チャイルドシートの着用義務について徹底解説!車に装着しなくても良い条件は?
シートベルトの着用義務は一般的に知られていますが、チャイルドシートも装着が義務付けられています。
着用義務を怠った場合には罰則を科されるだけではなく、重大な事故を引き起こす恐れがあるでしょう。子どもの命にも関わることのため、着用のルールについて知っておきたいという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、チャイルドシートの着用義務についてご紹介します。チャイルドシートの選び方についても解説しますので、使用の前に確かめておきましょう。
※目次※
6.チャイルドシートを装着しやすい子育て世代におすすめの車種5選
・6歳未満の子どもは、チャイルドシートを装着しなければならないことが道路交通法で定められている。
・レンタカーや親戚の車、出産後の退院時もチャイルドシートの装着義務がある。
・授乳やおむつ交換、ケガなど一定の条件下では、着用義務が発生しない。
チャイルドシートの着用義務を確かめておこう
チャイルドシートの着用が義務化されたのは2000年です。乗車中の事故により、ケガや命を落とすケースが急増したために義務付けられました。
チャイルドシートの着用義務は聞いたことがあるものの、何歳までに適用されるか詳細を知らないというという方もいるのではないでしょうか。ここでは、チャイルドシートの着用義務について解説します。
チャイルドシートの目的とは?
チャイルドシートは子どもの安全を守る目的で義務付けられています。チャイルドのシートの正式名称は「幼児用補助装置」です。1977年に国産初のチャイルドシートが誕生しており、現在までに多くのメーカーがさまざまなデザインのチャイルドシートを販売しています。
チャイルドシートの装着義務が記載されているのは、道路交通法第71条の3です。幼児が乗車する際には、座席ベルトに替わる機能を果たす補助装置の使用が明記されています。
チャイルドシートの着用義務はいつまで?
6歳までチャイルドシートを着用しなければなりません。道路交通法第14条には、幼児を6歳未満と定義しています。6歳に達するまではチャイルドシートを使うようにしましょう。
チャイルドシートの装着が必要となる理由は、シートベルトの対応年齢と関係があります。シートベルトは身長140cm以上を対象に設計されており、小さな子どもが使用した場合には適切に装着できません。6歳未満の子どもや身長が140cm以下の子どもはチャイルドシートを着用する必要があります。
違反した場合の罰則は?
6歳未満の子どもをチャイルドシートに乗せる義務は、道路交通法で定められています。着用義務があるにもかかわらず、装着しなかった場合は道路交通法違反となり、ペナルティーを受けなければなりません。
違反した場合の点数は、1点です。この違反点数は、所定の基準に達すると免許停止、免許取り消しなどの処分対象となります。反則金はありません。しかし、ゴールド免許を所持している場合、次回免許更新でブルーに変わります。
子ども用のシートは全部で3種類
子ども用のシートは、対象とする子どもの体重、身長、年齢によって3つに分類されます。以下は、各シートが対応する体重と身長、年齢の一覧です。
名称 |
ベビーシート |
チャイルドシート |
ジュニアシート |
体重 |
10kg未満または13kg未満 |
9kg~18kg |
15kg~36kg |
身長 |
70cm以下 |
65cm~100cm |
135cm以下 |
年齢 |
新生児~1歳 |
1歳~4歳 |
4歳~10歳 |
チャイルドシートの着用義務が発生しないケース
ほとんどのケースで装着が義務付けられているチャイルドシートですが、特定の状況においては装着が免除されています。緊急な状況にあるときや装着が難しい状況にある場合には免除が適用されるため、使用する方は前もってチェックしておくと良いでしょう。
ここでは、チャイルドシートの装着義務が発生しない8つのケースについてご紹介します。
構造上の問題で取り付けが難しいとき
チャイルドシートの取り付けが難しい車については、着用義務が発生しません。主なケースとして、シートベルトが装着されていない車や3点式や4点式などの特殊なシートベルトが搭載されている車などがあります。
ただし、チャイルドシートを装着せずに助手席に座るのは危険です。後部座席で大人と一緒に座るようにしましょう。
装着すると全員の乗車が難しくなるとき
5人乗りのコンパクトカーに大人2人、6歳未満の子ども3人で乗る場合、3人分のチャイルドシートを装着すると大人1人が乗れなくなるケースです。
全てのチャイルドシートを装着すると全員の乗車が難しくなる場合には、子ども1人分の装着が免除されます。この場合、全員がシートベルトやチャイルドシートを装着しなければなりません。
