車の買い替えは何年がベスト?車検や税金を考えたおすすめ時期
どのような車も、長い期間を所有するほど故障や不具合箇所が増えます。13年を超えると自動車税も上がり、買い替えを検討する方もいるでしょう。車は何年くらいで買い替えるのがベストなのでしょうか。
この記事では、車の買い替えは何年が目安なのかを紹介します。この記事を読むことで、ベストな買い替えタイミングが分かり、賢い買い物ができるでしょう。
※目次※
3.何年経過したのか以外にも車の買い替えを検討する時期はある
・車を買い替える際、買取額を重視したいのであれば車両価値が下がらない早めのタイミングがおすすめ。
・走行距離が10万kmに到達したタイミング、修理費用がかかるタイミングも買い替えに適している。
・今の車の売却時と新しい車の購入時は、それぞれの必要書類をそろえて手続きしよう。
車の買い替え平均年数は何年?
同じ車にずっと乗り続けていると、乗り換えたいと思うこともあります。車を所有している人たちは、何年くらいで車を買い替えているのか気になる方もいるのではないでしょうか。まずは車の買い替え平均年数がどのくらいなのかを紹介します。
乗用車市場動向調査による結果
一般社団法人 日本自動車工業会が発表した「2023年度乗用車市場動向調査」によると、乗用車の保有期間は平均7.2年、10年を超えて保有する人が2割強を占めています。新車と中古車の保有期間を比べると、新車が7.7年と中古車よりも1.5年長い状況です。
多くの人が購入のきっかけに「経年劣化」を挙げています。買い替え予定に関しては、6割強が「未定」、2割が「5年以内に買い替え予定」といった結果です。
自動車検査登録情報協会による平均車齢のデータ
車齢は、新車から経過した年数を示す数値です。平均車齢はその平均を示すものであり、人間でいう平均年齢に相当します。
一般社団法人 自動車検査登録情報協会が発表した「わが国の自動車保有動向(2023年3月末)」によると、乗用車の平均車齢は9.22年です。31年連続で高齢化が進み、過去最高齢を記録しています。
軽自動車は、軽自動車検査協会の発表(2023年12月末)によると、平均車齢は9.38年です。乗用車と同じく、高齢化が進んでいます。
車の買い替えタイミングは何年がベスト?
費用の面で見た場合、どのタイミングで買い替えるとよりお得になるのでしょうか。ここでは、車の買い替えをできるだけお得に進められるタイミングについて紹介します。
新車を購入してから3年(車検前)
軽自動車・普通車問わず、自家用車であれば新車を購入して3年後に初回車検があります。新車からわずか3年しか経過していないことから、コンディションの悪さを感じることもなく、買い替えは早いと思う方もいるでしょう。
初回車検を受ける3年のタイミングは、リセールバリューも高い傾向です。車のコンディションが良くとも、高額買取を重視したいのであれば、このタイミングでの買い替えも視野に入れましょう。
新車を購入してから5年(車検前)
新車を購入するとメーカーが付帯する特別保証を受けられます。その期限は最大5年です。2回目の車検を受けるタイミングでメーカー保証が切れてしまい、乗員保護装置・エンジンなど安全および走行に関わる重要部品の保証修理(無料)が受けられなくなります。
保証が切れた後は、不具合が起きても自分で費用を支払う必要があり、内容によっては多額の費用負担が必要です。保証期間終了後のランニングコストとこの時点での売却額を比較し、お得な方法を選択しましょう。
新車を購入してから7年(車検前)
車の買取相場や維持費などから総合的に見て、一番お得に買い替えできるのは新車を購入してから7年のタイミングといわれています。
よほど古い車でない限り、下取りに出すと査定額分を新しい車の購入価格から引いてもらうことが可能です。しかし、購入してから年月がたつにつれ、売却価格は年々安くなります。
また、車を所有する上で必要な車検の費用は、所有年数が延びるほど高くなる傾向です。車検は初回で3年間、それ以降は2年間おきに期限が来るため、購入7年目に3回目の車検を受ける必要があります。この期限が来る前に、買い替えてしまうのが賢い方法です。
買取額が安くなり過ぎず、車検などの維持費が高くなり過ぎない新車を購入してから7年が、最もお得な買い替えタイミングといえます。
新車を購入してから9年(車検前)
車検は初回で3年、それ以降は2年間おきに受けます。つまり、4回目の車検を迎えるのは新車購入から9年目です。上記と同様、車検が来る前のタイミングで手放してしまったほうが、車検費用を1回分節約できます。
また、乗用車の平均車齢は9.03年であることから、9年目はそろそろ買い替えを検討してもよいタイミングです。
