GRヤリスは燃費性能も考慮した高出力モデル！グレードごとの特徴も解説
GRヤリスは、モータースポーツ向けに開発された3ドアハッチバックです。他の市販車とは一線を画す、圧倒的なパフォーマンスを発揮する点が特徴です。しかし、日常で利用するとなれば、燃費性能も気になるところでしょう。
そこでこの記事では、GRヤリスの燃費性能やグレードごとの特徴、GRヤリスのライバル車、実燃費を高める方法を解説します。最後まで読むことで、燃費を抑えながら理想のスポーツカーライフを楽しめるでしょう。
※目次※
1.燃費性能をチェックする前にGRヤリスについて理解を深めよう
4.GRヤリスのライバル車「スズキ スイフトスポーツ」も要チェック
・GRヤリスはモータースポーツに勝つことを目的としたコンパクトカー。市街地走行やサーキット走行を想定したグレードがある
・GRヤリスは軽量化したエンジンにより高出力ながら燃費性能も考慮されている。スポーティーなデザインも魅力
・急発進やアイドリングを避けることでGRヤリスの実燃費の向上が可能！エアコンの仕様やタイヤの空気圧にも注意して
燃費性能をチェックする前にGRヤリスについて理解を深めよう
GRヤリスは、モータースポーツ向けに開発されたモデルです。そのため、日常利用にフォーカスした通常のヤリスとは特徴が異なります。燃費性能をチェックする前に、GRヤリスのコンセプトやグレードごとの特徴を理解しておきましょう。
GRヤリスは低燃費が魅力のヤリスとはテイストが異なる
通常のヤリスは、最新技術で低燃費や上質な乗り心地を追求したコンパクトカーです。一方のGRヤリスは、WRC（FIA世界ラリー選手権）で勝つことを目的に開発されました。
GRヤリスは「トヨタのスポーツカーを取り戻したい」という思いを込め、モータースポーツ用の車両を市販化する形で誕生しています。
GRヤリスも含めて、GRシリーズは買い物・通勤・ドライブで手軽に非日常が楽しめるスポーツカーです。走行性能を高めている分、通常モデルより燃費性能に懸念が残ります。
しかし、トヨタが開発した純正チューニングカーのため、万全のサポート体制の基でスポーツカーを楽しめることが魅力です。
RS
GRヤリスのRSグレードは、市街地からワインディングまでを想定したチューニングにより、気軽にスポーティーな走りを楽しめるモデルです。直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン、Direct Shift-CVT（ギヤ機構付自動無段変速機）の組み合わせにより、スムーズでダイレクトな走りを実現します。
他のグレードに比べると、扱いやすさを重視したモデルです。パドルシフトが付いた10速スポーツシーケンシャルシフトマチックを採用しているため、マニュアル感覚のシフト操作も楽しめます。
RC
GRヤリスのRCグレードは、RZをベースとして走りに関わる装備以外を極力排除したモデルです。
1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジン、アクティブトルクスプリット4WDシステム、6速マニュアルトランスミッションは継承しています。
カスタマイズを楽しむためのベース車として最適なモデルです。小型の17インチ鋳造アルミホイールやフロントブレーキ（16インチ）など、専用装備もいくつかあります。
RZ
GRヤリスのRZグレードは、ワインディングからサーキットまでを想定したチューニングが施されたモデルです。
1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンやアクティブトルクスプリット4WDシステムにより、圧倒的な加速と走行安定性を実現しています。
18インチのENKEI製8J鋳造アルミホイールは、RSと同様の装備です。異なる点として、RZは、摩擦力の高いキャリパーとベンチレーテッドディスクブレーキを採用しています。
RZ“High performance”
GRヤリス RZ“High performance”は、冷却スプレー付空冷インタークーラーや大型エアクリーナーを装備するなど、限界域での速さとコントロール性を追求したグレードです。
トルセン®LSDをフロント＆リアデフに設定し、アクティブトルクスプリット4WDシステムの性能をさらに引き上げています。
ブラック塗装のフロントグリルやリアバンパーなど、磨きをかけたデザインも魅力です。インテリアでは、サウンドシステムが「8スピーカー（JBLサウンドシステム）＋アクティブノイズコントロール」に変わります。
GRヤリスは燃費性能と高出力のバランスを考慮したモデル
ここでは、GRヤリスの魅力を紹介します。GRヤリスは燃費性能と高出力のバランスを考慮したモデルで、デザイン性や機能性にも優れています。ここからは、走行性能、エクステリアとインテリア、ラゲージ、基本スペックをそれぞれ見てみましょう。
高出力ながら燃費性能も考慮されている
GRヤリスの1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジンは、小型化・軽量化の追求により高出力と優れた燃費性能の両立が可能です。1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンは、あらゆるシーンで高レスポンスを発揮します。
