車のオイル交換はいつやる?交換頻度の目安やベストな時期の判断方法
車を所有している方であればメンテナンスのひとつとして、エンジンオイルの交換を行う必要があります。しかし、オイル交換の必要性について知っていても、どのタイミングでどの種類のオイルへ交換すれば良いのかが分からないこともあるのではないでしょうか。
オイル交換の時期はセルフチェックで確認でき、交換するオイルの種類も複数の商品から選べます。この記事では、車のエンジンオイルの交換時期の目安や判断方法、オイル選びのポイントをご紹介します。
※目次※
・エンジンオイルのオイル交換は車の種類によって異なり、車両の取扱説明書などに交換時期の目安が記載されている
・オイル交換のタイミングはオイルの量・色・粘り気などで確認できる
・適切なエンジンオイルを使用して、定期的なオイル交換を行おう
エンジンオイルの交換頻度の目安とは?
エンジンオイルのオイル交換は、車のコンディションを保つために必要なメンテナンスのひとつです。エンジンオイルはエンジンの潤滑を目的として使われていますが、その過程ですすや金属摩耗粉などが混じるため、徐々に潤滑性能が下がってしまいます。
そのため、定期的なオイル交換は車を利用する上で欠かすことができず、交換頻度は車の利用頻度やオイルの状態が判断材料です。
取扱説明書記載のオイル交換時期・走行距離
オイル交換時期の目安はメーカーごとに異なり、車種によって差があります。正確な情報は車の取扱説明書に記載されているので、特定の車両について調べるときは付属の書類を調べたり、メーカーに問い合わせると確認できます。
一例として、車のタイプによるオイル交換時期の目安の違いを見てみましょう。
ガソリン車:ノンターボ |
1年、もしくは走行距離1万5,000kmごと |
ガソリン車:ターボ |
半年、もしくは走行距離5,000kmごと |
ディーゼル車 |
半年~1年、もしくは走行距離5,000km~2万kmごと |
このように、使用している車のタイプによって推奨されているオイル交換時期の目安は異なります。
シビアコンディションは小まめに交換を
車の乗り方には個人差があり、例えば週末のショッピングを目的とした街乗りメインの方もいれば、長距離ドライブでの利用を目的とする方もいるでしょう。オイル交換の時期は車の乗り方によっても変化し、シビアコンディションであれば通常よりも交換サイクルは短くなります。
シビアコンディションは山岳路の走行が多い場合や悪路走行が多い場合、通常よりも走行距離が多い場合などを指します。これらの走行はエンジンへの負荷が高い走行状況であり、エンジンオイルの劣化が早くなるため、早い時期の交換が必要となります。
エンジンオイルの交換時期を判断する方法
エンジンオイルの状態を確認するときは、エンジンルーム内に備えているオイルレベルゲージを使って、エンジンオイルの状態をチェックします。次のような手順でオイルの状態が調べられますが、やけどやケガに気を付けて行いましょう。使用するウエスは糸くずが付かない白色の不織布がおすすめです。
1. エンジンが十分に冷えていることを確認する
2. オイルレベルゲージを優しく抜く
3. きれいなウエス()でレベルゲージをきれいに拭く
4. ウエスに付着したオイルの汚れ具合を確認する
5. オイルレベルゲージを元通りに優しく戻す
6. 再度オイルレベルゲージを優しく抜き、きれいなウエスの上に先端を置く
7. オイルレベルゲージにある2つの印の間に油面が付着していることを確認する
8. オイルの色を確認する
6. オイルレベルゲージを元に戻して完了
このように、ウエスに付着したオイルの様子とオイルレベルゲージに付着したオイルの位置から、エンジンオイルの汚れ具合や残量の確認を行います。
エンジンオイルの量を確認しよう
減ってしまったエンジンオイルは、なるべく継ぎ足し補充ではなく、全量を交換しましょう。補充するしかないときは仕方ないですが、できる限り古いオイルを残さずにオイル交換することがトラブルを避けるためのポイントです。
シビアコンディションでの走行が少ないにもかかわらず、メーカー指定のオイル交換頻度以下でオイルが減っていたら、どこかに不具合が発生している可能性があります。同じ症状を繰り返すようであればオイル漏れなどのトラブルを疑い、ディーラーや自動車整備工場で点検を受けましょう。
エンジンオイルの色や粘り気を確認しよう
新品のエンジンオイルは、透明感のある黄色から赤茶色をしています。オイル交換直後はきれいですが、総走行距離が多い車であれば、交換直後のたった100kmの走行でうっすらと汚れて褐色になってしまうことがありますが、このような若干の変色は問題ありません。
交換時期を迎えたエンジンオイルは透明感が無くなります。エンジンオイルが黒色や焦げ茶色で濁っていれば、交換時期が到来したと考えましょう。
また、エンジンオイルの色だけでなく、粘り気もオイルチェックの重要なポイントです。コンディションの良いエンジンオイルは粘り気があるため、粘り気が弱くなっている状態であれば交換時期を迎えています。オイルが変色していなくても粘り気が弱いときは、速やかにオイル交換を行いましょう。
エンジンオイルはオイル交換が早すぎると無駄になる?
