マツダ新型CX-5のディーゼル車をチェック!ガソリン車とライバル車との差は?
マツダの初代SUVとして発売されたCX-5ですが、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとで性能や維持費が異なります。しかし、ディーゼルエンジンに馴染みがなく、「ガソリンエンジンと何が違うのかわからない」という人もいるのではないでしょうか。
また「ディーゼルエンジンはイメージがよくない」と思っている人もいるかもしれません。しかし、CX-5のディーゼルエンジンはモデルチェンジにより性能が向上しており、イメージするディーゼルエンジンとはひと味違います。
そこで今回は、マツダ新型CX-5のディーゼル車の性能や、ディーゼル車を選ぶメリットなどについてご紹介します。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いを知っておくと、自分の運転スタイルに合ったモデルを選べるようになるでしょう。
目次
・CX-5のクリーンディーゼル車は、従来のディーゼル車の「環境に悪い」「うるさい」といったネガティブなイメージをくつがえすディーゼルエンジンが搭載されている!
・クリーンディーゼル車は燃費がよくパワフルで、高速道路や長距離運転にぴったり!
・ライバル車と比較して決めたいというときには、中古車店で試乗してみるのがおすすめ!
パンチある運動性能に改良されたCX-5 ディーゼル
マツダCX-5とは、2012年に発表されたマツダの初代SUV車です。「クロスオーバー」という比較的新しい種類の車で、SUVのスポーティさや機能性とクロスカントリーの力強い走行性を持つ進化版SUVといってもよいでしょう。
そんなCX-5は発売当初よりディーゼル車に重きを置いていましたが、2017年のフルモデルチェンジによってより一層運動性能が向上し、「力強く美しく走るSUV」として生まれ変わっています。
進化したCX-5ディーゼルをチェック!
ディーゼル車というと、「環境に悪い」「うるさい」「振動がきつい」など、ネガティブなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。とくに日本では、ディーゼル車がいかに環境に悪いかと騒がれたこともあるため、印象がよくない人もいるでしょう。
しかし、CX-5を販売しているマツダを筆頭に、ディーゼル車のマイナスポイントを大きく改善した「クリーンディーゼル」が登場しています。CX-5にも進化したクリーンディーゼルエンジンが搭載されていますが、どのような点が今までとは違うのでしょうか。
進化ポイント1. 燃費の改善
もともとディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンよりも燃費がよいのが特徴です。しかし新型CX-5に搭載されているクリーンディーゼルエンジンは、「急速多段燃焼」という新たな燃焼方法によって、より燃費が向上しています。急速多段燃焼によって今までよりもきれいに燃料が燃えるようになり、より無駄がなく効率のよいエネルギー変換が可能です。
進化ポイント2. 排気ガスの改善
ディーゼル車は、「排気ガスに有害物質が多く環境に悪い」というイメージがあります。しかし、CX-5のクリーンディーゼルエンジンは排気ガスも改善されているのが特徴です。「マルチホールインジェクター」によって、燃料の噴射圧力を高めて微細化することで燃えやすくし、さらに燃料の噴射を3段階で行うことでエミッションが改善しています。
進化ポイント3. エンジン音の改善
もうひとつディーゼル車の問題として挙げられるエンジン音ですが、こちらもCX-5のクリーンディーゼルエンジンでは改善されています。
エンジンが不安定にならない程度に始動後点火時期を遅らせ、さらに燃焼時間を短縮することでノッキングを回避しているのが特徴です。また、ピストンピンにダンパーを組み込み、ノックオンを打ち消すことで静寂性を向上させています。
進化ポイント4. エネルギーロスを低減
CX-5のクリーンディーゼルエンジンは14.0という高圧縮比を世界で初めて達成し、さらに状況に応じて燃料の噴射を制御する高精度の多段噴射により、効果的に燃料を燃やしてエネルギーロスも低減しています。
