トヨタ カムリが売れ続ける理由とは?スポーティーセダンの魅力をご紹介
現在も愛されているトヨタ伝統車種カムリは1980年にセリカ カムリとして初めて登場しました。その後1982年にフルモデルチェンジした2代目以降「カムリ」という名称で販売されています。事あるごとにモデルチェンジを繰り返しイメージを刷新していることが特徴です。
2017年に登場した10代目カムリは“冠”という名の由来にふさわしくトヨタの世界戦略車に位置付けられています。ハイブリッド専用車種であるカムリの魅力について調べてみましょう。
※目次※
・トヨタ カムリが売れ続けているその魅力とは?
・トヨタ カムリのグレードとスペックについて知っておこう!
・2021年発売の新型カムリに情報と現在の中古車相場についてご紹介
トヨタ カムリが顕著に売れ続けている理由
近年世界的にSUV車が大ブームですのでセダンの魅力はあまり前面に出されていません。しかし高級感あるセダンを好む根強いファンが多いことも事実です。そんなセダンファンの要望に応えているのカムリでしょう。
ハイブリッドゆえの静粛性とスポーティかつラグジュアリーなエクステリア・インテリアデザインの美しさ等長年愛され売れ続けている理由について解説します。
2021年1月の売り上げは43位
毎年「一般社団法人日本自動車販売協会連合会」が軽自動車・海外ブランドを除いた乗用車ブランド通称名別売り上げ順位を発表していることはご存じかもしれません。2020年上半期カムリは売り上げ43位でした。2020年下半期においても45位となっています。
セダン自体が低迷していると言われている中、上位50位以内にランクインしているセダンはプリウス・カローラ(SW含む)・クラウン・カムリの4台のみであることを考えると人気が高いことが伺えるでしょう。
米国での評価も高い
カムリは北米・欧州・アジア・中東諸国など約100カ国で販売されていますが、中でも北米での評価は高く2020年北米トヨタでの乗用車販売ランキングは1位がRAV4でカムリが2位を獲得しています。2016年までの16年間は連続1位に君臨していました。
連続ベストセラー車である北米カムリは日本仕様とは少し異なり、2.5L直4ハイブリッドの他2.5L直4ガソリン・3.5LV6ガソリンモデルがラインナップしていることが特徴です。大排気量が特徴のアメリカ車とは違い軽くて低燃費、排ガスもクリーンで何よりも壊れにくい実用性の高いカムリが人々の信頼を徐々に得ていった結果かもしれません。
2017年のモデルチェンジで大きく変化
1982年登場2代目モデルからカムリ1代目と呼ばれFFセダンの代表格となり、その後幾度もモデルチェンジを繰り返してきました。2017年に大々的なフルモデルを行い、さらにイメージを刷新しています。パワートレインを一新しTNGAプラットフォームを採用しました。
フロントデザインはトヨタエンブレムを立体的に強調しより精悍な顔つきが特徴のトヨタデザインアイデンティティ『キーンルック』が明確になっています。サイドからリヤに至るアグレッシブなエクステリアデザインや全7色設定ボディカラーも人気の理由でしょう。
美しいインテリア意匠などの豪華な雰囲気やHMIによる運転しやすさがより高級かつ上質セダンの地位を確立しました。
販売店の増加とライバル車の減少
カムリは以前カローラ店系列のみでの販売でしたが現在は国内に約6,000店舗あるトヨタ販売店でカムリを購入することができます。同じ4ドアセダンのマークXやレクサスGSは生産終了しました。これらの要因もカムリが売れ続けている理由かもしれません。
トヨタ カムリの魅力はハイブリッド性能と燃費の良さ
カムリはハイブリッド専用車種ですから燃費性能の良さと動力性能の良さが魅力でしょう。トヨタ初のフルTNGA採用・2.5Lダイナミックフォースエンジンと新世代ハイブリッドシステムTHSⅡが組み合わされていることが特徴です。
カムリのカタログ燃費と実燃費
カムリのJC08モードカタログ燃費はどのグレードも2WDモデル28.4km/L・4WDモデル24.6km/Lとなっています。WLTCモード平均値は21.6km/Lです。「e燃費」サイトによると実燃費は2WDモデルが18.85km/L・4WDモデルが16.25km/Lとされています。
燃費性能の良いセダンと言えばプリウスを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。単純なカタログ値を比較すると確かにそう言えます。しかしミドルセダンのカムリとコンパクトセダンのプリウスは車両重量が約200kg異なりますにで、この条件を加味するとカムリの燃費性能はプリウスの燃費性能に引けを取らないことにお気づきでしょう。
