ジムニーシエラの乗り心地は?選ぶ魅力や注意しておきたいポイント
ジムニーシエラは、世界中にコアなファンがいる本格軽クロカン ジムニーをベースにした小型乗用クロカンです。アウトドア派の心をつかんでいるのは、乗り心地よりも悪路走破性や無骨なデザインといわれています。
現行モデルは、2018年7月に発売開始した4代目です。乗り心地に影響を与える特徴とはどのようなものでしょうか。主な魅力や注意点を解説します。ジムニーシエラの魅力を概観しましょう。
※目次※
3.ジムニーシエラの乗り心地で注意しておきたいポイントとは?
・ジムニーシエラは、ジムニーの軽自動車規格に大型のバンパー、フェンダー、エンジンなどを装着した小型乗用クロカンモデル
・ジムニーシエラの魅力は、高い悪路走破性や堅牢なボディ、運転する楽しさにある
・メカニカルノイズや車内の狭さから通常の快適な乗り心地とは異なることを覚えておこう
ジムニーシエラとはどんな車?
ジムニーシエラは、当初海外向けに開発されたジムニーの車名でした。日本では、1993年5月から発売を開始しています。デビュー当時、タフさを感じさせるフロントグリルガードや大型フォグランプが注目を浴びました。
どのような特徴があるのでしょうか。通常の乗用車とは異なる、ジムニーシエラの魅力に迫ってみましょう。
(参考:『ジムニーシエラ(スズキ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ジムニーシエラの特徴
世界でも珍しい本格的な軽自動車クロカンのジムニー人気の高まりを受け、海外市場向けに小型本格クロカンとして1977年に開発されたのが、ジムニーシエラの原点「ジムニー8」です。その後、紆余曲折を経て1993年5月に「ジムニーシエラ」として日本での販売が始まりました。
取り回ししやすいサイズのスクエアボディや、見切りの良さが考え抜かれた合理的で機能美溢れるデザインが特徴です。伝統のボディ構造を継承し、四輪駆動車としての動力性能がさらに進化しています。
ジムニーとの違い
ジムニーシエラのベース車両であるジムニーが誕生したのは、1970年です。悪路走破性や取り回しの良さから、土木・建設・林業などの現場をはじめ、さまざまな過酷な環境の下でも活躍してきました。
ジムニー、ジムニーシエラ両車とも、全グレードの駆動方式がパートタイム4WDでラダーフレームが採用されています。ジムニーシエラは、軽自動車規格を超えて全幅やトレッドの長さを広げられたため、オンロード走行時の乗り心地がジムニーよりも快適です。また、高速走行時の揺れも多くありません。
ジムニーシエラの基本スペック
小型乗用車のジムニーシエラの基本スペックをチェックして、軽自動車ジムニーとの違いを確認しておきましょう。基本スペックは、下記表を参照してください。
車体サイズ(全長×全幅×全高:mm) |
3,550×1,645×1,730 |
車両重量(kg) |
1,080~1,090 |
総排気量(L) |
1.460 |
最高出力(kW/rpm) |
75/6,000 |
最大トルク(N・m/rpm) |
130/4,000 |
(2023年10月時点の発売モデルの情報です)
ジムニーシエラの乗り心地は良い?魅力的なポイント
当初海外市場向けに開発されたジムニーシエラは、日本市場では苦戦すると考えられていました。しかし、2018年のフルモデルチェンジ後、着々と販売台数を伸ばしています。
ジムニーシエラの魅力は、どこにあるのでしょうか。ジムニーシエラに心引かれる人が挙げる代表的な3つのポイントを見てみましょう。
運転そのものを楽しめる
ジムニーシエラのオーナーからは「運転が楽しい」という意見が多く聞かれます。近年、静粛性に優れたハイブリッド車や電気自動車が開発されている中で、ジムニーシエラは真逆のカテゴリーです。
エンジンをかけた瞬間から、チェーン式トランスファーなどのメカニカルノイズがにぎやかに聞こえてきます。
機械を自分で操作することが好きな人にとって、自分の思い通りに車を操るダイレクト感が体感できるのは大きな魅力です。単なる移動手段を超え、運転操作そのものを楽しめます。
