車を上手に駐車するコツ徹底ガイド｜初心者におすすめの練習方法や機能も！
「車を駐車する際に必ず曲がって止めてしまう」「上手に駐車するコツを知りたい」といったドライバーもいるでしょう。とくに免許を取って間もない頃は、誰しもが駐車に苦手意識を持ってしまうものです。近年は、駐車をアシストする機能が付いた車も増えていますが、できれば頼らずにきれいに駐車できるに越したことはありません。
そこでこの記事では、バック駐車と縦列駐車の基本的な手順や上達するコツを解説します。駐車に対する苦手意識も少なくなり車を運転する楽しみも増えるでしょう。
※目次※
7. サポート機能付きの車を選ぶのも駐車しやすくなるコツのひとつ！
・車をスムーズに駐車したいなら、駐車が上手くいかない原因を知ることが大事
・バック駐車や縦列駐車には手順やコツがあるので理解しよう
・車に搭載されている駐車サポート機能を活用すれば、コツをつかめる
車を上手に駐車できない！難しく感じる理由
車を上手く駐車できるようになるためには、まずは駐車を苦手に感じる原因を理解しておくことが重要です。そのため、バック駐車、縦列駐車問わず苦手の原因を把握してから練習することをおすすめします。駐車が難しく感じる理由を2つ紹介しますので参考にしてください。
前進よりもぶつかる可能性が高い
駐車を難しく感じてしまう理由のひとつが、バックで止めるためぶつけてしまう可能性が高まることです。例えば、バック駐車であればリアバンパーだけでなくフロントバンパーの角や、内輪側の感覚も同時に確認しながら駐車する必要があり、駐車スペースが狭くなるほど難しく感じます。
ぶつかる可能性の高い部分が駐車時にどのようなラインを描くのかイメージできるようになるには、サイドミラーを見たりドアを開けたり、運転席から降りるなどして実際に目で確かめると良いでしょう。
ハンドル操作が真逆になる感覚に陥る
後退時は前進とは逆の方向に車が進んでいるように感じてしまい、混乱する方も少なくありません。駐車している時に何度もハンドルを切り返すと、タイヤがどの方向を向いているのか分からなくなり混乱してしまうこともあるでしょう。
そのような場合には一旦車を停止させ、微速で前進・後退をしてみると、車がどちらの方向に進むのかが把握でき、ハンドルが左右どちらに切っているのかが分かります。車がバックしている時にハンドルを右に切れば右斜め後ろ、ハンドルを左に切れば左斜め後ろに進みます。駐車している車の少ない場所を選び感覚をつかみましょう。
車の駐車が苦手な人がやりがちなこととは？
なぜ駐車が苦手なのか理由が分かったところで、駐車が苦手に感じている方や下手な人がやりがちなことについて解説します。
実は駐車が苦手な人や下手な人には、共通の特徴があります。駐車する時にやりがちな癖や行動を理解すれば、駐車のテクニックも向上するでしょう。気付かないうちにやってしまっていることもあるので、同乗者にも確認してもらうというのもひとつの手段です。
切り返しをたくさんする
切り返しとは、ハンドルを一方向に回した後、すぐに逆の方向に回すことを指します。駐車する時に一発で決まらず、ハンドルを右側や左側に何度も回して切り返しをする人は少なくありません。
何度も切り返すことによってタイヤの向きや位置感覚が分からなくなり、次にどっちへハンドルを回せばいいのか、前進なのか後退なのかの判断が付かなくなってしまうでしょう。そんな状況に陥ったら、焦らずに一旦最初の位置に車を移動して、やり直したほうがいい場合もあります。
ハンドルの位置が分からなくなる
上記の切り返しをたくさんするというのにも似ているのですが、ハンドルを左右に何度も回しているうちに、ハンドルの位置が分からなくなる方がいます。運転に慣れている人であれば、ちょっとだけ前進や後退するだけでハンドルの位置が分かるのですが、初心者には難しいかもしれません。
一般的な普通車であれば、タイヤが真っすぐの状態からハンドルは左右に約1.7回転します。そのため、ハンドルの位置が分からなくなった場合は、左右どちらかに止まるまで回してから、今度は反対側に回してハンドル中央にあるエンブレムや文字が2回転して正しい位置に来たらハンドルは真っすぐの状態に戻っています。
左右の意識が足りない
車の車幅感覚が足りないと、駐車し終わった時に駐車枠の白線に近付きすぎたり、離れすぎたり、白線に対して平行に止められていないということが起こります。左右の白線に対して均等に止めないと、ドアが開けられなくなる場合や、横に止めている車に迷惑をかけてしまいます。
