車の年間走行距離はどのくらい?中古車選びとの関係性を紹介
車の走行距離は、自分の車についてはあまり気にならないという方でも、中古車を選ぶときは気になるのではないでしょうか。同じ年式の中古車でも走行距離が多い車のほうが価格は安くなる傾向があり、走行距離は中古車選びのポイントのひとつです。
この記事では、車の走行距離の平均を用途別に紹介します。走行距離が増えた場合の車に与える影響や走行距離が増えたときに気を付けておきたいことも解説しますので、車の維持や中古車選びの参考にしてください。
※目次※
・車の年間平均走行距離は1万kmといわれている。ただ、用途によって大きく変わるので自分にとってはどのくらいなのかを知っておこう。
・走行距離が増えると部品の交換頻度が高くなるなど、維持費が高くなることもある。
・中古車選びのときは走行距離に注目すると安い車や高品質な車など、希望に合う車を手に入れやすくなる。
車の年間平均走行距離の目安は1万km
車の年間平均走行距離は1万kmとよくいわれています。しかし、毎日通勤で使う方や休日の買い物のみという方もいるように、用途や環境によって走行距離は大きく変わるでしょう。
平均といっても単に「1万km」を基準に考えると自分の使い方とは違ってくることがあります。ここでは車の年間平均走行距離を用途別に紹介しますので、自分の用途に近い走行距離を参考にして、低走行か過走行かを判断しましょう。
市内・近所の利用がメインの場合の平均走行距離
居住している市内での買い物など、近所の移動をメインに車を利用している方の平均年間走行距離は約3,000kmと想定されます。
この場合、1週間あたりの走行距離は約60kmで、毎日使ったとしても1日の走行距離は10kmに満たないことになります。週末しか使わないということであれば走行距離はさらに短くなります。
日常・ドライブなどがメインの場合の平均走行距離
週に数回の買い物と週末のドライブなどで車を利用している方の年間走行距離は、5,000km~1万kmが目安となります。走行距離の範囲は以下のようにイメージしましょう。
近所での日常使い+月に1回程度の長距離ドライブをする場合
・1か月あたりの走行距離が400km~600km:年間走行距離は5,000km~7,000km
・1か月あたりの走行距離が600km~800km:年間走行距離は7,000km~1万km
通勤・通学がメインの場合の平均走行距離
毎日の通勤や通学など、平日の日常使いで車を利用している方の年間走行距離は、1万km~1万5,000kmが平均です。「年間走行距離は1万kmが目安」といわれるのは、車を所有するときは日常的な移動手段として車を利用する人が多いことが理由として挙げられます。
毎日の利用に加えて、月に数回の長距離ドライブや年2回程度の旅行・帰省なども想定しておきましょう。1か月に1,250kmほど走った場合、年間走行距離は1万5,000km程度になります。
通勤・通学に加え週末ドライブも多い場合の平均走行距離
通勤・通学など毎日のように車を利用し、さらに週末は欠かさずドライブをするという場合、年間走行距離は1万5,000km以上となってきます。
週末のドライブを除いても、週5日・往復で60kmほど走行していれば年間の走行距離は1万5,000kmに達するでしょう。
車の走行距離が増えるとどのような悪影響がある?
車の走行距離が増えると、少なからず問題や不具合が出てきます。タイヤなど消耗品の劣化は代表的ですが、それ以外にも維持費や修理費が高くなってくるでしょう。
ここでは、走行距離が増えることによって車にどのような影響が出てくるのかを解説します。この先どのようになるか、心構えと準備をしておくのも良いでしょう。
維持費が高くなる
走行距離が増えてくると、安全に走行するための維持費が高くなります。走行距離が長くなるほど消耗品の摩耗が進みやすくなり、高額な修理代を要する不具合が発生するリスクも上がるでしょう。
例えば、車のエンジンを冷却する役割があるラジエーターやファンモーターなどの故障、足回りのガタツキなどが挙げられます。全て交換や修理をすると、費用が数十万円に及ぶ可能性があるため、車検のたびに費用が高くなるようであれば買い替えを検討してみましょう。
車の価値より修理代のほうが高額になることも
買取や下取りなど、車の売却では走行距離は車の価値に直接影響します。中古車を購入するとき、走行距離が長いほど価格が安いのと同様に、走行距離が長い車ほど価値は落ちてしまうのが一般的でしょう。
これは、価値に比べ修理代のほうが高額になる場合があるためです。中でもエンジン本体やトランスミッション本体が故障すると致命的で、修理費用が10万円以上必要なこともあります。
車の価値に対して修理代が高くなった場合は、買い替えを検討すべき時期です。よほどの思い入れがなければ、修理が必要になったタイミングで次の車を探してみても良いでしょう。
中古車選びで意識したい走行距離ごとの傾向
車は新車だけでなく中古車という買い方もあります。そして中古車を購入する際に多くの方が気にするのが走行距離です。1台1台状態が違う中古車にとって、走行距離はその車の状態を測るひとつの目安となるでしょう。
年式に走行距離の組み合わせで、同じ車種や装備内容であっても中古車価格が大きく変わることもあるため、ここでは走行距離による特徴や傾向を解説します。
3万km|新車のような車が狙える
走行距離3万km程度の中古車は、年式も新しく見た目もきれいな車が多いことが特徴です。比較的新しいモデルを希望する場合は、走行距離3万kmを目安にすると良いでしょう。車によっては、次回の車検までの期間が残っている場合があります。
中古車の中でも比較的低走行であることに加え、見た目、性能のレベルも高いため、全体的に高価格帯です。購入費用はかさんだとしても、性能面や維持費を重視したい方に向いています。ただし、初度登録から1年~2年程度と年式が新しいのに走行距離が3万kmとなると過走行になるため、年式と距離のバランスを見ることは大切です。
5万km|上質で手頃な価格の車が狙える
「価格が手頃であれば、機能は最新のものでなくても良い」という方は、走行距離5万kmを目安にしましょう。年間走行距離が1万kmだとすると、5年落ちの車となります。メーカーにもよりますが、車のモデルチェンジは平均7年~8年です。走行距離が5万kmであれば、現行モデルである可能性もあるでしょう。
新車登録から5年は、2回目の車検を迎えるタイミングでもあります。このタイミングで車を買い替える方が多いため、中古車市場への流通が多いことも特徴です。
10万km|安さ重視で選びたい人向け
「購入費用はできるだけ抑えたい」「安い中古車を探している」など、価格を重視したい方は、走行距離10万kmを目安にしましょう。
年式は10年ほど前のものになるため、外観や内装を含め古さを感じる部分はあるかもしれません。しかし、走行や電装部品に問題がなければ現役として活躍するケースが数多くあります。また、年式がそれほど古くないのに走行距離が10万kmの場合は過走行となるため、状態をよく見極めましょう。
購入後のトラブルに備え、整備がされているか、動作は正常であるかを確認しましょう。エンジンの始動や試乗が可能であれば、ぜひ行ってください。
走行距離が増えると交換が必要になる部品とは?