またエンジンが温まっていないときには、エンジンやラジエーター周りへの冷却水を制御して暖気効率を高めるなど、燃費の向上を徹底しているのが特徴です。
CX-5のディーゼル車とガソリン車を比較
CX-5には「20S」「25S」「25T」「XD」の4種類のグレードがあり、このうち20S・25S・25Tはガソリン車、XDはディーゼル車となっています。3種類のガソリン車と1種類のディーゼル車でどのような差があるのか、基本スペックやエンジン・燃費などについてご紹介します。
基本スペックの比較
まずは基本スペックを比較してみましょう。唯一のディーゼル車であるXDの基本スペックは以下の通りです。
- ・新車価格:293万7,000円(税込)~
- ・サイズ:4,545mm×1,840mm×1,690mm
- ・重量:1,610kg~1,630kg
- ・トランスミッション:6EC-AT/6MT
- ・最高出力:140 kW(190 ps)/4,500rpm
- ・最高トルク:450 N・m(45.9 kgf・m)/2,000rpm
続いて、20Sのスペックを見てみましょう。
- ・新車価格:261万8,000円(税込)~
- ・サイズ:4,545mm×1,840mm×1,690mm
- ・重量:1,520kg~1,530kg
- ・トランスミッション:6EC-AT
- ・最高出力:115kW(156ps)/6,000 rpm
- ・最高トルク:199N・m(20.3kgf・m)/4,000 rpm
25Sのスペックは以下のようになっています。
- ・新車価格:284万9,000円
- ・サイズ:4,545mm×1,840mm×1,690mm
- ・重量:1,610kg~1,620kg
- ・トランスミッション:6EC-AT
- ・最高出力:138 kW(188 ps)/6,000 rpm
- ・最高トルク:250 N・m(25.5 kgf・m)/4,000rpm
25T(L Package)のスペックは以下のとおりです。
- ・新車価格:342万1,000円
- ・サイズ:4,545mm×1,840mm×1,690mm
- ・重量:1,620kg
- ・トランスミッション:6EC-AT
- ・最高出力:169 kW(230 ps)/4,250 rpm
- ・最高トルク:420 N・m(42.8 kgf・m)/2,000rpm
異なるエンジンの特徴
4種類のグレードのCX-5は、それぞれ搭載されているエンジンが異なります。
- ・XD:SKYACTIV-D 2.2
- ・20S:SKYACTIV-G 2.0
- ・25S:SKYACTIV-G 2.5
- ・25T:SKYACTIV-G 2.5T
ディーゼル車のXDに搭載されているSKYACTIV-Dは、燃費や静粛性・走行性を向上させ、排出ガスを改善するために「燃焼」にこだわっています。
ガソリン車の20S・25S・25Tに搭載されているSKYACTIV-Gは、中低速トルクの力強さを高め、スムーズな走りを実現しているのが特徴です。とくにハイグレードのSKYACTIV-G 2.5は、エンジンの軽量化や振動音などを抑えるバランスシャフトによって静かな走りを体感できます。
ディーゼル車とガソリン車の燃費
ディーゼル車は高圧縮比で燃料の噴射により点火するため、ガソリン車よりも燃費効率がよいのが特徴です。やはりCX-5もディーゼル車とガゾリン車で、燃費に大きな差があります。
モード |
ディーゼル車(2WD/AT)の燃費 |
ディーゼル車(4WD/AT)の燃費 |
ガソリン車の(2WD/AT)の燃費 |
ガソリン車の(4WD/AT)の燃費 |
WLTCモード |
17.4(17.6)km/L |
16.6(16.8)km/L |
12.6km/L~14.6km/L |
12.2km/L~13.0km/L |
市街地モード |
13.9(14.2)km/L |
13.6(13.4)km/L |
9.4km/L~11.9km/L |
9.1km/L~10.2km/L |
郊外モード |
17.6(17.5)km/L |
