車検前に見積もりをすべき理由とは?取り方や業者別の料金相場
愛車の車検が初めてで、どのように進めればよいか悩んでいませんか。車検は法定費用だけでなく整備費用も含まれるため、事前に見積もりを取ることで予算の確保や比較検討が可能になります。
ディーラーや整備工場、車検専門店など、それぞれの業者で料金体系・サービス内容は大きく異なるのが通常です。この記事では、初めての車検に向けた見積もりの取り方から料金相場、業者ごとの特徴まで、安心して車検を受けるための知識を解説します。
※目次※
・車検見積もりは無料で利用できることが多く、複数業者の料金を比較検討することで費用節約につながる。
・車検費用は「法定費用」と「整備費用」で構成され、業者によって整備費用に大きな差がある。
・見積もり比較の際は基本料金と整備内容だけでなく、追加サービスや保証内容も確認し、単に安さだけで選ばず品質・サービスを総合的に評価することが重要。
車検見積もりの基本と重要性
車検見積もりは、愛車の維持費を適切に管理するための重要なステップです。まずは、車検見積もりの基本からメリット、そして費用構成までを詳しく解説していきます。これらの知識を身に付けることで、車検を依頼する際の判断材料として活用できるでしょう。
車検見積もりとは何か
車検見積もりとは、車検にかかる総費用を事前に計算してもらうサービスです。ディーラーや整備工場、カー用品店など、さまざまな場所で見積もりを依頼できます。
車検見積もりを行うことで、どの業者を利用した場合にどれくらいの費用が発生するのかを、事前に把握することが可能です。ほとんどの業者では見積もりを無料で行っているため、車検前には取得しておくべきでしょう。
見積もりの申し込み方法は業者によって異なりますが、近年ではインターネットでの申し込みが主流です。見積もりでは、法定費用や車検基本料、整備代金などの詳細が確認できます。
事前に車検の見積もりを取るメリット
車検前に見積もりを取得することで、複数業者の整備内容や料金を比較検討できるのが大きな利点です。車検基本料と車検整備代は業者によって異なるため、事前の比較が節約につながります。
詳細な見積もりがあれば、交換予定の部品や整備内容を事前に把握できるので、突然の出費に慌てることもなくなるでしょう。また、見積もり内容を確認して不要な整備を減らしたり、必要な整備に集中したりといった判断材料にもなります。
さらに、予想以上に高額な見積もりが出た場合は、車検より買い替えを検討する機会にもなるでしょう。見積もりを通じて愛車の状態を詳しく知ることで、長期的な車両管理計画を立てる上でも重要な情報が得られます。
車検見積もりの費用内訳と構成要素
車検費用は、主に「法定費用」と「整備費用」の2つの要素で構成されています。
法定費用には、自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料などが含まれ、これらは国や保険会社に納める費用です。車両の重量や年式によって金額が変わりますが、業者による金額の違いはありません。
一方の整備費用は、点検料・整備工賃・部品代などが含まれ、業者によって大きく金額が異なるのが特徴です。整備工場では、点検・整備だけでなく、自動車重量税印紙の購入や自賠責保険の加入手続きも代行してくれます。
車検見積もりの取り方とベストタイミング
ここでは、車検見積もりを利用して最適な車検を選ぶためのポイントを見ていきましょう。車検見積もりを取る最適な時期や見積もりの取り方、所要時間の目安を紹介します。以下で説明するポイントを押さえて、自分に合った車検業者選びに役立ててください。
車検見積もりを取る最適な時期
車検を受けられるのは満了日の2か月前からです。見積もりを取るベストなタイミングは、満了日の2か月前あたりが理想的といえます。
この時期であれば、次回の車検満了日に影響を与えることなく、複数の業者を比較検討する時間が十分確保できるでしょう。見積もりだけなら30分~1時間程度で完了するため、忙しい人でもあまり負担になりません。
