走行距離が10万kmの中古車を買うのはあり?車を長持ちさせるためのメンテナンス方法とは?
中古車を購入する際には、走行距離を重点的にチェックしながら選ぶユーザーが多く見られます。特に10万kmはひとつの節目といえるため、「10万km以上の中古車を買っても良いのか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、走行距離が長い中古車の特徴や、車としての実用性について詳しく解説します。チェックポイントを押さえておくと、さまざまな視点から適切な車を選べるようになるでしょう。10万kmの車を長く乗るコツも併せてご紹介します。
※目次※
2.走行距離10万km超えの中古車を購入する際にチェックすべき7点のポイント
3.車検費用増加の原因!10万kmオーバーで交換が必要になる部品とは?
・10万km走った車でも買う価値のあるものも!購入検討の際はエンジンをかけてみてチェックしよう
・走行距離10万kmの車を買うならメンテナンス費用の考慮は必須。輸入車と国産車のメンテナンス費用の違いも確認しておこう
・日頃のメンテナンスや整備で長寿命を目指せる!長く付き合える10万kmオーバーの車を探すにはネクステージがおすすめ!
走行距離10万kmの中古車を買うのはありなのか
前のオーナーが運転した距離は、中古車を選ぶ上で重要な要素です。しかし、「10万km以上は避けたほうが良い」と厳密に決まっているわけではありません。中には状態が良好な中古車も多数あるため、どのように選ぶかで結果が左右される点を理解しておきましょう。10km以上走行した中古車の特徴や、輸入車と日本車で見られる相違点を解説します。
走行距離10万kmの中古車でもお得に買えるものはある
車の走り心地を左右する要素は、走行距離以外にも使用年数やメンテナンス内容などさまざまです。特に注目しやすい要素は、新車登録から現在までの期間でしょう。車の年式が古いほど、再販売時点での走行距離も長くなる傾向にあります。見た目の清潔感を重視するのであれば、新車登録からの経過年数が短い中古車の選択がおすすめです。
しかし10万km以上走った中古車でも、新車登録から10年以上経過している場合は適正な走行距離と考えられるでしょう。一般的に、中古車市場では「走行距離は1年間に1万km」が目安とされているからです。年式と比べて走行距離が短い車は、良い車両状態が期待できる点で魅力的といえるでしょう。
前のオーナーが丁寧に扱っていた車は、走行距離が長くても故障リスクを軽減しやすくなります。安全な走行のために行われた消耗部品の交換や清掃などによって、長期間適切な状態が保たれていたと判断できるからです。走行距離のみにこだわらず、他の要素にも目を向けて選定しましょう。
問題のある中古車は購入を避けたほうが良い
一見問題がないように見える中古車も、高い故障リスクが潜んでいるかもしれません。以下の問題がある場合は、走行距離にかかわらず購入を見送ったほうがよいでしょう。
・メンテナンスが十分にされていない
・エンジンをかけたときに異音がする
・車内に異臭が充満している
・骨格が損傷している(修復歴がある)
・正常に走行できない
・サビや汚れが極端に目立つ
中古車販売店に足を運ぶと、実際に自分の目で上記の項目を確認できます。可能であれば、試乗をして運転してみるのがおすすめです。「運転しづらい」と感じたり、思うように走行できなかったりする場合は別の中古車を選びましょう。極端に目立つ傷や車内の臭いも、購入前に確認しておきたいポイントです。
輸入車だと日本車よりもメンテナンス費用が高額になる
購入後にかかるメンテナンス費用も、中古車を選ぶ上での大切な要素といえます。日本車と比べると、輸入車はメンテナンス費用が高額になりやすい点を理解しておきましょう。輸入車は交換用パーツも輸入する必要があり、パーツ代に加えて輸送費も発生するからです。
「中古車に純正パーツを追加したい」「長期間所有したい」と考える方は、メンテナンス費用も考慮しておきましょう。中古車やパーツの流通数など、国内での動向も確認できると安心です。車両自体は安価で買える輸入車もありますが、維持費の負担を増さないよう注意しましょう。マイカーの維持費も安く抑えたい方には日本車がおすすめです。
走行距離10万km超えの中古車を購入する際にチェックすべき5つのポイント
「走行距離10km以上でも良い中古車を安く買いたい」と考えている方は、年式や各パーツの状態など、要点を把握すると適切な中古車を選びやすくなります。消耗部品のコンディションは、購入後の維持費にも影響する要素です。中古車の購入に際して、走行距離以外にチェックしたいポイントを7点ご紹介します。
中古車の年式を確認する
