自動車のオイルの交換方法を解説!オイルの種類や正しい選び方で車の調子を改善!
自動車に使うオイルにはさまざまな種類があり、愛車に合わせて正しく選ぶことが大切です。交換を行う際は、適切な手順を踏みましょう。中には、「オイルの種類には詳しくないため、どのように選べばよいのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、自動車のオイルの交換方法を解説します。オイルの種類や正しい選び方を知り、エンジンオイルについて知識を蓄えましょう。
※目次※
・オイルは自動車にとって重要な役割を担っている。エンジンを故障から守り、良い状態を保ち続けるには、オイルのコンディションに気を配ろう
・ベースオイルには、「化学合成油」「鉱物油」「部分合成油」の3種類。品質規格や粘度もオイル選びの決め手となる重要な要素のひとつ
・古いオイルを放置したまま乗り続けると、エンジンが劣化するリスクが高い。オイル交換には危険も伴うので、プロの業者に任せることがおすすめ
自動車のオイルの交換方法を解説!
オイル交換は、手順に沿って正しく行うことが大切です。ドレンボルトを締め忘れるなどの初歩的なミスがあると、オイル漏れが発生してエンジントラブルが起こる場合もあります。
自分で作業を行う際は、ひとつずつ慎重に確認しながら進めましょう。ここでは、自動車のオイル交換の方法を詳しく解説します。
自動車のエンジンオイルとは
エンジンオイルは、自動車にとって血液のような役割を担っています。エンジンをスムーズに動かし、快適な走行を可能にする重要な要素のひとつです。エンジンを故障から守り、良い状態を保ち続けるにはオイルのコンディションに気を配りましょう。
オイルの役割がうまく果たされない状態、つまり熱を吸収できなくなったりエンジン内部を清潔に保てなくなったりするなど故障の原因になりがちです。品質や粘度をはじめ、走り方の傾向も踏まえてオイルを選ぶとよいでしょう。
オイル交換の目安
車の種類によって異なりますが、軽自動車はターボ車が5,000km、ノンターボ車は1万kmを目安にします。走行距離が満たなくても、6か月程度経ったら交換しましょう。
普通車もターボ車なら5,000kmが目安ですが、ノンターボ車の場合は1万5,000kmまで待っても問題ない場合がほとんどです。1年経過したときは、それほど乗車していなくても交換します。ディーゼル車は適正のタイミングが異なる場合も多く、5,000km~1万kmと幅があるので、車の状態によって適切な判断が大切です。
オイル交換に必要なもの
オイル交換を下抜きで行う場合、車体を持ち上げるためのジャッキとスタンドを用意します。高熱になったオイルに触れてやけどをしないよう、耐油性があり肘まで覆る手袋も重要です。また、新しいオイルを注入する際はオイルジョッキを使います。交換後の古いオイルを廃棄処分するための廃油専用処理箱や回収用のオイルタンクなども必要です。
また、車種に合うオイルも購入します。ドレンボルトにかましているドレンワッシャーも再利用ができないため購入しておかなければなりません。オイル漏れを防ぐために、新品のドレンワッシャーも用意しておきましょう。
オイル交換の時期を確認する
基本的には、オイルランプが点灯する前に交換を行います。ランプが点灯する頃には車両に不具合が見られるケースも少なくないので、トラブルを未然に防ぐためにも早めの交換が大切です。
なるべく日常的にメンテナンスを行うことが望ましいといえますが、難しい場合は「オイル交換シール」などを使って交換時期がひと目で分かるようにしておきます。サインが出る前に対処できれば故障の確率が下がり、より安全に乗車できるでしょう。
ジャッキアップする
タイヤを持ち上げるには、「ジャッキアップ」を行います。ジャッキアップは接続を誤ると重大な事故につながり、車体が傷ついてしまう場合もあるので慎重に進めましょう。メーカーのWebサイトや整備マニュアルを参照してもジャッキアップポイントが分からなければ、ディーラーなどに確認します。
作業の際は十分な硬さのある平らな場所で、周囲にもジャッキアップを行っていると分かりやすく示すことが大切です。確実にエンジンは止めておきましょう。
オイルを抜く
「上抜き」または「下抜き」のどちらかの方法でオイルを抜きます。上抜きは専用のホースをオイルレベルゲージが刺さっている管に入れて、ポンプで車の上部から古いオイルを抜き出す方法です。専用の道具を使うため、業者向きの方法といえるでしょう。