満了日の2か月~3か月前には、多くの車検業者から早期予約の案内が届くことがあります。このタイミングで予約すると、割引特典や無料サービスなどの早期予約キャンペーンを活用できる可能性が高いでしょう。
時間に余裕がない人は、インターネットでの一括見積もりサービスの利用も効率的です。ただし、繁忙期や週末は予約が取りにくくなる傾向があるため、余裕を持って計画を進めましょう。
電話・インターネット・来店それぞれの車検見積もり方法
車検見積もりは、主に電話・インターネット・来店の3つの方法で取得できます。電話での見積もり依頼は、基本的な車両情報を伝えるだけで概算金額を教えてもらえる手軽さが魅力です。
インターネットを利用した場合は、24時間いつでも自宅から見積もり依頼ができます。入力画面に沿って情報を入力するだけで、複数の業者から一度に見積もりを取得できるのが利点です。
一方、インターネットで予約した上で来店する方法を採用する業者もあります。来店による見積もりは、最も正確な金額を知れる方法です。
実際に車の状態を確認した上で見積もりが作成されるため、後から大きな金額変更が生じる可能性は低くなります。ただし、来店するための時間が必要となる点はデメリットです。
車検の見積もりにかかる所要時間の目安
車検見積もりにかかる所要時間は、ディーラーでは予約状況にもよりますが、30分~1時間程度が一般的です。車検専門店やカー用品店では、車の状態確認から見積書作成まで含めて45分前後が目安となっています。
整備工場では、実車の状態を詳細に確認するため、混雑状況によっては1時間程度かかる場合もあるでしょう。ガソリンスタンドでの見積もりは、30分程度で完了することが多いですが、実際の車検は提携する整備工場で行われることも少なくありません。
土日祝日や月末は多くの業者が混雑するため、平日の午前中に訪問すると待ち時間が短縮できるでしょう。
業者別の車検見積もりの特徴比較
車検見積もりは、ディーラー・整備工場・車検専門店など、さまざまな業者で取得できます。それぞれの業者には特徴があり、料金体系やサービス内容が異なるため、比較検討することが大切です。複数の業者から見積もりを取得し、愛車に最適な車検業者を見つけましょう。
ディーラーの車検見積もりの特徴とメリット
ディーラーでの車検見積もりは、敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、気軽に依頼できるサービスです。見積もりだけの相談も問題なく、担当者は丁寧な対応をしてくれるでしょう。依頼時は、「他の業者と比較検討している」という姿勢が重要になります。
ディーラーは、メーカー純正パーツの使用や専門的な知識・技術、最新の設備と診断機器などが特徴です。見積もりは混雑状況にもよりますが、30分~1時間程度で完了するでしょう。事前予約をしておくと、よりスムーズに案内してもらえるため時間の節約になります。
持ち物は、車検証と定期点検整備記録簿が基本となりますが、記録簿がなくても車検証だけで見積もりは可能です。ディーラーの見積もりは、基本的に無料で受けられますが、輸入車の場合は有料となる場合もあるため事前に確認しましょう。
整備工場の車検見積もりの特徴とコストパフォーマンス
整備工場での車検見積もりは、ディーラーと比較してリーズナブルな価格設定が特徴です。ディーラーと違い窓口を挟まないため、同じ整備内容でもコストを低く抑えられます。
整備工場は、故障箇所の修理に重点を置き、必要最低限の整備に絞った見積もりを提案してくれる傾向です。必要最低限の整備に絞った見積もりを、作成してもらえるメリットがあります。
地域密着型の整備工場も多く、車種に関する専門知識と豊富な実績を持つスタッフが対応しているのが強みです。
車検専門店の見積もりサービスと料金体系
車検専門店では、顧客のニーズに合わせた複数の車検メニューを提供しており、選択できるプランがある業者も少なくありません。車検見積もりは、30分~1時間程度で取得できるでしょう。
車検専門店の強みは、1時間~2時間で車検が完了することが多く、中には45分の短時間プランを提供する業者もあります。素早く完了する一方で、クオリティー面での信頼性が高いのも魅力です。