走破性が高い
ジムニーシエラは、ジムニー同様、伝統のラダーフレーム、FRレイアウト、副変速機付パートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションといったボディ構成が採用されています。
現行モデルには、新開発の1.5Lエンジンを搭載し、ブレーキLSDトラクションコントロールは全グレードに標準装備です。堅牢なボディと考え抜かれた車体構成から、圧倒的でパワフルな悪路走破性能を誇ります。オフロード走行を楽しみたい方におすすめです。
乗っているときの安心感がある
本格クロカン4WDの基本は、ラダーフレーム構造といわれています。ラダーフレーム構造とは、頑丈なはしご型(ラダー)のフレームにサスペンションを取り付けた上に車体を載せるという、独立したシャシーを持つ車体構造のことです。
昨今の車に多く採用されているモノコック構造とは異なり、高強度という特徴があります。ジムニーシエラにも採用されており、どのような路面状況であっても安心感のある乗り心地を体感できるでしょう。
ジムニーシエラの乗り心地で注意しておきたいポイントとは?
ジムニーシエラは、街乗りを想定して作られたクロスオーバーSUVとは異なり、本格的な悪路走行を念頭に置いて開発されたクロスカントリーモデルです。
そのため、通常の乗用車に求める快適な乗り心地とは異なることを覚えておきましょう。覚えておきたい主な注意点は3つあります。
騒音や振動が大きい
ジムニーシエラは、動力性能や堅牢なボディにこだわりと技術を投入しています。そのため、メカニカルノイズが大きく、静粛性とはほど遠いことが特徴です。
また、悪路走破性に優れているものの、路面状況による振動はダイレクトに感じます。これらの特徴を騒音や振動と捉えるか、あるいはクロカンならではの魅力と感じるかは人それぞれです。どのような乗り心地を期待しているか、自分の希望条件を明確にしておきましょう。
車内空間が狭い
ジムニーシエラは小型乗用車のため、車体サイズは軽自動車ジムニーより大きな設計です。しかし、室内サイズはジムニーとほぼ変わりません。エンジンの大きさが異なる上、樹脂製フェンダーやトレッド幅が広いことが乗用車に区分けされている理由です。
全長が短く、エンジン縦置きのFR駆動のため、室内空間や荷室スペースは広くありません。4名乗車時の場合は荷室スペースはさらに狭くなり、積載量が乏しくなります。ファミリーカーとしては期待しないようにしましょう。
道によっては操縦安定性が落ちる
ジムニーシエラは、未舗装道路・山道・坂道などが得意で、ある程度スピードを上げても安定感のある走りを楽しめます。
もちろん、オフロードだけではなく、舗装道路の走行も可能です。しかし、オフロード時とは若干乗り心地が異なるため注意しましょう。老朽化してうねりが大きい舗装道路の場合は、操縦安定性が落ちてしまいます。
オフロード走行を重視しているシエラには、柔らかいサスペンションや多少ダンピングが弱いショックアブソーバーを採用しているためです。このような特性を理解しておきましょう。
乗り心地にも関わるジムニーシエラの魅力を見てみよう
ジムニーシエラは、独特のこだわりが詰まった車のため、万人受けするような車ではありません。そのような特色から、ジムニーシエラを選ぶ人は自分なりのこだわりを持っている人が多いといわれています。
乗り心地も含め、ジムニーシエラに込められている思いや魅力ポイントを押さえておきましょう。
エクステリアのデザイン
無骨さが全面に押し出されたジムニーシエラのエクステリアは、個性的なライフスタイルやアウトドアを満喫できる個性的なデザインです。合理性を追求し、無駄を省いた機能美に溢れています。
例えば、現行モデルのエクステリアは、降雪時にもサイドに雪がたまらないよう凹凸の少ないボディ形状です。さらなる高剛性を追求した造形、車両姿勢や道路状況を把握しやすいスクエアボディなど、オフロード走行を想定してデザインされています。
シンプルさを追求したインテリアデザイン