これは左右のサイドミラーで後方確認をしていないことが原因です。ちょっとのハンドル操作や前進、後退でも車の位置は変わるため、左右のサイドミラーを小まめに確認しましょう。
車でバック駐車する手順やコツは？
ここからは実際に車を駐車するコツを紹介します。まずはバック駐車ですが、スーパーの駐車場やコンビニの駐車場など、運転する上でバック駐車をする場面は少なくありません。手順を確認しながらバック駐車のイメージを浮かべてみましょう。
1.駐車位置に対して垂直に寄せる
バック駐車する場所を見つけたら、まずは駐車位置や駐車している車と垂直になるような位置に車を停止させます。この際、駐車位置と車両側面に約60cm～80cmのスペースを確保しておくのがポイントです。この距離のスペースを確保しておくことで、駐車のしやすさが向上します。
バック駐車中に、後方や前方から車が来てもあせる必要はありません。ハザードランプを点滅させてバック駐車する意思を周辺へ伝えましょう。
2.駐車スペースが見えたらハンドルを切る
駐車位置に対して車を垂直に寄せられたらそのまま前進します。駐車位置が運転席の真横に来たタイミングでハンドルを駐車位置と反対側に切りましょう。車の後部を駐車位置に向けるようにイメージしながらハンドルを切ったまま前進します。
駐車位置側のドアミラーを見て白線の先端が車体に隠れるまで、もしくは、駐車枠のコーナーに合わせるように進みましょう。
3.後退する
次に、ハンドルを真っすぐにしてバックします。内側の後輪が白線の先端を通過するタイミングでハンドルを切りましょう。アクセルペダルを踏む必要はありません。オートマチック車であれば、ブレーキペダルを離した状態でも車が動くクリープ現象を利用して、ブレーキペダルの操作のみでバックすると安全です。
ハンドルを切ったら反対側のドアミラーをチェックしましょう。十分な間隔があることを確認しながらバックします。隣の車や白線と並行になるように駐車できたら、ハンドルを戻して完了です。
車で縦列駐車する手順やコツは？
続いて縦列駐車の手順やコツを紹介します。バック駐車とは異なり駐車位置に進入する角度やスペースの広さがポイントです。ハンドルを切るタイミングや、左右どちらのミラーを確認すれば良いのかイメージしてみましょう。
1.駐車位置の周囲を確認
縦列駐車は前述したバック駐車とは異なり、自分の車の約1.5倍の長さの駐車スペースが必要です。縦列駐車する場所を見つけたら、駐車する前に十分なスペースがあるのかチェックしましょう。
縦列駐車は駐車スペースの前方にある車と1mほどの間隔を確保して横に並べたら、駐車位置側にハンドルをいっぱいに切ります。例えば、左側に駐車位置があるなら左にハンドルをいっぱいに切ります。
2.後退する
駐車位置側にハンドルを切ったらそのままバックします。この際、駐車位置と反対側のドアミラーを見ながら、後方に駐車している車が見えるまでハンドルをキープしながらバックしましょう。
その後ハンドルを戻し真っすぐバックします。車体が駐車位置に入ったタイミングでハンドルを先ほどの反対側にいっぱいに切り、車体全体を駐車位置に入れましょう。駐車後に駐車位置を修正したい場合には、前後に駐車している車との接触に注意しながら車を前後に動かします。
車の駐車を上達させるために抑えておきたいコツは？
ここまでで駐車が苦手な理由、苦手な人がやりがちなこと、さらにはバック駐車、縦列駐車の手順について解説してきました。
ここでは、駐車テクニックを向上させるためのコツについて解説します。コツを意識して繰り返すことによって、駐車の苦手意識も消えるでしょう。他の車に乗り換えたとしても基本は同じですので、駐車のコツをマスターしておきましょう。
駐車しやすいスペースを選ぶ
駐車スペースによっても広さや止めやすさも違ってくるため、選択肢があるのでしたら駐車しやすいスペースを選ぶのがおすすめです。
駐車スペースにある程度の広さがあるのがベストですが、駐車スペースの隣に大きな車や壁、柱、ショッピングカート置き場などがあるところはぶつける可能性があるため避けましょう。
また、白線がないところや消えかけている場所、駐車場の出入口、駐車場の曲がり角の内側、店舗に入る入口付近などは人や車の往来があるため避けたほうが無難です。
ミラーを活用する
駐車する時は車を後進して止めることが多いでしょう。その時に重要なのが周囲の確認です。車が後ろ向きに動くためサイドミラーやバックミラーで周囲の状況を確認して、ドライバーも体をひねって目視でも確認します。