病気やケガなどで使用が難しいとき
足を骨折している場合はチャイルドシートを使用した乗車は難しいでしょう。ケガをしているときは、装着義務が免除されます。
また、自閉症などの精神病を抱えている子どもについても装着義務は発生しません。診断書などの提示は必須ではありませんが、トラブルを避けるためには証拠となる書類をあらかじめ用意しておくのが良いでしょう。
身体的な理由で正しい着用が難しいとき
子どもが肥満体型でチャイルドシートに座るのが難しいというケース、首が据わっていないものの体が大きいためにベビーシートへの固定が難しいというケースがあります。身体的な成長が理由でチャイルドシートの使用が難しい場合、装着義務が発生しません。ただし、事故に遭遇するとケガをする恐れがあるため、適切な対策を取ることが大切です。
授乳やおむつ替えなどをするとき
授乳やおむつ替えをしなければならない場合には、装着義務を免除できます。ただし、以下の2点を守らなければなりません。
・ドライバー以外の方が授乳やおむつ替えをする
・授乳などが終わった後は再びチャイルドシートを使う
ただし、状況によっては事故やけがを招く恐れがあるため、車を停車させてから世話をしましょう。
バスやタクシーなどに乗車するとき
路線バスや貸切バスは、シートベルトが装着されていないことや、チャイルドシートの設置が難しいことがあります。また、タクシーは子どもの乗車の予測が難しく、事前の用意は難しいでしょう。バスやタクシーはチャイルドシートの設置が難しいため、装着義務が発生しません。
貸切バスの利用でチャイルドシートの設置を希望する方は、前もってバス会社に相談しておくのがおすすめです。
過疎バスに乗車するとき
過疎バスとは、公共の福祉の目的で運行している自治体のバスのことです。名前の通り、主に過疎地域での移動手段として利用されています。
過疎バスを利用する場合、バスやタクシーと同じようにチャイルドシートの設置が難しいので装着義務が適用されません。
注意点として過疎バスを幼稚園の送迎目的で使用する場合には、チャイルドシートの装着義務が発生します。
医療機関や官公署への緊急搬送するとき
救急車の役割は負傷者や急病人を病院にまで運ぶことですが、自家用車についても医療機関へ緊急搬送する場合にはチャイルドシートの装着義務が適用されません。
また、迷子を警察署に連れていくなど官公署へ子どもを緊急搬送する際にもチャイルドシートを装着せずに運転が可能です。ただし、通常時ではチャイルドシートの装着義務が適用されます。
チャイルドシートの着用義務が発生するケース
チャイルドシートは特別な事情がない場合、装着をしなければなりません。他の人が運転する車を利用する際や幼い子どもが乗車する際にもチャイルドシートの装着が必要です。
ここでは、チャイルドシートの使用義務を見落としやすい3つのケースについてご紹介します。装着義務違反に関するトラブルを未然に防ぐためにも、前もって確かめておきましょう。
レンタカーに乗車するとき
小旅行やロングドライブの際にレンタカーを利用する方がいますが、6歳未満の子どもを乗せる場合にはチャイルドシートを設置しなければなりません。
多くのレンタカー会社では、有料でチャイルドシートのレンタルサービスを提供しています。ただし、使い慣れたチャイルドシートを使いたいという方は、持ち込みでの設置が便利でしょう。
親族や知人の車に乗るとき
帰省の際には、親族や知人の車を使う機会があるでしょう。しかし、6歳未満の子どもが乗車する場合にはチャイルドシートを設置しなければなりません。
チャイルドシートを装着せずに車を運転した場合には、子どもの両親ではなく運転者がペナルティの対象です。親族間や友人間のトラブルを避けるために、チャイルドシートが装着されていない車に乗るのは避けましょう。
新生児の退院時
生まれたばかりの赤ちゃんを車に乗せる場合、ベビーシートを装着しなければなりません。病院で出産した場合、自家用車を使ってお迎えする方がいます。チャイルドシートの装着義務は6歳未満の子どもとなっており、新生児も対象です。
新生児を車に乗せる場合には、保護者が体調をチェックできるように配慮しましょう。
車に合ったチャイルドシートを選ぶ際のポイント
チャイルドシートをきちんと装着すれば、事故の衝撃から子どもを守れます。安全のためには欠かせない装置ですが、最近ではさまざまなメーカーでチャイルドシートを販売しているため、選び方が分からない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、チャイルドシートを選ぶ際のポイントをご紹介します。購入を検討している方は、それぞれのポイントをチェックしておきましょう。
子どもの成長に合わせて選ぶ