16.5(16.8)km/L |
12.9km/L~15.1km/L |
12.4km/L~13.4km/L |
高速道路モード |
19.6(19.8)km/L |
18.6(18.9)km/L |
14.4km/L~16.2km/L |
14.1km/L~14.7km/L |
一般的に燃費がよいエコカーや軽自動車の燃費が15km/L程度とされていますが、CX-5のディーゼル車はそれを上回っています。ガソリン車は燃費が悪いというほどではありませんが、ごく一般的な普通車と同程度か少し燃費がよい程度です。
ライバル国産ミドルSUV車と燃費を比較
CX-5のディーゼル車はエコカー並みの燃費のよさですが、ライバルの国産ミドルSUVとCX-5では、どちらのほうが燃費がよいのでしょうか。燃費のよさは維持費の増減にもつながるため、気になる人も多いでしょう。そこで、CX-5とライバル車の「日産エクストレイル」「トヨタハリアー」の燃費を比較してみます。
市街地モードでの燃費
まずは「市街地モード」の燃費を比較してみます。市街地モードとは、信号や渋滞などでスピードが落ちやすい走行時を想定したモードです。
車種 |
燃費 |
CX-5(ディーゼル4WD) |
13.6(13.4)km/L |
エクストレイル(4WD) |
11.3km/L |
ハリアー(FF) |
12.9km/L |
エクストレイルとハリアーはガソリン車なので、CX-5の燃費のほうが勝っています。ちなみにCX-5のガソリン車(4WD)の燃費は9.1km/L~10.2km/Lなので、ガソリン車で比較するとエクストレイルやハリアーのほうが燃費がよいでしょう。
郊外モードでの燃費
それでは郊外モードでの燃費はどうでしょうか。郊外モードとは信号や渋滞に引っかかりにくく、スピードが落ちにくい走行時を想定したモードです。
車種 |
燃費 |
CX-5(ディーゼル4WD) |
16.5(16.8)km/L |
エクストレイル(4WD) |
12.7km/L |
ハリアー(FF) |
15.1km/L |
やはりほかの2種類よりも、CX-5の燃費のほうが勝っています。CX-5のガソリン車(4WD)の郊外モードは12.4km/L~13.4km/Lであるため、エクストレイルとは同程度、ハリアーと比較するとハリアーの燃費のほうがよいようです。
高速道路モードでの燃費
最後に高速道路モードでの燃費を比較します。高速道路モードとは、スピードが出る高速道路での走行を想定したモードです。
車種 |
燃費 |
CX-5(ディーゼル4WD) |
18.6(18.9)km/L |
エクストレイル(4WD) |
15.4km/L |
ハリアー(FF) |
18.1km/L |
スピードが落ちにくい高速道路ではどの車も燃費が向上し、CX-5とハリアーではほとんど燃費が変わりません。エクストレイルはほかの2種類と比較するとやや燃費が落ちますが、燃費が悪いというほどではないでしょう。
CX-5のガソリン車(4WD)で比較すると、ガソリン車の燃費は14.1km/L~14.7km/Lであるため、ほかの2種類には負けてしまいます。こうして燃費を比較すると、ディーゼル車の燃費が非常によいことがわかるのではないでしょうか。
燃費以外でディーゼル車を選ぶメリット
ディーゼル車の燃費のよさは伝わったかと思いますが、「そうはいってもディーゼル車は何となく抵抗がある」「これまでディーゼル車に乗ったことがないのでメリットがわからない」という人も多いのではないでしょうか。燃費がよいというメリットのほかに、ディーゼル車を選ぶメリットを見てみましょう。
エコカー減税の対象になる
クリーンディーゼル車は「エコカー減税」の対象です。排出ガスや燃費基準を満たしていれば、自動車取得税や自動車重量税が軽減されます。
自動車取得税の軽減に関しては2019年9月30日までに取得した車が対象であるため、現時点では適用できません。しかし、自動車重量税は2021年4月30日までに新車登録した車が対象であるため、まだチャンスがあります。
また、クリーンディーゼル車は「グリーン化特例」の対象でもあり、所定の条件を満たしている車を2021年3月31日までに新車登録すれば、自動車税を軽減することが可能です。