後退する時は、サイドミラーを下げて路面状況を映し出すと、後輪位置の確認が容易です。最近ではシフトレバーをリバース（R）に入れると、自動でサイドミラーが下がる、オートダウンミラーやリバース連動ミラーといった機能を備えた車もあります。
バックの速度を上げ過ぎない
バックでは速度を上げる必要はありません。オートマ車でバック駐車する場合は、基本的にアクセル操作はせずに、ブレーキペダルの操作のみで動かしたほうが安全です。駐車する時のアクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐためにも、オートマ車のバック駐車の場合はブレーキ操作のみで動かすことをおすすめします。
また、縦列駐車の場合は進入角度も重要で、ハンドルをいっぱい切らないと進入角度が浅くなってしまい路肩から距離が離れて駐車することになり危険です。
タイヤの内輪差を意識する
内輪差や外輪差については、免許証を取るために通った自動車教習所で学び練習したでしょう。信号で曲がる時や駐車する時にとても大事なため、もう一度復習しておきましょう。内輪差は、車のハンドルを切って曲がる時にできる内側の前輪と後輪の軌道のズレのことで、外輪差は外側の前輪と後輪の軌道のズレのことです。
駐車する時はハンドルをいっぱいに切ることも多く、内輪差や外輪差が大きいため意識して運転するといいでしょう。
車の駐車を上達させるための練習方法のコツ
駐車のコツが分かったら後は実践あるのみです。実際に駐車の練習をするには駐車場はどういったところがいいのか、また一人で練習したほうがいいのかなど解説します。
新車や中古車に乗り換えた際は、ボディサイズやホイールベースも変わってくるため、駐車の練習をすることをおすすめします。さまざまなサイズの車に乗っているのであればすぐに感覚はつかめるでしょう。
練習しやすい場所や時間を選ぶ
駐車時の車両感覚を身につけるには、壁や柱などの障害物がなく駐車スペースに余裕のある、公園やショッピングモールの駐車場で練習することをおすすめします。ただし、交通量や歩行者の多い時間帯や深夜、早朝などは迷惑になるため避けましょう。
また、駐車スペースの両サイドに車が止まっている場合は、万が一のことを考えて控えたほうが無難です。自宅のガレージや駐車場以外で練習する場合は、周囲への配慮を忘れないようにする必要があります。
複数人で練習をする
一人で駐車の練習をしてもいいのですが、できるならば同乗者や運転に慣れている人に確認してもらうと上達しやすいと言えます。それは、第三者の視点から客観的にどういった問題点があるのかを見てもらえるからです。
また、車から駐車スペースに降りてもらい車の後方やタイヤの位置、タイヤの向きなど死角となっているところを手で合図したり窓を開けて声で伝えたりするとドライバーは安心して練習できるでしょう。
PR駐車サポート機能があるモデル
プリウス
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サポート機能付きの車を選ぶのも駐車しやすくなるコツのひとつ！
駐車の練習をしているけれども、なかなかコツがつかめないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そういった方には車に搭載されている駐車支援を活用するのもおすすめです。
駐車支援は、自動車メーカー各社がさまざまな機能を開発して日々進歩しています。ここでは、駐車をサポートする機能の代表例を紹介します。
アドバンスト パーク（トヨタ）
アドバンスト パークは、トヨタの駐車サポート機能のひとつです。駐車位置の横に車を止めアドバンスト パークのスイッチを押すと、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルが自動的に操作され駐車を完了します。シフトレンジの操作は手動ですが、並列駐車、縦列駐車などにも対応しています。
場所によっては、白線がなく駐車がしづらいこともあるかもしれませんが、アドバンスト パークは、目印がないような場所でも路面の模様をカメラで認識・記録することで駐車をサポートします。
またハイブリッド車では、スマートフォンを使い駐車から出庫までできる「リモート機能」も魅力的で、狭い駐車場などでの乗り降りに重宝するでしょう。
プロパイロット パーキング（日産）
