ターボチャージャーを含む過給器の種類を解説!ターボ付きの現行モデルは?
ターボ(ターボチャージャー)は、同じ車種でもグレードによって搭載している場合としていない場合があります。エンジンをパワーアップする機能を持ちますが、このような過給器に種類があるのか知りたい方もいるでしょう。
この記事では、過給器の種類のひとつであるターボチャージャーやスーパーチャージャーの特徴を解説します。おすすめのターボ車についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
※目次※
・過給器の種類には主にターボチャージャーやスーパーチャージャーがある
・ターボチャージャーとスーパーチャージャーで長所と短所が異なる
・ターボが設定されたモデルが各メーカーから販売されている
ターボは過給器の種類のひとつ
ターボチャージャーやスーパーチャージャーは、燃焼室へ多くの空気を送り込む点で一致していますが、構造はまったく異なります。また、それぞれに種類があり、これまでさまざまな技術が投入され進化してきました。特にターボチャージャーは、現行の車種でもよく採用されます。ここでは、過給器それぞれの特徴についてご覧ください。
ターボチャージャーの特徴
ターボチャージャーは、エンジンの排気ガスの勢いを利用して過給する点が大きな特徴です。ターボチャージャーの内部では、両サイドに羽が付いたタービンが高速回転しています。
基本的にパワーアップを図る目的で開発された機構ですが、現在は燃費性能を高める目的でも採用されるケースがあります。ターボチャージャーは目的によってサイズが決められており、パワーを求めるほど大きくなりがちです。以下に、ターボチャージャーの代表的な種類を記載します。
・可変容量ターボチャージャー
・ツインスクロールターボ
・ツインターボ
・シーケンシャルターボ
ツインスクロールターボはタービンまでの排気の流路が2つに分けられているターボのことで、ツインターボは単にターボチャージャーが2つあるタイプです。シーケンシャルターボは、大小2つのタービンを配置している構造を指します。
スーパーチャージャーの特徴
エンジンは、燃焼室で生まれたエネルギーをクランクシャフトで回転力に変えています。スーパーチャージャーは、この回転力を利用して空気を多く送り込む仕組みです。中には、電気モーターの力で作動するタイプもあります。
スーパーチャージャーの内部では2つのローターが回転しており、リショルム式やルーツ式が代表的な種類です。国産車においては、採用例が多くはありません。
ターボなど過給器の種類で長所と短所は異なる
ターボチャージャーやスーパーチャージャーはまったく異なる仕組みを持つため、長所と短所も違います。それぞれの特性が車の走行に、どのように影響するのか気になる方もいるでしょう。ここでは、ターボチャージャーとスーパーチャージャーの特性と、両方を採用したツインチャージャーエンジンについて解説します。
ターボチャージャーの長所と短所
ターボチャージャーの長所は、もともと捨てていた排気のエネルギーを利用している点です。同じ排気量でも大きなパワーを、損失が少なく出せるので、多くのメーカーが採用しています。
また、エンジンの排気量を小さくしてパワーをターボチャージャーで補う「ダウンサイジングターボ」が現在の主流で、自動車税を安くできるメリットもあります。
一方で、ターボチャージャーは過給圧が高まるまでのラグが発生する点がデメリットではありますが、現在は制御技術の向上によりほとんど体感できないレベルになっているようです。
スーパーチャージャーの長所と短所
スーパーチャージャーのメリットは、エンジン回転を利用しているためラグが発生しにくい点です。低回転域から過給圧がかかるため、NAエンジンのようなレスポンスがあります。
一方、高回転域ではエンジンの足かせになり、ハイパワーを求める用途には向いていません。また、エンジンの力を利用しているため、エネルギー効率が高いとは言えないでしょう。複雑な構造で高い精度を求められコストがかかることから、スーパーチャージャーを採用するケースは少ないようです。
両方搭載したツインチャージャーがある
ターボチャージャーは高回転域でパワーを出しやすく、スーパーチャージャーは低回転域のレスポンスに優れています。この相反するような性質を活かし、両方を採用することでいいとこ取りしたのがツインチャージャーです。
より複雑な構造となるツインチャージャーを、フォルクスワーゲンが小型エンジンに搭載したことで注目されました。ターボラグを感じさせない仕組みですが、コストや重量がかさむため採用例は多くありません。
普通車のターボ付きの現行モデル