(2021年2月時点での情報です)
ハイブリッドシステム
カムリにはトヨタが誇るハイブリッドシステムTHSⅡとダイナミックフォースエンジンの組み合わせられています。ハイブリッドシステムTHSⅡは小型化・軽量化・高効率化技術が特徴ですし、ダイナミックフォースエンジンは新型2.5L直列4気筒での高い熱効率と高出力を両立しているトヨタ技術の結晶です。
電動式連続可変バルブタイミング機構VVT-iEが採用することによりレスポンスが向上し、最大熱効率41%に達する低燃費を実現しています。
重心が低いため安定性が高い
カムリは骨格設計を考えたTNGAプラットフォームを採用している為に重量バランスと車両安定性が向上しています。冷却システムをコンパクトにすることによりリヤシートの下に配置可能になり広いラゲージスペースと低重心化したセダンを作り上げました。
エンジンレイアウトを変え重心高を下げることで横揺れが少ない安定性の高い思い通りの走行を楽しむことができ、ドライバーのみならず同乗者も心地よい乗り心地を体感することができるでしょう。新開発のサスペンションやステアリングコラムは長時間ドライブでも疲れを感じにくい優れた操縦安定性となっています。
ボディの骨格部に採用している環状骨格構造は強靭・軽量化を実現し優れた衝突安全性を確保していることがポイントです。
低燃費に繋がる空力対策
エクステリアデザインを美しく見せながら空力対策を行っている事もトヨタの高い技術の一つでしょう。アンダーカバー装備のこだわりはボディから床下まで空気がスムーズに流れるような形状を徹底的に追求したことを感じられます。
燃費性能と走行安定性に加え風切音の低減にも寄与していますので静粛性の高い車内空間を楽しむことができるでしょう。自動開閉するグリルシャッターを装備することによりエンジンの暖機を促進し空気抵抗の軽減を図っていることも特徴です。
3つの走行モード
カムリにはエコ・ノーマル・スポーツという3つの走行モードが搭載されています。エコモードとは燃費最優先の走行モードでアクセルオフ時には減速トルクを自動的に抑えるAGCが作動するモードです。ノーマルモードは走りを楽しみつつも低燃費を両立したい時、スポーツモードは加速を楽しむスポーティーで力強い走りを楽しみたい時に使用します。
自分の気分や状況に合わせて最適な走りを選択できるのは嬉しい機能でしょう。選択しているモードはマルチインフォメーションディスプレイに表示されますので運転時に確認することができます。
トヨタ カムリは内装や居住性も高い
車内にもTNGAが採用され視野が広く運転しやすい環境となっていることにお気づきかもしれません。コネクティッド機能が標準装備されていることや高い居住性設計は快適なドライブの助けとなっています。
こだわりのコックピット
ドライビングポジションにこだわり、ストレスフリーな運転席を追求したコックピット空間も魅力の一つです。フロア・エンジンルーム・インパネ新設計により視界が広くなっています。必要な情報をウインドシールドガラスの視野内に投影する機能はグレードによって装備することが可能です。
ディスプレイ相互リンクの情報表示やオプティトロン2眼メーターはドライバーの視線移動や操作動線が最小限に抑えられた設計ですので運転に集中することができます。様々な操作をステアリングスイッチで行うことが可能です。
(参考:『カムリ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
フレックスコーディネーション
インテリアの特色は『フレックスコーディネーション』でしょう。これは複数の色や素材を車内全体の統一感と豊かな風合いを目指してコーディネートするという考えです。
ブラックを基調としグレードごとに異なる素材のオーナメントを組み合わせています。「X」には寄木細工調・「G」にはタイガーアイ調・「WS」にはテクスチャ―メタル調のオーナメント採用といった具合です。
「G“レザーパッケージ”」の内装カラーはブラックとベージュの2色から選択できます。段差や見切りを少ないフラッシュサーフェスデザインが採用されていることもポイントでしょう。
ゆとりと快適さ
カムリの運転席・助手席と後部座席の前後席間距離にはゆとりがあるため後部座席に大人が3人乗っても快適に過ごすことができます。UVカット・IRカットが施されているフロントドアガラスやフロントガラスは中間膜を設定しているため遮音性が高いことが特徴です。
グレードによってはパノラマムーンルーフをオプション設定することができます。快適装備により長時間のドライブでも心地よく楽しむことができるでしょう。