チャイルドシートには3つのタイプがあります。子どもの成長に合わせて適したタイプを選ぶのがおすすめです。
チャイルドシートには年齢の他に、身長や体重の制限が記載されています。子どもの体格に適したチャイルドシートを選ぶなら、適切に装着できるので安心です。
最近では新生児~7歳まで使用できるロングユースタイプのチャイルドシートが販売されています。費用を抑えたい方は、長期間使用できるチャイルドシートを選ぶと良いでしょう。
安全基準をクリアしたチャイルドシートを選ぶ
チャイルドシートには、国土交通省による安全基準が設けられており、基準に適合したものを使用しないと重大な事故を招く恐れがあります。
最新の安全基準を満たしているチャイルドシートには「Eマーク」が添付されているため、購入の際には添付の有無を確かめておきましょう。
2006年9月30日よりも前に型式指定を受けたチャイルドシートには、旧基準となる「自マーク」が添付されています。中古のチャイルドシートの購入を検討している方や友人からチャイルドシートを譲り受ける予定の方は、マークの種類を確かめておくと良いでしょう。
規則番号をチェックする
チャイルドシートには、R44とR129と呼ばれる安全基準があります。R44は、2023年8月末まで販売されていたチャイルドシートに用いられていた基準です。2023年9月以降は、R129のみへと変わりました。
R44とR129の違いは、例えば、後ろ向きの使用期間です。R44は12か月頃まででしたが、R129のチャイルドシートであれば、15か月未満まで使用できます。R44のチャイルドシートを使用しても問題ありませんが、樹脂部分などの劣化に注意しましょう。購入時に規則番号を確認するのがおすすめです。
自分の車に装着できるか確認しておく
チャイルドシートには、シートベルト固定タイプとISOFIXタイプの2種類があります。以前はシートベルト固定タイプが主流でしたが、現在では車の固定金具にチャイルドシートを連結するISOFIXタイプが一般的です。
ISOFIXタイプには装着がしやすいというメリットがあります。簡単に安全な固定が可能なため、装着に不安のある方はISOFIXタイプを選ぶと良いでしょう。
注意点として、年式の古い車の中にはISOFIXタイプに対応していない場合があります。未対応のときには、シートベルト固定タイプのチャイルドシートを選びましょう。
車にチャイルドシートを取り付ける際の注意点
チャイルドシートは、適切な方法で取り付けなければ、万が一事故が起きた場合に子どもを守れません。ここでは、チャイルドシートを装着する際の注意点を3つ紹介します。注意点を把握した上で、チャイルドシートを利用しましょう。
なるべく後部座席に装着する
助手席にチャイルドシートを装着すると、事故でエアバッグが作動した場合、その衝撃によって子どもが負傷する可能性もあります。
チャイルドシートを助手席に装着すれば、子どもの様子もうかがいやすいと思う方もいるでしょう。しかし、子どもから何度も声をかけられた場合、ドライバーは運転に集中できず、事故のリスクも高まります。万が一の事故に備え、チャイルドシートは後部座席に装着するのがおすすめです。
動かないように固定する
チャイルドシート上端を持ち、前後へ力を入れても大きく動かないか確認しましょう。約30mm以上動く場合は、再度固定し直します。
自動ロック式巻き取り装置付きシートベルトの場合、全て引き出すと巻き取れますが、それ以上引き出せません。チャイルドシート取り付け後にシートベルトを全て引き出し、機能を働かせましょう。
チャイルドシートの取り付け方は、商品によって異なります。説明書をしっかりと読み、手順通りに取り付けることが大切です。
金具部分の扱いに気を付ける
夏は車内温度が高くなりやすく、チャイルドシート、バックル、ベルト、ISOFIXの固定金具などが熱くなります。やけどするほどの高温になるため、子どもを乗せる際にはあらかじめ触れても大丈夫か確認しましょう。
熱い場合は、エアコンを使って車内温度を下げる、ウエットシートで拭くなどの方法がおすすめです。サーキュレーターを使うと、エアコンの冷気を効率良くリアシートまで送れます。
チャイルドシートを装着しやすい子育て世代におすすめの車種5選
チャイルドシートを装着する車選びも重要です。車選びの際は、室内空間の広さや取り回しやすさ、スライドドアの有無などをチェックしましょう。ここでは、子育て世代にとってうれしい機能が備わった車を5種類紹介します。車の乗り換えを検討している方は、車選びの参考にしてください。
ホンダ N-BOX
N-BOXは、スーパーハイトワゴンとも呼ばれる、全高の高い軽自動車です。軽自動車の規格までボディサイズを拡大することで、軽自動車とは思えない広々とした室内空間を確保しています。