ここでは、ターボチャージャーを搭載したグレードを持つ、国産の現行モデルを紹介します。スイフトスポーツ、WRX S4、GRヤリスの3つです。どれもスポーティーで車好きから人気を集めており、特にラリーをイメージさせます。車選びの参考としてぜひご覧ください。
スズキ スイフトスポーツ
スイフトスポーツは、スズキのスポーツのイメージを牽引するコンパクトカーです。先代モデルまでは1.6LのNAエンジンが搭載されていましたが、モデルチェンジで1.4Lのターボエンジンが採用されました。先代よりも、走りの力強さを向上させています。現行モデルのエンジンスペックは以下を参考にしてください。
エンジン型式 |
K14C型(直列4気筒直噴ターボ) |
総排気量 |
1,371cc |
内径×工程 |
73.0mm×81.9mm |
圧縮比 |
9.9 |
最高出力 |
103kW |
最大トルク |
230N・m |
燃料消費率(WTLCモード) |
16.6km/L~17.6km/L |
使用燃料 |
無鉛プレミアムガソリン |
(2023年4月時点の情報です)
上記の表にあるように、高性能なスポーツモデルのためハイオクガソリンが採用されています。ネクステージにおける2023年4月時点のスイフトスポーツの中古車相場は、49万9,000円~220万9,000円です。
(参考:『スイフトスポーツ(スズキ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
スバル WRX S4
スバル WRX S4は、ターボ車の設定がある現行モデルとして注目の車種です。その魅力は、2.0Lの直噴ターボエンジンにあります。スバルは独自の水平対向エンジン(ボクサーエンジン)を採用しており、刺激的なパワーと低重心による安定感が大きな魅力です。スペックについては以下をご覧ください。
エンジン型式 |
FA24(水平対向4気筒直噴ターボ) |
総排気量 |
2,387cc |
内径×工程 |
94.0mm×86.0mm |
圧縮比 |
10.6 |
最高出力 |
202kW |
最大トルク |
375N・m |
燃料消費率(WTLCモード) |
10.8km/L |
使用燃料 |
無鉛プレミアムガソリン |
(2023年4月時点の情報です)
ネクステージにおける2023年4月時点のスバル WRX S4の中古車相場は、119万9,000円~479万9,000円です。
(参考:『WRX S4(スバル)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ GRヤリス
トヨタ GRヤリスは、モータースポーツの技術が投入されたホットハッチとして、多くのカーファンから注目を集めています。RZグレードにはコンパクトで軽い車体に、先程紹介したWRX S4と同等性能のエンジンを収めており、その加速力を一般道で味わうことは難しいでしょう。ターボの魅力を最大限に体感できる車種と言えます。
エンジン型式 |
G16E-GTS(直列3気筒インタークーラーターボ) |
総排気量 |
1,618cc |
内径×工程 |
87.5mm×89.7mm |
最高出力 |
200kW |
最大トルク |
370N・m |
燃料消費率(WTLCモード) |
13.6km/L |
使用燃料 |
無鉛プレミアムガソリン |
(2023年4月時点の情報です)
ネクステージにおける2023年4月時点のGRヤリスの中古車相場は、269万9,000円~479万9,000円です。
(参考:『GRヤリス(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
軽自動車のターボ付き現行モデル
軽自動車にはターボ付きのモデルが多く用意されています。中には、マイルドハイブリッドとターボを組み合わせた車種もあるため、ターボ車を狙っている場合はよく検討すると良いでしょう。ここでは、N-ONE、スペーシア カスタム、コペンの順にターボモデルの魅力やスペックを紹介します。
ホンダ N-ONE
ホンダ N-ONEは、コンパクトなボディにレトロなデザインを取り入れた人気の軽自動車です。その魅力は、独特の外観や必要十分な実用性の他、ターボエンジンモデルのパフォーマンスにもあると言えます。街乗りにおいても、キビキビとした走りと小気味良い加速が味わえるでしょう。
エンジン型式 |
S07B(直列3気筒ターボ) |
総排気量 |
658cc |
内径×工程 |
60.0mm×77.6mm |
圧縮比 |
9.8 |
最高出力 |
47kW |
最大トルク |
104N・m |
燃料消費率(WTLCモード) |
20.1km/L~21.8km/L |
