新型クラウンスポーツの見どころは？ライバル車種との比較も
2023年10月に登場したクラウンスポーツ。現行モデルはクロスオーバー、セダン、エステートそしてこのスポーツと4つのクラウンが用意されている。
クロスオーバーの発売から始まったこの新型クラウンシリーズだが、4つのクラウンの中でもスポーツは最もデザインに拘ったアグレッシブなモデルだ。この記事では、クラウンの歴史の中でも過去一番に尖ったモデルともいえるクラウンスポーツを紹介していく。
＜目次＞
・2023年10月に新型クラウンスポーツがデビュー！力強さと優雅さを両立させたデザインが特徴的
・2023年12月にはPHEVモデルが登場！スポーティさを前面に押し出したデザイン。RSのみのモノグレード設定
・クラウンスポーツのライバルといえるモデルは多彩！さまざまな車種と比較するのもおすすめ
新型クラウンスポーツが2023年10月にデビュー
クラウンというトヨタの中でも歴史のあるモデルに投入されたクラウンスポーツ。スポーツの名にはデザインや走りなどさまざまな思いが込められているように見える。
現行のクラウンシリーズは四車四様といった感じだが、その中でもクラウンスポーツはどのようなコンセプトを持ち、どんなポジションを担っているのだろうか？
クラウンシリーズの高級SUVとして販売開始
クラウンシリーズの中でも第2弾として登場したクラウンスポーツはSUVに分類されるモデルであるが、トヨタの発表では「新しいカタチのスポーツSUV」と表現されていた。
新しいカタチという表現にもあるように、デザイン性にこだわっているがスポーツの名に恥じることなく走りにも拘っている。また、運転のしやすさも重視していて、さまざまな需要を満たすモデルに仕上げたとも捉えられるモデルだ。
2023年12月にはPHEVモデルが登場
登場当初は2.5Lのシリーズパラレルハイブリッドシステムのみであったが、2023年末にはプラグインハイブリッドモデルもラインアップに加わった。
そのグレード名には「RS」が冠されており、スポーツレザーシートや専用のマットブラックホイールなどでスポーティさを前面に押し出しているのが特徴的だ。
新型クラウンスポーツの新車価格
クラウンスポーツは基本的に各パワーユニットで1グレードのみの展開となっている。価格は以下の通りだ。
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グレード名 |
価格 |
|
RS（PHEV） |
765万 |
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Z（HEV） |
590万 |
新型クラウンスポーツのボディデザインを解析
特徴的なポイントが多いクラウンスポーツだが、その中でもボディデザインは外せない。力強さと優雅さを両立させたというデザイン思想が盛り込まれており、エモーショナルで創造的な雰囲気を持つそのボディデザイン。
筆者から見たクラウンスポーツのポイントはフロントビューとリアビューにある。
スポーティさを演出したフロントビュー
クラウンクロスオーバーでも採用されたハンマーヘッドフェイスはさらに進化した。ライト部分が細く、デイライトが強調されるようになり、よりシャープなフロントフェイスとなっている。
灯火類をうまく配置するデザイン処理があるからこそのデザインといえる。また、ワイドに構えた印象も与えており、スポーティな雰囲気を演出している。
低重心の印象を深めたリアビュー
低重心の印象はリアビューからも感じられる。印象的でボディデザインの中でも最大の特徴といえるのがリアフェンダーだ。大きくフレアしたリアフェンダーはスポーティで力強い印象を与えるとともに、エモーショナルなエッセンスをプラスしている。
このリアフェンダーの金型設計には700回ものトライ&エラーが繰り返されたそうだ。まさに、エンジニアによる技術力と匠による技能力の集大成といえる。
新型クラウンスポーツのインテリアを検証
クラウンスポーツのインテリアデザインは、クロスオーバーから始まる現行クラウンと同じようなレイアウトとなっている。先進的なイメージを持ちつつも、使いやすさや分かりやすさを重視したデザインは落ち着きがあり、運転への集中度を高めてくれる。
アシンメトリーで個性的なデザインを採用
現行のクラウンシリーズに共通して、インテリアデザインの特徴的なポイントといえば「アイランドアーキテクチャー」だ。
運転席と助手席をアシンメトリーにデザインすることで、ドライバーは運転に集中し、パッセンジャーはリラックスできる。根本的なデザインはもちろん、配色や素材の配置などでも意識しているポイントだ。
包容力を感じさせるコックピットで快適なドライブを演出
シートはホールド感のあるものを採用し、上質な仕上がりとなっており、長時間の運転でも疲れない。また、着座時の姿勢やホールド性はもちろん、乗降時の美しい所作にも拘ってシートがレイアウトされている。
新型クラウンスポーツの加速と安定性を分析
