BMWのエンジン性能の特徴は?型式の種類も紹介します
BMWは、昔からエンジンに力を入れています。その代表格が直列6気筒エンジンです。「シルキーシックス」とも呼ばれるBMWの直列6気筒エンジンは、BMWがドライバーズカーとしてのポジションを確立する原動力ともなっています。
このようにエンジンへのこだわりが強いBMWも、いまでは3気筒のコンパクトなエンジンやV型エンジンなどさまざまな種類のエンジンをつくっています。そのため、それぞれのエンジンの特徴がわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、BMWのエンジンの性能や特徴についてご紹介します。この記事を読むことでBMWのエンジンについて詳しく知ることができるでしょう。
※目次※
・BMWはエンジンにこだわりをもつメーカー。とくに直列6気筒エンジンは「シルキーシックス」とも呼ばれ、BMWを代表するエンジンとなっている
・BMWのエンジンにはコンパクトな直列3気筒や、巨大な6リッターV型12気筒などさまざまなラインアップがある
・BMWはクリーンディーゼルやアクティブ・ハイブリッドなど、ガソリンエンジン以外のエンジンにも注目!
BMWのエンジンの性能の特徴
BMWは昔からエンジンにこだわりをもったメーカーです。とくに直列6気筒エンジンへのこだわりは強く、ほかのメーカーがさまざまな理由で作ることを避けているなかで、そのメリットを最大限に活かすための取り組みを続けています。
また、エンジン性能を高めるために、新しいメカニズムを積極的に取り入れているのも特筆すべき点です。ここではBMWのエンジンの特徴を詳しく見ていきましょう。
直6エンジンへのこだわりが強い
BMWのエンジンへのこだわりは、同社が積極的に採用する直6エンジン(直列6気筒)に特に強く表れています。直6エンジンはシリンダーが直線上に6つ並ぶことで振動を少なく抑えたうえでパワーを出せるのがメリットです。またバランスのよさが生む滑らかなフィーリングも魅力でしょう。
しかし全長が長いことからクラッシャブルゾーンが確保しにくく、横置きやFF車への搭載が難しいというのがデメリットです。また、構造的にエンジンの剛性確保や軽量化、フリクションの面で不利になることもあり、直6エンジンの搭載をやめる動きも強くなっています。
頑なに直6エンジンにこだわり続けるBMWですが、ほかの自動車メーカーでは、V6エンジンに切り換えたり、直4にターボを付けて出力を補ったりするのが主流になっているといえるでしょう。
メカニズムの採用を積極的に行っている
BMWのエンジンへのこだわりは、単に直6エンジンの採用を続けて伝統を守ることではありません。必要であれば凝ったメカニズムを積極的に採用して、常に進化を続けています。
直6のブロック材にマグネシウム合金を使用していることや、BMW独自の可変バルブ機構であるバルブトロニックがその一例です。
エンジンブロックをマグネシウム合金で作るというのは、耐久性や信頼性から考えると当時としてはありえない挑戦といえます。また理想のバルブタイミングを実現するためにロッカーアームの支点を間接的に変化させてバルブ開閉をモーター駆動でコントロールする複雑な仕組みは、BMWでなければなし得なかった技術でしょう。
レースで高い実績を誇るほどにエンジン性能が高い
BMWのエンジン性能の高さは、レースでの高い実績にも表れています。ヨーロッパツーリングカー選手権での連覇をはじめ、ワークス撤退後もプライベーター達により5年間王座を守り7連覇を達成するなど、さまざまなレースで実績を残しました。
初代M3はヨーロッパツーリングカー選手権という明確なターゲットを狙って開発されたモデルですが、高性能なスポーツセダンであったM3は販売面でも大成功し、その後のMモデルの方向性に大きな影響を与えています。
M3はレースに勝つために設計された車です。同じクラスの車両だけでなく1クラス上の車両とも互角以上の戦いを展開しました。またサーキットだけではなくラリーでも大活躍し、多数のレースで好成績を収めています。
BMWのエンジン型式の種類
BMWでもクリーンディーゼルなどの新世代エンジンが開発されていますが、まだガソリンエンジンが主力といえるでしょう。BMWのエンジンはレースで鍛えられた性能だけでなく、静かで上質なフィーリングも大きな特徴です。
どのエンジンにもBMWらしさが詰め込まれていますが、ここからはそれぞれのエンジンの特徴を見ていきましょう。
1.5リッター直列3気筒ターボ
1.5リッター直立3気筒エンジンは2シリーズのアクティブツアラーなどに採用されているものです。直6にこだわるBMWがモジュール化のために生み出した、1気筒あたり500 ccを基本設計としています。
ダウンサイジングを目指した3気筒エンジンらしく、ターボによる過給を基本とした直噴エンジンです。そのほかにも、無段階可変バルブ・コントロール・システムの「バルブトロニック」や吸排気のバリアブル・バルブタイミング可変機構「ダブルVANOS」といったBMWの革新技術が組み込まれています。