ボディの軽量化・低重心化により、軽快なスポーツ走行を実現しました。高剛性化も行い、高G旋回・高速走行時の安定性を確保しています。
アクティブトルクスプリット4WDシステムは、最適なトルク配分によって幅広い速度域でダイレクトな操作フィールが可能です。コーナーでは路面をしっかりグリップします。
エクステリアの特徴
GRヤリスは、ワイド＆ローの躍動感あるエクステリアデザインを採用しています。空力性能を高め、WRCで勝つことを追求したエクステリアです。
鋭い眼光のヘッドライトは、3灯式フルLEDヘッド・LEDターンランプ・LEDクリアランスランプがセットになっています。点灯・消灯を切り替えることで、優れた被視認性の確保が可能です。全てがLEDのため、消費電力も低減できます。
インテリアの特徴
GRヤリスのインテリアは、ホールド性の高いスポーツシートやフィット感を高めた本革巻き3本スポークステアリングホイール、本革巻きシフトノブ＋シフトブーツなど、スポーツ走行時の操作性にこだわった装備です。
スポーツメーターはレッドポインターとレッドゾーン帯表示を採用し、視認性を追求しています。中央の高精細4.2インチカラーTFT液晶画面を通して、前後輪のトルク配分やターボ吸気圧など、さまざまな情報の確認が可能です。
ラゲージの特徴
GRヤリスのラゲージは、通常時でも174Lの荷室容量を確保しています。スーツケースなどを十分に積めるスペースです。
6：4分割可倒式リアシートを採用しているため、乗車人数に応じて柔軟にアレンジできます。
後席を全て倒すと、ゴルフバッグ2個とスポーツバッグ2個の積載が可能です。27インチ程度のタイヤサイズであれば、ロードバイクも積めるサイズ感です。
基本スペック
GRヤリスの基本スペックは以下の通りです。燃費性能に関しては、後の項目で詳しく解説します。
|
|
RZ、RZ“High performance”、RC |
RS |
|
全長×全幅×全高 （mm） |
3,995×1,805×1,455 |
|
|
車両重量（kg） |
1,280 |
1,130 |
|
定員（名） |
4 |
|
|
駆動方式 |
四輪駆動 |
前輪駆動 |
|
総排気量（L） |
1.615 |
1.490 |
|
最高出力 （kW／rpm） |
200（272PS）／6,500 |
88（120PS）／6,600 |
|
最大トルク （N・m／rpm） |
370／3,000~4,600 |
145／4,800~5,200 |
GRヤリスの燃費性能はどのくらい？
GRヤリスは、燃費性能と出力のバランスに優れたモデルです。具体的にどのくらいの燃費性能を備えているのでしょうか。
燃費性能を測る指標には、カタログ燃費と実燃費があります。ここでは、GRヤリスのカタログ燃費と実燃費を見てみましょう。
カタログ燃費
カタログ燃費は、自動車メーカーが特定の基準で測定した公式の燃費を指します。GRヤリスのカタログ燃費は以下の通りです。
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|
RZ、RZ“High performance”、RC |
RS |
|
WLTCモード燃費 （km/L） |
13.6 |
18.2 |
|
市街地モード （km/L） |
10.6 |
14.2 |
|
郊外モード （km/L） |
13.8 |
19.1 |
|
高速道路モード （km/L） |
15.3 |
20.0 |
実燃費
実燃費は、実際にユーザーが公道で使用した場合の燃費です。実燃費は運転の仕方や走行状況によって異なりますが、一般的に整った状況で測定するカタログ燃費よりも低くなります。GRヤリスの実燃費は以下の通りです。目安として参考にしてください。
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|
RZ、RZ“High performance”、RC |
RS |
|
実燃費（km/L） |
11.0程度 |
14.0程度 |
GRヤリスのライバル車「スズキ スイフトスポーツ」も要チェック
GRヤリスのライバル車「スズキ スイフトスポーツ」は、1.4L直噴ターボエンジンや軽量高剛性なボディや新開発サスペンションなどを採用し、操る楽しさを追求した小型ハッチバックです。基本スペックと価格帯は以下の通りです。
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全長×全幅×全高（mm） |
3,890×1,735×1,500 |
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車両重量（kg） |
970~990 |
|
定員（名） |
5 |
|
駆動方式 |
前輪駆動 |
|
総排気量（L） |
1.371 |
|
最高出力（kW／rpm） |
103（140PS）／5,500 |
