トヨタ「パッソ」のグレードによる違いは？旧型や比較ポイントも紹介
パッソは、トヨタとダイハツが共同で開発したコンパクトカーです。2004年に初代モデルがデビューし、2023年9月に3代目モデルで販売終了となりました。最終モデルとなる3代目パッソには5つのグレードがありますが、それぞれの違いを知らない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、3代目パッソのグレードごとの違い、パッソのライバル車を紹介します。また、2代目モデルのグレードや中古車を選ぶ際のポイントも紹介しますので、中古車選びの参考にしてください。
※目次※
・パッソには5つのグレードがあり、グレード間でデザインや装備が異なる
・旧型のパッソには、最終モデルとは違う魅力を持った特別仕様車がある
・パッソを中古車で購入する際は、デザインや装備の違い、ライバル車との比較が大切
パッソのグレードによる違いは？特徴をチェック
パッソは、優れた基本性能、個性的なスタイル、ユーティリティー性を兼ね備えたトヨタ最小のコンパクトカーです。また、トヨタでは国内初となる、ダイハツとの共同開発車でもあります。ダイハツでは「ブーン」の名称で販売されていました。
パッソの最終モデルには、XとMODAを軸とした5つのグレードがあります。ここでは、それぞれの特徴を見てみましょう。
エントリーグレードの「X」
「X」は、ハロゲンヘッドライト、マニュアル式エアコン、一体可倒式リアシートなど、装備が最もシンプルなグレードです。サイドミラーは電動格納式ではあるものの、Xのみブラックマイカメタリック塗装となっています。
3代目モデルチェンジ当初は衝突回避支援システムの採用がなく、安全性能面の乏しさもありましたが、2021年に「スマートアシストⅢ」が搭載されました。ネクステージでの税込み中古車相場は、29万9,000円~119万9,000円です。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『パッソ（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
利便性が高まった「X"L package"」
「X"L package"」は、Xをベースに装備を充実させたグレードです。ヘッドライトはLED、エアコンはフルオートに変わり、サイドミラーはボディと同色になります。リアシートにおいては、X同様一体可倒式です。
Xではオプションだったリアワイパーが、X"L package"から標準装備となります。また、運転席のシートに上下アジャスターも付くため、ドライビングポジションの調整がしやすくなるでしょう。ネクステージでの税込み中古車相場は、19万9,000円~117万7,000円です。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『パッソ（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
印象的なデザインの「MODA」
「MODA」は、3代目モデルから設定されたグレードです。シルバー塗装とブラック塗装を組み合わせたフロントグリル、Bi-Beam LEDヘッドランプ、サイドターン付き電動格納式サイドミラーなど、Xにはない上品さとスマートさがあります。
インテリアでは、ステアリングにシルバー塗装が施され、メーターパネルにオプティトロンメーターが採用されました。また、リアシートが6：4可倒式に変わります。ネクステージでの税込み中古車相場は、74万9,000円~124万9,000円です。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『パッソ（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
装備が最も充実している「MODA"G package"」
「MODA"G package"」は、最も装備が充実した最上級グレードです。フォグランプがLEDになり、リアドアガラスがスーパーUVカット機能付きプライバシーガラスに変わります。また、タイヤホイールにアルミホイールが採用され、オプションで15インチアルミホイールも選択可能です。
インテリアでは、ステアリングが本革巻きに変わり、オプションで本革＋ファブリックのシート表皮を選べます。ネクステージでの税込み中古車相場は、79万9,000円~162万9,000円です。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『パッソ（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
快適性を高めた特別仕様「MODA"Charm"」
「MODA"Charm"」は、MODAをベースにおしゃれさと快適装備を加えた特別仕様車です。通常モデルのパッソにはない「ジューシーピンクメタリック」「ホワイト×ジューシーピンクメタリック」の2つがボディカラーに追加されました。
インテリアでは、運転席ヒートシーターと合成皮革+ファブリックのシート表皮が標準装備となります。
また「パノラミックビュー対応ナビレディパッケージ」「ナビレディパッケージ」「スーパーUVカットパッケージ」など、パッケージオプションも豊富です。ネクステージでは、現在1台の取り扱いがあります。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『パッソ（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
