車の年間平均走行距離とは?走行距離による中古車選びのポイントまで分かる
自分の車の走行距離がどのくらいか見れば分かるものの、過走行なのか他の人の平均距離が気になる人もいるのではないでしょうか。車の走行距離には平均的な目安があります。
この記事は、車の用途別の平均走行距離や走行距離が大きく増えた場合の影響を解説した内容です。この記事を最後まで読めば、自分の車の買い替えの目安が分かるでしょう。現在の車を手放すか悩んでいる方は参考にしてください。
※目次※
・車の年間走行距離は平均1万kmが目安。車の用途によって変わるから確認しよう。
・10年10万kmを迎えた車は交換の必要な部品が目立つようになる。
・低走行距離車だからといって良い車とは限らない。良質な車はネクステージでチェックしよう。
車の年間平均走行距離の目安は1万km
車の利用方法は人それぞれです。通勤で毎日使う方もいれば、休日のみ利用する方もいるでしょう。このような利用方法の違いにより、走行距離も変わってきます。
年間の走行距離は「1万km」が一般的な目安です。これを基準に低走行・過走行に分けられます。これは利用状況を考慮していない平均の走行距離です。
ここでは車の用途ごとに走行距離の目安を解説します。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
市内・近所の利用がメインの場合の平均走行距離
居住している市内での買い物など、近所の移動をメインに車を利用している方の平均年間走行距離は約3,000kmです。「近所」の目安としては、距離にして250km~400kmほどの範囲で、1週間あたりの走行距離は約60km程度と考えます。
日常・ドライブなどがメインの場合の平均走行距離
週に数回の買い物と週末のドライブなどで車を利用している方の年間走行距離は、5,000~10,000kmが目安となります。走行距離の範囲は以下のようにイメージしましょう。
近所での日常使い+月に1回程度の長距離ドライブをする場合
・1か月あたりの走行距離が450km~550km:年間走行距離は5,000km~7,000km
・1か月あたりの走行距離が850km~1,000km:年間走行距離は7,000km~1万km
通勤・通学がメインの場合の平均走行距離
毎日の通勤や通学で車を利用している方の年間走行距離は、1万km~1万5,000kmが平均です。「年間走行距離は1万kmが目安」といわれるのは、通勤・通学に車を利用する人が多いことが理由として挙げられます。
毎日の利用に加えて、月に数回の長距離ドライブや年2回程度の旅行・帰省なども想定しておきましょう。1か月に1,000km~1,250kmほど走った場合、年間走行距離は1万5,000km程度になります。
通勤・通学に加え週末ドライブも多い場合の平均走行距離
通勤・通学など毎日のように車を利用し、さらに週末は欠かさずドライブをするという場合、年間走行距離は1万5,000km以上が目安です。
週末のドライブを除いても、週5日・往復で70kmほど走行していれば年間の走行距離は1万5,000kmに達します。
車の走行距離が増えるとどのような悪影響がある?
車の走行距離が増えると、いくつかの問題が生じはじめます。代表的なものが「維持費」と「修理費」です。
ここでは、走行距離が増えたときにどのような影響が出るのか具体的に解説します。走行距離が長くなってきた方は、ぜひチェックしてください。
維持費が高くなる
走行距離が増えてくると、安全に走行するための維持費が高くなります。走行距離が長くなるほど、タイヤやブレーキパッドなどの消耗品が摩耗し、高額な修理代を要する不具合が発生しやすくなるためです。
例えば、ラジエーター(車のエンジンを冷却するための部品)やファンモーター(ラジエーターを冷却するためのファン)などの故障、エンジンオイルの消耗、足回りのガタツキなどが挙げられます。すべて交換や修理をすると、数十万円はかかる可能性があるため、車検のたびに費用が高くなるようであれば買い替えを検討してみましょう。
車の価値より修理代のほうが高額になることも
買取や下取りなど、車の売却では走行距離は車の価値に直接影響します。走行距離と価値は反比例するため、走行距離が長い車ほど価値は落ちてしまいます。
これは、価値に比べ修理代のほうが高額になる場合があるためです。中でもエンジン本体やトランスミッション本体が故障すると致命的で、修理費用が10万円以上必要なこともあります。