プロパイロット パーキングは、日産の駐車サポート機能のひとつです。駐車位置を決めたら、スイッチ操作だけでハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレンジの操作、さらにはパーキングブレーキまでも自動で制御して駐車します。
バック駐車や縦列駐車どちらにも対応し、メモリー機能搭載車であれば一度駐車する場所を登録しておけば、白線のない場所や道路から離れた場所でも、登録した場所の近くで停車すると自動でシステムが起動して駐車の開始を提案してくれます。
パーキングソナーやバックカメラ
パーキングソナーは、車体に取り付けたセンサーによって障害物を検知するものです。クリアランスソナーとも呼び、発生する超音波によって障害物との距離を測定し、状況に応じて警告します。
細いポールなど検知しづらい障害物であったり、ソナー部分が汚れていたりすると、正常に機能しないケースもあるため注意しましょう。パーキングソナーは、純正オプションだけでなく社外品を利用した後付けも可能です。
また、バックカメラがあれば、後方の状況をモニターに映し出して安全確認ができます。ただし、バックカメラだけでは映しきれない死角もあるため、ミラーや目視との併用が必要です。
アラウンドビューモニター
アラウンドビューモニターとは、車体の前後左右4つの位置に取り付けられたカメラを使い、まるで車を上空から見下ろしているような映像を映し出す機能のことです。ミラーや目視、バックカメラでは確認できない死角となる部分も、アラウンドビューモニターによってリアルタイムに安全確認ができます。
同じ機能でも自動車メーカーによって呼び名が異なり、トヨタは「パノラミックビューモニター」、スズキは「全方位モニター」といった名称です。
初心者にもおすすめな駐車サポート機能付きの車
ここでは前述した駐車サポート機能が付いた車を2台ピックアップしてそれぞれの車種の特徴や価格を紹介します。2台とも運転のしやすいコンパクトカーですので、免許を取得して初めて車を購入する方でも運転しやすいでしょう。
トヨタ アクア
トヨタ アクアは他車を圧倒する燃費の良さが人気です。排気量1.5Lの軽量・コンパクトなエンジンを搭載し、低速域から力強い走りを味わえます。
フロントピラーがスリム化されたり、ドアミラーの位置が見直されたりしたことで、前方の視界が改善されました。アクアは、全てのグレードでアドバンスト パークの設定ができます。新車価格は199万7,000円~259万8,000円で、中古車は約44万円~254万円で流通しています。（2023年12月時点の情報です）
（参考：『アクア（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
日産 リーフ
リーフは、日産が販売する世界初の量産電気自動車（EV）です。100％電気で動くリーフには、グレードによって40kWhと60kWhの大容量バッテリーを搭載しています。航続可能距離は322kmと450km（WLTCモード）です。
プロパイロット パーキングは、グレードGとe+Gに標準で備わっています。他の一部グレードでもメーカーオプションを利用すれば装着可能です。新車価格は408万1,000円~464万2,000円で販売していますが、中古車は現時点で在庫がありません。（2023年12月時点の情報です）
（参考：『リーフ（日産）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
まとめ
車両感覚が慣れてなく、ハンドルをどのくらい切れば車がどういう動きをするのかが分からない初心者にとって、駐車は緊張する場面です。広い駐車場で隣に障害物もなく車も止まっていなければ駐車は難しくないかもしれませんが、いつもそんなシチュエーションがあるとは限りません。
とくに都市部の時間貸駐車場は駐車スペースが狭く、縦向き、横向きが混在しているため、駐車に苦労することもあります。どのようなところでも無理なく止められるように駐車のコツを覚えておきましょう。
▼ライタープロフィール
鈴木博之
エディター／ライター
出版社でさまざまなジャンルの雑誌編集を経験したのちフリーランスとして活動。現在は自動車だけでなく、EVバイク、電動アシスト自転車など、面白い乗り物を見つけては取材しているフリーランス編集ライター。
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