車のバッテリーが上がったらどう対処する?上がらないための予防法つき
「バッテリーが上がる」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。この記事では、バッテリーが上がったときの対処法や予防法を徹底的に解説します。バッテリーの役割や仕組みを理解して万が一のトラブルに備えられるでしょう。
ほかにもバッテリーの交換手順も詳しく紹介しています。後半ではハイブリッド車のバッテリー上がりについても分かる内容です。
・バッテリーは自然に回復しないためすぐに対処することが大切!
・バッテリーの寿命2年~3年!車検の際に交換するとタイミング的にベスト!
・バッテリー上がりを防ぐには定期的な点検と交換が重要!ネクステージなら専門スタッフに任せられて安心
バッテリーが上がったときの注意点
車のエンジンがかからないとき、まずはバッテリー上がりなのかを調べましょう。エアコンやオーディオといった電装品も動かないときは、バッテリーが上がった状態だといえます。一度上がったバッテリーが自然に回復することはないため、放置しないようにしましょう。
頻繁に乗らない方も、車検時には車を業者へ渡すために走行させる必要があります。放置して車検の時期を超えてしまうとバッテリー上がりの対処ができたとしても、公道を走れないためレッカー移動することになり、痛い出費となりかねません。
また、エンジンだけでなくリモコンキーも効かなくなるため、外からドアを開けられないといった事態も考えられます。バッテリー上がりはそのままにせず、早急に対処することが大切です。
バッテリーが上がったときの対処法
ここからは、バッテリー上がりの対処法として代表的な4つの方法を解説します。ほかの車から電気を借りる方法やロードサービスを呼ぶなどの方法です。具体的に把握しておきましょう。それぞれの対処法に必要なものや作業手順も紹介します。ポイントをおさえておけば、いざというときでも慌てずに対応できるでしょう。
ほかの車のバッテリーから電気を借りる
ほかの車にバッテリーを借りてエンジンを再始動させることが可能です。急にバッテリーが上がったときの応急処置といえます。車のバッテリーと救援車のバッテリーをつなぐブースターケーブルを準備しましょう。
間違った順番や方法でケーブルをつなぐと、バッテリーがショートしたり爆発したりする恐れもあり危険が伴います。扱い方には知識が必要です。対処に不安がある場合は正しい方法を知っている人にお願いしましょう。
ロードサービスに助けを呼ぶ
助けを求められない状況にあるときには、JAFや自動車保険に付帯するロードサービスを利用する方法があります。電話をかけて現在の位置や状況を伝え、救援を依頼しましょう。以下がサービス内容の一例と特徴です。(2020年4月現在)
【JAF】
- ・会員本人の運転している車が対象:JAF会員0円
- ・入会していない場合:1万3,130円(税込)
- ・夜間(20時~8時):1万5,230円(税込)
【クレジットカード付帯のロードサービス】
- ・バッテリー充電費用と部品代は実費の場合もある
- ・ロードサービス用の年会費が必要な会社もある
【自動車保険のロードサービス】
- ・契約車両が対象(契約者以外でも呼べる)
- ・回数制限があることも多い
ジャンプスターターを使う
ジャンプスタートは、ジャンプスターターを使う対処法とほかの車のバッテリーから電気を分けてもらう対処法を指します。ジャンプスターターとは、小型のバッテリーのことです。トランクに入れておける小さなサイズも販売されており、普段から準備しておくといざというとき役立ちます。以下の手順を参考に作業しましょう。
- 1. ジャンプスターターに付属している赤いクランプをバッテリーのプラス端子につなぐ
- 2. 黒いクランプをマイナス端子につなぐ
- 3. ジャンプスターター本体とケーブルをつなぐ
- 4. エンジンをかける
エンジン始動後は速やかに取り外します。取り外すときは黒いケーブル、赤いケーブルの順です。
バッテリーを交換する
バッテリーを自分で交換することも可能です。新しいバッテリーをディーラーやカー用品店などで購入しましょう。