この時期になると、修理や交換が必要になる部品が出てくるため、一般的に車検代が高くなります。加えて、10年落ちの車は価値が下がり、査定額が低くなる可能性もあるでしょう。10年目に入る前に乗り換えを検討するのがおすすめです。
何年経過したのか以外にも車の買い替えを検討する時期はある
新車を購入してから経過した年数を目安に買い替えるのは、ひとつの方法であり、他にも買い替えに適したタイミングはあります。例えば、新型モデル登場時期やメーカー保証が切れたタイミングです。
これらの時期と経過年数が重なったタイミングで買い替えれば、満足できる買い物ができるでしょう。
新型モデルの発売前
自動車メーカーは、より魅力的で高性能な車を売り出すため、車のモデルチェンジを行います。
モデルチェンジの中には少しの改良のみが入る「マイナーチェンジ」と、外観も仕様も大きく変わる「フルモデルチェンジ」があり、この「フルモデルチェンジ」の前はお得に車を購入できるチャンスです。
新型モデルが発売されると古いモデルは価値が低くなることから、販売店側は古いモデルの車を早めに売ってしまいたいと考えます。販売店が早く売りたいと考えているこのようなタイミングは、買い替えに向いたタイミングといえるでしょう。
モデルにこだわりのない方は、モデルチェンジのニュースにアンテナを張り、このタイミングを狙うのがおすすめです。
修理費が高額のとき
事故を起こしてしまった場合や、エンジンに不具合が発生した場合など、修理が必要なタイミングも買い替えを検討するひとつのきっかけになります。
購入して間もない新車や、少しの修理費用であれば修理して使ったほうがよいでしょう。しかし、高い修理費用を出すよりは買い替えたほうが結果的にお得なケースもあります。
目安として、その時の車の価値(買取額)よりも修理費用のほうが高くなってしまった場合には、修理をせずに車を手放してしまったほうがよいといえるでしょう。
ただし、故障箇所を中古品と交換することで費用を安くできる可能性もあるため、修理費用の見積もりを取る際は事前に販売店に相談しましょう。
走行距離が10万kmに達したとき
初年度登録から何年経過したかに関わらず、長距離を走る機会が多い方は走行距離に注意しましょう。自動車は機械部品の集まりです。そのため、使用頻度が高ければ高いほど消耗部品が摩耗します。
走行距離が10万kmを超えたあたりから、さまざまな部品の交換が必要になることを覚えておきましょう。例えば、タイミングベルトやファンベルトなどです。部品によっては修理・交換費用が高額になるため、乗り換えを視野に入れましょう。
メーカー保証期間を過ぎたとき
通常、新車購入時には購入後3年間の「一般保証」が付帯されます。または、走行距離6万km以内が保証期間であることも一般的です。保証期間内であれば、故障やトラブルなどの不具合が生じた場合、無償で点検・整備・修理を行ってもらえます。
保証期間を過ぎてしまうと、修理だけではなく整備・点検だけの場合でも有料になるため注意が必要です。保証期間や保証内容について、購入時の契約書をきちんと確認しましょう。車の種類や状態によっては、保証期間の終了を目安に乗り換えを検討できます。
車の税金が高くなるタイミングでの乗り換えも検討しよう
車の所有者は、年に一度「自動車税(種別割)」または「軽自動車税(種別割)」を納める義務があります。環境問題への関心を背景として、製造から一定期間経過した自動車に対して重課制度が設けられました。
何年経過するとどのくらい税金が高くなるのか、具体的に調べてみましょう。乗り換え検討の目安にできます。
13年たつと税金が高くなる
自動車税に関係する制度は、グリーン化特例です。地球温暖化対策および大気汚染対策を目的として2001年以降導入され、現行措置では初年度登録から13年経過した普通自動車は約15%、軽自動車は約20%の重課です。
一方、環境性能に優れた電気自動車や燃料電池自動車などのエコカーは、重課の対象から外れています。
13年経過で増える税金負担
以下は、軽自動車と普通車(2019年9月30日以前初期登録)の自動車税一覧です。自分の車が13年経過するとどれほどアップするのか確認しましょう。
排気量(L) |
13年未満 |
13年経過 |
0.6 |
1万800円 |
1万2,900円 |
1.0以下 |
2万9,500円 |
3万3,900円 |
1.0超~1.5以下 |
3万4,500円 |
3万9,600円 |
1.5超~2.0以下 |
3万9,500円 |
4万5,400円 |
2.0超~2.5以下 |
4万5,000円 |
5万1,700円 |
2.5超~3.0以下 |
5万1,000円 |
5万8,600円 |
3.0超~3.5以下 |
5万8,000円 |
6万6,700円 |