燃費性能や環境性能の面だけでなく、3気筒エンジンならではの軽やかさや自然なレスポンスを活かしたエンジンといえるでしょう。
1.6リッター直列4気筒ターボ
BMW唯一のコンパクトカー、1シリーズに採用されていたエンジンです。レスポンスに有利なツインスクロールターボを備えるだけでなく、吸気バルブを無段階に可変制御する「バルブトロニック」、吸気と排気のバルブタイミングを調整する「ダブルVANOS」といったBMWの革新テクノロジーを組み合わせています。
最高出力やトルクの数値を見ただけでは非力なエンジンのようにも感じますが、軽量でコンパクトなボディには十分ともいえるパワーとトルクがあるので、軽快さが売りの1シリーズに向いたエンジンといえるでしょう。
2リッター直列4気筒ターボ
BMWの多くの車種に採用されている主力エンジンのひとつで、ツインスクロールのタービンと可変バルブタイミング、可変バルブリフトなどを備えた直列4気筒ターボのガソリンエンジンです。
同じ排気量でN20B20AとN20B20Bの2種類があります。それぞれ圧縮比やECU(エンジンをコントロールするコンピュータ)の制御プログラムに違いがあり、出力やトルク、燃費に大きな差が出るのが特徴です。
ラグジュアリーな乗り心地が売りの5シリーズだけでなく、Z4のようなスポーツカーにも搭載されていることから、このエンジンの性能の高さがわかるのではないでしょうか。
3リッター直列6気筒ターボ
BMW伝統の直列6気筒エンジンは、そのスムーズさゆえに「シルキーシックス」と呼ばれることもあります。なかでも、N55B30Aはなめらかに吹け上がるBMW伝統の直6を受け継ぐエンジンです。上級シリーズの7シリーズなどで使われていることからもわかるように、BMWらしい上質なエンジンといえます。
またMシリーズにも採用されているS55B30Aはチューニングが施され、同じエンジンがベースとなっているとは思えないほど加速もトルクも素晴らしい仕上がりです。
そのほかの自動車メーカーが燃費や環境面、安全面で有利とされるV型6気筒に移行しているなかで、BMWはあえて直列6気筒を守り続けています。
4.4リッターV型8気筒ターボ
「V8エンジン」という特別なエンジンは、高価で差別化が求められるモデルに搭載されるエンジンの代表です。BMWに限らず、多くの自動車メーカーがしのぎを削るカテゴリーでしょう。
BMWがそのラインナップに用意するV8エンジンは、レギュラーモデルの最上級グレードに搭載されるN63B44BとMシリーズに採用されているS63B44Bの2種類です。
いずれも4.4リッターの総排気量で2基のターボチャージャー、給排気を最適化する「ダブルVANOS」、可変バルブ機構「バルブトロニック」といったBMW独自のテクノロジーを採用しています。
6リッターV型12気筒ターボ
このエンジンは、ロールスロイスにも搭載される世界最高峰のエンジンです。最近はセダンやクーペに採用されることが少なくなってきましたが、BMWはフラッグシップの7シリーズに30年以上も採用されていました。
アイドリングの状態からアクセルを少し踏み込んだだけで他を圧倒する加速を誇るエンジンですが、このエンジンの特徴はパワーだけでなく驚くほどスムーズに吹き上がることです。
エンジン作りの得意なBMWが生み出した最高峰のエンジンが、この6リッターV型12気筒ターボエンジンといえるでしょう。
2リッター直列4気筒
以前の3シリーズやX1で使用されていた2リッターのNAエンジンです。現行モデルのエンジンはターボエンジンに変更されてしまいましたが、NAならではのスムーズな加速の気持ちよさにより、いまだにファンの多いエンジンといえるでしょう。
このエンジンはNAならではのタイムラグのない素早い加速と、洗練されたフィーリングが特徴です。吸排気のバルブタイミングを最適化する「ダブルVANOS」を搭載しており、低速域では力強いトルクを、高速域では十分なパワーを出すよう最適なバルブタイミングを実現しています。
■クルマ紹介動画 BMW X5
2リッター直列4気筒ターボ クリーンディーゼル
N47エンジンシリーズは、2012年から採用されたBMWのディーゼルエンジンです。このエンジンはダウンサイジングとクリーンディーゼルという2つのヨーロッパのトレンドを兼ね備えています。
総排気量と気筒数を減らしながらも、ターボチャージャーにより十分なトルクを発生させるダウンサイジング志向と、燃焼サイクルを見直しディーゼル燃料の持つパワーを十分引き出すクリーンディーゼルを兼ね備え、高効率・省燃費を実現しているのが特徴です。
最新世代のディーゼルエンジンとして、アルミニウム合金製クランク・ケースを採用したこのエンジンは、ディーゼルエンジンの弱点である重量増も克服しています。
3リッター直列6気筒ターボ クリーンディーゼル
BMWがこだわる直6エンジンの系譜を受け継ぐクリーンディーゼルエンジンがN57D30Aです。軽量設計の直列6気筒ユニットは、ガソリン車で築いてきたBMWらしいパッケージングを可能にしています。
コモンレール・ダイレクト・インジェクション・システムの採用による精密な燃料噴射コントロールで燃焼効率を向上させるとともに、ディーゼルの印象を塗り変えるほどの力強さとクリーンさを両立しているのが特徴です。