注意点として、バッテリーが重いため取り扱いに注意が必要なこと、メーカー指定と同種類のものを交換することが挙げられます。バッテリー液は希硫酸のためやけどや失明のリスクがあります。また、特に指定外のものを交換した場合、車両火災を引き起こす恐れもあり危険です。
バッテリーの交換方法と注意点
「バッテリーの交換を自分でもしたい」と考える方も多いのではないでしょうか。交換は自分でもできますが、作業の際には安全対策を施して正しい手順を踏むことが大切です。ここでは、交換するときに必要な道具や交換手順を紹介します。廃棄する古いバッテリーの処分方法や、扱いの注意点も把握しておきましょう。
バッテリー交換の行い方
バッテリー液は希硫酸を使用しているため、作業をするときは手や目を保護する必要があります。安全対策をして作業を始めましょう。必要となる主な道具は以下です。
- ・ゴム手袋
- ・保護眼鏡
- ・スパナ
- ・さび止めグリス
- ・バックアップ電源(メモリー機能のある車種に必要)
作業中はエンジンを止めておきます。以下が手順です。
【古いバッテリーを外す】
- 1. マイナス端子、プラス端子の順にケーブル端子を外す
- 2. バッテリーを固定している金具を外す
- 3. 傾けないように取り出す
【新しいバッテリーを取り付ける】
- 1. 新しいバッテリーを所定の位置に載せ、金具で固定する
- 2. ケーブル端子とバッテリー端子をプラスから同じ極同士でつないで取り付ける
- 3. 2を固定する
- 4. さび止めのグリスを端子に塗る
廃棄するバッテリーの処分方法
古いバッテリーの処分方法も必要な知識です。バッテリーには、鉛と希硫酸が使用されています。人体や環境に有害なため、一般のごみとして廃棄はできません。法律でも禁じられています。販売店やガソリンスタンドなどでは引き取りが可能なことも多いため、相談して適切に処分しましょう。
バッテリーが上がる原因
ここからは、バッテリーが上がる原因について紹介します。車の使い方によってバッテリーが上がるケースがあることを把握しておきましょう。バッテリー上がりは突然に起こるイメージですが、実は違います。原因を理解して、バッテリートラブルを未然に防ぎましょう。
ヘッドライトや室内灯の点けっぱなし
ライトは、バッテリーにためられた電力によって点灯します。エンジンを動かさずに使い続けると、供給量が不足してバッテリーが上がる仕組みです。半ドアによるライト点灯でバッテリーが上がることもあるため、エンジン停止後は車の様子を確認しておくとよいでしょう。
エアコンの長時間使用
停車中にエアコンを使用し続けることもバッテリー上がりのトラブルでよくある事例です。エアコンは大きな電力を消費する電装品といえます。停車中はバッテリーに蓄積された電力が使われる一方です。蓄えた電力をすべて消費するとバッテリーは上がります。
ほとんど車を運転していなかった
停車しているだけでもバッテリーから放電されていることをご存じでしょうか。放電された分の電力は走行することで充電されます。しかし、長期にわたって動かしていないと放電するばかりです。放電が続くとバッテリーの蓄電量は空になってしまいます。
また、バッテリー自体が古くなって寿命を迎えているというケースもあるため、使用年数は意識しておきましょう。
バッテリー上がりと間違えやすい原因
エンジンがかからないのはバッテリー上がりだけが原因ではありません。単純な理由や周辺機器の故障などでもエンジンがかからないことはあります。バッテリー上がりと間違えやすい主な原因について把握しておくと、エンジンのかからないピンチの場面で適切な判断と対処ができるでしょう。
ガソリンが空になっている
ガソリンタンクが空になるとエンジンは動かせません。いわゆる「ガス欠」です。バッテリー上がりとの違いを、次の点でチェックして見分けましょう。
- ・セルモーターの回る音はするか
- ・室内灯などの電装品は動くか
ガス欠であればセルモーターの動く音は聞こえるのがポイントです。電装品もバッテリー上がりでなければ使えることがほとんどでしょう。
ターミナル端子の緩みor外れ