使用燃料 |
無鉛レギュラーガソリン |
(2023年4月時点の情報です)
ネクステージにおける2023年4月時点のN-ONEの中古車相場は、19万9,000円~204万9,000円です。
(参考:『N-ONE(ホンダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
スズキ スペーシアカスタム
スペーシアカスタムは、迫力のあるフロントマスクでミニバンのような存在感がある車です。ボディサイズが大きいため、軽自動車にしては重い車体ですが、ターボモデルであれば十分な加速力が期待できるでしょう。また、簡易的なハイブリッドシステム採用しており、発進を軽くアシストしてくれます。
エンジン型式 |
R06A(直列3気筒インタークーラーターボ) |
総排気量 |
658 |
内径×工程 |
64.0mm×68.2mm |
圧縮比 |
9.1 |
最高出力 |
47kW |
最大トルク |
98N・m |
燃料消費率(WTLCモード) |
19.2km/L~19.8km/L |
使用燃料 |
無鉛レギュラーガソリン |
(2023年4月時点の情報です)
ネクステージにおける2023年4月時点のスペーシアカスタムの中古車相場は、39万9,000円~189万9,000円です。
(参考:『スペーシアカスタム(スズキ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ダイハツ コペン
ダイハツ コペンは、スポーツカーとしての魅力と、オープンツーシーターとしての開放感が味わえる車種です。全グレードにターボエンジンを設定しており、力強い加速と視点の低さからくる疾走感が体感できるでしょう。開放感を気軽に味わえるよう、電動式の開閉ルーフを採用している点も魅力的です。
エンジン型式 |
KF型(直列3気筒インタークーラーターボ) |
総排気量 |
658cc |
内径×工程 |
63.0mm×70.4mm |
圧縮比 |
9.5 |
最高出力 |
47kW |
最大トルク |
92N・m |
燃料消費率(WTLCモード) |
18.6km/L~19.2km/L |
使用燃料 |
無鉛レギュラーガソリン |
(2023年4月時点の情報です)
ネクステージにおける2023年4月時点のコペンの中古車相場は、54万9,000円~238万9,000円です。
(参考:『コペン(ダイハツ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ターボ車へ乗り換えるならネクステージへ!
ネクステージは、グループの中古車総在庫が3万台です。狙っている車種にターボモデルがある場合、ぜひ一度車両検索が行える公式Webサイトへアクセスしてみてください。また、購入後のもしもに備えられるよう、過給器も保証対象となる無料保証やサービスサポートを用意しています。
ここでは、ネクステージでターボ車を探すメリットをご紹介します。
3万台の在庫があるためターボ車を見つけやすい
ターボを搭載した特別なモデルをお探しの方もおられるでしょう。全国に200店舗以上展開するネクステージには3万台の在庫があるため、狙っているモデルが見つかるかもしれません。
ネクステージのWebサイトでは、条件を設定することで簡単に候補を絞り込めます。いつでも検索可能なので、お気軽にご利用ください。
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過給器も保証対象
ネクステージでは、販売した車両に無料保証を付帯しています。国産車の場合の保証期間は3か月または3,000kmで、輸入車の場合は走行距離無制限で1か月です。保証項目には、ターボチャージャーやスーパーチャージャー、関連部品のインタークーラーなどが含まれているため、ご安心いただけるでしょう。
また、有料のサービスサポートへご加入いただくことで、保証を延長することも可能です。ターボ車をご購入時は、ぜひお気軽にスタッフへお問い合わせください。
まとめ
ターボチャージャーは過給器の種類のひとつで、他にもスーパーチャージャーなどがあります。車選びでは、それぞれの特徴を把握することが大切です。スーパーチャージャーを採用している車種は少ないですが、ターボチャージャー搭載車は多く存在します。
ターボ車へ乗り換えを検討している場合は、ぜひネクステージのWebサイトから3万台の在庫にアクセスしてみてください。条件を絞ることで、お望みの1台が見つかるでしょう。
この記事の執筆者
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。