ぶつからない車に備わっている安全機能とは？安全性能ランキングも紹介
国内の自動車保有台数は8,200万台を超えており、国内では多くの車が走っています。交通事故件数は減少傾向にありますが、2021年は2,636人が交通事故で亡くなっているのが現状です。ひとり一人が安全意識を持って運転するのはもちろんですが、車の安全機能の向上も交通事故を減らす上で欠かせません。
この記事では、ぶつからない車に備わっている安全機能を解説します。また、安全性能を持つ車をランキング形式で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
※目次※
・ぶつからない車とは、衝突を回避するための安全機能を備えた車！
・メーカーや車種によって性能が異なり、安全機能の仕組みを理解することが重要！
・ぶつからない車を客観的に判断するには、自動車アセスメントを参考にしよう！
ぶつからない車とは？
ぶつからない車とは、さまざまな安全機能が搭載された車のことです。危険を察知し未然に事故を防いでくれるため、車選びにおいて重要な指標になっています。具体的にはどのような車をぶつからない車と呼ぶのでしょうか。まずは、ぶつからない車とは何かを説明するとともに、事前に把握しておくべき注意点を解説します。
衝突を回避するための安全機能を備えた車
車の安全性能は、主に「衝突安全性能」と「予防安全性能」の2つに分類されます。ぶつからない車とは、予防安全性能が搭載された車のことです。予防安全のための機能は、多くの車に備わっていますが、メーカーや車種によって性能に差があります。どの車が安全性能に優れているのかを見極める必要があるでしょう。
政府も高齢者のドライバーによる交通事故防止策として、先進の予防安全技術でドライバーを支援する「サポカー」の普及に取り組んでいます。
確実に衝突を回避できるわけではない
車の安全予防技術が発展したことで、死亡事故は減少傾向にあります。車の安全技術と先進装備は日々進化していますが、完全にぶつからないことを保証しているわけではないことを認識しておくべきでしょう。
ぶつからない車とは、あくまで運転支援機能が搭載されている車のことです。路面状況や気象条件によって機能が作動しないこともあります。安全性能を過信せず、安全運転を心がけることが事故を未然に防ぐために重要です。
ぶつからない車に関連する主要な安全機能
未然に事故を防ぐために覚えておきたい安全機能ですが、その種類はさまざまです。ぶつからない車に関連する代表的な安全機能は5つあります。名前は聞いたことがあっても、具体的にどのような機能なのかわからない方もいるかもしれません。ここでは、それぞれの機能が何の役割を果たしているのかを詳しく解説します。
衝突被害軽減ブレーキ
衝突被害軽減ブレーキとは、前方の障害物を検知し、危険性が高い場合は音や警告灯でドライバーに警告する機能です。また、衝突する可能性があるとシステムが判断すれば、自動でブレーキを作動させる仕組みとなっています。
前方の障害物を検知する方法は、レーダーやカメラなど車によってさまざまです。近年では歩行者や自転車など、検知する対象が広いものも増えています。すべてのシステムが視界の悪い状況でも作動するわけではないため、注意が必要です。
⾞線逸脱抑制機能
⾞線逸脱抑制機能とは、車に搭載されたカメラが車線の位置を検知する機能です。もし車線をはみ出しそうになった場合は、音や警告灯などでドライバーに知らせます。正しい位置に戻るよう促すことで、より安全な運転を支援してくれます。また、ブレーキやハンドルを制御して車線内を維持するよう働きかける車も増えてきました。
ただし、あくまでも車線の位置を判断できる場合にのみ機能が作動します。車線がわかりづらい状況では作動しない可能性もあるため注意が必要です。
誤発進抑制制御機能
近年、高齢者のドライバーによる誤発進の事故が多発しています。誤発進抑制制御機能とは、ペダル踏み間違い時に誤発進を抑制する装置です。前方に障害物がある状況でペダルを踏んだ場合に、警告音でドライバーに衝突の危険性を知らせます。
また、エンジン出力を抑えて、急発進や急加速を抑制する安全装置です。他の安全機能と同様に、条件によって作動しないこともあります。
高機能前照灯
高機能前照灯の特徴は、夜間に良好な視界を確保するためハイビームを前提としつつ、対向車への眩しさを軽減する機能を有している点です。対向車へライトを直射しないための方式が2つあります。
一つは、自動切り替え型です。この方式では、状況に応じてロービームとハイビームを自動で切り替えます。もう一つは自動防眩型で、対向車を検知した際、自動的に対向車への照射のみをカットします。
リアビークルモニタリングシステム
リアビークルモニタリングシステムとは、隣車線の後方から近づいてくる車両の存在を知らせる機能です。安全に車線変更を行うには、十分な車間距離をとる必要があります。しかし、ミラーでは確認できない死角が存在するのも事実です。
目視では確認しにくい斜め後方の車両を検知することで、安全な車線変更をアシストしてくれます。しかし、システムの作動には制約があることも覚えておきましょう。車線変更をする際は、ドライバーの目で確認することが大切です。
ぶつからない車に近づく各メーカーの予防安全機能
車の安全運転技術は、各メーカーで日々研究開発が行われています。先に紹介した予防安全機能だけでなく、メーカー独自の安全装置も確認しておきましょう。ここでは、ぶつからない車に近づく各メーカーの代表的な予防安全機能を紹介します。
【スバル】前側方プリクラッシュブレーキ