ターミナル端子とはバッテリーの部品のひとつで、プラス端子とマイナスの端子のところに装着されています。ターミナル端子を通じて電流が流れる仕組みです。ターミナル端子が緩んだり外れていたりすると、電力が供給されずエンジンがかかりません。
このトラブルはターミナル端子を締めることで解消できます。白い粉など汚れが付着しているときは電流が流れにくくなるため、ふき取りましょう。
ジェネレーターの故障
ジェネレーターとは、車の部品のひとつで発電機のことです。走行中にバッテリーへ電気を供給する役割があります。充電器で充電してもブースターケーブルでエンジンを再始動してもすぐにエンジンが止まる場合は、ジェネレーターの故障が原因かもしれません。
ジェネレーターの修理は専門的な知識が必要です。始動したとしてもすぐに停止することも多いため、ディーラーや自動車整備工場に修理を依頼しましょう。
バッテリー上がりを防ぐために知っておくべきこと
ここからは、バッテリー上がりを防ぐためにできることやポイントを紹介します。知らないうちにバッテリーに負担がかかる行為をしているかもしれません。交換時期の目安も詳しく解説します。バッテリーの寿命を延ばすために、日頃からの意識が大切です。
バッテリー上がりを予防するコツ
バッテリー上がりを防ぐために日頃から以下のことに留意しておきましょう。
・定期的に車のエンジンをかける
バッテリーが上がる原因のひとつに自然放電があります。自然放電を防ぐために定期的にエンジンをかけましょう。
・メンテナンスをしてバッテリーの状態を把握する
日頃からのメンテナンスも重要です。バッテリー液の点検や充電、定期的なバッテリー交換は、トラブルの防止につながります。
バッテリーを充電する方法
バッテリーに十分な電力が蓄積されていないとエンジンは動きません。以下に挙げるような方法でバッテリーは充電できます。
・車を運転する
運転をすることでエンジンが回転し充電がなされます。あくまで目安ですが、30分程度の通常走行を週に1回行うだけで適度な充電が可能です。
・バッテリー充電器(ジャンプスターター)を使う
車を止めている状態でも充電ができます。運転する機会が少ない方の充電方法としても有効といえるでしょう。安全のため手順を踏んで作業する必要があります。
・ディーラーや業者に依頼
「充電器がない」「急速充電が必要」といった場合はディーラーや整備業者に依頼すると安心です。
バッテリーの交換時期
バッテリーの寿命は一般的に2年~3年とされています。しかし使い方によっては寿命が短くなると考えておきましょう。以下はバッテリーに負担をかける行為の一例です。
- ・エンジン停車時に長時間にわたってエアコン・オーディオなどを使用する
- ・頻繁な急速充電
- ・規定時間を超えた急速充電
- ・短時間の運転
- ・バッテリー上がりを繰り返す
このような使い方をする機会が多い方は、早めの交換を心がけましょう。バッテリーの寿命を考えると、車検のタイミングで交換するのが手間もかからずおすすめです。
バッテリーの寿命が延びるポイント
バッテリーに負担がかかる電装品の使い方を見直しましょう。たとえば、エアコンの使用を少なくする、ヘッドライトを使う夜の運転を減らすなどが挙げられます。
バッテリーはエンジンをかけるときに大きな負担がかかるため、アイドリングストップを控える運転も効果的です。真冬や真夏もバッテリーには過酷な環境といえます。長時間の駐車の際は対策ができると安心です。バッテリーに優しい運転を心がけることが寿命を延ばす方法といえるでしょう。
ハイブリッド車のバッテリーについて
ハイブリッド車と燃料エンジン車ではバッテリーが異なることをご存じでしょうか。そのためバッテリー上がりの対処法は異なる部分があることに注意が必要です。ここでは、ハイブリッド車とエンジン車に搭載されているバッテリーの違い、バッテリーが上がったときの対処法を解説します。
エンジン車とハイブリッド車でのバッテリーの違い
燃料エンジン車のバッテリーの役割は、ジェネレーターで作った電力を備蓄して電装品へと電力を送ることです。ハイブリッド車には次の2つのバッテリーが搭載されています。
- ・駆動用バッテリー:ハイブリッドシステムを動かす
- ・補機用バッテリー:エンジンをかける・電装品に電力を届ける
