車のバッテリーの寿命はどれくらい?寿命のサインや寿命を延ばす方法
バッテリーの寿命は、バッテリーの種類や車の使用状況などによっても大きく変わります。そのため、バッテリーの寿命を延ばすには、正しいバッテリーの知識と取り扱い方を知ることが重要です。
バッテリーに関する知識を身につければ、寿命を長引かせることはもちろんのこと、突然のバッテリートラブルも未然に防げます。そこで本記事では、バッテリーの寿命を延ばすための使い方について解説します。
※目次※
・バッテリーの寿命は平均2年~3年でアイドリングストップ搭載車は少し短くなる
・バッテリーの寿命は「電圧」「電流値」「バッテリー液の比重」の3つから判断可能
・バッテリーの寿命を延ばすには6つの方法がある
車のバッテリーはどれくらいの期間で寿命を迎える?
バッテリーの寿命は、バッテリーの種類や使い方によっても大きく変わってきますが、普通自動車のバッテリーの寿命は平均で2年~3年です。ハイブリッド車は平均して3年くらいで充電できなくなります。
また、近年増えているアイドリングストップ搭載車はバッテリーに負担をかけるため、1年半~2年の寿命です。
車のバッテリーにおける寿命は平均2年~3年
バッテリーの寿命は使用状況によっても違うため、メーカーの保証期間とバッテリーの寿命が同じとは限りません。また、ハイブリッド車のバッテリーは、平均して3年くらいと寿命は長めです。
ハイブリッド車は、駆動用のメインバッテリーの他にも補機バッテリーが搭載されており、主にハイブリッドシステムの起動や車内の電力供給をしています。
アイドリングストップ搭載車は平均1年半~2年
アイドリングストップ機能は新型車に搭載されていることも多く、停止時の燃料消費を抑制し燃費向上や環境への配慮にもつながっています。
しかし、アイドリングストップ機能は、バッテリーに負荷をかけるため、バッテリーの寿命は平均して1年半~2年です。
取り外して保管できる期間は約1年
バッテリーは車から取り外して1年ほどであれば保管が可能です。しかし、バッテリーは保管された状態であっても、常に自己放電します。
そのため、取り外して保管しても、なるべく早めに使用することを心がけましょう。
車のバッテリーが寿命を迎えたときのサイン
バッテリーの寿命は、エンジンをかけるときにセルモーターが弱々しい音を出していたり、灯火類が暗かったり、バッテリー液の変色・電圧変化、パワーウインドウの開閉が遅いといった現象などでも判断できます。
ここでは、バッテリーが寿命を迎えたときに出るいくつかのサインについて解説します。
エンジン始動やエンジン音の異常
エンジンは、バッテリーからの電力により、セルモーターを回転させて始動します。エンジンをかけたときにセルモーターが弱々しかったり、エンジンの始動に時間がかかったりした場合は注意が必要です。
セルモーターが弱々しい音を出しているのであれば、バッテリーが劣化しているかもしれないため、エンジンをかける際は始動音にも注意しましょう。
灯火類の明るさの低下
バッテリーが劣化している場合、ヘッドライトや室内灯などに供給する電力が足りず、灯火類が暗くなることがあります。ポイントとしては、停車中の灯火類の明るさを確認することです。走行時はバッテリーが充電され、灯火類に明るさが戻るため判断が難しくなります。
バッテリー液の変色・電圧低下
バッテリーの中に入っているバッテリー液は、新品時は無色透明なのですが、使用していくと濁ってきます。バッテリー液は硫酸なので、確認する際はできるかぎり業者に任せましょう。メンテナンスフリーの場合は、密閉されているため確認できません。
また、バッテリーの電圧低下も重要なサインです。バッテリーの電圧の適正値は12.5V~13Vほどで、エンジンを止めた状態で測定して適正値から大きく外れている場合は、バッテリーの交換を検討しましょう。
アイドリングストップ機能の異常
近年発売されている車には、アイドリングストップ機能が搭載されているのが一般的です。アイドリングストップ機能がオンになっているのに、信号待ちや渋滞時などで作動しない場合は、バッテリーが劣化している可能性があります。