前側方プリクラッシュブレーキとは、車両前方の左右に設置されたレーダーによって前側方からの接近車両を検知する機能です。左右に壁や障害物があるなど、側方の見通しが悪い道路から交差点へ侵入する際に役立ちます。
ドライバーの目視だけでは、他車の存在を確認しにくい場面も少なくありません。自車や相手車両の速度に対して作動条件があるものの、接近する車両との衝突回避をサポートする予防安全機能です。
【トヨタ】プロアクティブドライビングアシスト
プロアクティブドライビングアシストとは、危険をあらかじめ予測して安全運転をサポートする機能です。たとえば、歩行者が道路を横断すると検知した場合に、そこに近づきすぎないようステアリング操作やブレーキ操作をサポートします。他にも、先行車やカーブに対する減速支援など、状況に応じたリスクの先読みが可能です。
より安全な運転をするためには「かもしれない運転」が欠かせません。そのドライバーの意識と共に、車側でも危険を予測してサポートをする機能がプロアクティブドライビングアシストです。
【レクサス】安心降車アシスト
安心降車アシストとは、車の降車時に後方から接近する車両を検知する機能です。ブラインドスポットモニターのセンサーを活用することで、降車時の衝突事故を防ぎます。危険性があるとシステムが判断した場合に、音や警告灯で知らせます。また、ドアのラッチ/アンラッチを電子制御して、ドアが開かないようロックしてくれます。
車から降りようとして、後方から近づいてきた車両とぶつかりそうになった経験をした方もいるかもしれません。安心降車アシストがあれば、このような危険を回避できるでしょう。
【日産】インテリジェントアラウンドビューモニター
インテリジェントアラウンドビューモニターとは、車の周辺状況をモニターで確認できる機能です。車を真上から見下ろしたような映像となっているため、ドライバーが目視だけでは確認しにくい部分もリアルタイムで把握できます。
特に、車庫入れや駐車場からの発進時に役立つでしょう。死角となる場所に人の存在はないか、狭い場所での車庫入れの際にぶつからないかなどが確認可能です。また、カメラが車両の周囲で移動するものを確認した場合、画面と音で知らせてくれます。
ぶつからない車に近い安全性能を持つ車種TOP10
車の安全性能を高める技術は、各メーカーで日々研究開発されています。そのため、最新の車種であるほどぶつからない性能を持っていると言えるでしょう。しかし、実際に車を購入する際に、どの車種を選べば良いのか迷うこともあるかもしれません。ここでは、ぶつからない車に近い安全性能を持つ車種をランキング形式で紹介します。
2021年度自動車アセスメントから判断
国土交通省と自動車事故対策機構(NASAVA)は、自動車の安全性能評価として試験結果を公表する自動車アセスメントを実施しています。メーカーに対してより安全な車の開発を促すことを目的とし、実際に新車販売された車の安全機能テストを行っています。
ここからは、2021年度に優れた成績を収めた車種を、評価結果の点数が高い順に紹介します。ぶつからない車を客観的に判断する基準として、以下のランキングをご覧ください。
第1位 レガシィアウトバック【スバル】
スバルのレガシィアウトバックは、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度自動車アセスメントにおいて、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得しています。13車種のうち、レガシィアウトバックが最高得点を獲得して大賞を受賞しました。
360度センシングを実現した「アイサイト」をはじめ、ぶつからないをサポートする機能が充実しています。アクセルやブレーキなどの操作をアシストする機能も搭載されており、ドライバーの運転負荷を軽減するのも特徴の一つです。
（参考：『レガシアウトバック（スバル）の中古車一覧 - ネクステージ』）
第2位 ヴェゼル【ホンダ】
ホンダのヴェゼルも、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の「自動車アセスメント」で、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得しています。衝突安全性能評価、予防安全性能評価でAランクとなり、ぶつからない車として評価されています。
3つの検知方法で安全運転をサポートするホンダセンシングが標準装備されており、事故を未然に防ぐため運転をサポートしてくれるでしょう。走行中におけるさまざまなヒヤリに備えた予防安全機能が数多く搭載されています。
（参考：『ヴェゼル（ホンダ）の中古車一覧 - ネクステージ』）
第3位 アウトランダーPHEV【三菱】
三菱のアウトランダーPHEVも、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の「自動車アセスメント」で、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得しました。
前方車との距離間を保つ「レーダークルーズコントロールシステム」、車線中央付近を走る「車線維持支援機能」など、ぶつからないための安全機能が搭載されています。また、走りの安全性を高める三菱e-Assistも標準装備しており、さまざまな危険な状況を検知して運転支援を行ってくれることも高評価の理由です。
（参考：『アウトランダーPHEV（三菱）の中古車一覧 - ネクステージ』）
第4位 ノート/ノートオーラ【日産】
