バッテリー上がりの車はどうすれば良い?原因や寿命・復活方法を解説
車のバッテリー上がりは、最も多い車のトラブルということはご存じでしょうか。JAFのロードサービス出動理由で、毎年1位になるほど発生しているトラブルです。
突然バッテリー上がりが起きてしまったらどうしたら良いのか、事前に対処法を身につけておくことが大切であると言えるでしょう。
今回は、安心したカーライフを送るために、バッテリー上がりが起きる原因や寿命、復活方法を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※目次※
・バッテリー上がりは過放電が原因
・バッテリー上がりを復活するには、バッテリーの充電か交換が必要
・バッテリー上がりが解消しても車の点検をしたほうがよい
なぜ車はバッテリー上がりを起こすの?
バッテリーの充電残量が減りすぎることで、エンジンを動かすほどの電力が残っていない状態のことを「バッテリー上がり」と言います。
なぜバッテリー上がりは起きてしまうのでしょうか。ここでは、この問題が発生する際に見られる症状や状態のご紹介と、その詳しい原因の2点について触れて詳しく解説ます。
原因は過放電
バッテリー上がりが起きる原因は「過放電」です。過放電とは、通常放電が終わり、さらに放電を続けている状態のことを指します。言い換えると「バッテリー内の電力が放電され尽くされてしまう状態」と言えるでしょう。
車において、過放電の原因となるのはエンジン作動時以外に電力を消費してしまっていることです。例えば、エンジンを停止したものの室内灯などを付けっぱなしにし、過放電状態となった場合にバッテリー上がりが発生します。
バッテリー上がりの状態
バッテリー上がりが起きるとエンジンは作動しません。さらには、室内灯やヘッドライトの照明が点灯しないなど、機器系統全般の使用をすることができなくなります。
バッテリーの構造として、エンジン作動時はその動力を使って蓄電する仕組みです。そのため、エンジン作動時にバッテリー上がりをが起きることはありません。
エンジン作動時以外の電力消費がバッテリー上がりの起因です。車の運転の際には室内灯などの消し忘れなどには注意をしましょう。
車のバッテリーは何時間で上がってしまうのか?
車の日常使いをする中で、探し物をするときにエンジンを作動せず、室内灯だけを点けるという使い方をする場合もあると思います。その時に、すぐにバッテリー上がりが起きてしまう可能性は低いと言えるでしょう。
あくまでも、この問題が起きるのは過放電状態となった時です。ここでは、どのくらいの時間でバッテリー上がりが起きててしまうのかを解説します。
上がってしまう目安
車のバッテリーが上がる代表的なケースと、目安の時間は以下の通りです。
原因 |
バッテリーが上がるまでの目安の時間 |
室内灯のつけっぱなし |
12時間 |
ハザードのつけっぱなし |
5~10時間 |
ACCモード(アクセサリーモード)の放置 |
4~5時間 |
ACCモードでテレビやオーディオの長時間利用 |
30分~ |
車に搭載しているバッテリーのスペックや劣化、蓄電残量など、状態によって目安の時間が前後することがありますので注意しましょう。
車の基本仕様として、エアコンをつける必要はないからエンジンを切ってACCモードで音楽を楽しむというような使い方をすることはできてしまいますが、これには限界があります。
日頃からエンジン作動時以外のバッテリーの使用を控えることで、バッテリー上がりのリスクを低減することができるため参考にしてください。
冬季の放電には注意
冬の寒い日に、いつもよりエンジンがかかるまで時間がかかった、という経験をした方もいるのではないでしょうか。
バッテリーの中にあるバッテリー液は、温度が低いと性能が落ちる傾向があります。気温が下がりやすい冬季にバッテリーが上がってしまうトラブルが発生しやすいのは、これがひとつの要因です。
近年では、プッシュスタート式の車が増えてきたことからエンジン作動までの時間を気にする機会が減った、という方もいるかもしれません。
しかし、エンジン作動の仕組みが大きく変わったわけではないため、冬季に車を使用する際には注意が必要です。
上がってしまう前の予防も意識しよう
バッテリーが上がることでその対応に時間が取られてしまい、一日の予定を棒に降ってしまうということもあるかもしれません。
