三菱 パジェロの中古車選びのポイントは?派生3兄弟の中古車相場もチェック!
バブル期にデートで使うクルマとして人気があり、クロカンブームの火付け役でもあったパジェロは1982年に誕生しました。
パジェロはロングボディやショートボディと言ったサイズの他にも選ぶポイントがいくつかあります。それでは購入の目安とするためにはどのような点を押さえるべきでしょうか。
ここではパジェロの中古選びのポイントや派生3兄弟の特徴、中古車相場についてまとめましたので、参考にしてください。
※目次※
・パジェロの歴史やロングボディやショートボディの違いについて知ろう。
・性能重視の4代目と価格重視の3代目の特徴やスペックを確認して、自分にぴったりの一台を見つけよう。
・パジェロやRV車の購入を検討している方は豊富な知識を持つネクステージがおすすめ。
パジェロの歴史
2019年8月に生産を終了したパジェロの歴史は、ジープを国内のみならず海外でも販売したいという三菱自動車の思いから開発が始まりました。
パジェロを語る上で欠かせない存在の「ジープ」と、スターダムにのし上がるまでの歴史や惜しまれつつ生産終了した背景を以下でご紹介します。
デビューは1982年
三菱自動車は戦時中に零戦を作っていたため、戦後は軍事的なイメージを持つものを作ることが許されませんでした。そのため本格的に自動車の生産に携わるようになるのは、1953年アメリカのウィリス・オーバーランドのジープの契約を獲得したことから始まります。
しかし国産でジープを生産し販売することは出来たとしても、自社として海外で販売する権利はありませんでした。そのためジープのような自動車を国内外で販売したいという目的のもと、開発されたのがパジェロです。
1982年にデビューし、2WDと4WDの切り替えがラクに行える他、オフロードなど悪路走破性の高い車を誰でも乗れる車を追求し人気を得ました。
またダカールラリーは初代から参戦しており、7大会連続を含む通算12大会で総合優勝を飾るなど、ヨーロッパをはじめとした国内外でも評価の高い車です。
RVブームとともに憧れの車へ
パジェロが2代目に差し掛かる頃はバブルとレジャーの需要が高まり、RVの流れが一気に押し寄せました。1987に公開された「私をスキーに連れてって」が大ヒットした影響も相成り、パジェロは一気にスターダムと駆け上がることとなります。
また2代目パジェロが発売された1991年はパジェロの他に「プラド」「サーフ」「テラノ」と言った人気モデルが加わり、国産オフロードの黄金期を盛り上げました。
2019年に幕を閉じる
パジェロは2006年に4代目となるモデルを発売しましたが、後輪駆動ベースのSUVは需要が減少していきます。その理由としてトヨタやホンダが発売した前輪駆動ベースの実用性の高いSUV車が、比較的安価で登場したことなどが挙げられるでしょう。
加えて2009年にダカールラリーの参戦から撤退することが重なり、37年の歴史に幕を閉じることになったのです。
選び方のポイント
パジェロは7人乗りのロングボディと5人乗りのショートボディが存在し、エンジンもガソリンとディーゼル2種類あります。2006年から歴史があるモデルのため、中古で選ぶ際は自身が必要な安全性能や快適装備が搭載されているか確認することが望ましいです。
また使用燃料や年代によって維持費が変わってくることも選び方のポイントとして押さえておく必要があります。
性能で選ぶなら4代目(2006~2019年)
4代目のモデルは内外装やレベルの高い走行性能など、パジェロファンにとって喜ばしい内容が詰め込まれた一台です。グレード別に装備される機能が異なるため、購入の際の決め手として迷う方もいらっしゃるでしょう。
ここではエクステリアや搭載される装備、安全機能などについてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
(参考: 『パジェロ(三菱)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
エクステリア
パジェロのエクステリアは爆発的に人気を得た、2代目のボディに近づけたスタイルへと刷新しました。また「パジェロといえばツートンカラー」と言ったようにワントーン以外のカラーが復活したことも評価が高いと言えます。
4代目パジェロサイズ表 |
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|
全長 |
全幅 |
全高 |
ロング |
4.9m |
1.88m |
1.87m |
ショート |
4.39m |
1.88m |
1.85m |
(参考: 『パジェロ(三菱)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
エンジンの種類