走行距離と同等の優先順位に挙げておきたいのが、中古車の年式です。中古車市場における走行距離の目安は、1年間で1万km程度とされています。この数字を基準に「どのくらい走ったか」「年式はどのくらいか」など、走行距離と年式のバランスを見極めるとよいでしょう。
また、走行距離10万kmで15年落ちの中古車の場合、劣化具合だけでなく機能面にも不満を抱くかもしれません。近年の優れた機能性を求める方なら、年式が古すぎるために搭載機能が乏しく機能性が現在の性能とはほど遠い中古車は不適切でしょう。中古車の購入時には、価格と車両状態に加えて希望条件にふさわしいかを確認して決めることが大切です。
車の管理状態を確認する
エンジンオイルの劣化は、エンジンの駆動力や燃費効率に悪影響を及ぼすこともあります。オイルフィルター(エレメント)も併せて、徹底した管理が行われているかチェックしましょう。
メンテナンスが不十分なまま乗り続けると、内部が汚れたり摩耗したりと安全性が脅かされる原因になり得ます。状態確認の基準が分からない方は、信頼できる担当者に尋ねるのがおすすめです。また、他の中古車と比較すると車両状態の違いを認識しやすくなるでしょう。
タイミングベルトの交換時期を確認する
エンジン周辺の中でも、特にエンジンの駆動において重要な役割を担う部品が「タイミングベルト」です。基本的に、タイミングベルトの交換時期は走行距離が10万km程度、期間としては10年前後が適切なタイミングとされています。中古車のコンディションを確認する際には、タイミングベルトの交換状況もチェックしておきましょう。
ただし、メーカーやモデルによって交換時期が異なる点には注意が必要です。10万kmはひとつの目安であるため、「いつ交換したか」「いつ交換すれば良いのか」を明確にすることが重要といえます。
エアコンのにおいがないかどうかを確認する
暖房や冷房を使う機会が多い日本では、エアコンのコンディションも重要なチェックポイントです。エアコン内部のフィルターにはカビが発生しやすく、劣化が進むと嫌な臭いが強くなります。エアコンを稼働させ、不快な臭いがないか確認しましょう。
エアコン以外の要素が満足できるのであれば、エアコン洗浄を依頼すると無難です。費用は上乗せされますが、整備が可能な店舗であれば納車前に対応してもらえるでしょう。快適な環境で運転できるよう、空調設備の確認が大切です。
ゴムの劣化を確認する
自動車には、ゴム製のパーツが数多く使われています。素材の性質上、ゴム製のパーツは金属製の部品よりも劣化が進みやすいため、中古車選びの際には入念に確認しておくと安心です。ただし、ゴム製部品の劣化は走行距離や年式だけで判断しないようにしましょう。ゴム製部品は紫外線や雨風、エンジンや車両本体の熱からも劣化が進みやすいからです。
屋外駐車場で雨風にさらされていた中古車では、年式や走行距離以上にゴムの劣化が進んでいるでしょう。屋内駐車場で保管されていた中古車なら、年式や走行距離の割に劣化が抑えられていることもあります。ゴム製部品の状態は車両の寿命に関わる要素ですから、購入前にはゴム製部品の劣化度合いもチェックしておきましょう。
オルタネーターを確認する
オルタネーターとは、車で使用する電気を生み出してバッテリーに充電するパーツです。年式が古い車の場合には、オルタネーターと同じ役割を担っている部品としてダイナモが搭載されています。エンジンの始動や電子パネルの表示など、オルタネーターやダイナモは車の走行に大きく関わる部品です。
オルタネーターが故障すると車が動かなくなるリスクがあるため、定期的な点検と事前の交換を心掛ける必要があります。中古車の場合には購入前の段階で既にオルタネーターが劣化している恐れがありますから、新しく交換されているか忘れずに確認しましょう。
定期点検記録簿(メンテナンスノート)の有無を確認する
これまで実施した修理や車検の内容は、「定期点検記録簿(メンテナンスノート)」に細かく記録されています。手を加えたパーツや、どのように修理したかを長期間記録するためのノートです。多くの場合、定期点検記録簿は車検証と一緒に保管されています。しかし、中古車によっては定期点検記録簿が付属していないケースもあります。
車両状態が良好、または走行距離が短ければ、定期点検記録簿が付属していなくても問題ないかもしれません。しかし、過去の整備・修理歴を調べる重要な手掛かりですから、きちんと付属する中古車のほうが安心して購入できます。販売店に有無を確認し、付属する場合は内容をひとつずつチェックしておくとよいでしょう。
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車検費用増加の原因!10万kmオーバーで交換が必要になる部品とは?
