MR-Sの人気が高まっている?グレードの特徴やライバル車種もご紹介
国産のスポーツカーは数多くありますが、その中でトヨタのMR-Sを検討している方もいるのではないでしょうか。ミッドシップエンジンの車となると数は少なく、さらにオープンカーとなれば数えるほどしかなく、その独特の個性に魅了されるでしょう。
この記事では、MR-Sの歴史や特徴、グレードごとの違いなどについて説明します。さらに、MR-Sの人気の理由やMR-Sのライバル車についても解説します。購入および検討の参考にしてください。
※目次※
・MR-Sは1999年に登場したミッドシップオープンカーで、2世代続いたMR2の後継となるモデル
・MR-Sにはベースグレードの他にいくつかのエディションがある。性格分けがはっきりしているので、好みや目的で選ぼう
・MR-Sは流通量が少ないので、ライバル車も検討の余地あり。ネクステージならMR-S以外の車もこだわって探せる
MR-Sは根強い人気のトヨタの2シーターオープンカー
MR-Sは、万人受けする車が多いトヨタ車のイメージからは異端の存在と思える車で、国産車全体で見ても、他の車にはない多くの特徴を持っています。ここからは、MR-Sが登場するまでの歴史や特徴、中古車相場について紹介します。
MR2の3代目に相当するモデル
MR-Sの原点は1984年に発売されたMR2です。初代は当時のカローラからパワートレインを流用した比較的小さなミッドシップエンジン車でした。1989年には2代目となり、パワートレインがセリカ用をベースになるなど、1クラス大きな車となりました。
2代目MR2の後を受けて登場したMR-Sは、2代目MR2のようなハイパワーエンジンではなく、直前にモデルチェンジされたセリカのベースグレード用の1.8Lエンジンを搭載し、ボディスタイルはそれまでのクーペからオープンカーへ、また全長は初代MR2よりも短くして軽量化を実現し、非力さを感じさせないハンドリング重視の車になりました。
2007年まで発売されていた
MR-Sは2000年にクラッチペダルをなくすことでAT限定免許でも運転できるステアリングのスイッチでシフト操作ができるシーケンシャルトランスミッション(SMT)が追加されました。2002年にはトランスミッションが6速になるとともに新たなオプションパッケージが追加され細かい改良が行なわれました。
2007年1月にはファイナルバージョンが登場し、2007年7月の販売終了まではこのモデルのみの販売となりました。販売終了から15年以上が経過しましたが、2006年式のSエディション(走行距離7万5,000km)が69万9,000円(2023年7月時点)と、中古車相場は上昇しているようです。
(参考:『MR-S(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
MR-Sのグレードごとの違い
MR-Sの場合、明確なグレード分けというものは存在せず、ベースグレードを中心として複数のオプション(レスオプションを含む)を組み合わせたエディションと呼ばれるセットオプションが用意されています。ここでは最後に追加されたファイナルバージョンを含めて、それぞれの仕様について解説します。
MR-S Vエディション
Vエディションは、本革シートや光沢アルミを使用しているなどこだわりを重視したモデルの1台です。その分価格が高めですが、質感やインテリアのクオリティーを重視する方におすすめの車といえるでしょう。
Vエディションは2002年からラインアップされているモデルですが、これから購入するのであれば新しい世代の中古車を選ぶのがおすすめです。なお、おすすめ車種として紹介しているファイナルバージョンは、Vエディションのみのラインアップです。
MR-S Sエディション
アルミホイールやアルミペダルといったスポーツカーらしい装備を搭載しているスタイルが、「Sエディション」の特徴です。Vエディションと比較すると、本革シートをはじめとしたこだわりを演出する装備は搭載されていません。
そのため、パワートレインや安全装備を重視し、コストパフォーマンス求める方にはおすすめといえるでしょう。Sエディションは1999年に販売されていた初代MR-Sから設定されているモデルとなっています。
MR-S ベースグレード
2005年12月に登場した世代までは、エディション名が付いていない「MR-S」というベース車が設定されていました。ベース車はホイールやペダルなどの細かいポイントがダウングレードされているタイプです。
一方でパワートレインや安全装備はSエディションやVエディションと同じものが搭載されているため、基本的な性能に大きな差はありません。よりリーズナブルな価格でMR-Sを購入したいと考えているのであれば、ベース車を検討しても良いでしょう。
MR-S Bエディション
初代から2002年8月に登場したモデルまでは、Bエディションもラインアップされています。MR-Sにおいて最廉価車に位置付けられており、エアコンや安全装備といった基本的な部分を省いているのが特徴です。
安価である反面基本的な装備を省いていることから、予算の付きやすい中古車を購入する際は、安全装備が整っている別のエディションを検討することがおすすめです。
MR-S ファイナルバージョン