|
最大トルク（N・m／rpm） |
230／2,500~3,500 |
|
WLTCモード燃費（km/L） |
16.6~17.6 |
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新車価格 |
216万4,800円~233万2,000円 |
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中古車相場 |
65万9,000円~219万9,000円 |
（2023年12月時点の情報です）
（参考：『スイフトスポーツ（スズキ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
GRヤリスに関するFAQ
GRヤリスは多くの魅力を備えたモデルですが、購入する前には不安や疑問を隅々まで解決することも大切です。ここでは、よくあるGRヤリスに関係した質問にお答えします。GRヤリスの情報を整理するためにも、ぜひご確認ください。
GRヤリスの燃費性能（カタログ燃費）はどの程度？
GRヤリスのカタログ燃費（WLTCモード）はRSが18.2km/L、それ以外のグレードは13.6km/Lです。日常走行を想定した設計のRSは、燃費性能が優れています。他のグレードも走行性能を高めたスポーツモデルにしては、十分な数値といえるでしょう。
GRヤリスの燃費性能（実燃費）はどの程度？
GRヤリスの実燃費は、RSが11.0km/L程度、それ以外のグレードは14.0km/L程度です。実燃費は、運転の仕方や使用状況によって異なります。ひとつの目安として把握しておきましょう。一般的に、カタログ燃費よりは低くなる傾向があります。
GRヤリスは燃費性能と出力のバランスが取れているの？
走行性能を高めたモデルは燃費性能がある程度犠牲になっていますが、GRヤリスは小型化・軽量化されたエンジンを搭載することで高出力と燃費性能を両立しています。日常走行を想定したRSグレードは、燃費性能が比較的優れたモデルです。
GRヤリスの実燃費をより良くするコツ
燃費性能と出力のバランスが取れているとはいえ、燃料費はランニングコストの大きな割合を占めます。そのため、普段から燃費を意識して運転することが大切です。ここでは、GRヤリスの実燃費をより良くする4つのコツを紹介します。
急発進を避け徐々に加速する
急発進をすると燃費が悪化します。燃料消費の大きな割合を占めるのが、発進時です。特にストップ＆ゴーが多い市街地では、発進の仕方が実燃費に大きく影響します。
日常的に徐々に加速する意識を持つことで、10％程度の燃費を向上させられるでしょう。アクセルを踏んでから約5秒後に20km/hが出るような発進が理想です。このような発進は、安全運転にもつながります。
一定速度を保ち加速・減速を最小限にする
加速・減速が多いほど、燃費が悪化します。車間距離にゆとりを持って一定の速度で運転することで、実燃費の向上が可能です。これは、市街地よりも郊外での走行で効果があります。
信号などで停止する場合は、早めにアクセルを離しましょう。エンジンブレーキが作動するため、フットブレーキだけで急停止するよりも燃費を改善できます。減速が必要なときや坂道を下るときも、極力エンジンブレーキを活用しましょう。
エアコンの使用を控えアイドリングを控える
車のエアコンの動力もエンジンです。そのためエアコンを使うほどエンジンに負担がかかり、燃費が悪化します。外気温と室内温度が変わらないときは、エアコンの使用を控えることで燃費の向上が可能です。
また、アイドリングでも燃料を消費します。GRヤリスのような近年の乗用車は、基本的に暖機運転が不要です。エンジンをかけたらすぐに発進することを意識しましょう。
空気圧を適正値に保つ
車のタイヤの空気圧が不足すると燃費が悪化します。自転車のペダルが重くなるように、転がり抵抗（路面との摩擦力や空気抵抗などの進行方向と逆向きに生じる力）が大きくなることで、消費燃料当たりの前進する距離が短くなるためです。
実燃費を向上させるには、月に1度は空気圧をチェックし、適正値を保ちましょう。エンジンオイルやオイルフィルターなどの定期的な交換も燃費の改善に有効です。
まとめ
GRヤリスは、モータースポーツで勝つことを目的に開発されたスポーツカーです。燃費性能よりも走行性能を重視していますが、エンジンの小型化・軽量化によって十分な燃費性能を実現しています。
より燃費性能と高出力のバランスを意識するなら、市街地からワインディングまでを想定したグレード「RS」がおすすめです。
走行性能にフォーカスした他のグレードでも、運転の仕方を工夫することで実燃費を向上させられます。好みのグレードで、楽しいカーライフを実現しましょう。
【この記事の執筆者】
田村陽子
自動車ライター
熊本県在住。これまで、国産車・輸入車・軽自動車・普通車など、20種類以上の車に乗った経験を活かしてクルマ系メディアでの執筆活動を行っている。車両整備士や車好きの友達が多く、情報交換により日々知識を向上している。
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