安全性能
他のトヨタ車にもれずカムリの全グレードにも衝突回避支援パッケージ『トヨタセーフティセンス』が標準装備されています。加えて後退時に左右後方からの接近車を検知して自動的にブレーキ制御をしてくれる『リアクロストラフィックオートブレーキ機能』をトヨタブランドで初採用しました。
グレードにより標準安全装備が異なりますので自分の使い方や環境に合う安全装備が付いたグレードを選択することができるでしょう。例えば「X」グレードでは『ペダル踏み間違い時加速抑制装置』は標準装備ではなくオプション設定となっています。
トヨタ カムリのグレードとスペック
トヨタ カムリのラインナップグレードとスペックについてご紹介します。自分好みのグレードがどれなのかを知る参考にしてください。
(参考:『カムリ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
グレード構成
カムリのグレードラインナップは「X」「G」「WS」です。「G」と「WS」には「レザーパッケージ」が用意されています。ベースグレード「X」は比較的リーズナブルな価格設定です。16インチスチールホイール装備でシンプルな印象ながらも必要な快適装備は搭載されています。
「G」はオーナメントがインパネとセンターコンソールの両方に使用されラグジュアリ―さを増していることが特徴です。センタークラスターパネル一体型8インチディスプレイ採用のコックピットや17インチアルミホイール・フロントロアグリル・ピラーガーニッシュなども「X」と異なっています。オプション設定の種類が増えますので自分好みにカスタムしたい人におすすめグレードでしょう。
「WS」については後述します。「レザーパッケージ」は本革シートや18インチアルミホイールが標準装備でシックで落ち着きと気品を醸し出す雰囲気が特徴です。
人気はWS
「WS」は専用サスペンションチューニングを施して走りを重視したスポーティーモデルとなっています。エクステリア・インテリアをスポーティーな印象で統一していることが特徴です。例えばフロントグリル・専用エアロパーツ・左側2本出しマフラーカッターなどは他のグレードと印象を大きく異ならせている点と言えるでしょう。
パドルシフト標準装備で思いのままのハンドリング操作感を味わうことができます。運転が好きで走りの良さを体感することが好きな人におすすめグレードです。
(参考:『カムリ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
基本スペック
【Gグレード 主なスペック】
|
2WD |
E-Four |
エンジン |
A25A-FXS / 直列4気筒 |
A25A-FXS / 直列4気筒 |
排気量 |
2,487L |
2,487L |
最大出力 |
131kW(178ps)/5,700r.p.m. |
131kW(178ps)/5,700r.p.m. |
最大トルク |
221N・m(22.5kgf・m)/3,600~5,200r.p.m. |
221N・m(22.5kgf・m)/3,600~5,200r.p.m. |
フロントモーター |
3NM / 交流同期電動機 |
3NM / 交流同期電動機 |
最大出力 |
88kW(120ps) |
88kW(120ps) |
最大トルク |
202N・m(20.6kgf・m) |
202N・m(20.6kgf・m) |
リヤモーター |
― |
1MM / 交流誘導電動機 |
最大出力 |
― |
5.3kW(7.2ps) |
最大トルク |
― |
55N・m(5.6kgf・m) |
動力用主電池種類 |
リチウムイオン電池 |
ニッケル水素電池 |
容量 |
4.0Ah |
6.5Ah |
(2021年2月時点の情報です)
トヨタ カムリが2021年2月に改良を発表!価格も変更
トヨタは2021年2月1日に新型カムリを発表しました。内装・外装・安全性能などに変更を加えています。その魅力とはどのようなものでしょうか。主な特徴をご紹介します。
内外装を変更
今回の変更ではグレードごとの個性をより引き立てるエクステリアデザインを採用しました。フロントバンパー・フロントロアグリル等のデザイン変更やヘッドライトとリアコンビネーションランプの加飾等を挙げることができるでしょう。「X」「G」「G“レザーパッケージ”」はより華やかに、「WS」「WS“レザーパッケージ”」はよりスポーティーな雰囲気が強調されています。
