車検費用が安いところは?店舗ごとの違いと安く抑えるポイントも◎
車の維持費の中でも、まとまった費用がかかるのが車検です。自家用乗用車であれば、新規登録後を除き、2年おきに受ける必要があります。車検費用は、普通車は約6万円~10万円かかるため、できるだけ安く済ませたいという方も多いでしょう。
そこでこの記事では、車検費用の内訳について解説しつつ、車検依頼先ごとの費用や特徴を紹介します。お店ごとの車検サービスの違いが把握できるので、ぜひ最後までご覧ください。
※目次※
・車検費用の内訳は、法定費用と車検基本料金に分けられる。
・車検基本料金は業者ごとに異なるため、安いところを探すためにも比較することが大切。
・車検費用を抑えるには、見積書をしっかりと確認し、必要な整備とそうではないものを把握するのがポイント。
車検が安いところはどこ?費用の内訳
車検を受ける際に気になるのがその費用です。「どの業者に車検を依頼すればよいか分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
車検費用の項目や、業者ごとの車検基本料を整理すれば、どの業者を選べばよいか分かります。まずは、車検費用の項目と、業者ごとの特徴について見ていきましょう。
車検費用の内訳
車検費用の項目は、大きく分けて「法定費用」「車検基本料」の2つがあります。法定費用は、法律によって定められているものであり、どのお店でも基本的に一律です。自動車重量税や自賠責保険料、印紙代などがこれにあたります。
車検基本料は業者によって料金が異なり、例えば検査手数料や整備料、納車手数料、代車費用、引き取り費用などです。車検基本料によって車検費用が大きく変わるため、事前に確認するようにしましょう。
車検基本料や整備費用が業者ごとに異なる理由
業者によって手数料や整備内容が変わるため、車検費用は業者ごとに異なります。例えばスピード重視で整備をする業者は、必要最低限のメンテナンスになることから車検費用が安くなる傾向があります。
反対に、整備項目が多ければ車検費用は高額です。このように、整備内容や費用が業者によって違うため、依頼先の選び方次第で車検費用を安く抑えられます。必要最低限の整備だけでよいという方は、その目的に合った業者を選ぶとよいでしょう。
車検が安いところはどこ?店舗ごとの特徴
車検は、依頼する業者によって料金が異なるため、目的に合わせて業者を選ぶとよいでしょう。ここでは、店舗ごとの特徴を見ていきます。
それぞれの車検の特徴を理解すれば、どこに車検を依頼すべきかの判断が可能です。メリット・デメリットなどを含めて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ディーラー
新車を購入できるディーラーでは、車検を受けることも可能です。ただし、工場や車検専門店に比べ、車検費用は高めになります。部品交換の際に純正のみを使用していることが料金の高い理由です。他店では代用品を使用するため交換金額に差が出てしまいます。
多くの販売店では1時間当たりの工賃が決められており、ディーラーは他店よりも安全性や綿密な検査を行っている関係上、高い工賃を設定せざるを得ません。
メーカー直営のディーラーは、車検後の不備がないよう点検項目を充実させているという特徴があります。また、洗車や飲み物の提供といったさまざまなサービスもトップクラスといえるでしょう。このような整備やサービスの追求が料金に直結しています。
整備工場
整備工場には、地方運輸局長の認定を受けた「認証工場」と一定の基準を満たしている「指定工場」の2種類があります。
認証工場では点検整備のみを行い、運輸支局に整備した車を持ち込んで検査を通す必要があるのに対し、指定工場では点検整備と車検を全て行うことが可能です。査定ラインを持っている指定工場であれば、車の状態によっては1時間程度で車検が終わるメリットがあります。
認証工場の場合は、運輸支局に車を持ち込まないとならないため時間がかかります。
車検専門店
車検のみを行っている車検専門店では、フランチャイズにすることで整備や技術にムラが発生するのを防いでいます。また比較的安い価格で車検を受けられるだけでなく、スピードが早いこともメリットです。
しかし車検を専門としているため、余裕を持った部品交換など必要以上のサービスは行ってもらえないデメリットがあります。
中古車販売店
中古車販売店の中には、自社に認証工場を設置しているところもあります。純正パーツを使用するディーラーとは違い、部品交換は代用品を使用するため、比較的安い価格で車検を受けることが可能な点も特徴です。代車に関しても、無料で貸し出しているところが多い傾向です。
ガソリンスタンド
車検を安く受けられるのがガソリンスタンドです。しかし、ガソリンスタンドでは自社の整備工場を持っていないことが多いため、車検を行うために車を別の場所に移動させる必要があります。
そのため、他のところよりも時間がかかってしまうこともあり、場合によっては1週間以上ということもあるでしょう。なお、代車は有料、または貸し出しをしていない場合がほとんどです。
ガソリンスタンドでは車検切れの車の引き取りを行うサービスがないため、依頼する場合には自分で持ち込みや引き取りが必要となることも特徴です。
カー用品店
カー用品店の車検は、ディーラーと比較して基本料金や部品代、工賃が安価で、社外品も利用可能なため予算に合わせた選択が可能です。店舗数が多く、基本的には土日祝日も営業しており利便性が高いといえます。店舗によってはポイント制度や割引クーポンなどの特典を受けられるでしょう。
一方で、特定車種への専門性はディーラーより劣る可能性があります。カー用品店は、費用を抑えて手軽に済ませたい方におすすめです。
結論!車検が安いところはどこ?