下抜きは特別な道具を用意しなくてもよいので、個人で行う際によく用いられます。オイルパンのドレンボルトを緩めてオイルを抜き取る方法です。どのような車種でも実施可能な方法ですが、ジャッキアップを必要とするので安全に注意しましょう。
ドレンボルトを締める
下抜きの場合は、オイルを抜いたらドレンボルトを締めます。閉め忘れたり、きちんと締めずに終了したりするとオイル漏れが起きるおそれがあるので、間違いなく締まっていることを確認しましょう。
ドレンワッシャーは隙間を埋めてオイル漏れを防止するためのものなので、一度使うと再利用ができません。オイル交換の際に古いものは廃棄し、新品に取り替えることが大切です。ドレンワッシャーは、ドレンパッキンとも呼ばれます。
新しいオイルを注入する
オイルを抜いてドレンボルトを締めた段階で、車を地面に下ろします。オイルフィラーキャップが締まっている部分から新しいオイルを注ぎ入れるため、注入段階に入ればジャッキアップは必要ありません。
オイルを注ぐときは、規定の量を超えて入れすぎないように注意しましょう。オイルジョッキやじょうごがあると、注ぎやすくなり便利です。じょうごはペットボトルの先端を切って代用することもできます。
オイルは少なすぎても多すぎてもよくないので、事前にマニュアルを読み込んで規定の量を確認しておきましょう。周囲にこぼれないように慎重に作業を行います。
オイルの量が正しいか調べる
注ぎ込んだオイルが規定量に収まっているかを確認するには、オイルレベルゲージをチェックしましょう。オイルを入れすぎると溢れてしまいますが、少ないと次の交換までのサイクルが短くなってしまいます。
オイルゲージの2本の線をチェックし、上の線へ触れていると入れすぎです。下の線に触れている場合は不足しているため、中間を意識しましょう。オイルの量を確かめる際は、傾きのない平らな場所で行うと正確な量が分かります。
オイルフィラーキャップを付けたらエンジンをかける
オイルを注ぐ際に取り外した「オイルフィラーキャップ」を再度取り付けます。しっかりと閉めなければ外れることもあるため、閉めた後もよく確認しましょう。その後、エンジンをかけてオイルをエンジンの内部に循環させる作業を数分間行います。
十分にオイルが行き渡るくらいの時間が経ったら、改めてオイルレベルゲージでオイルの量に問題がないか確かめましょう。エンジンをかけたあとはオイルが循環し、少し燃焼して減っているので、規定の量に達するまで注ぎ足しを行います。
エンジンオイルを混ぜる際の注意点
グレードの異なるオイル同士は、未使用なら混ぜても問題ありません。鉱物油と化学合成油を混ぜてもよいとされています。ただし、粘度が違うオイルは性能を十分に発揮できなくなる可能性があるので混ぜないようにしましょう。
また、オイルが減ってきたときは注ぎ足しをせず、新しいものに交換します。新しいオイルのグレードが高くても、古いオイルのグレードまでしか効果を期待できないからです。ただし、交換時にやむを得ず少量混ざる程度であれば問題ないでしょう。
オイルの捨て方
オイル交換で発生した廃油を捨てる方法は、「廃油処理用の箱を用意する」「オイルを購入した店舗に引き渡す」「ガソリンスタンドへ持ち込む」の3種類です。箱を準備する場合はホームセンターなどに売られている専用のものを購入し、古いオイルを固めて、自治体の規定に従い処分します。
購入したときのレシートがあれば、店舗で引き取ってもらえる可能性もあります。費用がかかるかどうかは店舗によるので、事前に確認しておきましょう。オイルを缶やタンクに入れてガソリンスタンドへ持参して処分してもらう方法もあります。
自動車のオイルの種類と選び方
オイルにも種類があり、性質や価格も異なります。どの要素を重視するかによって、選ぶべきオイルもさまざまです。コストと品質のどちらを優先したいのか、あらかじめ決めておくとよいでしょう。
種類だけでなく、粘度もオイル選びの重要な要素のひとつです。ここでは、自動車のオイルの種類と選び方について解説します。
ベースオイルの種類
ベースオイルには、「化学合成油」「鉱物油」「部分合成油」の3種類があります。化学合成油は名前のとおり化学的に合成した油で、ベースオイルの中でも高性能といえるでしょう。潤滑に最適な油を分子化してから作られており、車の環境を整えやすい添加剤も配合されています。
鉱物油は不純物を除いた原油で精製されるオイルで、他の2種類に比べると価格が安価ですが、その分劣化や酸化が早いことが特徴です。部分合成油は鉱物油に化学合成油を混ぜたオイルで、性能は3種類の中で中間に位置します。
エンジンオイルの品質規格