4代目を発売した当時はガソリンのみでしたが、2008年に新長期規制(従来の排ガス規制)に適するエンジンとしてディーゼルが追加されました。さらに2010年にも改良が行われポスト新長期規制の基準をクリアした「クリーンディーゼル」に進化を遂げたという背景があります。
ガソリンのエンジンは2種類あり3.0L V型6気筒 SOHCと3.8L V型6気筒 SOHC MIVEC、ディーゼルは3.2L 直列4気筒DOHCを採用しました。
装備・安全性能
パジェロは「GR」「EXCEED」「SUPER EXCEED」の3タイプあり、グレードに応じて装備や安全性能が異なります。「GR」はグレードの中で最も簡素化されたモデルで、装備も最小限のものしか搭載されておらず、オーディオ関連の装備がついていません。
「EXCEED」からオーディオやセキュリティが装備され、インテリアではハンドルに本革を使用しています。高級感が増す工夫が施されているため、シンプルな装備では物足りない方におすすめのモデルといって良いでしょう。なお、GRとEXCEEDはガソリンとディーゼルの取り扱いとなります。
「SUPER EXCEED」は3つの中で最上級モデルとなり、SRSサイド&カーテンエアバッグが採用されておりこれらの機能はグレードには搭載されていません。
また18インチのタイヤを使用しているので豪華な作りです。SUPER EXCEEDは、クリーンディーゼル車のみの扱いとなります。グレードに応じて装備や安全面で搭載される機能が大きく変わるので、パジェロを選ぶ際には上記の点を踏まえて押さえておくようにしましょう。
ファイナルエディション
三菱は2019年4月にパジェロを『進化の最終形』として、700台限定「ファイナルエディション」を販売しました。これはEXCEEDをベースとして作られたモデルで人気オプション(電動ロングサンルーフやSKサイドエアバッグ&カーテンエアバッグなど)を搭載しています。
ボディカラーは4色展開とし、モノトーン3色とスリーウェイツートン1色の組み合わせを採用しました。またディーラーオプションの組み合わせや成約特典など最後にふさわしい内容になっていますが、中古市場ではほとんど出回っておりません。
(2021年3月時点での情報です)
基本スペックと中古車相場
中古車市場で多く出回っているタイプとしてグレードは「エクシード」、サイズは「ロング」です。相場価格は下記の通りですが、300万円以上かつ2014年~2016年頃ものが中古車市場に多く取り揃えられています。
ここではロングエクシード(ディーゼル)のスペックについて確認しましょう。
ロングエクシードスペック表 |
|
エンジン型式 |
4M41 |
エンジン種類 |
直列4気筒DOHC |
排気量 |
3200cc |
最高出力 |
190PS |
最大トルク |
441n・m(45rpm) |
重量 |
2260kg |
中古車相場 |
約200万~300万円前後 |
(2021年3月時点での情報です)
価格を抑えるなら3代目(1999年~2006年)
1999年に発売された3代目モデルは4代目と比べても価格を抑えて購入できるモデルです。中には増岡 弘氏がアドバイザーとして携わった特別仕様車モデルもあり、パジェロファンであれば一度は乗って見たい車と言えるでしょう。
ここでは3代目パジェロのサイズや特徴について紹介していきます。
エクステリア
3代目パジェロはワイド化を図り、曲線を多く使用したため丸みを帯びたボディへ変化しました。また先代まで採用していたラダーフレーム構造から「ラダーフレーム・ビルトイン・モノコックボディ」に変え、軽量化・高剛強化を追求しています。
2代目までラインナップされていた「Jモデル」を廃止とし、ロングボディとショートボディの設定となりました。
3代目パジェロサイズ表 |
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|
全長 |
全幅 |
全高 |
ロング |
4.77m |
1.9m |
1.86m |
ショート |
4.26m |
1.9m |
1.85m |
エンジンの種類
3代目パジェロを1999年に発売し、当時はガソリンとディーゼルの2種類採用しました。発売してから1年後の2000年、ガソリンエンジン「6G72型 2972cc V6」を追加し、2005年にはエンジン型式を「6G74型から6G75型 3827cc V6」へと変更しています。
さらにトランスミッションの組み合わせや駆動方式の変更など随時アップデートを行い、当時としては環境への配慮を考えたシステムを構築していたといえるでしょう。
4WDシステム
3代目パジェロの4WDシステムは「スーパーセレクト4WDⅡ」を採用し、機能としてはは4代目にも搭載されています。このスーパーセレクト4WDⅡは2WDと4WDを切り替えられる機能で、車を操作する楽しさを味わってもらうためレバー操作の採用としました。