パワーウインドウの速度の異常
多くの電装部品を同時に使っていると、パワーウインドウの力が一時的に弱まることがありますが、なんとなくパワーウインドウの開閉速度が遅くなったと感じたら、バッテリーに異常をきたしている可能性があります。
バッテリー本体外観の異常
バッテリー本体外観から異常を確認できます。分かりやすいのは、バッテリーの液量で、液量が上限の「UPPER LEVEL」と下限の「LOWER LEVEL」の間にあれば、規定量です。
バッテリーの液量が規定量から極めて少なくなっていたり、本体が膨らんでいたりするなどの異常がある場合は、バッテリーが寿命を向かえたサインです。端子の周囲が粉っぽくなっていることもあるので、あわせて確認しましょう。
車のバッテリー状態や寿命をチェックする方法
バッテリーの寿命を向かえるサインが出た場合に、「電圧」「電流値」「液の比重」の3つを確認するのがおすすめです。
具体的にバッテリーの寿命を診断・確認できれば、バッテリーを交換する決断でもできるでしょう。ここでは、バッテリーの寿命を判断する方法について解説します。
バッテリーの電圧をチェックする
バッテリーの電圧における正常値は、エンジンを停止している状態で12.6Vです。このときに、電圧が12.5Vを下回っていた場合は、バッテリーの能力が弱まっているサインです。
反対に、バッテリーの電圧が12.6Vよりも高い電圧を示しているケースがありますが、これは走行直後に見られる現象であり、電装系などのスイッチを切ってしばらく待つことで、正確な値に戻ってきます。極端に高い数値を出している際は、再度計測しましょう。
バッテリーの電流値をチェックする
バッテリーの電流値でよく使われる指標が、CCA(コールドクランキングアンペア)で、バッテリーにエンジンを始動させる力がどれだけあるかを示す指標のことです。
バッテリー性能の低下に比例して、CCAの実測値も低下します。テスターを使って測定すれば、バッテリーの劣化が何%なのか計算も可能です。定期的に計測することによりバッテリーの交換時期を見極める判断ができるでしょう。
バッテリー液の比重をチェックする
バッテリーの中にはバッテリー液が入っているので、バッテリー液の比重を調べれば、寿命を判断することが可能です。
バッテリー液の比重を測るのは、比重計と呼ばれる工具を使用します。バッテリーが十分に充電されている状態での正常な比重値は1.280です。しっかり充電しているのにもかかわらず、比重が正常でないのであれば、バッテリーが劣化していると思われます。
バッテリーの寿命を延ばす車の乗り方
バッテリーの寿命を延ばす車の走り方にはいくつかのポイントがあります。バッテリーを長持ちさせることで維持費も節約できるでしょう。
ここでは、バッテリーの寿命を延ばす走り方について解説します。知ればすぐに実践できる内容ですので、ぜひ参考にしてください。
バッテリー上がりを防ぐ
車のバッテリーを長持ちさせるためには、まず、バッテリー上がりを起こさないことです。バッテリー上がりの原因としては、半ドアやライトの消し忘れ、長期間不使用、エアコンやオーディオの過剰使用などがあります。
車から降りる前にライトを消したか確認する、不要なエアコンは使用しないなど、バッテリー上がりを起こさないよう注意しましょう。
バッテリー液の状態を定期的に確認する
定期的にバッテリー液の状態を確認することも大切です。車のシステムにトラブルがある場合は、過充電状態となってバッテリー液が急速に減少しバッテリーの消耗を招くケースがあります。
バッテリーケース上部の穴をのぞくと、液の残量や状態を確認できます。自分で作業が不安であれば、ガソリンスタンドや量販店、自動車販売店で見てもらうといいでしょう。
週に1回30分以上走行する
短距離での走行が多かったり、使用頻度が極端に少なかったりする場合は、バッテリーが充電不足となります。充電不足が続くと、バッテリーの消耗を早めることになるため、定期的に車を走らせることが大事です。