エンジンオイルは車の心臓とも言えるエンジンのコンディションを左右するものなので、なるべく小まめにオイル交換をして良好な状態を保ちたいところです。
オイル交換時期の確認はセルフチェックができますが、大切な車だからと手をかけて過度なオイル交換をすると、かえってエンジンへ負担をかけてしまうのではないかと気になる方もいるかもしれません。
メーカー指定の頻度より早くオイル交換することに問題はない
エンジンオイルの交換は、頻度が多すぎることがエンジンにとってデメリットになることはありません。ただし、オイル交換の際はネジを回すことから、ネジ山が減ったりオイルパンが使えなくなってしまったりといった劣化は考えられます。
また過度なオイル交換は、まだ使えるオイルを破棄するということになるため、オイルや環境のことを考えるとあまり好ましいことではないでしょう。このような観点から、オイル交換は車に負担がかからないよう適切な交換時期で行うことが理想です。
昔に比べてオイルの性能は向上している
一昔前の車のオイル交換は3,000kmが目安とよく言われていましたが、この頃のエンジンオイルは、今ほどの性能や耐久性がなかったことが理由のひとつです。しかし車の開発が進み進化を重ねているのと同様に、エンジンオイルも進化しています。
エンジンオイルには、グレードと呼ばれる品質規格があり、1980年代に主流だったAPI規格のグレード「SF」は、今では7段階上のグレード「SP」規格にまで昇格しています。このようにエンジンオイルの品質も向上していることから、必要以上の頻度でオイル交換を行うメリットは昔と比べても少ないでしょう。
エンジンオイルの種類・グレードの選び方
エンジンオイルには無数の商品があります。カー用品店に行くと、エンジンオイルのコーナーはさまざまなオイル缶で埋め尽くされていますよね。
エンジンオイルの選び方で最も大切なのは「粘度(オイルの固さ)」で、車の取扱説明書でも指定されています。そして、ベースオイルの素材が何か、グレードは何かが選択肢となります。
エンジンオイルへ特に強いこだわりがなければ、純正オイルや価格と性能のバランスが良い「車両に合う粘度の部分合成油」を選ぶと良いでしょう。
エンジンオイルの粘度
エンジンオイルの粘度は「0W-20」といった、数字1桁+Wと数字2桁で表されています。Wは、Winter(冬)の意味で、最初の1桁数字は低温時の粘度を示します。末尾の数字2桁は、高温時の粘度を示します。
低温時の粘度は、0W・5W・10W・15W・20Wと表示され、数字が小さいほど寒さに強いオイルです。高温時の粘度は、20・30・40・50・60と表示され、数字が大きいほど暑さに強いオイルとなっています。
数字が小さい低粘度オイルはサラサラ、数字が大きな高粘度オイルはネバネバな性質となり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
|
メリット |
デメリット |
低粘度オイル |
低温時のエンジンのかかりが良い・低燃費 |
エンジンの保護性能が高粘度オイルに比べて劣る |
高粘度オイル |
特に高温時のエンジン保護性能が高い・静粛性が高い |
低粘度オイルより燃費が悪い |
ベースオイルの種類
エンジンオイルは、ベースとなるオイルとエンジンを保護・洗浄する添加剤で構成されています。このベースオイルには次の3種類があります。
鉱物油 |
昔からあるベーシックなエンジンオイルで、原油から不純物を除去して精製されます。工程がシンプルであるため価格が安いのがメリットですが、難点は劣化・酸化が早い点です。「クラシックカーは鉱物油と相性が良い」と言われることもあります。 |
化学合成油 |
エンジンオイルの中でも高い価格で流通しているのが化学合成油です。オイルを分子化してから化学的に合成した高性能なオイルであり、性能も耐久性も高いという特徴があります。環境性能が他のオイルに比べて高いのも魅力的な高級オイルです。 |
部分合成油 |
鉱物油をベースに、化学合成油を20%~30%ほど混合したのが部分合成油です。両方の良いとこ取りをしたエンジンオイルで、コストパフォーマンスに優れています。 |
エンジンオイルのグレード
エンジンオイルの規格は、米国石油協会など主要3機関が定めた「API規格」、日米の自動車工業会が定めた「ILSAC規格」、日本自動車技術会が定めた「JASO規格」などがあります。
API規格は、SAからSPまで13段階あり、Aからアルファベット順に高性能な新しい規格になっていきます。SA規格はクラシックカーが現役時代だった頃のものです。最も新しく高性能な規格は「SP」で、2020年に制定され、2010年制定の「SN」よりも省燃費性能や耐エンジンスラッジ、清浄性等が強化されています。
まとめ
オイル交換をしないまま走行を続けると、燃費の低下、エンジン音がうるさくなる、エンジン振動が増えるといった初期症状が出始めます。やがてオーバーヒートを引き起こしたり、エンジンが焼き付いてしまったりすることもあるでしょう。
定期的なエンジンオイルの交換は、大切な車のコンディションを保つために欠かせないメンテナンスです。適切な頻度でオイルの点検や交換を行いながら、カーライフを楽しみましょう。
▼ライタープロフィール
田中宏亮
モーターサイクルジャーナリスト
ハーレーダビッドソン専門ウェブマガジン VIRGIN-HARLEY.comの編集長を経験してジャーナリストとして独立、バイク関連ウェブメディアの運用や記事執筆を手がける。国内はもちろん、アメリカやヨーロッパでのメーカー主催のニューモデル試乗会にも参加。新車の試乗インプレッションのほか、カスタムやファッション、ツーリング等に関するコンテンツを手がける。
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