車の価値に対して修理代が高くなった場合は、買い替えを検討すべき時期です。よほどの思い入れがなければ、修理が必要になったタイミングで次の車を探してみてもよいでしょう。
メンテナンス次第ではさらに走行できる
中古車の購入を考える際は、総走行距離をメンテナンスの指標として捉えましょう。メンテナンスは車を良い状態に維持できるだけでなく、部品の寿命を延ばし安全面にもつながります。
走行距離が10万kmを超えるような中古車を購入した場合は、エンジンオイルやバッテリーなどの経年劣化しやすい消耗品を中心に、適切なタイミングで交換を行いましょう。
走行距離「10万km」が買い替えの目安
買い替えのタイミングを距離で見た場合、目安は「10万km」です。年間1万km走行していたとすると、10年が時期の目安となります。
この10万kmと10年は買取価格にも影響するため、いずれ買い替えを考えるのであれば覚えておきたいタイミングです。
ここでは、10万kmの走行距離がなぜ買い替えのタイミングなのかを解説します。
10万km走行はだいたい10年落ち
中古車は、よく「◯年落ち」と表現されます。これは、新車登録からの経過年数です。年間の平均走行距離を1万kmだとすると、10万kmに達するのは10年後ということになります。
製造年と登録年は必ずしも一致しませんが、10年たてばエンジンを含めたさまざまなパーツに劣化が見られるようになるでしょう。一例として、エンジンは10万km~15万kmが耐久の目安です。
メーカー保証期間は長くても10年以内
新車購入の場合、メーカー保証が付帯していることが一般的です。多くのメーカーでは、一般保証と特別保証を合わせ最長10年が保証期間のため、メーカー保証が切れるタイミングで買い替えようと考えるユーザーもいます。
保証期間内の不具合は大抵保証でカバーできますが、期間外の不具合はすべて自己負担です。修理内容によっては高額な修理費がかかります。費用面を考えると、メーカー保証が切れる前の買い替えが得策です。
10万km超えは買取金額が下がる傾向
車の買取において、走行距離はひとつのチェックポイントです。10万kmを超えた車は各部品の消耗に加え、内装などにも劣化が見られます。買取業者に査定を依頼した際に、予想外の金額を提示されることも珍しくありません。
また、走行距離に加え10年が経過していた場合、性能面が現行モデルに比べ劣ります。リセールバリューが低いとされ、この点からも買取金額に期待ができません。
このような点から、10万kmを超えた車・10年を超えた車は買取金額が下がる傾向にあります。
走行距離10万kmで平均的に交換となりやすい車の部品
車は走行距離が長くなるにつれ、交換部品が増えてきます。10万kmに近づいた・達した場合、どのような部品の交換が必要になるのでしょうか。
ここでは、10万kmを目安に交換が必要になる主な部品、部品ごとの寿命についてご紹介します。
足回りの部品
足回りでは、ドライブシャフトブーツの破れやショックアブソーバーからのオイル漏れ、ハブベアリングの異音などが交換寿命を迎えやすい部品です。
ドライブシャフトブーツは、駆動力を伝えるためのドライブシャフトのジョイント部分を保護する役割があります。破れていた場合、中のグリースが外に飛び出し、異音やドライブシャフトの交換につながる可能性もあるため注意が必要です。
これらの部品に異常があった場合、車検の通過もできません。そのため、10万km走行車の場合、交換する可能性が高いことを覚えておきましょう。
電装部品
電装系ではイグニッションコイルやオルタネーターが交換時期を迎えやすい部品です。イグニッションコイルは、エンジンのスパークプラグに火花を発生させるために必要な高電圧を作り出します。イグニッションコイルが機能しなければエンジンは動きません。
オルタネーターは、エンジンからベルトを通して回す発電機です。オルタネーターに不調が生じると、発電ができなくなり電装品が使えなくなります。その場合、バッテリーから電力を供給することとなるため、バッテリーが上がる原因につながるため注意が必要です。
各シールやパッキン
エンジンに多く使用されるシールやパッキン類も10万km前後で交換時期を迎えることがあります。シールやパッキン類が使われる理由は、エンジン内部を循環するオイルや冷却水の漏れを防ぐためです。
車種やシール・パッキン類の使用場所、素材によって交換時期は変わりますが、経年劣化による漏れやにじみが起こる可能性もあります。特にエンジンにとってオイルは、人間でたとえると血液に当たるため、チェックできると安心です。