このような不測の事態が起きる前に、事前にバッテリーが上がらないよう予防を意識してみましょう。予防する方法として以下の3点が有効です。
・寒い季節になる前にバッテリーの充電をする
・定期的にバッテリーを交換する
・定期的なアイドリングや走行をする
これらを意識することで、バッテリー上がりが発生するリスクを低減することができます。
車の走行中にバッテリー上がりした時の対処法
車の走行中や外出時に、バッテリー上がりが発生した場合は何をすべきでしょうか。予期しない問題が発生した時に必ずやるべきことと対処法、注意点をそれぞれご紹介します。
問題が発生した場合は、慌てず落ち着いて次の行動を対処法を取ることで緊急時にも対応をすることができるようになります。ぜひ参考にしてください。
安全な場所へ退避しましょう
車の走行中にトラブルが発生した自走できなくなった場合は、慌てずに次の行動を取ることをおすすめします。
トラブルが発生した段階で、できる限り広く安全な場所まで自走しながら「ハザードランプの点灯」「路肩に車寄せる」といった対処をしましょう。
高速道路でトラブルが発生した場合は、上記の対処に加え「発煙筒(車への引火の可能性がある場合は設置不要)と三角表示板を200m以上の距離からでも確認できる位置に設置」します。
これらの対処が終わり次第、ガードレールの外側などの安全な場所に避難して救助を待つようにしましょう。
(参考:『高速道路|警察庁』)
6つの対処方法
車のトラブルが発生した場合は、救援を要請する必要があります。その代表的な方法は、以下の6点です。
・JAF(会員の場合無料、非会員は有料)
・自動車保険会社(ロードサービス込みの契約の場合)
・ディーラー(メーカーが違くても依頼は可能だが有料)
・近くの整備工場(有料)またはガソリンスタンド(有料)
・救護車とブースターケーブル接続
・自身で携帯スターターを接続
方法によって費用が発生するものとしないものがあります。事前にJAFや自動車保険の契約内容を確認し、万一の時に備えて調べておくと良いでしょう。
ロードサービスでの注意点
バッテリーが上がった際、加入している自動車保険のロードサービスを使う場合に注意点があります。
近年の自動車保険のロードサービスにはジャンピングのサポートが付帯されていることが多区ありますが、契約内容によっては年間でのバッテリー上がりのサポート回数の制限や自宅でのジャンピングは対象外になっている場合があります。
実際にトラブルが発生した時に慌てないよう、事前に契約内容の確認をしておくことで、安心してサポートを受けることができるでしょう。
バッテリー上がりの車を復活させるには?
バッテリー上がりの車をどのように復活をさせるかご存じでしょうか。
主な対処法は、救援車から電力の供給を受けてエンジンを作動させる「ジャンピングスタート」と、車の電力に対応したモバイルバッテリーの「ジャンプスターター」を使用する2点です。
ここでは、それぞれの特徴や手順を詳しく解説します。
ケーブルで作動させる場合
救援車とケーブルで繋ぎ、ジャンピングスタートでエンジンを作動させるための順番と方法は以下の通りです。
・救護車のプラス端子に赤ケーブル接続
・救援車のプラス端子に赤ケーブル接続
・救援車のマイナス端子に黒ケーブル接続
・救護車のマイナス(端子ではなく、エンジン金属部)に黒ケーブル接続
・救援車のエンジンをかける
・ジャンピングスタート終了後は、逆の手順で取り外す
注意点として、ハイブリッド車やPHEV車、電気自動車の多くは救援車側のエンジントラブルを招いてしまうため、救援車にすることができません。ジャンピングスタートの際には車種の確認も行うようにしましょう。
携帯機器で作動させる場合
「ジャンプスターター」と呼ばれる、車載バッテリーの充電が可能なモバイルバッテリーでエンジンを作動させるための順番と方法は以下の通りです。
・救護車のプラス端子にジャンプスターターの赤ケーブル(プラスクランプ)接続
・救護車のマイナス端子にジャンプスターターの黒ケーブル(マイナスクランプ)接続
・充電完了後は、逆の手順で取り外し
ジャンプスターターは、モバイルバッテリーのため車載バッテリーの充電以外にもスマホの充電にも使用することができたりと、多用途のモデルもあります。用途に合わせて選んでも良いでしょう。
これはバッテリー上がり?よく間違われる車の症状
車を動かす際、エンジンがかからないと真っ先にバッテリー上がりを疑ってしまうことも少なくないでしょう。