3.5超~4.0以下 |
6万6,500円 |
7万6,400円 |
4.0超~4.5以下 |
7万6,500円 |
8万7,900円 |
4.5超~6.0以下 |
8万8,000円 |
10万1,200円 |
6.0超 |
11万1,000円 |
12万7,600円 |
何年乗るか迷うときに車の買い替えを控えたほうがよい時期
年数や走行距離だけ考慮すればいつ売却してもよいわけではありません。多額の費用と長い時間のかかる車検直後、自動車税の支払い直後は買い替え時期から外したほうが無難です。ここでは、買い替えを控えたほうがよい4つのタイミングを紹介します。
車検を終えてすぐ
車検は法定費用の他に整備費用などもかかることから、10万円前後の費用がかかります。中古車を購入する側にとっては、車検の有効期間が長い車のほうがお得ですが、売却時の査定額に大きな影響を与えることはありません。
車検は費用だけでなく、時間もかかります。買い替えるのであれば、車検の有効期限をチェックし、その直前に買い替えるのがおすすめです。
車を修理してすぐ
車はどれほど大切に扱っていても、長く乗り続けるほど劣化が進み、不具合が出て修理が必要になります。
消耗部品程度の交換であればそれほど費用はかかりませんが、エンジンやトランスミッションなどを修理する場合、多額の費用が必要です。買い替えを検討しているのであれば、修理せずに売却することをおすすめします。
傷やへこみも同様に、修理してきれいなほうが高価買取が期待できるだろうと思う方もいるでしょう。修理にかかる費用が高く、修理せずに出したほうが結果として手元に残るお金が多いこともあります。
修理したことをアピールしても、査定額には上乗せされることはないため注意しましょう。
税金を支払ってすぐ
公道を走行できる状態で車を所有している以上、1年に1度自動車税の支払い義務が発生します。軽自動車は1万円程度ですが、普通車は排気量2.5Lで5万円と高い税金を支払う必要があり、大きな負担です。
未経過分がある状態で車を売却しても、車を抹消登録しなければ還付は受けられません。自動車税の支払い義務は、毎年4月1日時点の所有者に発生します。賢く買い替えたいのであれば、義務が発生する直前に買い替えるのがおすすめです。
売却価格が下がった後
希少性のある車を除き、車は一般的に年数がたつほど市場価値が下がる傾向にあります。
市場価値が下がると買取価格も下がることから、お得に買い替えたいのであれば価値が下がる直前に買い替えるのがおすすめです。市場価値が変動する目安は、おおよそ7年といわれています。
この他、フルモデルチェンジで新型モデルが誕生したタイミングも価値が下がる傾向です。旧型モデルを売却し新型モデルを購入する人がおり、中古車市場に多くの旧型モデルが出回ります。市場に出回る台数が増えると、供給過多となり価値が下がる仕組みです。
車の買い替えをお得に行う方法【購入編】
新しい車を購入するのであれば、現在の車より優れた性能を持つ車をお得な価格で購入したいと思う方が多いでしょう。
お得に購入したいのであれば、中古車やリセールバリューの高い車を選択肢に入れる、決算期に購入するといった方法がおすすめです。それぞれ詳しく解説します。
中古車を購入する
車をお得に手に入れる選択として、中古車を購入するという方法があります。家を購入したばかりで多額のローンが残っている、子どもの教育費にお金がかかるという場合は、買い替えを積極的に考えられないでしょう。
中古車であれば、数年乗っただけのものでも新車より安く購入できることから、予算を抑えたい方におすすめです。
リセールバリューに期待できる車を購入する
購入する際は少し値が張ったとしても、長い目で見るとお得な買い物ができる方法もあります。新車・中古車問わず、リセールバリュー(買取価格)の高い車を選択することです。
売る際に大きなお金が手元に返ってくるのであれば、実質お得に車に乗れるといえます。車の購入を検討する際は、購入価格だけでなく、その車のリセールバリューの高さも併せて確認しておくとよいでしょう。
決算期に合わせて購入する
年間を通して見ると、決算前の時期が最もお得に車を購入できる時期といわれています。販売店やディーラーが、その年の売り上げ目標を達成する時期のためです。
この時期には普段よりもお得に購入しやすいだけでなく、サービスも受けられる可能性が高くなります。2月~3月など決算前の時期を狙って足を運んでみると、お得な買い物ができるでしょう。
車の買い替えをお得に行う方法【売却編】
少しでも高く売却できれば、新しい車を買う費用に使えます。購入時と同じく、売却時もお得なタイミングがあり、それを狙って買い替えを進めるのがおすすめです。ここでは、高価買取を狙える最適な売却タイミングを2つ紹介します。