インテリアは、オフロード走行やアウトドアシーンでの運転しやすさ、使い勝手を追求したデザインです。
インパネ周りには、余計な曲線をできるだけ排除した水平基調デザインが採用されています。スクエアのボディ形状同様、凹凸が激しい悪路を走行している際にどれほど車が傾いているかを一目瞭然で把握しやすくするためです。
運転時に知りたい情報を瞬時に把握できる計器類は、山道などの使用を想定して、場所に左右されずに見やすい発光メーターとなっています。
運転をサポートする機能
ジムニーシエラには、スズキが独自に開発した予防安全技術「スズキセーフティサポート」が装備されています。以前は、最上級グレードのみ標準装備でした。しかし、2022年7月に実施されたマイナーチェンジ以降、全グレードに標準装備されています。
「スズキセーフティサポート」は、誰もが安心して運転できるよう開発された、事故を未然に防ぐ予防技術です。例えば、衝突被害軽減ブレーキ・誤発進抑制機能・標識認識機能などが含まれています。
万が一衝突事故が生じた場合に被害を軽減できるよう、衝突安全面も考えられているため安心です。
ドライブを快適にする装備
悪路走行に特化したクロカンのジムニーシエラは、乗り心地に期待できない印象があるものの、シートには快適なドライブを楽しめるような工夫が施されています。幅広のシートフレーム、最適化したクッション性能、チューニングされたウレタン特性と座面形状など、ロングドライブでの疲労軽減を考慮した設計です。
他にも、シートポジション調整可能なフロントシートやチルトステアリングを採用しているため、ドライバーの体格に合わせた運転環境を整えられます。
ジムニーシエラの室内空間の使い勝手とは?
アウトドアを楽しむ際は、荷物が増えることが予想されます。また、車内で休憩したり、家族や友人を乗せたりする機会もあるのではないでしょうか。
ジムニーシエラは、さまざまな使用シーンを想定して室内空間が設計されています。使い勝手の良さを確かめてみましょう。
シートアレンジ
ジムニーシエラのリヤシートは、左右独立型のリクライニング機構が採用されています。リクライニング機構は、12段階です。後席に乗る人も、リラックスした姿勢で乗車できます。
車内はそれほど広くありませんが、リクライニング可能なシートのおかげで、長時間のドライブ時でも窮屈さを感じずに過ごすことが可能です。左右独立型のため、隣の人を気にせず自分の好きな姿勢を保てます。
荷室の広さ
少人数でのアウトドアシーンを想定して開発されたジムニーシエラは、リヤシートを倒した状態での荷室空間が特徴です。
リヤシートを倒した場合の積載量は、352Lの容量を確保できます。フラットスペースを確保できる他、スクエアボディ形状により無駄なスペースがありません。バックドアが大きく開くため、荷物の積み降ろしが楽です。
リヤシート背面と荷室には、防汚タイプの樹脂製ラゲッジフロアを採用しています。濡れたり汚れたりした荷物の積み込みもでき、床面にはラゲッジボックスやツールボックスも設置されているため利便性が高い設計です。
まとめ
ジムニーシエラは、軽自動車のクロカンSUV ジムニーをベースとした、小型クロカンです。優れた悪路走行性能が最大の魅力で、アウトドア派から安定した人気を誇っています。
セダンのような快適な乗り心地や、ミニバンのような広い室内空間はありませんが、ダイレクトな操作感と個性的なデザインが他にはない魅力です。ジムニーシエラの特徴をデメリットと捉えるか、楽しみと受け止めるかを考慮しながら購入を検討しましょう。
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【この記事の執筆者】
田村陽子
自動車ライター
熊本県在住。これまで、国産車・輸入車・軽自動車・普通車など、20種類以上の車に乗った経験を活かしてクルマ系メディアでの執筆活動を行っている。車両整備士や車好きの友達が多く、情報交換により日々知識を向上している。
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