同じ車検であっても、業者ごとに車検の特徴・料金は異なります。では、最も安く車検を受けられるのはどの方法なのでしょうか。
低価格で受けられるに越したことはありませんが、低価格ならではのデメリットや注意点もあります。ここでは、自分に合った車検の依頼先を選ぶ際の判断基準を解説します。
価格で選ぶなら:中古車販売店
中古車販売店は、低価格かつ、業者によってはクオリティの高い車検が受けられます。部品の交換に純正品を使用しないため、比較的リーズナブルな価格設定です。
中古車販売店では、無料代車サービスを実施しているところもあります。生活に不便がないのも大きなポイントです。「安くてしっかりとした整備をしてもらいたい」という方には、中古車販売店での車検を検討しましょう。
品質で選ぶなら:ディーラー
自動車メーカーのディーラーでは、検査や整備に関わる項目が多いため、高品質な点検・整備を受けられます。部品を交換する必要がある際は、純正品が用いられるため、安心して車検を受けたい方に向いているでしょう。
ただしディーラーで車検をする場合は、高額な車検費用がかかるので注意が必要です。項目の多さや純正品のパーツ交換などで、「思ったより費用がかさんでしまった」というケースも多くあります。なるべく資金に余裕がある状態で依頼するとよいでしょう。
ユーザー車検という方法も◎
最も安く車検を受けられるのはユーザー車検です。ユーザー車検とは、車検業者に依頼するのではなく、自分で運輸支局へ車を持ち込む方法です。業者への依頼料金がかからないため、とにかく費用を抑えたい方におすすめです。
ただし、自分で車検をする必要があるため、点検や整備に関する知識は必須です。また、運輸支局に持ち込む必要があるため時間や手間がかかる、車を持ち込む時間帯が限られるなどのデメリットがあることを理解しておきましょう。
車検費用は車種によっても異なる
車検費用の相場は、軽自動車が3万9,000円から6万9,000円程度、1tから1.5tの普通車は5万8,000円から9万8,000円程度であり、サイズが大きければ大きいほど高くなります。
とにかく安さにこだわりたいときは、車自体を車検費用の安い車両にすることによって、費用を大幅に抑えることが可能です。
車検費用の相場
車検費用の内訳は「法定費用」と「車検基本費用」に分けられます。法定費用は、「自動車重量税」「自賠責保険料」「印紙代(検査手数料)」の3種を合算した費用です。この費用は車のサイズにより定額であり、印紙代以外はどこに車検を依頼しても変わりません。
車検基本費用は、車検の代行や整備にかかる費用であり、車検の依頼先によって変わります。車両重量別の車検費用の相場は以下のとおりです。
軽自動車 |
3万9,000円~6万9,000円程度 |
1トン~1.5トンの普通車 |
5万8,000円~9万8,000円程度 |
1.5トン~2.0トンの中型車 |
6万6,000円~11万1,000円程度 |
2.0トン~2.5トンの大型車 |
7万4,000円~12万4,000円程度 |
価格に開きがあるのは、依頼する業者によって車検料金が異なるためです。
車選びの段階で車検費用についても考慮しておくと◎
業者を選ぶことで車検基本料が抑えられ、結果として車検費用が安くなります。しかし車の購入前であれば、選ぶ車の種類によって法定費用を抑えることが可能です。そのため、車選びの時点で、車検を視野に入れるとよいでしょう。
法定費用は、自賠責保険料や自動車重量税、印紙代などです。自動車重量税は、その名前の通り自動車の重量によって税金が決まるため、車体の小さな自動車を購入すれば料金を抑えられます。
車検費用にかかる法定費用が安い車は?