車は走行距離が増えてくると交換しなければならない部品が出てきます。最近の車は耐久性が高くなってきたとはいえ、経年劣化による交換は避けられません。それでは、例えば10万km走行した場合、どのような部品を交換することになるのでしょうか。
ここでは10万kmほど走行した場合を例にして、交換が必要になる部品やそれらの寿命について解説します。
足回りの部品
足回りでは、ドライブシャフトブーツの破れやショックアブソーバーからのオイル漏れ、ハブベアリングの異音などが交換寿命を迎えやすい部品です。ドライブシャフトブーツが破れていた場合、中のグリースが外に飛び出し、異音やドライブシャフトの交換につながる可能性があります。
これらの部品に異常があった場合、車検の通過もできません。そのため、10万km走行車の場合、交換する可能性が高いことを覚えておきましょう。
電装部品
電装系ではイグニッションコイルやオルタネーターが交換時期を迎えやすい部品です。イグニッションコイルは、エンジンのスパークプラグに火花を発生させるために必要な高電圧を作り出します。イグニッションコイルが機能しなければエンジンは動きません。
オルタネーターは、エンジンからベルトを通して回す発電機です。オルタネーターに不調が生じると、発電ができなくなり電装品が使えなくなります。その場合、バッテリーに残っている電力のみを使うこととなるため、バッテリーが上がる原因につながるので注意が必要です。
各シールやパッキン
エンジンに多く使用されるシールやパッキン類も10万km前後で交換時期を迎えることがあります。シールやパッキン類が使われる理由は、エンジン内部を循環するオイルや冷却水の漏れを防ぐためです。
車種やシール・パッキン類の使用場所、素材によって交換時期は変わりますが、経年劣化による漏れやにじみが起こる可能性もあります。特にエンジンにとってオイルは、人間で例えると血液のようなものであるため、チェックできると良いでしょう。
ラジエーター本体
10万km以上の走行や経年劣化により、ラジエーター本体にも異常が発生する場合もあります。ラジエーターは、エンジンを循環した冷却水を冷やす役割の部品です。多くの車が車両前方に取り付けられています。
ラジエーターの異常が起こりやすい場所は、主にアッパータンクやロアタンクです。特にエンジンから冷却水がはじめに入るアッパータンクは、熱によって劣化が起きます。事故や段差の乗り上げにより、アッパータンクやロアタンクが損傷していることもあるためチェックしましょう。
ウォーターポンプ
ウォーターポンプからの冷却水の漏れや異音なども生じやすくなります。ウォーターポンプとは、エンジン内部の冷却水をラジエーターなどに循環させるための部品です。
ウォーターポンプから冷却水が漏れてしまったり、循環できなくなったりした場合には冷却水を適切な温度に冷やせなくなります。冷却水が冷やせなければ、エンジンのオーバーヒートにつながり、重大な故障へとつながることを覚えておきましょう。
まとめ
車の年間平均走行距離は1万kmといわれています。しかし、生活スタイルの多様化や環境の違いでその人ごとの走行距離は大きく違ってくるようになりました。走行距離があまり伸びないうちに車を買い替えるという方もいるでしょう。
また、走行距離がある程度以上伸びると、部品の交換など維持費も上昇していきます。好きな車なので直してでも乗りたいという方もいるでしょうが、もし維持費の上昇が予想以上になったら車の買い替えを考えてもいいかもしれません。
その際に中古車を探そうとするのであれば、走行距離を注目すると予算と内容のバランスが取れた中古車にめぐりあえるかもしれません。
▼ライタープロフィール
岩本佳美
漠然と「車関係の仕事がしたい」という想いのもと、飲食業界から自動車メディア業界に飛び込むという破天荒な人生を歩んでいる。愛車がスバルのWRXということもあり、主にスバル系の記事をWebや紙媒体に寄稿。モータースポーツが大好きで、レース観戦はもちろん、サーキット走行や24時間耐久のカートレースにも出場するなど、自らも走ることでその楽しさや面白さなどを経験しながら情報発信している。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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