(参考: 『国土交通省|エコカー減税・グリーン化特例など)』)
軽油だから燃料費が安い
ディーゼル車の燃料は軽油です。軽油はガソリンよりも1Lあたりの価格が20円~30円安いため、ガソリン車に比べて燃料費を抑えられるでしょう。環境省によるエネルギー消費量の調査結果では、世帯あたりの年間ガソリン消費量は554Lとなっています。
仮にガソリンの金額が1Lあたり130円だったとすると、1年間のガソリン代は7万2,020円です。これが軽油で20円安かったとしたら、554L 消費しても1年間の燃料代は6万940円になり、1万円以上燃料費を節約できます。
(参考: 『環境省|自動車燃料の年間消費量)』)
加速と坂道発進がスムーズ
ディーゼル車は低回転域でのトルク性能が高くパワフルなので、加速や坂道発進がスムーズでストレスがかかりません。そのため、加速することが多い高速道路や山道などに強いのが特徴です。また、燃費がよく走りが安定しているため、長距離運転にも向いています。
静寂性に優れている
クリーンディーゼル車は従来のディーゼル車と比較して、静粛性が大幅にアップしています。エンジン音や振動が抑えられているため、「音がうるさい」「振動で疲れる」ということも少ないでしょう。疲れにくいと運転に集中しやすいため、事故防止にもつながります。
CX-5を購入するポイント
クリーンディーゼル車の特徴やメリットを見て、CX-5のクリーンディーゼル車が気になってきた人もいるのではないでしょうか。燃費のよさやパワフルさからクリーンディーゼル車はおすすめですが、購入を決めるときに抑えておきたいポイントがあります。
トータルコストで選ぶこと
ガソリン車とクリーンディーゼル車のどちらにするのかを考えるときには、トータルコストを調べてみましょう。クリーンディーゼル車よりもガソリン車のほうが、新車価格が安いのが一般的です。また、クリーンディーゼル車はエンジンオイルの交換頻度が高く、エンジンオイル自体も高いためメンテナンス費用が高くなります。
とはいえ、クリーンディーゼル車は燃費がよいので燃料費が大幅に安くなるでしょう。また、エコカー減税などの適用によって税金も安く済むため、トータルで考えるとクリーンディーゼル車のほうがお得になる可能性が高いのではないでしょうか。
軽油の特性を理解しておくこと
ディーゼル車を購入するときには、燃料である軽油の特性を理解しておきましょう。軽油はガソリンよりも粘度があり、温度が下がるとさらに粘度が上がるため、寒い時期に長時間放置すると凍結する恐れがあります。
そのため、寒い地方の軽油には凍結防止剤が添加されています。暖かい地方から寒い地方に行く場合は、途中で寒い地方の軽油を給油しましょう。
試乗して相性を確認すること
ガソリン車とディーゼル車では、やはり乗り心地が異なります。これまでガソリン車の乗車経験しかない人は、ディーゼル車の乗り心地が合わないこともあるでしょう。
もしガソリン車からCX-5のクリーンディーゼル車への乗り換えを検討している場合は、試乗して乗り心地や相性を確認したうえで購入することも大切です。
中古車店ならライバル車も試乗できる!
「CX-5も気になるけど、ライバル車と比較してから決めたい」という人もいるでしょう。しかし、正規ディーラーではライバル車の試乗はできないため、いろいろな車に試乗してから決めたい人は、多数のメーカーの車を取り扱う中古車店がおすすめです。
ネクステージは国産車・輸入車問わずさまざまなメーカーのSUVを取り扱っているため、多くのメーカーのSUVに試乗できます。気になるSUVがたくさんあるときには、ぜひネクステージにお越しください。
まとめ
CX-5には、従来のディーゼル車のネガティブなイメージをくつがえすディーゼルエンジンが搭載されています。ガソリン車と比較して燃費がよくパワフルなので、ドライブが好きな人や移動が多い人にはぴったりでしょう。
しかし、これまでガソリン車にしか乗ったことがない人では、クリーンディーゼル車への乗り換えに不安を感じることもあるのではないでしょうか。そのようなときには、ぜひネクステージでCX-5のクリーンディーゼル車に試乗してみてください。