バッテリーを充電するためにも、週に1度は30分以上の走行をし、できれば天気の良い日中の長距離走行だとバッテリーの寿命を延ばせるでしょう。
夜間走行を避ける
なるべくなら夜間走行は避けたほうが良いでしょう。なぜなら、夜間走行ではライトなど電装系を多く使用するため、バッテリーの消耗が早まるためです。
夜間走行をするのであれば、高効率の電装系パーツへ交換し、電力の消費量を抑えるのがおすすめです。例えばライトを、ハロゲンやHIDではなく、消費電力の少ないLEDに変えるだけでも一定の効果は期待できます。
停車中は電装品の使用をなるべく控える
停車中は電装品の使用をなるべく控えましょう。停車中でエンジンが始動していない状態では、バッテリーへは充電されず、蓄電された電気が供給されます。その状態で電装品を使い続ければバッテリーが上がるリスクは大きくなるでしょう。
そのため、停車中に電装品を使う場合は、なるべく消費電力を抑えるよう心がけましょう。可能であれば、そもそも電装品を使わないのが理想です。
寒さへの対策を行う
車のバッテリーは、外気温の影響を受けやすく20℃台がバッテリーのパフォーマンスが安定し、低くなるにつれて性能が低下します。特に東北などの雪国に居住している方は、注意が必要です。
寒い時期の性能低下に備えるためには、なるべくガレージのような、屋根が付いている駐車場を用意するのが理想です。またバッテリーを寒冷地仕様のものに変えるだけでも、劣化や寿命を延ばせます。
車のバッテリーに関わるQ&A
Q.車のバッテリーの交換頻度はどのくらい?
A.一般的に、車のバッテリーは2年~3年に1回の交換が適切といわれています。ただし、運転の頻度が高く消耗が激しい場合は、3年未満での交換が必要になることもあるでしょうし、バッテリーの寿命を延ばす使い方をすれば、5年以上交換していない場合もあります。
Q.車の使い方によってバッテリーの消耗具合も変わる?
A.運転の頻度や走行距離など、使い方が変わると消耗具合も変わります。例えば年間走行距離が1万kmと5万kmを比較した場合では、5万kmのほうが交換頻度は高くなります。走行距離以外にも、さまざまな要因がバッテリーの消耗に影響します。
Q.バッテリーによって値段が違うのはなぜ?
A.バッテリーは大きく分けると国産と外国産があります。さらに細分化すると複数の種類があり、一般的には高額なほど品質も高いといわれています。安価な外国産バッテリーを選択するのもいいですが、故障リスクを避けるためには国産のバッテリーが安心でしょう。
Q.バッテリーを長持ちさせるためには?
A.バッテリー電力の消耗を抑えると長持ちします。エアコンを長時間稼働したり、ライトを点灯し続けたりといった行為は控えましょう。上記で説明した方法を実践してみてください。
まとめ
近年はバッテリー性能の向上により、直前まで問題のなかったバッテリーが突然ダメになるケースも少なくありません。そのため、バッテリーの寿命を判断することが難しくなっています。
中古車の購入では、搭載しているバッテリーの状態は気になるところです。購入したけれど、すぐにバッテリーの寿命が来てしまうことも考えられます。
ネクステージには、有償になるものの「サービスサポート」が用意されています。2年または3年保証の期間中であれば、バッテリーやブレーキパッドなどの消耗品の交換も対応しているので安心でしょう。
これから中古車購入を考えている方は、中古車販売店が独自に用意している保証サービスを利用するといいかもしれません。
▼ライタープロフィール
鈴木博之
エディター/ライター
出版社でさまざまなジャンルの雑誌編集を経験したのちフリーランスとして活動。現在は自動車だけでなく、EVバイク、電動アシスト自転車など、面白い乗り物を見つけては取材しているフリーランス編集ライター。
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