需要が高い月、時期に売却する
中古車にも「需要が高い時期」があります。その時期は、新生活に向けて新しく車を購入する方や、決算期を狙って購入する方が増える1月~2月です。
販売店やディーラーは、需要の高い時期に向けて在庫をそろえたいと考えるため、車が最も売れる時期の直前に高めの価格で買取をします。売却を考えている方は、年始を狙って相談するのがおすすめです。
人気が高いときに売却する
ファッションなどと同じように、車にもトレンドがあります。昔のモデルが流行する時期もあれば、長期休みを機にアウトドアに適したモデルに買い替える人が増える時期もあるなど、車の人気は変化する傾向です。
車の人気が高い時期には、買取価格も高くなります。自分の持っている車の人気が出てきたら、売却のチャンスと考えてもよいでしょう。
車の買い替えを何年にするか考えるときのポイント
何年で買い替えるのか迷った場合は、ローン残高チェックとライフスタイルの予測を行いましょう。車は現金一括購入でなければ、所有者がディーラーや販売店名義で自由に売却ができません。
現在の車は、将来的なライフスタイルに対応できるのか確認することが大切です。
ローン残高を考える
ローン利用により購入した車は、ローンの返済状況を確認しましょう。ローン返済期間中であれば、車の所有者名義がディーラーやローン会社となっていることが一般的です。その場合は、車の売却を自由に行えません。
すでに完済したのであれば、好きなタイミングで乗り換えが可能です。ただし、所有権解除手続きを行い、車の所有者名義を自分に変更する必要があります。車検証を確認しましょう。
今後の生活スタイルの変化を考える
今後の生活スタイルについて予想を立てることも大切です。例えば、結婚や子どもの誕生などがあります。家族が増えて乗車人数が増えるケースやアウトドア・旅行に使うなど、どのような生活スタイルになるかを考慮して車選びを行いましょう。
車の買い替え時の流れとは?
車の買い替えは頻繁に行うものではないことから、どの順序で進めればよいか悩む方も多いのではないでしょうか。
車の買い替えを行う際は、まず売却の可否から確認します。スムーズな買い替えができるよう、ここで紹介する売却から購入の流れを見てイメージしましょう。
買い替え時の流れ
車の買い替えをしようと思ったら、まず行うのは売却の可否確認です。自動車税の滞納があると原則売却ができません。売却時に滞納していないことを証明する必要もあるため、しっかりチェックしましょう。
売却できることが分かったら、買取業者を探し査定を依頼します。買取してもらったら、次は新しい車探しです。
いくつか条件に合う車が見つかったら、現車を見に行きましょう。中古車は1台ごとにコンディションが異なることから、自分の目でチェックすることが大切です。
欲しい車が決まったら、必要書類を準備して購入手続きを進めます。納車予定日が分かったら、任意保険の車両入替手続きを済ませましょう。
買い替えに使用する書類
買い替えに必要な書類は、購入時と売却時で異なります。以下はそれぞれで必要な書類です。書類がそろわないと手続きが進まないため、しっかり準備することが大切です。
購入時の必要書類 |
売却時の必要書類 |
車検証 |
車検証 |
自賠責保険証明書 |
自賠責保険証明書 |
車庫証明書 |
譲渡証明書 |
印鑑登録証明書(普通車) |
自動車税納税証明書 |
実印(普通車) |
印鑑登録証明書(普通車) |
認印(軽自動車) |
実印 |
委任状 |
リサイクル券(預託証明書) |
住民票(軽自動車) |
委任状 |
口座届出印(ローン購入の場合) |
振込口座情報 |
まとめ
車の買い替えは、初回車検直前の3年、保証期間が切れる5年、それ以降は7年~9年を目安に行うのがおすすめです。
年数が経過していても、走行距離が短い車を持っている方もいるでしょう。年数以外で買い替えを判断するのであれば、走行距離で判断します。走行距離は10万kmがひとつの目安です。
新しい車を購入するときには、決算期に合わせて購入しましょう。ディーラーだけでなく、中古車販売店も決算期に合わせてお得なセールを行っています。タイミングを見極め、賢い買い物をしましょう。
▼ライタープロフィール
畠山達也
自動車Webライター
自動車免許のほか、一級自動車整備士、フォークリフト運転免許などを保有するライター。自動車メーカーや部品業界に携わった際の知識や経験を活かし、Webメディアを通して「車の楽しさ」を発信している。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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