ファイナルバージョンは、MR-Sが2007年7月末で生産終了するのに伴って設定されたもので、2007年1月から販売されました。最上級モデルのVエディションをベースに、インストルメントパネルブレースカバーなどにチタン調シルバーを採用するとともに、ソフトトップや本革のシートやドアトリム、本革巻きステアリングのカラーに専用色のレッドが選択できるようになりました。
このファイナルバージョンの登場を機に、他のバージョンやベースグレードは廃止され、2007年の生産終了まではこのモデルのみとなりました。
MR-Sが人気を集める理由を考えてみよう
MR-Sは、街中で見かける機会は少なくなったものの、今でも一定の人気があります。もともとの販売台数が少ないことによる希少性もありますが、MR-Sならではの装備や内容が他の車にはない魅力となっているのでしょう。ここでは改めてMR-Sの人気がある理由について、スペックや特徴を紹介します。
コンパクトなカブリオレ
MR-Sはスポーツカーとして開発された車でありながら、コンパクトなサイズ感が特徴的な1台です。一例として、ファイナルバージョンのボディサイズを以下に掲載しました。
全長 |
3,885mm |
全幅 |
1,695mm |
全高 |
1,235mm |
スポーツカーはワイド&ローの作りが一般的ですが、MR-Sの全幅は1,695mmと狭くなっています。車検証上も小型自動車に分類されるサイズの車で、非常にコンパクトな作りといえるでしょう。
MT車以外にSMT車もラインアップ
搭載しているトランスミッションは一般的な6速MTと6速SMTの2種類です。SMTは1段ずつしかギアを変更できない反面、ギアチェンジするときにクラッチペダルを操作する必要がありません。
AT限定免許でも運転でき、シフトミスをしにくいというメリットがある反面、ギア飛ばしができないという不便さも併せ持つトランスミッションです。MT車とSMT車は好みに応じて選ぶと良いでしょう。
軽量ボディに1.8Lクラスのエンジンを搭載
車両重量が1,000kg前後と軽量なのもMR-Sの特徴です。一方で搭載しているエンジンは1.8LのNAエンジンで、十分なパワーを発揮してくれます。
大出力のエンジンを搭載しているわけではありませんが、走行性能を高めるために軽量化を施しており、スポーティーで力強い走りを楽しめるでしょう。世代によっては、車両重量が970kgとより軽量なモデルも存在します。
車両重量は加速性能をはじめとした走行に関わる部分に大きく影響することを考えると、走行性能を重視する方にとっては見逃せないポイントです。
スポーツカーらしいスタイリッシュなデザインが魅力
コンパクトでありながらスポーツカーらしいエクステリアデザインに魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。MS-Rは全長が短く、車高が低い作りの車です。
このタイプのエクステリアデザインは一見してスタイリッシュに感じるだけではなく、重心が低くなることで走行時の安定性が高まることが魅力といえるでしょう。スポーツカーやレーシングカーのデザインが好きな方にとっても魅力的な選択肢です。
上位グレードは本革シート採用で高級感あり
上位モデルに位置付けられているVエディションは、スポーティーさだけではなく高級感も重視しています。本革シートや光沢アルミなど、マテリアルにもこだわり、高級感を高めているのが特徴です。
インテリアに高級感を求める方は、Vエディションを選ぶと良いでしょう。一方でスポーツカーらしいデザインを求めている方にはSエディションがおすすめです。
中古車相場 |
69万9,000円 |
(2023年7月時点の情報より)
(参考:『MR-S(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
MR-Sと比較したいライバル車5選
MR-Sを検討している方の中には、流通量の少なさを心配する方がいるかもしれません。ネクステージでも2023年7月時点では在庫が1台と絶対的な流通量が少ないので、似たような特徴を持つ他の車を候補とするのも車選びの方法です。
ここでは、MR-Sと共通点があり、比較検討の余地があるライバル車について、それぞれの特徴を紹介します。MR-Sに近いクラスだけでなく軽自動車や輸入車も紹介しますので、検討の材料にしてください。
MAZDA ロードスター
国産コンバーチブルカーを検討している方にとって、マツダの「ロードスター」は外せません。FRレイアウトのスポーツカーで、MR-Sと同様に走行性能を確保するために軽量化を施しています。
デザインもマツダの「人馬一体」を表現した仕上がりと、スタイリッシュで美しいデザインが魅力です。インテリアもシンプルで落ち着いた雰囲気に仕上がっており、飽きのこないデザインといえるでしょう。
(参考:『ロードスター(マツダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ダイハツ コペン
「コペン」は軽自動車のコンバーチブルスポーツカーというユニークな存在です。比較的リーズナブルな価格で購入できるため、手軽にオープンカーを楽しみたい方に向いています。
軽自動車に課せられている制限の中で十分な走行性能を発揮できるように作られており、安定性や静粛性に優れているのも特徴です。駐車スペースの問題などで軽自動車を考えている方は、ぜひコペンの購入を検討してはいかがでしょうか。