この機能は燃費がよく静かな走行ができる「2WD高速」、悪天候など自動で駆動力を分配する「4WD高速」、悪路を走行する「直結4WD通常」ぬかるみなどを走行する「直結4WD低速」と4つのモードへ切り替えが可能です。
基本スペックと中古車相場
3代目は4代目と比較してもお手頃価格のパジェロが多く揃っているため、価格重視で購入したい方にはおすすめの一台と言えるでしょう。
またパリダカドライバーの増岡 弘氏がアドバイザーとして開発に携わった「アクティブフィールドエディション」は、専用ツーリングサスペンションや内外装など快適さや装備面の充実さを図ったモデルとなっており、現在でも乗る人の評価が高い車です。
ロングエクシードスペック表 |
|
エンジン型式 |
6G74 |
エンジン種類 |
V型6気筒DOHC |
排気量 |
3496cc |
最高出力 |
190PS |
最大トルク |
348n・m(35.5rpm) |
重量 |
2120kg |
中古車相場 |
約120万~160万円程度 |
(2021年3月時点での情報です)
パジェロの維持費
パジェロのほとんどのモデルがガソリンとディーゼル車であるため、維持費はどれくらいかかるのか気になる方も多いでしょう。一般的に車を購入するとガソリン代の他に、自動車税や重量税も維持費としてかかります。
ここではガソリンとディーゼルに分けて維持費を紹介しますので、購入の際の判断材料にしてください。
年間ガソリン代
カタログ燃費が確認できる2018年モデル(4代目)で見てみると、ガソリンはJC08モードで8.4km/L、軽油は10.0km/Lとなります。
ガソリン価格をレギュラー138.0円、軽油116.9円で算出すると、年間でかかるガソリン価格は16万4,285円となり、ディーゼルの場合は11万6,900円です。
中古車相場ではディーゼル車が若干高い価格で設定されていますので、車体価格と年間ガソリン代などをトータルで計算しておくと良いでしょう。
(2021年3月時点での情報です)
自動車税
パジェロの場合3代目と4代目の排気量に幅があるため、かかる自動車税も変わってきます。3代目は2972~3496cc、4代目の場合排気量は2972~3827ccと排気量が変わりますので、以下の表から確認しましょう。
また下記の表のように13年経過したモデルに関しては重課税が課税されるため、パジェロで2008年以前のモデルを購入する際は注意が必要です。
自動車税 |
|||
|
排気量 |
13年未満 |
13年超え |
乗用車 |
2500以上~3000cc未満 |
5万1,000円 |
5万9,000円 |
3000以上~3500cc未満 |
5万8,000円 |
6万7,000円 |
(2021年3月時点での情報です)
重量税
重量税は自動車の区分、重量、経過年数によって税金を納めます。パジェロロング2260kgとショート1960kgを例にして考えてみると、それぞれ以下の重量税が課税対象です。
エコカー減税に対応しているのは4代目の2010年以降のディーゼル車ですが、2023年以降は燃費性能に応じた減税措置が変更となりディーゼル車は優遇措置の対象外となります。また13年、18年と経過年数に応じて増税となる点も押さえておきましょう。
車両重量 |
車検実施時(2年) |
||||
エコカー減免適用 |
エコカーの減免なし |
||||
エコカー (本則税率) |
エコカー以外 |
||||
免税 |
13年未満 |
13年経過 |
18年経過 |
||
(ショート) ~2,000kg以下 |
0 |
2万円 |
3万2,800円 |
4万5,600円 |
5万400円 |
(ロング) ~2,500kg以下 |
0 |
2万5,000円 |
4万1,000円 |
5万7,000円 |
6万3,000円 |
(2021年3月時点での情報です)
メンテナンス費も視野に入れる
年間ガソリン代や各種税金について紹介しましたが、年式が古いものに関してはメンテナンスが必要となる場合が考えられます。例えばオイルやタイヤ交換、エンジン周辺は長く使用すればするほど劣化が進みやすいものです。
そのため中古車市場でパジェロを選ぶ際には、年式やメンテナンス履歴のほか動作確認など気になるところを隈なくチェックすることをおすすめします。
パジェロ派生車の中古車相場
パジェロの派生3兄弟と呼ばれる「ミニ」「ジュニア」「イオ」は1994年から1998年頃に登場したモデルです。パジェロ派生車はパジェロに比べてサイズは小さめですが、本家で培ったノウハウが詰め込まれクロカンで培った性能は本格的だと言えるでしょう。
ここではそれぞれの特徴や中古車相場について紹介していきますので、購入の際の検討材料にしてください。