クラウン「スポーツ」の名に恥じることなく、走りにもこだわったメカニズムが採用されているのもクラウンスポーツの特徴的なポイントだ。ここからはクラウンスポーツの「スポーティな走り」の部分をピックアップして紹介していく。
バイポーラ型ニッケル水素電池でスムーズな加速を実現
2.5Lハイブリッドシステムに採用されたバッテリーは、高出力のバイポーラ型ニッケル水素電池だ。2021年7月発売の「アクア」を皮切りに、すでに他のトヨタ車でもバイポーラ型ニッケル水素電池は採用されている。
モーターを有効に使うことで、低速域でのレスポンス向上や、中速～高速域でのダイレクトな加速を実現している。また燃費性能や静粛性にもひと役買っている。
大容量リチウムイオン電池を搭載
プラグインハイブリッドモデルには新開発の大容量リチウムイオン電池が採用されている。これにより、EVモードで90㎞走行できる。
また、加速力はもちろんのこと、前後の荷重移動を目的としたアクセルワークにも反応してくれる。ドライビングも楽しめるプラグインハイブリッドに仕上がっているのだ。
優れた旋回能力と高い安定性を両立
クロスオーバーにも採用されたDRS（ダイナミックリアステアリング）はクラウンスポーツにも採用されている。
DRSは走行状況に応じてリアタイヤをわずかに操舵させるシステムだが、ポイントはクラウンスポーツに合わせてチューニングされている点だ。低速域では軽快なステアリングが楽しめ、高速域では安定感ある走行を実現している。
また、「車と対話している感覚」を実現するために、接地感と減衰力にこだわった独自のサスペンションセッティングもクラウン「スポーツ」を体現しているポイントだ。
新型クラウンスポーツのライバル車をチェック
SUVは世界でも人気のジャンルであり、価格帯やボディサイズで見てみてもクラウンスポーツのライバルといえるモデルは多くある。ここからはクラウンスポーツのライバルとして比較されやすいモデルをピックアップして紹介していこう。
トヨタハリアー
まずは同メーカーの中での最大のライバルと言えるハリアーだ。都市型クロスオーバーSUVというジャンルを確立したハリアーは、絶大なブランド力を誇っているのが特徴だ。高級感ある内外装デザインはもちろん、インテリアの質感が高いのも魅力的なポイント。価格帯も質感やステータス性から考えるとリーズナブルなのもユーザーにとってうれしい点だ。
レクサス・NX
2021年に現行モデルになったレクサス・NX。高級感や乗り心地といった高級SUVだからこその魅力はもちろんであるが、ハイブリッドやガソリン、スポーティな雰囲気が楽しめるターボエンジン、プラグインハイブリッドなど多様なパワートレインが用意されている点も見逃せないだろう。
また、ラグジュアリー志向のバージョンLやスポーティなFスポーツ、オフロードテイストのあるOVERTRAILなど個性を演出できる選択肢が用意されているのも魅力だ。
マツダ・CX60
マツダのプレミアムラージ商品群第1弾として登場したCX-60。後輪駆動ベースの新たなプラットホームを用意し、新開発の直列6気筒エンジンがラインアップの中心となっていて、マツダの気合の入りようが感じられる。
FRらしいシャープなハンドリングがドライビングフィールに現れていて、運転を楽しめるSUVが欲しい方は検討リストにぜひ入れて欲しい1台だ。
ポルシェ・マカン
長年ポルシェが展開しているSUVであるカイエンの弟分として登場したマカン。しかしながらグレード構成も豊富でステータス性もある1台となっていて、高級SUVとして見劣りすることはない。また、スポーツカーメーカーであるポルシェらしい走りの良さも健在となっている。
メルセデスベンツ・GLC
CクラスのSUVバージョンとなるGLC。メルセデスベンツのラインアップの中でもSUVの中核を担うモデルといえるだろう。
売れ筋のディーゼルを筆頭にさまざまなパワートレインとグレードを展開しているが、最近新たにプラグインハイブリッドも追加された。このクラスの中でも上位で全方位の需要対応ができるモデルといえる。
BMW X3
2017年から展開されているX3。モデルライフも後半に差し掛かっているためか、日本市場では上級グレードを中心とした展開となっている。
トップグレードとなるX3Mコンペティションは510PSを発生する直列6気筒ターボエンジンを搭載しており、ハイパフォーマンスを誇る。このクラスのSUVの中でも走りに特化したキャラクターとなっている。
まとめ
クラウンの歴史の中でも攻めたモデルといえるクラウンスポーツ。美しくエモーショナルなデザインや走行性能に拘ったあたりを見てみると、ドライバーズSUVとしての高みを目指したモデルと言えるだろう。気になった方は一度実物を見てみることをおすすめする。
【この記事の執筆者】
西川昇吾
自動車ライター
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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