旧モデルのパッソも魅力的なグレードが豊富
19年間販売されていたパッソは、最終モデル以外にも多くのグレードがあります。購入価格を抑えるのであれば、最終モデルよりも2代目モデルがおすすめです。ここでは、2代目モデルの中から魅力的なグレードを厳選して紹介します。
X ユルリ
「X ユルリ」は、2010年に追加されたエントリーグレード「X」をベースにした特別仕様車です。「ゆるり」という名前の通り、ゆったり座れるセンターアームレスト付きのベンチシートが採用されました。
この他、イモビライザー機能付きキーフリーシステム、助手席アンダートレイ、リアワイパー、運転席シート上下アジャスターなどが特別装備として加わっています。ネクステージでの税込み中古車相場は、29万9,000円~50万4,000円です。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『パッソ（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
X クツロギ
「X クツロギ」は、2012年に追加された「X」をベースにした特別仕様車です。X クツロギでは、特別設定色のブラウニーを内装色に設定し、くつろぎの空間を演出しています。
内装色と同じく、ボディカラーに設定された「ヒスイパールメタリック」も、内装色と同じく特別設定色です。フロントドアにスーパーUVカットガラスを採用し、快適装備も加わっています。ネクステージでの税込み中古車相場は、32万9,000円~65万9,000円です。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『パッソ（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
プラスハナ Gパッケージ
「プラスハナ Gパッケージ」は、2014年に追加されたかわいらしいデザインを盛りこんだ「プラスハナ」の上級モデルです。
プラスハナには、専用の「サクラパールマイカ」「ウグイスミックス」といった柔らかなカラーが採用されています。インテリアカラーは、ナチュラルな印象のエボニーブラウンです。
マニュアルエアコンやスーパーUVカット・IRカット機能付きフロントドアガラス、ブレーキアシストなど、快適性・機能性も充実しています。ネクステージでの税込み中古車相場は、32万9,000円~54万9,000円です。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『パッソ（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
パッソのグレードを選ぶ際はライバル車も確認しよう
コンパクトカーは、軽自動車よりも使い勝手が良く、3ナンバー車に比べ運転がしやすいうえ、維持費も抑えられます。このメリットはコンパクトカー全般に当てはまるため、より便利・使いやすいと感じるモデルを選びましょう。
ここでは、パッソのライバル車「ホンダ フィット」「トヨタ ヤリス」「ダイハツ ブーン」の特徴と中古車相場を紹介します。
ホンダ フィット
ホンダ フィットは、2001年から販売が始まったロングセラーのコンパクトカーです。現行モデルは、2020年発売、2022年にマイナーチェンジした4代目です。
現在のグレード展開は「BASIC」「HOME」「LUXE」「CROSSTER」「RS」の5つで、グレードごとに装備やキャラクターが異なります。また、全てのグレードでガソリン車とハイブリッド車の選択が可能です。ネクステージでの税込み中古車相場は、29万9,000円~257万9,000円となります。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『フィット（ホンダ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
トヨタ ヤリス
トヨタ ヤリスは、2020年から販売されているグローバルモデルです。トヨタのコンパクトカーで初めて「E-Four（電気式4WDシステム）」を搭載したモデルでもあります。
現在のグレード展開は「X」「G」「Z」の3つで、ガソリン車とハイブリッド車の選択が可能です。グレード間での違いは主に装備となり、XとGのみ1.0Lのガソリン車が設定されています。ネクステージでの税込み中古車相場は、139万9,000円~235万1,000円です。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『ヤリス（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
ダイハツ ブーン
ダイハツ ブーンは、パッソと同時に発表された兄弟車です。パッソよりも少し遅く、2023年12月に販売終了となりました。パッソと異なるのはグレード名とエンブレム程度で、内外装のデザインや機能は共通しています。
最終モデルのグレードは「X SAⅢ」「 X LパッケージSAⅢ」「スタイル SAⅢ」「シルク SAⅢ」「シルク GパッケージSAⅢ」の5つに加え、Xをベースとした2つの特別仕様車がありました。ネクステージでの税込み中古車相場は、39万9,000円~117万9,000円です。
（2023年1月時点の情報です）
（参考：『ブーン（ダイハツ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
パッソのグレードを選ぶ際のポイントは？