車検を受ける際には、支払う必要のある法定費用というものがあります。どんなに安い車検店を選んでも、この法定費用は必ず発生するため、事前に把握しておくことが大切です。
ここでは、車検における主な法定費用である「自賠責保険料」「自動車重量税」「印紙代」について、それぞれの目安となる金額を解説します。
自賠責保険料の目安
自賠責保険は、車を購入する際に強制的に加入させられる保険です。自賠責保険料の目安は、以下の通りとなっています。なお、こちらの基準料金は、離島以外の地域に適用する24か月契約時の料金です。
自家用乗用自動車 |
1万7,650円 |
軽自動車 検査対象車 |
1万7,540円 |
軽自動車 検査対象外車 |
8,920円 |
※情報は2025年4月時点のものです。
一般的な軽自動車は、検査対象車です。自家用乗用自動車とほとんど変わりはありませんが、わずかに安くなっています。
軽自動車には検査が必要な車と届出だけでよい車があります。排気量125cc超250cc以下の軽二輪車や軽特殊車は検査対象外軽自動車に分類されます。
これらは運輸支局や自動車検査登録事務所での届出が必要で、手続き後に軽自動車届出済証(車検証)が交付される流れです。
また、自動車損害賠償責任保険証明書の備え付けと保険標章(ステッカー)の表示が義務付けられています。
自動車重量税の目安
自動車重量税は、車体の重量によって税額が変わります。以下、自動車重量税の目安です。なお、新車新規登録時かつ「エコカー外」の金額となります。
|
3年自家用 |
2年自家用 |
1年自家用 |
500kg以下 |
1万2,300円 |
8,200円 |
2,600円 |
~1,000kg |
2万4,600円 |
1万6,400円 |
5,200円 |
~1,500kg |
3万6,900円 |
2万4,600円 |
7,800円 |
~2,000kg |
4万9,200円 |
3万2,800円 |
1万400円 |
~2,500kg |
6万1,500円 |
4万1,000円 |
1万3,000円 |
~3,000kg |
7万3,800円 |
4万9,200円 |
1万5,600円 |
※情報は2025年4月時点のものです。
検査対象となる軽自動車の重量税も、車検期間によって異なります。3年間の自家用車の場合は9,900円が必要で、2年間なら6,600円です。また、1年間の場合は5,200円が課せられます。
印紙代の目安
印紙代は、令和5年(2023年)1月1日以降、金額が改定されています。以下、令和5年1月1日以降に適用される、印紙代です。なお、表の内容はOSS申請を除いた継続検査(持込検査)の手数料となります。
|
国/軽検協 |
機構 |
合計 |
普通自動車 |
500円 |
1,800円 |
2,300円 |
小型自動車 |
500円 |
1,700円 |
2,200円 |
軽自動車 |
1,800円 |
400円 |
2,200円 |
※情報は2025年4月時点のものです。
車検費用を抑えるポイントは?
車検は車を所有している限り、定期的に受ける必要があるものです。しかし、その費用は決して安くないため、できるだけ節約したいと考える方も多いでしょう。車検費用を効果的に抑えるためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。
ここでは、具体的に3つのポイントを紹介します。
基本料金が安い業者に依頼する
車検費用において、自動車重量税や自賠責保険料などの法定費用は、どの業者でも基本的に同じ金額となっています。これらは国が定めた費用であるため、店舗による大きな違いはありません。一方で、検査料や点検整備料などの「車検基本料金」は、業者によって大きく異なることがあります。
費用を抑えたい場合は、この車検基本料金が安い店舗を選ぶことが効果的です。インターネットや電話で複数の業者の基本料金を比較してみることをお勧めします。
中古品やリビルト部品を活用する
車検時に部品交換が必要になった場合、その費用をどう抑えるかも重要なポイントとなります。通常、新品の部品を使用すると高額になりがちですが、中古品やリビルト(再生)部品を活用することで、コストを大幅に削減できる可能性があります。
リビルト部品とは、使用済みの部品を分解・洗浄し、摩耗した箇所を新品に交換して再組み立てしたものです。新品と比べて価格が安いながらも、品質は一定の水準が保たれています。オルタネーターなどの電装パーツは、リビルト品が出回っているので、検討するとよいでしょう。
必要な整備内容を確認する
車検時には、さまざまな整備が提案されるでしょう。ただ、その全てが車検に通すために必須というわけではありません。整備内容には「車検に通すために必要な整備」と「故障を予防するための予防整備」の2種類があるのです。
費用を抑えるためには、車検に通すために絶対に必要な整備のみを行い、予防整備については状況を見て判断することが有効です。例えば、まだ使用できるファンベルトやひび割れたブーツ類の交換などは、次回の点検まで延期することも検討できます。