しかし、エンジンが作動しない原因となるのはこれだけではありません。エンジンが作動しなくても、全く別の問題が発生していることもあります。バッテリー上がりによく似た症状となる原因を3点見てみましょう。
Pレンジに入っていない
シフトレバーがPレンジ(パーキング)に入っていない場合、エンジンが作動しません。この使用はどのメーカーの車でも共通の仕様です。
近年は電子制御されている車種も増えており、シフトレバーをPレンジにしないままエンジンを切っても勝手にパーキングになる、アラートで知らせてくれるような車種もあります。
しかし、車種によってはこのような機能がない場合もあるため、エンジンが作動しない場合はまずシフトレバーがどの位置なのか確認してみましょう。
セルモーターの不具合
セルモーターとは、作動時にエンジンを回転させる役割のモーターです。これを動かすためには電力が必要となります。
セルモーターに問題が起きている場合、正常にエンジンを回転させることができず、結果としてエンジンがかからないこともあるでしょう。
エンジンが作動することなくバッテリーにも問題がない場合は、セルモーターが故障している恐れがあります。
セルモーターに異常があるかについては、ロードサービスや整備工場、ディーラーのプロによる点検で判明することが大半です。
燃料不足(ガス欠)
燃料不足(ガス欠)の場合も、エンジンは作動しません。ガス欠の時にエンジンを作動しようとすると、エンジンがかかりそうでかからないというような挙動を起こします。バッテリー上がりの症状と似ているため、誤認しないためにも給油量がどの程度あるか気にするようにしましょう。
車の給油量が減ると、メーターやインフォメーションディスプレイ内にガソリンが足りなくなってきたことを知らせるランプが点灯します。その場合は、なるべく早めの給油がおすすめです。
バッテリー上がりが解消されても車の点検をしよう!
車のバッテリーが上がりをジャンピングスタートやジャンプスターターでエンジンを作動させることができても、念の為車の点検をすることをおすすめします。
なぜ、バッテリー上がりの問題が解消されても車の点検したほうが良いのでしょうか。ここから、バッテリー上がりが発生したことで起きてしまう問題について解説します。
バッテリー上がりは劣化に繋がる
バッテリー上がりを起こすと、バッテリーが大きく劣化することがあります。そうすると充電容量が減ってしまい、十分な能力を発揮することができません。
これによりバッテリー上がりを繰り返す、さらには状態が悪化し車の自走ができなくなってしまうということも想定されます。
バッテリーが上がった場合は、車のほかの部位でも異常が起きていないか詳しい車の点検をすることをおすすめします。
交換のタイミング目安
スペックにもよりますが、バッテリーの寿命は2~5年程度と言われています。また、車の使用頻度や状況によっても寿命が変わることもあるでしょう。
バッテリー上がが起きた場合は、劣化が原因でほかの予期しない問題が発生しないよう交換をすることが推奨されています。
しかし、必ず交換をしなければならない訳ではないため、交換時期について実際の使用年数よりも現在の状況を見てバッテリー交換の時期を判断しましょう。
ネクステージの保証は中古車のバッテリー上がりも安心
ネクステージのあんしん保証サービスサポートには、365日24時間体制のロードサービスが無料付帯されています。バッテリー上がりなど、想定外のトラブル時にも安心です。
このほか、購入した中古車に付帯される無料保証や、長期間の車の利用を想定しているお客様におすすめの10年保証、さらにお出かけの際など遠方でのトラブルにも対応する保証など、保証プランは充実しています。
楽しいカーライフが送れるよう充実した保証を用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
日頃から気を付けていても、バッテリーの状態、気温などの外的な要因で突然バッテリー上がりが起きてしまうこともあるでしょう。このような予期しないトラブルが起きた時に備え、どのロードサービスを使うか確認しておくことをおすすめします。
バッテリーが上がった際、充電や交換ではなく車の買い替えを検討される場合は、ネクステージへご相談ください。
ネクステージではロードサービスを含んだ保証を豊富にご用意しています。車の購入から購入後のトラブルまでサポートをしていますので、ぜひご利用ください。