エンジンオイルのグレードは2種類あり、「API規格」と「ILSAC(GF-5)規格」です。API規格では、頭文字がディーゼルエンジン車はC、ガソリンエンジン車はSとなっており、それに続くアルファベットが後ろにいくほど高性能になります。
最近では「SN規格」という省燃費性を高めた規格が広まってきており、燃費の良さを重視したオイルが求められているといえるでしょう。ILSAC(GF-5)規格は、省燃費性がAPI規格に追加されたものです。API規格のSHがILSAC規格でのGF-1に当たります。
ただし、日本ではディーゼルエンジン車用のオイルのみ、「JASO」という規格が用いられるのが一般的です。
エンジンオイルの粘度
走行目的や走り方に応じてオイルの粘度を変更すると、愛車にとってより良好な環境を作れます。粘度を表す数字が大きいほど硬く、小さいほど柔らかいオイルです。エンジンの始動性を重視するなら、粘度の硬いオイルに変更すると油膜切れせずに高温になっても保護性能が向上します。
オイルの記号は、「△△W-▲▲」という形式で表記することが一般的です。「△△W」の部分が低温時、「▲▲」の部分が高温時の粘度指数にあたります。
エンジンオイルを選ぶ方法
オイルを選ぶ際に重要なのは、「ベースオイルの種類」「粘度」「品質規格」の3つです。しかし、愛車の自動車メーカーに適しているオイルを使用することが最優先になるため、推奨されているオイルを事前に確認しておきましょう。
オイルが高性能でも、車に合わないものを使うと本来の性能を発揮できず、思わぬ故障の原因になる場合もあります。まずは愛車に使えるオイルを知って、それからどのオイルを選ぶか決めることが大切です。
自動車のオイル交換はどんな効果がある?
車の内部をめぐっているオイルは、重要な役割を果たしています。潤滑剤や冷却効果、防錆効果など、どれも車を正常に保つためには欠かせない機能です。
オイルが古くなってこれらの効果が薄れると、車体にもさまざまな影響を及ぼすおそれがあります。ここでは、自動車のオイル交換がもたらす5つの効果について見ていきましょう。
潤滑剤として作用する
エンジンオイルは、エンジンに使われているあらゆるパーツをスムーズに動作させるための潤滑剤として作用します。故障のリスクを低減するには、磨耗を防止する対策が必要不可欠です。
入れ替えたばかりの頃に比べて、時間が経ったエンジンオイルは劣化が進んでいます。すると潤滑剤としての役割を十分に果たせなくなり、エンジンの機能が低下してトラブルを起こすリスクが高まるでしょう。常に十分な潤滑作用を保つためには、定期的にオイル交換を行うことが大切です。
冷却効果がある
激しく燃焼する燃料は、エンジン内の温度を一気に高めます。過熱でオーバーヒートが起こるリスクを減らすためには、適切に冷却しなければなりません。エンジンオイルが内部を循環するときに熱を吸収して、オイルバンに戻ったときに放出することで、冷却の役割を果たしてくれます。
エンジンオイルが劣化すると熱の吸収効率が落ちるので、オーバーヒートを起こしかねません。古くなったオイルは交換して冷却機能を保ち、エンジンに負荷がかからないようにしましょう。
密封作用がある
ピストン部分とシリンダーの隙間をオイルがふさぎ、密封する作用があります。シリンダー内部で燃料を燃やして生まれたエネルギーを利用するエンジンは、オイルの劣化により密封が解けて隙間を作ると、外部にエネルギーが漏れ出してしまうことが難点です。
適切な頻度でオイルを交換すると、密封状態が維持されてエンジンのパワーが逃げ出さなくなります。燃費にもかかわる部分なので、エコや維持コストの面でも古いオイルを使い続けるべきではないでしょう。
洗浄効果がある
エンジン内に溜まっていく汚れを「スラッジ」といいます。時間の経過とともに溜まったスラッジはエンジンの故障を引き起こす原因になりますが、清浄作用を発揮してスラッジを吸収するのがオイルの役割のひとつです。
劣化したオイルはスラッジの吸収能力が不十分なので、排除しきれなかったスラッジがエンジンにトラブルを発生させるおそれがあります。エンジンの劣化による事故を引き起こさないためにも、オイルの交換は重要です。
防錆効果がある
エンジンの内部は燃料が燃えて高温になり、その際に外部との温度差が広がって大規模な結露が起こります。車のパーツは金属製なので、水分が付着して酸素と結びつくことでさびとなってしまうでしょう。さびはエンジンの性能を著しく損ねるため、発生させない対策が大切です。
エンジン内に張った油膜で酸素を遮断し、さびが発生しないようにする役割もオイルにはあります。古くなったオイルは油膜も薄くなり防錆効果が落ちるので、さびから車を守るためにもオイルの交換を行いましょう。
エンジンオイルの交換は重要!