パジェロミニ
パジェロミニは1994年に登場しスズキ ジムニーの対抗馬として販売されました。軽自動車でありながら小型SUVとして現在注目を浴びています。
名前の通りパジェロをそのまま小さくした見た目と、丸目のライトが印象的で女性からも指示を集めましたが、ジムニーに勝てず2012年に製造中止となりました。
中古車相場は約20万~80万円程度で豊富な品揃えがあるので、軽自動車のSUVを検討している方におすすめの一台です。
(2021年3月時点での情報です)
(参考: 『パジェロミニ(三菱)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
パジェロジュニア
パジェロジュニアは1995年に発売されたミニをベースとして作られた普通自動車のSUVとなります。走行性を重視しており、その当時開発された1.1L 直列4気筒 SOHCエンジンを搭載し安定性が増しました。
また限定車「パジェロジュニア フライングパグ」や特別仕様車「ホワイトリンクス」など次々展開し、話題を集めたモデルでもあります。
中古車相場は約40万~70万円となっており、市場にはあまり出回っておりません。ジュニアを購入したい場合は事前に中古車販売店のネクステージへ確認してみると良いでしょう。
(2021年3月時点での情報です)
パジェロイオ
パジェロイオはジュニアの後継車でもあり、ミニとの橋渡し役となるモデルです。イオが発売された当時はクロカン離れが目立っていたこともあり「コンパクトさ」を前面に売りに出しました。
当初搭載エンジンは1.8Lでしたが、マイナーチェンジ後に2.0Lとし走行性にも定評があり、中古車相場は約30万~100万円前後の価格帯が多くなっています。
(2021年3月時点での情報です)
パジェロに似た車はある?
クロカンからSUVが主流になりつつある今、クロカンの要素を持つSUV車が増えていますが、パジェロと同等サイズのモデルにはどのようなタイプがあるのでしょうか。
ここでは「ランドクルーザー(トヨタ)」「ラングラー(Jeep)」「Gクラス(ベンツ)」の特徴や中古車相場について紹介します。
ランドクルーザー(トヨタ)
ランクルは迫力のあるボディと豪華なインテリアで人気を集めているクロカン四駆です。ランクルの特徴として上げられるのがシャシーにラダーフレームを使用していることや、レクサスSUV系の車のベースモデルとして採用されているため、評価が高いことが分かります。
ランクルは60、70、80、100、200と発展してきたモデルですが、現行の200系は精悍さよりも高級感が強い印象を受けるでしょう。200系の中古車相場では約300万~430万円程度です。
(2021年3月時点の情報です)
(参考: 『ランドクルーザー(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ラングラー (Jeep)
ジープ ラングラーはアメリカ軍の軍用車Jeep直系のクロカンSUVで、オフロード性能は群を抜いているモデルだと言えます。ラングラー には3ドアのショートボディと5ドアのロングボディがありますが、3ドアは受注生産のため、中古車市場にはあまり多く出回っていません。
現行モデルの中古車相場は約400万~580万程度です。
(2021年3月時点の情報です)
(参考: 『ラングラー (Jeep)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
Gクラス(メルセデス・ベンツ)
ベンツもジープ同様、軍用車がバックボーンにあるプレミアムSUVですが、芸能人や都会に住む高級志向の方に愛されるモデルとなっています。
軍用車としての性能がベースにあるため突破性や安定性の面で優れていますが、どちらかというと「都会でSUV+ブランド価値」で所有するニュアンスが高い車と言えるでしょう。中古車相場は約750万円~1,500万円程度となっています。
(2021年3月時点の情報です)
(参考: 『Gクラス(メルセデス・ベンツ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
パジェロはクロカンの歴史を語る上で外せない存在であり、バブル期を支えアウトドアやデートシーンなどでも活躍し、憧れの車として存在していました。
現在ではクロカンの要素を持つSUVが人気となっていますが、見た目の迫力や走破性の高い能力を持つパジェロを購入したいと考える方もいるでしょう。
ネクステージではパジェロの取り扱いのほか同等のモデルも豊富に取り扱いがありますので、購入や買い替えを検討している方はぜひお問い合わせください。
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