(参考:『コペン(ダイハツ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ホンダ S660
軽スポーツカーというジャンルを検討している方にとっては、S660の存在も見逃せません。ホンダが生産しているコンバーチブルカーで、同じコンセプトのダイハツ コペンと比較すると全高が100mm低くなっているのが特徴です。
スポーツカーとして広く採用されているMRレイアウトになっており、安定性や動力性能に優れるのも魅力といえるでしょう。
車内にはシートヒーターやピンポイント送風に対応したエアコンを搭載しているなど、快適性にも気を配っています。
軽自動車を検討している方におすすめの選択肢ですが、2022年3月に生産終了したため今後は中古車を探さなければなりません。コンディションが良い1台を探している方は、ぜひ早めにご購入ください。
(参考:『S660(ホンダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
PORSCHE 718 Cayman
より走行性能を重視したスポーツカーを探している方には、ポルシェが生産している「718 ケイマン」がおすすめです。他のカーメーカーがほとんど使用していない水平対向エンジンを搭載しており、出力が220kWと高いのが魅力といえるでしょう。
ポルシェ車としては比較的リーズナブルな価格で購入できるのもうれしいポイントです。車内空間も十分なスペースを確保しており、快適なドライブを楽しめます。
(参考:『718ケイマン(ポルシェ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
BMW THE 4
BMWの4シリーズは基幹車種の3シリーズをスポーツカーテイストにしたモデルです。4シリーズにはカブリオレがラインアップされており、オープンカーを購入したい方にとっては見逃せません。
ベースグレードとして2Lの直列4気筒エンジンを搭載した「420i カブリオレ」と上位グレードの直列6気筒エンジンを搭載した「420i xDrive カブリオレ」の2車種が設定されています。
求める走行性能や燃費性能の違い、ランニングコストなどの差を考えて自分にマッチした1台を選びましょう。なお、4シリーズにはカブリオレ以外に一般的なクーペをラインアップしています。
(参考:『THE 4(BMW)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ネクステージでオープンスポーツカーを探してみよう
MR-Sは生産終了後から10年以上と中古車としても低年式になっています。そのため、中古車を探す際は、十分に内容を確認することが大切です。
希望の条件に合わなければ、他の車種も候補にすることになるかもしれません。幅広く中古車を探すならネクステージがおすすめです。
車探しがしやすい環境がある
ネクステージは中古車を探しやすい環境がそろっています。Webサイトでは、年式やグレード、色などだけでなく、装備などさまざまなな条件を細かく設定して検索ができるので、希望に合う車をこだわって探せます。
また、セダン&スポーツ専門店をはじめとした各種カテゴリー別の専門店もあり、狙いを絞った車探しに適しています。さらに、ネクステージはグループ全体の店舗数や在庫も豊富で、同じ車種でもグレードや色などのバリエーションも多く、欲しい車が見つけやすくなっています。
低年式車の購入もしやすいサポートがある
ネクステージでは仕入れの段階で故障やトラブルなどリスクの高い修復歴車や、メーター改ざん車、水没車などを排除しています。また、第三者機関による品質鑑定またはAIS検定に合格したライセンス取得スタッフによるチェックにより品質管理を徹底しています。
ネクステージで購入した車には一部車両を除き、車種や年式を問わず3か月以内かつ3,000km以内(輸入車の場合は1か月以内で走行距離は無制限)の保証が無料で付いています。
その上で、保証期間を延長でき、ロードサービスなども付帯するサービスサポートや、低年式の車に適用できる保証付きメンテナンスパックのNextageサポートが有料で用意されています。
まとめ
MR-Sはトヨタだけでなく国産車としても珍しいミッドシップエンジン車です。また、それまでのMR2とは違い完全なオープンカーで、軽いボディと相まって運転を存分に楽しめる車です。しかし、生産期間が1999年から2007年とかなり前であることと、もともとの販売台数が少ないため、流通量は少なくなっています。
そのため、MR-Sにこだわらずに共通点のあるライバル車も検討してみると良いかもしれません。その際はここだけは外せないというポイントを決めると希望の車を絞り込みやすくなるでしょう。ネクステージなら検索条件も多彩なので、ぜひWebサイトでじっくりこだわって検索をしてみましょう。
▼ライタープロフィール
岩本佳美
漠然と「車関係の仕事がしたい」という想いのもと、飲食業界から自動車メディア業界に飛び込むという破天荒な人生を歩んでいる。愛車がスバルのWRXということもあり、主にスバル系の記事をWebや紙媒体に寄稿。モータースポーツが大好きで、レース観戦はもちろん、サーキット走行や24時間耐久のカートレースにも出場するなど、自らも走ることでその楽しさや面白さなどを経験しながら情報発信している。