日産のノート/ノートオーラも、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の「自動車アセスメント」で、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得しました。運転のしやすさが人気のコンパクトカーですが、安全性でも高い評価を受けています。
車に搭載されたいくつものカメラやレーダーによって、周囲を検知する運転支援システムで安全運転をサポートします。対向車を検知して照射範囲を自動的に切り替えるLEDヘッドライトシステムをメーカーオプション設定するなど、「ぶつからない」に近づける一台です。
第5位 ルークス/ルークス ハイウェイスター【日産】
日産のルークス/ルークス ハイウェイスターも、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の「自動車アセスメント」で、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得しています。軽自動車では初となる予防安全性能評価で満点となった車です。
2台前の車両の検知や車線からのはみ出しなど、あらゆる状況での衝突を回避する機能が搭載されています。ぶつからない車として評価が高いだけでなく、万が一の事故発生時に専門のオペレーターつながるSOSコールも特徴の一つです。
（参考：『ルークス（日産）の中古車一覧 - ネクステージ』）
第6位 カローラ/カローラツーリング【トヨタ】
トヨタのカローラ/カローラツーリングも、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の「自動車アセスメント」で、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得しました。トヨタの代表車とも言える車種で、高い安全性能を誇っています。
複数の予防安全システムをパッケージ化して標準装備されており、ぶつからないためのサポートしてくれる一台です。また、事故発生時でも衝突時の車両データから乗員のダメージを解析し、医師が現場に直行する救命サービスに対応した通信機も標準装備しています。
（参考：『カローラ（トヨタ）の中古車一覧 - ネクステージ』）
第7位 アクア【トヨタ】
トヨタのアクアも、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の「自動車アセスメント」で、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得しました。世界トップレベルの燃費性能が魅力の一つですが、高い安全性能を誇っていることも人気の理由です。
多くの方に選ばれるコンパクトカーだからこそ、最新の安全装備が採用されています。スイッチを押すだけで駐車操作をアシストしてくれたり、交差点で歩行者や自転車の検知にも対応したりするなど、さまざまな場面でぶつからないをサポートします。
（参考：『アクア（トヨタ）の中古車一覧 - ネクステージ』）
第8位 キックス【日産】
日産のキックスも、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の「自動車アセスメント」で、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得しました。
インテリジェントエマージェンシーブレーキが搭載され、車や人との衝突回避をサポートしてくれます。また、駐車時に車全体を映し出すアラウンドビューモニターが装備されていることも特徴の一つです。踏み間違い衝突防止アシストもあり、さまざまな場面で高い安全性能を発揮します。
（参考：『キックス（日産）の中古車一覧 - ネクステージ』）
第9位 マツダ CX-30【マツダ】
マツダのCX-30も、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の「自動車アセスメント」で、最高評価にあたる「ファイブスター賞」を獲得しました。街乗りで快適性を重視したクロスオーバーモデルで、危険を回避し衝突被害を軽減する機能が搭載された一台です。
後方・前方・左右からの障害物を検知し、ブレーキ制御を行うことで事故を未然に防ぎます。また、約60km/h以上で走行中に車線からはみ出す可能性があるとシステムが判断した場合に、ハンドル操作をアシストする機能も装備されています。
（参考：『CX-30（マツダ）の中古車一覧 - ネクステージ』）
第10位 eKスペース/eKクロス スペース【三菱】
eKスペース/eKクロス スペースは日産ルークスの兄弟車で、自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の「自動車アセスメント」でも高評価を獲ています。ただし、ファイブスター賞の獲得は逃してしまいました。
衝突安全と予防安全の評価点については、ルークスと同じですが、「事故自動緊急通報装置」の有無でランキングに差が出ています。
（参考：『eKスペース（三菱）の中古車一覧 - ネクステージ』）
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まとめ
未然に事故を回避してくれる安全性能が備わった車は人気があります。運転をサポートし、危険回避のアシスト機能が搭載されている車なら、安心かつ充実したカーライフを送れるでしょう。ただし、各種の予防安全装備は頼りになりますが、絶対にぶつからない車はないため過信しないことが重要です。
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