走行距離が長くなるほど、さまざまな部品が消耗・劣化して交換が必要になります。絶対ではありませんが、エンジン周辺・足回り・ゴム製部品・オルタネーターなどは、車検時に交換が必要になることが多いでしょう。
「エンジン周辺」などと大まかに分けましたが、その中にはさまざまな部品が存在します。10万kmオーバーの車は、車検でどのような部品の交換が発生するのかを確認しましょう。
エンジン周辺
10万kmオーバーになると、エンジン周辺ではタイミングベルト・点火プラグ・サーモスタットなどの交換が必要になるケースが多くあります。タイミングベルトが切れてしまうとバルブとピストンがぶつかり、エンジントラブルにつながる恐れがあるため危険です。
タイミングベルトを交換する際にはエンジンのカバーを外しますが、その際にウォーターポンプなど別の部品も交換しておくと安全性が高まるでしょう。点火プラグ・サーモスタット・ラジエーターのキャップ・ホース・パッキンやフィルター類なども同時に交換するようすすめられることがあります。
費用の目安は、タイミングベルトの交換が5万円~、点火プラグが5,000円~、サーモスタットが6,000円~です。その他の部品の交換も含めると、エンジン周辺だけで10万円を超えることもあります。なお、タイミングベルトではなく金属製のタイミングチェーンを使用した車の場合は、交換不要となるケースがほとんどです。
足回り
足回りでは、ショックアブソーバー・ブレーキ・ワイパーなどを交換する可能性が高いでしょう。中でも、ブレーキに関する部品の故障は事故に直結して危険ですから、安全な走行のために早めの交換が求められます。
費用の目安は、ブレーキホースの交換が2万円~、ブレーキキャリパーの交換が2万円~です。ブレーキホースは走行距離がそれほど長くなくても、ヒビや膨らみがあれば交換しましょう。ショックアブソーバーが油漏れしている場合は車検に通らないため、基本的に交換するしかありません。また、劣化したままの状態では、安全面や乗り心地に悪影響が生じます。
ワイパーが劣化して十分に機能していない場合は、視界が悪くなるため危険です。ワイパーブレード2本の交換は2,000円~、ラバーは700円~とそれほど高くはありません。長く使用している場合は劣化していることが多いため、交換をおすすめします。
ゴム製部品
ドアのウェザーストリップ・ブッシュ・ベルト類などのゴム製品も、10万kmオーバーの場合は交換の必要性が高くなっているでしょう。 ゴムは年数がたつと硬くなり、ヒビ割れを起こしやすくなります。ヒビ割れを起こしていると車の故障につながるため、放置しないように気をつけましょう。
基本的に、ゴム製部品は車を保護する役割を担っています。不具合をそのままにしておくと、さらに大きな故障につながるかもしれません。走行距離10万kmまたは10年が経過したタイミングで、ゴム製部品をチェックしましょう。
オルタネーター
バッテリーを充電するオルタネーター(ダイナモ)なども、10万kmオーバーのタイミングで交換が必要です。10万km走ったあたりになると、発電能力が低下します。オルタネーターに問題が起こるとバッテリーが上がり、車が動かなくなってしまう恐れがあるので事前の修理や交換が大切です。
本体ごと交換したほうが安心ですが、内部のブラシやリングだけを交換して済むこともあります。ただし、自分では判断せず、なるべくプロに見てもらいましょう。費用の目安は、本体そのものの交換で5万円~10万円、さらに工賃が1万円~2万円ほどかかります。ベアリングの部品交換で済む場合は、部品費用が5,000円~1万円、工賃が5,000円ほどです。
10万kmオーバーの車を長く乗るためのコツ
車の走行距離が長くなるほど、部品が劣化してさまざまな故障や不具合が生じるリスクが高まります。しかし、日頃からきちんとメンテナンスや整備を行えば、10万kmを超えてもまだまだ走行可能です。10kmオーバーの車を長く乗るためのコツとして、整備・メンテナンスの方法やパーツ交換の目安について解説します。
エンジン回りを重点的に整備する
走行距離が伸びるほどエンジン回りに負担が蓄積されていきますから、エンジン回りは重点的に整備しましょう。特に、エンジンオイルとタイミングベルトの整備には注意が必要です。