ただし、安全面に関わる部分については妥協せず、必要な整備は実施したほうがよいでしょう。
車検費用が安いところを探すときの注意点
最も安く車検を行えるのはユーザー車検です。しかし、車検に関する知識がいること、手間や時間がかかるため、全ての人にはおすすめできません。
料金のみで依頼先を決めるのではなく、安全性や信頼性も加味して総合的に判断することが大切です。ここで、車検の依頼先選びについてしっかりと理解を深めていきましょう。
費用だけにこだわるのは危険
車検費用を大きく削減したい方もいるでしょう。ただし、単に「安いから」という理由だけで業者を選んだり、知識や経験が不足しているのにユーザー車検を選んだりするのは避けるのが無難です。価格が相場よりも極端に安い場合、適切な点検や整備が行われていない可能性もあります。
安全に関わる部分での妥協は、結果的に事故や故障を招くリスクがあり、長期的に見れば高額な修理費用が発生することもあるでしょう。車検は車の安全性を確保するための重要な機会です。コスト削減と安全性のバランスを考慮し、信頼できる業者を選ぶことが重要になります。
複数の業者を比較しよう
車検費用を適正に抑えるためには、ひとつの業者だけに見積もりを依頼するのではなく、複数の業者から見積もりを取ることが有効です。同じ車種でも、業者によって基本料金や整備内容の提案が異なるため、比較することで最適な選択ができます。
見積もりを依頼する際は、ディーラーや車検専門店、整備工場など、異なるタイプの業者に依頼するとよいでしょう。また、見積もりの内容をしっかりと比較するために、同じ条件(点検項目や作業内容など)で依頼することが大切です。
検査・整備項目をチェックしよう
業者から提示される見積もりには、さまざまな検査・整備項目が含まれていますが、全てが車検に必須の項目というわけではありません。中には、故障予防のために推奨される項目も含まれていることがあります。
見積書を受け取ったら、各項目が「車検に必須の項目」なのか、「推奨される予防整備」なのかを確認することが重要です。業者に対して、各項目の必要性や緊急性について質問し、明確な説明を求めることも有効でしょう。
特に高額な整備項目については、本当に今必要なのかどうかを慎重に判断することが大切です。
まとめ
車検費用の項目は、大きく分けて「法定費用」「車検基本料」の2つに分けられ、車検費用が安いところは、車検基本料金が低く設定されています。ただし、車検基本料金が安くても、追加整備によっては他の業者よりも高くなる可能性もあります。できる限り安く抑えたい場合は、数カ所で見積もりを取り、比較することが大切です。
また、車検の見積書の項目を確認して、必要な整備とそうでないものを把握することが大切です。特に高額な整備項目については、本当に今必要なのかどうかを慎重に判断することが重要となるでしょう。
▼ライタープロフィール
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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よくある質問
Q. 安く車検を通す方法はありますか?
A. 車検を安く受けるための方法は、車検の項目の見直しです。車検では、12か月点検で26項目、24か月点検で56項目の検査が設けられています。
これらの項目以外の検査を実施している場合、追加費用を支払わなければなりません。費用を安く抑えたい方は、車検の見積書の内容をチェックして、点検内容を確かめるのがおすすめです。
Q. 車検の費用は幾らが目安ですか?
A. 目安としてディーラー車検の基本料金は3万円~10万円、ガソリンスタンドやカー用品店は基本料金2万円~8万円くらいが目安といわれています。業者によって異なるため、一概にはいえません。
車検費用は、この基本料金に加えて5万円前後の法定費用が含まれます。法定費用は業者問わず一律で、所有している車によって金額が変わります。車検を通すために整備が必要な場合はさらに費用がかかることもあるので、余裕を持って用意するとよいでしょう。
Q. 車検費用は何年目から高くなりますか?
A. 新車登録から13年目と18年目に自動車重量税が高くなるため、車検費用が上がります。しかし、部品の耐久年数も車検費用が上がる要因のひとつです。走行距離10万kmが部品交換の目安とされていますので、重量税が上がる前に負担が大きくなる可能性があります。
Q. 車検はどこで受けるべきですか?
A. 車検を受ける場所はディーラーや車検専門店、ガソリンスタンドや整備工場、中古車販売店などがあります。店舗ごとにサービス内容や車検基本料が異なるので、依頼前に見積もりをとるとよいでしょう。
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