グレードにより異なりますが、アルミホイールデザインやプレシャスメタルという新色を含むボディカラーを選択できることも魅力です。インテリアではインパネ加飾に加え、サイズアップした9インチディスプレイオーディオ等より洗練された印象を受けるでしょう。
安全性能の強化
カムリ全グレードにはこれまでも「トヨタセーフティセンス」が標準装備されていましたが、新型カムリには従来の機能に先進機能を付与した新バージョンが搭載されています。先進機能とは『レーントレーシングアシスト追加』・『ドライバー異常時対応システム採用』・レーダークルーズコントロールに追加した『カーブ速度抑制機能』などです。安全性能強化により安全・安心なドライブを楽しむことができるでしょう。
価格
新型カムリの2WDモデル新車価格は「X」グレード車体価格税込348万5,000円~「G」379万4,000円~・「G“レザーパッケージ”」436万4,000円~です。「WS」グレードは393万7,000円~・「WS“レザーパッケージ”」447万4,000円~となっています。北海道地区E-Four(4WD)モデルは価格が異なりますので注意しましょう。
トヨタ カムリとライバル車の中古車相場
1980年発売『高級スポーティセダン』というコンセプトのセリカカムリは、1982年から本格的に1代目「カムリ」として発表されました。それ以降何度もモデルチェンジを行い、2011年発表9代目カムリからはアグレッシブな外観を特徴とするカムリデザインとなっています。
2017年発売の10代目も人気車種ですので中古車市場にも流通台数が増えていることにお気づきでしょう。2021年2月現在のカムリの中古車相場とライバル車の中古車相場についてご紹介します。
カムリの中古車相場
2017年発表の10代目モデルの中古車相場価格は170万円~495万円です。グレードやカスタム具合で価格に幅があります。中古車を購入する際には走行距離の他に消耗部品の交換などメンテナンスがきちんとなされているかどうかを確認しましょう。
価格を抑えるなら9代目カムリ
10代目モデルは人気がありますので走行距離が少ない車では価格がそこまで下がっていません。もう少し予算を抑えたい場合は2011年発表の9代目モデルを検討する事ができるでしょう。少々年式は古くなりますが、燃費性能などは申し分ありません。9代目モデルの中古車相場は49万円~250万円です。
(2021年2月時点の情報です)
(参考:『カムリ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
アコード(ホンダ)
カムリのライバル車としてよく挙げられるのはホンダ アコードです。アコードはFFのみですが、パワーユニットの構成や海外市場への進出など共通点が多いからでしょう。排気量に違いがありますので単純比較はできませんが、下記に主な特徴を表にしていますので参考にしてください。
【ホンダ アコード】
サイズ |
全長4,900mm×全幅1,860mm×全高1,450mm |
車両重量 |
1,560kg |
燃費 |
(JC08モード)30.0km/L (WLTCモード)22.8km/L |
中古車相場価格 |
352万円~465万円 |
(2021年2月時点の情報です)
(参考:『アコード ハイブリッド(ホンダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ティアナ(日産)
他のライバル車として日産 ティアナを挙げることができるでしょう。カムリと違いガソリンエンジンという違いはありますが『モダンリビングとおもてなし』をコンセプトにした落ち着きのあるFFセダンとして年齢高い層の方達に支持されてきました。2020年7月に生産終了してしまいましたので現在は中古車のみの購入となります。
【日産 ティアナ】
サイズ |
全長4,880mm×全幅1,830mm×全高1,470mm |
車両重量 |
1,460kg |
燃費 |
(JC08モード)14.4km/L |
中古車相場価格 |
40万円~300万円 |
(2021年2月時点の情報です)
(参考:『ティアナ(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
PRトヨタのセダン
※価格は支払総額
まとめ
SUV車の人気が高い近年においてもセダンの良さが好きだという方は多いようです。この記事では北米でも人気が高いカムリについて解説しました。ハイブリッドですので燃費性能も良く、安全性能も申し分ない車です。セダンに乗り換えたくなった場合は検討することができるでしょう。ネクステージでは良質な中古車を多数扱っていますのでお気軽にアクセスしてください。