽量化や取り外し方法の改良で脱着が簡単にできるようになっています。
オープンで走行することを想定して、軽い雨や雪、ぬかるみでの泥はねなどの際に、車内が濡れたり汚れたりすることが極力ないように配慮された設計です。さらに、オープンでの使用のために耐候型としたサブウーハーをはじめとした9スピーカーオーディオで迫力あるサウンドを楽しめます。
走行性能
2018年のデビュー当時、ガソリンエンジンモデルは3.6L V型6気筒エンジンもラインアップされていましたが、現在は2Lガソリンターボのみとなっています。2Lターボは3.6Lに比べて最高出力は若干劣りますが、最大トルクは上回っているため、実用面では十分以上の性能があるといえるでしょう。
高性能なエンジンに組み合わされるトランスミッションは8速オートマチックで、スムーズなシフトチェンジで加速性能を高めながら燃費も低減させています。
走破性についてもジープの伝統であるパートタイム式をベースに、フルタイム4WDとしても使えるシステムです。下り坂を一定の速度で進めるヒルディセントコントロールも装備されています。
安全性能
ジープ・ラングラーは安全性能も進化しています。まず高張力スチールと軽量アルミニウムを組み合わせることで頑丈なボディを実現しました。その上で、他の車両に急接近しそうになったときに音と表示で警告し、それでもドライバーが反応しないときには短く鋭いブレーキで警告する前面衝突警報が装備されています。
また、前方の車両との距離を保って速度を調節し、完全停止までコントロールするアダプティブクルーズコントロールや車両全体のセンサーにより、横滑りが発生しそうになるとそれを抑えるように制御するエレクトロニックスタビリティコントロールも装備されました。
トレーラーけん引時の車両やトレーラーのふらつきを抑制する機能もあわせて内蔵されています。
ジープ・ラングラーとライバル車種の燃費の違いはどのくらい?
ジープ・ラングラーは比較的大きめのオフロード4WD車ですが、SUVを含めると同じクラスのライバル車は国産車、輸入車ともに多くのモデルがあります。内容はもちろんながら、燃費性能についても気になる人もいるのではないでしょうか。
ここではそれらのライバル車の中からランドローバー ディフェンダーとメルセデスベンツ Gクラスについて、燃費と特徴を紹介します。
ランドローバー ディフェンダー
ランドローバーディフェンダーは、1948年に「ランドローバー」として初代モデルが登場し、1990年に前年登場したディスカバリーと区別するためにディフェンダーの名前が付けられたモデルです。初代は基本設計を変えることなく2016年まで生産され、その後も限定モデルが販売されました。
2020年に登場した2代目は、初代の雰囲気を残しながら現代のランドローバーとしてのデザインや内容を持たせています。ホイールベースの長さにより3ドアの90、5ドアの110と130があり、エンジンは2Lガソリンターボ、3Lディーゼルターボ、5Lガソリンターボが選ぶことが可能です。ランドローバーディフェンダー110(2Lガソリンターボ)の燃費は以下の通りとなっています。
WLTCモード |
8.3km/L |
市街地モード |
6.6km/L |
郊外モード |
8.3km/L |
高速道路モード |
9.3km/L |
(参考:『ディフェンダー(ランドローバー)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
メルセデスベンツ Gクラス
メルセデスベンツGクラスは1979年に「ゲレンデヴァーゲン」として登場し、ジープと同様に軍用車両が基になったモデルです。基本的なデザインはあまり変わっていないように見えますが、1990年と2018年に大きな改良がありました。
特に2018年からのモデルは型式こそそれまでと同じ「W463」ですが、ボディサイズが大幅に拡大されるなど、フルモデルチェンジといっていい内容になっています。
以前のモデルではショートボディの3ドアも販売されていましたが、現在はロングボディの5ドアのみの設定です。初代からの走破性を受け継ながら、現行モデルでは9速オートマチックやメーターにディスプレイを積極的に採用するなど、現代の車としての性能や内容が備わっています。メルセデスベンツGクラスの燃費は以下の通りです。
JC08モード |
- |
WLTCモード |
9.7km/L |
(参考:『Gクラス(メルセデス・ベンツ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
ジープ・ラングラーは軍用車両が原点であり、走破性は抜群です。その性能や独特のデザインで一般のユーザーからの支持も集めるとともに、改良を重ねることで乗用車として十分に使える車へと進化しました。
オフロード4WDは一般的な乗用車に比べて燃費では不利になりますが、乗用車として使われるようになると燃費を気にするユーザーも増えることから、最新の技術で燃費向上にも取り組んでいます。この記事ではライバル車についても燃費とともに紹介したので、車選びの参考にしてみてください。
▼ライタープロフィール
岩本佳美
漠然と「車関係の仕事がしたい」という想いのもと、飲食業界から自動車メディア業界に飛び込むという破天荒な人生を歩んでいる。愛車がスバルのWRXということもあり、主にスバル系の記事をWebや紙媒体に寄稿。モータースポーツが大好きで、レース観戦はもちろん、サーキット走行や24時間耐久のカートレースにも出場するなど、自らも走ることでその楽しさや面白さなどを経験しながら情報発信している。
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