見積もりを依頼する際は、各メニューの特徴や付帯サービスの違いを確認しましょう。基本料金に含まれる作業範囲と、どのような条件で別途費用が発生するかの確認も必要です。
車検料金の相場と見積もり内容の見方
ここでは、車検料金の相場や見積もり内容の正しい見方について解説します。車検見積もりを比較する際は、車種による料金差や、見積書のチェックポイントを理解することが大切です。
車検という大切な安全点検だからこそ、見積もり内容を正確に理解し、適切な判断ができるようになることが欠かせません。
車種別の車検料金相場
車検料金では、自動車重量税が車両重量に比例して高くなります。例えば、軽自動車の車検費用の合計は約6万円ですが、大型SUVになると10万円を超えることも珍しくありません。
トヨタの車種別で見ると、軽自動車の車検費用は約6万円、プリウス(~1,500kg)では約8万円、アルファード(~2,500kg)になると約10万円と差が生じます。年式が13年を超えると自動車重量税が割増されるため、古い車ほど負担が重くなる点も覚えておきましょう。
また、ディーラーと車検専門店では、同じ車種でも2万円ほどの差が出ることもあります。ユーザー車検を選べば費用を抑えられますが、専門知識が必要なので素人には難しいでしょう。
車検見積書の読み方とチェックポイント
車検見積書を正しく読み解くには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
まず過剰整備の有無をチェックし、不要な項目が含まれていないか確認することが大切です。車検に合格するために本当に必要な部品交換だけに絞れば、余計な費用を抑えられるでしょう。
次に、消耗品の交換費用について確認することも重要です。ブレーキパッドやエンジンオイルなど、必須消耗品の交換が見積書に含まれていない場合は、別途費用が発生する可能性があるため注意しましょう。
代車費用の有無も、見落としがちな項目のひとつです。代車が必要な場合、その費用が無料か有料か、また見積書に含まれているかを事前に確認しておくことで、後々のトラブルを防げます。
車検で追加整備が必要になるケースと対処法
車検時に、追加整備が必要になるケースは想定しておくべきです。経年劣化によるブレーキパッドの摩耗や、タイヤの偏摩耗が発見されることがよくあります。特にブレーキ関連部品は安全に直結するため、基準値を下回ると交換が推奨されるでしょう。
また、バッテリーの電圧低下やオイル漏れなども、車検時に発見される典型的な不具合です。このような追加整備が必要になった場合は、まず整備内容と費用の詳細な説明を求めることをおすすめします。
緊急性の低い項目については、複数の業者から見積もりを取り直す選択肢も検討可能です。安全性に関わる部分は妥協せず対処すべきですが、装飾品などの交換は後回しにできる場合もあります。
車検見積もり比較のポイントと注意点
ここでは、車検見積もりを比較する際のポイントや注意点について解説します。複数の車検業者から見積もりを取る際には何をチェックすべきか、単に安さだけではない品質とサービスの見極め方、見積もり金額と実際の請求額が異なるケースについて見ていきましょう。
複数の車検見積もりを比較する際のチェックリスト
複数の車検見積もりを比較する際には、まず「基本料金」と「整備内容」を確認しましょう。基本料金は、業者によって大きく異なるため、料金体系を正確に把握することが大切です。
整備内容については、最低限の点検なのか、予防整備も含むのかを精査する必要があります。また、使用される部品の種類(純正品かリサイクル品か)も、チェックポイントのひとつです。
さらに、無料引き取りや代車提供など、追加サービスの有無も比較材料となります。業者の実績・評判をオンラインレビューなどで調べておくのも、賢明な判断材料になるでしょう。
車検後の保証内容も、忘れずに確認します。加えて、見積書に記載されている項目が明確で、詳細な内訳があるかどうかも重要な判断基準です。