ガソリン車にも引けを取らない出力と、ディーゼル車らしい太い低速トルクが実現されたこのエンジンは、BMWらしいドライビング性能を感じさせてくれます。
3リッター直列6気筒ターボ+モーター アクティブ・ハイブリッド
BMWのハイブリッドは国産車とはアプローチが異なります。国産車のハイブリッドモデルは省エネルギーに主眼が置かれているため最高出力は100ps程度、最大トルクも140Nm程度とガソリン車にくらべてパワーが足りないイメージがあるでしょう。
それに対してBMWのアクティブ・ハイブリッドに搭載されるエンジンは、最高出力306ps~354ps、最大トルクは400Nm~500Nmと一般的なガソリンエンジンを超えるほどの力強さを誇ります。
これだけのスペックを誇るため、ハイブリッド車でありながら燃費はガソリン車並みです。しかし一般のガソリン車と同じ燃費でこれだけのパワーをもつエンジンを作り上げるBMWの技術は素晴らしいものだといえるでしょう。
i3用モーター
i3はBMWが製造・販売する電気自動車です。i3に搭載されているのはエンジンではなく、モーターとリチウムイオンバッテリーです。
2019年に登場した新型リチウムイオンバッテリーでは、従来モデル比で約30%向上した120Ahの容量をもち、総電力量も42kWhに増加しています。
リチウムイオンバッテリーの性能がアップしたことで、走行性能も一般的な車と遜色がなくなりつつあるといえるでしょう。新型リチウムイオンバッテリーを搭載したi3では、満充電1回あたりの走行可能距離は360km、オプションの「レンジ・エクステンダー」装備車では466kmにもなります。
i8用プラグインハイブリッド
i8はBMWが製造・販売するプラグインハイブリッド方式のスポーツカーです。プラグインハイブリッドカーとは、ハイブリッドカーに外部充電機能を加え、電気だけで走れる距離を大幅に伸ばした次世代エコカーで、多くの場合バッテリーの容量も向上しており、EV走行できる距離も増えています。
電気自動車の場合は、航続距離を上回る長距離ドライブをするときは、充電スポットを気にしながら走行する必要があるのが難点です。プラグインハイブリッドカーでは、走行用バッテリーの電気が無くなってもガソリンエンジンで走行できるので、航続距離の心配も軽減されます。
BMWのエンジン別おすすめ中古車
BMWには直列6気筒エンジンからコンパクトな3気筒エンジン、クリーンディーゼルやアクティブ・ハイブリッドなどさまざまな魅力的なエンジンを搭載する車があります。ここからは、エンジン別のおすすめ中古車を見ていきましょう。
1シリーズ 118i スポーツ
1シリーズ118i スポーツは1.5リッター直列3気筒ターボのコンパクトカーです。コンパクトカーとしては珍しいFRを採用しており、小回りも利きやすいBMWのエントリーモデルといえます。
搭載されたエンジンはBMW ツインパワー・ターボ・テクノロジーの採用により、必要最小限の燃料消費で効率よくパワーを生み出せるのが特徴です。またスポーツラインのこの車には、スポーツ・プラス・モードが追加されており、よりスポーティなドライビングを楽しめる1台になっています。
7シリーズ 740i Mスポーツ
3リッター直列6気筒ターボ搭載をした740i Mスポーツは、並外れたパフォーマンスと快適性を誇る、BMWのフラッグシップ・セダンです。
740i Mスポーツに搭載された3リッター直列6気筒ターボユニットはエンジンの完成型ともいえる出来映えといえるでしょう。
アクセルペダルを踏み込むとエンジンはスムーズに回転を上げていき、まさに望んでいたとおりの加速感が得られます。BMWがこだわる直列6気筒エンジンならではのフィーリングを実感できる最上の1台といえるでしょう。
3シリーズ 320dツーリング Mスポーツ
320dツーリング Mスポーツは、2リッター直列4気筒ターボ クリーンディーゼルエンジンを搭載したステーションワゴンです。BMWらしいダイナミクス性能に実用性と堅実なルックスが組み合わされた実用的な1台といえるでしょう。
320dはBMWの走りの楽しさを継承しながら、日常生活でも活躍できるマルチプレイヤーな車に仕上がっています。4気筒ディーゼルターボの出来映えも抜群で、3シリーズとしての仕上がりも秀逸です。ターボの存在感は控えめで、その分燃費は良好になっているので、ストップ・アンド・ゴーの多い都市部でも活躍してくれます。
まとめ
BMWはエンジンにこだわったメーカーです。その実力はカーレースなどでも遺憾なく発揮されています。エンジンにこだわった車を選びたいのであれば、BMWの車を選ぶのがおすすめです。
BMWは価格が高いからとあきらめている方でも、中古車であれば手の届く価格で購入することもできます。BMWを購入したいのであれば、中古車も候補のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。
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