タイミングベルトはエンジンの状態に直結する重要なパーツです。切れてしまう前に走行距離に応じて交換しましょう。タイミングベルトの交換目安は、9万km~10万kmです。なお、金属製で耐久性に優れたタイミングチェーンを採用するエンジンでは、交換の必要性がほとんどないと考えられています。
エンジンオイルはエンジンの正常な駆動に欠かせません。汚れてドロドロになる前に交換しましょう。交換の目安は、一般的な走行で5,000km~1万kmです。オイル交換時には、オイル漏れがないかなど細部もチェックしましょう。また、オイル交換2回に1回の頻度でオイルフィルターを取り換えれば、きれいなエンジンオイルを保ちやすくなります。
足回りの確認を怠らない
タイヤをはじめとした足回りは、走行性能だけでなく運転の安全性も左右するパーツです。走行距離が伸びて性能の低下が懸念される車の場合には、なおさらリスク回避のために入念なメンテナンスを行いましょう。
タイヤは残り溝の深さを確認しつつ、スリップサインが出たら交換します。5,000kmごとにタイヤローテーションを行えば、タイヤの寿命が延びる可能性が高まるでしょう。タイロットエンドは性能の向上からガタつきにくくなったものの、10万km~15万kmで交換すると安心できます。
ブレーキキャリパーはオーバーホールして再使用することが多いため、理想的な整備・メンテナンスの頻度は車検2回ごとに1回です。10kmを交換目安としても問題ありませんが、プロの整備士に依頼するようにしましょう。
内装のメンテナンス
内装のメンテナンスは、定期的な清掃できれいな状態を保つことです。車内の清掃時には、まず車内に何もない状態にしましょう。インテリアグッズやクッションはもちろん、フロアマットも外します。
車内にある全ての物を降ろしたら、細かいごみや埃を取り除きましょう。掃除機を使うと簡単に埃や汚れが取れますが、シートを傷つけないよう力加減には注意が必要です。フロアマットは、ブラシをかけてある程度のごみを取っておきます。その後、中性洗剤を使って水洗いを行い、乾燥させましょう。
ダッシュボードやメーター周辺は、こまめに拭くようにすると目立った汚れに悩まされません。安全な走行のためにも、フロントガラス内側の手入れは入念に行います。水拭きの後、乾いたウエスでから拭きしましょう。糸くずを残したくない方には、不織布の使用がおすすめです。油汚れなど頑固な汚れがあるなら、専用クリーナーを使いましょう。
サスペンションやブレーキパーツを適切なタイミングで交換する
サスペンションでは、ショックアブソーバー・ブッシュ・スプリングなどが点検しておきたいポイントです。ブレーキパーツでは、ブレーキホースとブレーキパッドをチェックしましょう。
金属錬成技術が向上した近年では、10万km~20万kmではスプリングに問題が生じないとされています。しかし、最大許容ストロークや最大許容荷重を超える使い方では、不具合が生じる恐れが高まるでしょう。
ショックアブソーバーとブッシュは、どちらも乗り心地や走行の安定性に関わる部品です。ショックアブソーバー、ブッシュともに10万kmを目安に交換しましょう。劣化確認時も交換が必要です。どちらも新品に交換すると、乗り心地や快適性が上がる傾向にあります。ブレーキホースは、劣化確認時あるいは10万kmを目安に交換しましょう。
まとめ
走行距離が10万kmを超えた中古車でも、車として十分に有効活用できます。ただし、10万kmを超えた中古車の場合には、走行距離以外にも重要なチェックポイントが多数あるので注意が必要です。良質な中古車購入や安全な走行につなげるためにも、確認が必要なパーツや購入後のメンテナンスについての理解を深めておきましょう。
中古車の購入で「高い」と感じた場合は、他の業者に相談するのもひとつの方法です。車の買い替えを検討している方は、ネクステージにご相談ください。ネクステージでは長距離を走行した中古車も、安全なコンディションに整えた上で販売しています。愛車の売却を希望する場合は、Webサイトから無料査定の依頼も可能です。車も、安全なコンディションに整えた上で販売しています。愛車の売却を希望する場合は、Webサイトから無料査定の依頼も可能です。