ラジエーター本体
10万km以上の走行や経年劣化により、ラジエーター本体にも異常が発生する場合もあります。ラジエーターは、エンジンを循環した冷却水を冷やす役割の部品です。多くの車が車両前方に取り付けられています。
ラジエーターの異常が起こる場所は、主にアッパータンクやロアタンクです。特にエンジンから冷却水がはじめに入るアッパータンクは、熱によって劣化が起きます。事故や段差の乗り上げにより、アッパータンク・ロアタンクが損傷していることもあるためチェックしましょう。
ウォーターポンプ
ウォーターポンプからの冷却水の漏れや異音なども生じやすくなります。ウォーターポンプとは、エンジン内部の冷却水をラジエーターなどに循環させるための部品です。
ウォーターポンプから冷却水が漏れてしまったり、循環できなくなったりした場合には冷却水を適切な温度に冷やせなくなります。冷却水が冷やせなければ、エンジンのオーバーヒートにつながり、重大な故障へとつながることを覚えておきましょう。
走行距離でみる中古車の特徴
車の買い替え方法のひとつとして、中古車が挙げられます。中古車選びにおいても、走行距離はチェックポイントのひとつです。
中古車は、同じ年式・走行距離であっても状態はさまざまなため全ての車に当てはまりませんが、候補を絞る目安になります。
ここでは走行距離ごとの大まかな特徴をご紹介しますので、スムーズな中古車選びに役立ててください。
3万km|新車のような車が狙える
走行距離3万km程度の中古車は、年式も新しく見た目もきれいな車が多いことが特徴です。比較的新しいモデルを希望する場合は、走行距離3万kmを目安にするとよいでしょう。車によっては、次回の車検までの期間が残っている場合があります。
中古車の中でも比較的低走行であることに加え、見た目、性能のレベルも高いため、全体的に高価格帯です。購入費用はかさんだとしても、性能面や維持費を重視したい方に向いています。
5万km|上質で手頃な価格の車が狙える
「価格が手頃であれば、機能は最新のものでなくてもよい」という方は、走行距離5万kmを目安にしましょう。年間走行距離が1万kmだとすると、5年落ちの車となります。メーカーにもよりますが、車のモデルチェンジは平均7~8年です。走行距離が5万kmであれば、現行モデルである可能性もあります。
新車登録から5年は、2回目の車検を迎えるタイミングでもあります。このタイミングで車を買い替える方が多いため、中古車市場への流通が多いことも特徴です。
10万km|安さ重視で選びたい人向け
「購入費用はできるだけ抑えたい」「安い中古車を探している」など、価格を重視したい方は、走行距離10万kmを目安にしましょう。
年式は10年ほど前のものになるため、外観や内装を含め古さを感じる部分はあるかもしれません。しかし、走行や電装部品に問題がなければ現役として活躍するでしょう。
購入後のトラブルに備え、整備がされているか、動作は正常であるかを必ず確認しましょう。エンジンの始動や試乗が可能であれば、ぜひ行ってください。
走行距離20万km以上で好調な場合もある
「走行距離10万kmを超えた車は避けたほうがよいのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、この「10万km」という目安は定期的なメンテナンスを行わず、最低限の消耗品交換のみで走り続けた場合の数字です。
古くなった部品がしっかり交換されており、かつその部品の供給が続いているのであれば、走行距離20万kmの中古車だとしても十分に良い状態を維持している車もあります。
平均走行距離でみる中古車を選ぶ際のポイント
中古車を選ぶときは走行距離だけにとらわれず、前の所有者がどのように車を使用していたのかを知ることが大切です。走行距離によってエンジンや消耗品の劣化状況は異なります。満足のいく中古車が購入できるよう、選ぶ際のチェックポイントを把握しておきましょう。
経過年数と走行距離から平均走行距離を導き出す
走行距離を経過年数で割ることで、年間走行距離が分かります。走行距離の目安は「1年あたり1万km」といわれているので、3年~5年、10年単位の走行距離を計算してみましょう。元の持ち主がどのような用途で車を使用していたかを考える参考材料となります。