見積もりの安さだけで選ばない!車検の品質とサービスの見極め方
車検業者を選ぶ際は、価格の安さだけでなく、整備の品質とサービス内容を総合的に評価することが肝心です。
整備の質を見極めるには、点検項目数や保証期間の長さがポイントになります。例えば、優良な業者では法定点検56項目を超えて、100項目以上の点検を実施していることもあるでしょう。
カー用品店などでは、車種や好みに合わせたパーツ選択が可能な点も魅力です。また、車検後のアフターフォローが充実しているかも、重要な判断材料になります。整備箇所に対する、保証期間・保証範囲を確認しておくと安心です。
車検の見積もりから実際の請求額が変わるケース
車検の見積もりと実際の費用が異なるケースは、珍しくありません。これは、実車点検前に正確な部品交換や整備の必要性を判断できないことが主な理由です。
初期点検で発見されなかった不具合や消耗品の交換が必要になると、当初の見積もりよりも費用が増加します。
なお、一部の業者は顧客を引き付けるために低価格を広告し、後から追加料金を請求することもあります。また、ディーラーでは独自の高い基準で部品交換を推奨することで、費用が膨らむケースもあるでしょう。
トラブル回避には、価格の安さだけでなく、部品交換の理由を明確に説明してくれる信頼性の高い業者を選ぶことが重要です。
車検見積もり時に準備すべき書類と心構え
車検見積もりをスムーズに進めるためには、適切な準備と心構えが必要です。最後に、見積もり時に持参すべき書類や、確認しておくべき車の状態について詳しく解説します。
車検は多くの人にとって負担となる出費ですが、事前に正しい知識を身に付けておくことで、余計な費用や時間を節約できるでしょう。
車検見積もり時に必要な書類と持ち物リスト
車検見積もりを依頼する際には、必要な書類・持ち物を事前に準備しておくことが大切です。
まず、「自動車検査証(車検証)」と「自賠責保険証明書」は用意すべきといえます。「自動車税納税証明書」は、車検時に必須となる場合が多いため、紛失していないか確認しておきましょう。
車検の見積もりだけなら、運転免許証のみで可能な場合もありますが、実際の車検手続きには上記書類が必要となるので、初回から持参するとスムーズです。
メンテナンス記録や前回の整備記録があれば、より正確な見積もりが得られます。支払い方法によっては、クレジットカードも用意しておくと便利でしょう。
見積もり前に自分でチェックしておくべき車の状態
車検見積もりを依頼する前に、自分でいくつかの基本的な車の状態をチェックしておくのがおすすめです。タイヤの溝の深さは目視で確認できるため、極端に減っている場合は事前に把握しておきましょう。
ヘッドライトやテールランプの点灯状態も、簡単に確認可能な項目です。エンジンからの異音・振動があれば、メモしておくと整備士に正確に伝えられます。
ブレーキペダルの踏み心地や効きに違和感がある場合も、忘れずにチェックしておくべきです。フロントガラスのひび割れ・大きな傷は、車検不適合になる可能性があるため、事前に確認が必要になります。
バッテリーの状態も、見積もり前に把握しておくとよいでしょう。また、車内からの異臭や警告灯の点灯状況も記録しておくと、より正確な車検見積もりが取得できます。
まとめ
車検見積もりは、愛車を安全に維持するための重要なプロセスです。見積もりは、車検の約2か月前に取得するのが最適で、ディーラー・整備工場・車検専門店など複数の業者から取ることで比較検討が可能となります。
見積書の内容をしっかり確認し、法定費用と整備費用の内訳を理解することが大切です。見積もり時には、車検証や定期点検整備記録簿など必要書類を準備しましょう。
複数の見積もりを比較する際は、単に価格だけでなく、整備内容・保証内容も考慮して総合的に判断することが大事です。適切な車検業者選びが、愛車の安全と維持費の最適化につながります。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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