グレード選びは、車を購入する際に頭を悩ませるもののひとつです。中古車の場合は新車で購入するときよりもグレード数が増えるため、何を基準にすればよいか分からない方もいるのではないでしょうか。ここでは、パッソのグレードの選び方を4つのポイントに分けて解説します。
価格に注目する
車の購入にはある程度まとまった金額が必要となるため、予算に収まるかも大切なポイントです。多くの車は装備や機能でグレードが分けられていることから、上級グレードになるほど金額は上がります。
購入費用を抑えたい方におすすめなのは、装備が最もシンプルなエントリーグレードです。パッソのエントリーグレード「X」は、マニュアル式エアコンやハロゲンヘッドライトなど装備は簡素ですが、2021年式以降であれば「スマートアシストⅢ」が搭載されています。
装備を比較する
エントリーグレードは、装備が簡素なだけでなくオプションでも追加できない装備があります。価格よりも利便性を重視したい方は、装備に注目しましょう。
中間グレード以上になると、オプションが選択できる、もしくは標準装備になります。パッソの場合、X"L package"以上のグレードはオートエアコン、LEDヘッドライトに加え、Xではオプションだったリアワイパーも標準装備です。
運転のしやすさ
フルモデルチェンジやマイナーチェンジでは、内外装の変更だけでなく走行性の見直しが行われることもあります。パッソでは、2016年のフルモデルチェンジでボディの軽量剛性化、足回りの強化が行われました。それにより安定感のある走行性を実現しています。
走行性能に関しては、ライバル車との比較も大切です。ライバル車であるフィットやヤリスには、パッソにはないハイブリッド車があります。安全技術に含まれる機能もメーカーによって異なるため、運転のしやすさを重視する場合はエンジンタイプや安全性能にも注目しましょう。
デザインの好み
パッソは、X系グレードとMODA系グレードでデザインが大きく異なります。そのため、デザインもグレード選びの大きなポイントです。
エクステリアでは、ヘッドライトの形状、フロントグリルのデザイン、ホイールのデザイン・材質が異なります。インテリアで異なるのは、ステアリングとメーターパネルのデザインです。
通常のグレードでは物足りない、個性的なデザインを求める場合は、特別仕様車を選ぶとよいでしょう。
パッソの中古車ならグレードの選択肢が広がる
新車購入の場合は現行モデルしか購入できませんが、中古車であれば旧モデルも選べます。せっかく車を購入するのであれば多くの選択肢から選びたいという方には、中古車がおすすめです。ここでは、中古車を購入するメリットを紹介します。
購入費用を抑えられる
中古車最大のメリットは、購入費用を抑えられることです。希少価値のある車や、人気の高い車は新車同等、またはそれ以上の金額で販売されることもありますが、基本的には新車価格の数十万円以下で購入できます。
最終モデルのパッソの場合、フルモデルチェンジ直後のMODAは143万1,000円でしたが、中古車価格は100万円前後です。年式や走行距離で価格は変わるものの、予算に制限がある方にとっては大きなメリットとなるでしょう。
納車までの期間が短い
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行、半導体不足の影響により、新車納期の遅れが続いています。注文を受けてから作り始める新車と違い、現物のある中古車はこれらの影響を受けません。
中古車の納期は1週間~2週間といわれているため、新車よりも早く納車されます。そのため、生活環境の変化や仕事の都合などで早く車が欲しいという方にとって、納期の早さは大きなメリットとなるでしょう。
限定カラーや好みの装備が選べる
新車を購入する楽しみのひとつに、ボディカラーを選べる、好きなオプションを追加できることがあります。しかし、オプションは追加するほど価格が上がるため、予算との兼ね合いが必要です。
中古車であれば、オプション装備が付いた車であっても追加料金はかかりません。また、有料となる限定カラーもお得に購入できます。
新車のような「追加する楽しみ」はないものの、新車にはない「選ぶ楽しみ」があるのは中古車ならではといえるでしょう。
旧モデルは機能に差がある
新車にはないメリットのある中古車にも注意点はあります。まずは、旧型モデルは現行モデルに比べ機能が劣ることです。エアコンやシートヒーターなどの快適装備、安全技術などは、グレードだけでなく年代によっても変わります。
また、同じ年式の車であってもそれぞれコンディションが異なることも注意が必要です。中古車を購入する際は、希望する装備や機能が付いているか、車両の状態に問題はないか、しっかりと確認しましょう。
まとめ
トヨタ パッソの最終モデルには「X」「X"L package"」「MODA」「MODA"G package"」「MODA"Charm"」の5つのグレードがあります。グレード間の違いは、主にデザインと装備です。
パッソは2023年9月に販売が終了となったため、現在新車購入はできません。中古車市場には、最終モデルを含め多くのモデル・グレードが販売されています。それぞれデザインや装備が異なるため、ライバル車とも比較しながら希望にあった一台を見つけましょう。
【この記事の執筆者】
田村陽子
自動車ライター
熊本県在住。これまで、国産車・輸入車・軽自動車・普通車など、20種類以上の車に乗った経験を活かしてクルマ系メディアでの執筆活動を行っている。車両整備士や車好きの友達が多く、情報交換により日々知識を向上している。
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