もし極端に走行距離が少ない場合は、車が放置されていた可能性を考慮しましょう。基本的に、車を全く走らせない状態よりも定期的に使用するほうが部品は長持ちします。放置されていた車の場合、購入後の故障リスクが高まるため注意しましょう。
短距離の走行が多い場合
街乗りメインであったり短距離移動が多かったりすると、エンジンへの負担が高まります。これは、十分に温められないままオン・オフを繰り返すことでエンジンの消耗が早まるためです。短距離移動がメインだった車を選ぶ際は、必ずエンジンの状態をチェックしましょう。
毎日10km~20kmを走行する場合
車を毎日10km~20km程度で使用していた場合、年間で考えると走行距離は5,000km~1万km程度になります。年間走行距離がこの範囲に収まっているのであれば、中古車としては一般的な数字です。少しでも購入価格を抑えたい場合、あえて年間走行距離が平均よりも多い車を選ぶ方法もあります。
遠出で利用することが多い場合
平日は車を使用せず、休日のみの使用だった車は走行距離が短いことが多く、数字だけ見れば状態が良さそうに見えるかもしれません。
使用頻度こそ低いものの、レジャーなどの遠出使用がメインであった場合は注意が必要です。長距離移動によりタイヤの擦り減りが著しいこともあるでしょう。購入前に消耗品のチェックをしておくと安心です。
ハイブリッド車も1年1万kmを目安に選ぶ
中古のハイブリッド車の購入を検討している方もいるかもしれません。ハイブリッド車についても、走行距離の考え方は同じです。1年1万kmを目安にしましょう。
ハイブリッド車はハイブリッド専用のバッテリーが車載されています。年間1万km走行のハイブリッド車であれば、バッテリーにとっても適度な走行距離です。新車登録から年数が経過しているにもかかわらず、走行距離が少ない場合はバッテリーの寿命が短くなっている可能性があるため注意しましょう。
車の走行距離が平均より少なくても状態が良いとは限らない
走行距離が少なければ、車のコンディションは保たれていると思ってしまう人もいるのではないでしょうか。車は「走行距離が少ない=狙い目の車」とは限りません。
中古車を選ぶ際に知っておきたい3つのポイントを紹介します。低走行距離車を探す際の参考にしてください。
近距離での走行が続くとエンジンの負担に
走行距離が少ない場合でも、乗り方によって車への負担が大きく変わります。一回あたりの走行距離が少ない、買い物や送迎などをメインに使っていた場合、年数が経過しても低走行距離車になってしまうことを覚えておきましょう。
買い物や送迎など近距離走行を繰り返していた場合には、エンジンなどに負担がかかっています。近距離走行は、エンジンが十分に暖まる前に目的地に到着してしまうためです。
暖まらない状態でエンジンの停止・始動を繰り返していると、エンジンに負担が蓄積され故障のリスクが高まります。
長期間放置されていた可能性がある
走行距離が少なければ走っていないことに変わりありませんが、一定距離を走行後、放置されていたことも考えられます。放置されていれば、公道を走ることもなく適切なメンテナンスを受けていない場合もあるため、故障が起こるリスクも高くなるでしょう。
車はメンテナンスを受けながらある程度走行していたほうが、良いコンディションをキープできます。新車登録から年数が経過しているにもかかわらず、走行距離が少ない場合にはしっかりとチェックしましょう。
走行メーターを偽装している可能性がある
走行距離が偽装されて売却・販売されている場合もあります。近年増えてきたデジタルの走行距離メーターではなく、アナログ式が一般的だった時代にしばしば見かけられた悪質な行為です。
走行距離が偽装された車は、本当の走行距離を調べられません。そのため、走行距離以上に車の状態が悪いケースもあるため、個人の中古車売買やネットオークションなどには大きなリスクがあることを覚えておきましょう。
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まとめ
車の年間平均走行距離は、使用用途によって差があるものの1万kmが目安です。走行距離を基準にした車の買い替えるタイミングは10万km、新車登録から10年が経過した時期とされています。
10万kmを超えれば、それまで故障のなかった車でも交換が必要になる部品も出てくるでしょう。低走行距離車が優れているわけでもありません。車の購入を考えている方はネクステージをご利用ください。アフター保証など購入後のサポートもあり安心です。