いつもと変わりなく走行できているからといって、古いオイルを放置したまま乗り続けると、だんだんとエンジンが劣化するリスクがあります。目に見えて異常がなくても、定期的なメンテナンスは必要です。
トラブルを起こしてしまうと、修理費用が非常に高額になる可能性もあります。仮にエンジンのオーバーホールを行うような大規模な修繕になれば、数十万円の出費も考えられるでしょう。思わぬ出費を招かないためにも、オイル交換は大切な作業です。
自動車のオイル交換は任せることができる
ガソリンスタンドやカー用品店、ディーラーへの依頼など、自動車のオイル交換は業者に依頼できます。費用は自分で交換する場合よりも少し高くなりますが、確実で安全性が確保されているため、プロに依頼することがおすすめです。
ここでは、オイル交換ができる場所やかかる費用、なぜ業者に依頼したほうがよいのかを解説します。
オイル交換ができる場所
オイル交換を依頼するなら、ガソリンスタンド、カー用品店、ディーラーのどれかが一般的です。日本全国にあるガソリンスタンドは、営業時間も長く、気軽に立ち寄れることが特徴といえます。給油のついでに点検を依頼してもよいでしょう。
オイルの種類を豊富に取りそろえているカー用品店は、オイルにこだわりがある方におすすめです。タイヤ交換などのついでにオイル交換ができる気軽さもあります。ディーラーは専門の資格を持ったプロの整備士に依頼できる点が最大のメリットです。費用はやや高めになる可能性はありますが、安心感があります。
オイル交換にかかる費用
料金の相場は、一般的に排気量が増えるほど高くなります。「オイル料金+交換作業費」が実際に支払う費用の内訳です。実際の費用の目安を見てみましょう。
(ガソリン車の場合)
・1,600cc~2,000cc:4,000円~8,000円程度
・2,001cc~2,500cc:5,000円~9,000円程度
・上記以上の排気量: 5,000円~10,000円程度
軽自動車は、上記よりも若干安くなるケースもあります。使用するオイルや車の状態にもよるので、依頼先の店舗に確認することが大切です。
オイル交換はプロに任せると安心
安全に間違いなくオイル交換を行いたいなら、プロの整備士に任せましょう。自分で作業をして失敗すると、故障やオイル漏れにつながる危険性もあります。作業中にオイルが熱を持ち、やけどなどの事故が起こってしまうかもしれません。プロに依頼すれば廃油の処理まで一貫した作業の手間を任せられるので、面倒な作業も行わずに済みます。
代行作業のための費用はかかりますが、自分で作業を行う際の時間的なコストや、安全で的確な作業により安心して車に乗り続けられることを考えると、決して高くはないといえるでしょう。
まとめ
オイルの劣化は思わぬ事故を招く可能性があります。定期的な交換を忘れずに行って、常に車の状態を良好に保つように心掛けましょう。
オイル交換など、車の整備を依頼するなら、信頼と実績が豊富な業者に依頼することが大切です。私たちネクステージでは、大手業者国家資格を持った整備士が1台1台、丁寧にメンテナンスをしています。整備をご検討の際は、ぜひネクステージにご相談ください。