リアシートは、座面を跳ね上げるチップアップ式です。座面を上げることで、ベビーカーも畳むことなく載せられるほどのスペースを確保できます。
新車価格は、税込み164万8,900円~236万2,800円、ネクステージの中古車相場は税込み29万9,000円~204万9,000円です。
(2023年12月時点の情報です)
(参考:『N-BOX(ホンダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ シエンタ
シエンタは、トヨタの最小ミニバンとして開発された車です。5ナンバーサイズですが、室内空間は広く、開放感があります。5人乗りと7人乗り仕様があるため、取り回しやすさとファミリーカーとしての使い勝手、どちらも欲しい方におすすめです。
7人乗り仕様のセカンドシートは、タンブル機構が用いられています。ワンタッチのレバー操作でセカンドシートを折り畳められ、サードシートへのアクセスも簡単です。
新車は、税込み195万円~310万8,000円で販売されています。ネクステージの中古車相場は、税込み39万9,000円~342万9,000円です。
(2023年12月時点の情報です)
(参考:『シエンタ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
日産 セレナ
セレナには、ハンズフリーオートスライドドアが両側に備わっています(グレード別)。足先を車の下に入れるだけで、スライドドアの自動開閉が可能です。子どもを抱っこしているとき、荷物を両手に持っているときなどに重宝します。
セレナの乗車定員は、7人もしくは8人です。スマートマルチセンターシートを1列目に動かすと、2列目と3列目の間を楽に移動できます。
新車価格は、税込み276万8,700円~479万8,200円、ネクステージの中古車相場は税込み35万5,000円~467万9,000円です。
(2023年12月時点の情報です)
(参考:『セレナ(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
スズキ ソリオ
ソリオは、子育て世代に役立つ商品を厳選するコンテスト「MAMADAYS総選挙」にて、2年連続優秀賞を受賞した車です。
センターウォークスルーを採用しているため、スライドドアから子どもと一緒に乗り、外に出ることなく運転席へ移動できます。雨が降っていても、濡れることなく子どもの世話ができるのも魅力です。
フロントシート後方には、スリムサーキュレーターが備わっています(グレード別)。スリムサーキュレーターを作動させて室内の空気を循環し、どこに座っても快適に過ごせるのが魅力です。
新車は、税込み164万7,800円~229万3,500円で販売しています。ネクステージの中古車相場は、税込み32万9,000円~212万9,000円です。
(2023年12月時点の情報です)
(参考:『ソリオ(スズキ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
スバル フォレスター
フォレスターは、力強い見た目と悪路走破性の高さが魅力のSUVです。スバルの安全運転支援システム「アイサイト」が備わっており、さまざまな状況で歩行者・自転車・車との衝突回避をサポートします。
荷室は大容量なだけではなく、開口部の大きさも魅力で、大きな荷物も、傾けずに載せられます。荷室側面は、傷が目立ちにくく汚れを拭き取りやすい素材が使われていることから、アウトドアでも活躍するでしょう。
新車価格は、税込み306万9,000円~374万円、ネクステージの中古車相場は税込み49万9,000円~364万9,000円です。
(2023年12月時点の情報です)
(参考:『フォレスター(スバル)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
6歳未満の子どもを車に乗せる際には、チャイルドシートの装着が必要です。ただし、身体的な理由がある場合や、タクシーなどに乗せる場合の着用義務はありません。
チャイルドシートはさまざまなメーカーから販売されています。費用を抑えるのであれば、7歳まで利用できるロングユースタイプがおすすめです。また、同じロングユースタイプでも、商品ごとにサイズが異なります。車に合うサイズかどうか確認しましょう。
▼ライタープロフィール
畠山達也
自動車Webライター
自動車免許のほか、一級自動車整備士、フォークリフト運転免許などを保有するライター。自動車メーカーや部品業界に携わった際の知識や経験を活かし、Webメディアを通して「車の楽しさ」を発信している。
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