燃料エンジン車のバッテリーとハイブリッド車の補機バッテリーの役割はほとんど同じです。駆動用バッテリーは、ニッケル水素バッテリーもしくはリチウムイオンバッテリーが用いられています。エンジンやブレーキによって充電される仕組みのため、外部からの充電は不要です。
ハイブリッド車でバッテリーが上がったときの対処法
ハイブリッド車の補機用バッテリーが上がったときに、燃料エンジン車のバッテリーをつなぎ電気の供給をしてもらうことは可能です。しかしハイブリッド車が救援車にはなれません。強い電流が流れ、ハイブリッドシステムが故障する恐れがあります。この点は注意が必要でしょう。
救援してもらうことはできますが、ハイブリッド車は高電圧システムのため素人が対処するのは危険です。ハイブリッド車のバッテリーが上がったときには、ディーラーに連絡する、ロードサービスを利用するなどプロに任せるのが賢明といえます。
バッテリーの基礎も理解しておこう
バッテリートラブルに正しく対処できるよう備えるには、バッテリーの基礎を理解しておくことが大切です。バッテリーにも種類があり、それぞれ特徴があります。主な役割や種類、特徴について理解を深めましょう。バッテリーを選ぶポイントについても分かる内容です。
バッテリーの主な役割
車のバッテリーの役割には以下のようなことが挙げられます。
- ・エンジンの始動の際に使う電力を与える
- ・走行中に充電した電気をバッテリーに蓄積しておき電装品へと送る
放電と充電を繰り返すことで車に必要な電力を供給するシステムです。バッテリーケース内は主に以下のもので構成されています。
- ・マイナス極板
- ・プラス極板
- ・希硫酸(バッテリー液)
これらが化学反応を起こすことによって電気を起こす仕組みです。発生した電気はバッテリー内に貯められ、プラス・マイナス端子とジェネレーターを介して電装品やセルモーターへと送られます。
バッテリーの主な種類
バッテリーの種類は主に以下の3つです。
【開放型】
- ・マイナス極板に鉛、プラス極板に二酸化鉛が使われている
- ・充電によって水素が発生
【密閉型】
- ・極板にカルシウム合金を使用
- ・ガスを抜く必要がない
【ドライバッテリー】
- ・極板に電解液を含有させたものやゲル状の電解液などを使用
開放型はバッテリー液を補充して使用します。密閉型は「メンテナンスフリーバッテリー」とも呼ばれ、バッテリー液を補充する必要がありません。ドライバッテリーは、液体の電解液を使用していないため軽いことや、バッテリー液がこぼれる心配がないことが特徴です。また、瞬間的に強い電流を流せることも強みとされています。
バッテリーを選ぶポイント
バッテリーはサイズや端子の向きといった仕様が車種ごとに異なるため、車種に適合するものを選びましょう。指定外のものでは「スペースに収まらない」「ケーブルが届かない」といったトラブルが起きます。
電装品を動かすために必要な電力が車種や環境によって異なることもポイントです。たとえば寒冷地で使う車やカスタマイズによって電装品が多い車は、容量の大きなバッテリーが必要といえるでしょう。気候や車種、装備に合った適切なレベルのバッテリーを選ぶことをおすすめします。
「性能が落ちている?」と思ったらネクステージへ相談してみよう
バッテリーはある程度セルフ点検ができる部品です。「エンジンのかかりが悪い」「ライトの明度が低くなった」などといった症状で、おおまかな状態は把握できます。
しかし、予想はできたとしても、バッテリーの性能や消耗具合といった専門的な判断は素人には難しいといえるでしょう。バッテリーの点検や交換は専門業者への相談がおすすめです。ネクステージでは自社整備ができます。専門スタッフによる診断や交換によってバッテリーを良好に保ちましょう。
まとめ
バッテリーは、車を走行させるために欠かせない要素です。バッテリーが上がるトラブルは、車の使い方を見直す、定期的に点検をするといった日頃の意識によって予防できます。自分で交換もできますが、不安な方は信頼できる専門業者に任せると安心です。
バッテリーの点検・交換でお困りのときは信頼できるネクステージにご相談ください。ロードアシストサービスも行っています。