中古車を取り寄せしたい！利用時の注意点や流れをご紹介
「お取り寄せ」という言葉を聞くと、各地の名産やグルメ商品をインターネット経由や通販などで手に入れるイメージがあると思います。しかし、販売店によっては中古車もお取り寄せが可能です。
中古車購入では、現車確認と店のアフターサービス、スタッフの対応などはとても大事ですが、取り寄せでの購入に不安を感じる方もいるでしょう。そこで、この記事では、中古車を取り寄せるメリットや注意点、購入方法を解説します。
※目次※
・中古車の取り寄せに対応している業者なら全国の店舗から取り寄せが可能
・ウェブ サイトで取り寄せできる販売店で探せば希少な車の購入チャンスが増える
・取り寄せる場合には運搬費や代行費などの費用や手続きが通常よりかかる場合がある
最寄りの店舗で買えない中古車は取り寄せもできる
中古車の購入において、近隣の店舗でお気に入りの車が見つからなかった場合は、ウェブや雑誌などで検索することがあります。全国各地で車探しができるのは便利ですが、見つけた車の保管店舗が遠方の場合もあります。
このような遠方の店舗にある車を購入する場合、店舗によっては納車してくれる場合もあります。
多くの中古車販売店では取り寄せに対応している
ウェブ検索ができるような中古車販売業者は、遠方のお客さんにも対応してくれることがほとんどです。つまり中古車を購入する側から見れば、取り寄せができるわけです。ただし、小規模の店舗では近県のみの対応で、遠方の購入希望者とは取引ができない場合もあるため、事前の確認は必要です。
一方で、全国展開しているような中古車販売店では、希望の車を近くの店舗に運んでくれるサービスもあります。このようにウェブ検索した中古車が遠方でも取り寄せることは可能です。
事前に店舗の案内を確認しよう
ウェブで気に入った中古車が見つかったら、まずは掲載している店舗にメールや電話などで取引の詳細を確認しましょう。店舗によっては、取引は近県のみで遠方の場合は断られるケースがあるからです。
また、取り寄せにかかる費用もあらかじめ確認しておくとスムーズです。取り寄せの場合は、未登録車両を運搬する陸送費や、遠方で船便を使って運搬する場合は輸送費がかかります。
自分の住んでいる都道府県外から運搬する場合は、納車費用に他府県登録費用が別途発生するため注意しましょう。
取り寄せで中古車を手に入れるメリット
中古車を探すときに、取り寄せることを前提にすれば、かなり選択肢は広がります。探している車種が希少な場合や、希望のオプションやカラーがある場合でも多くの在庫車から調べられるため見つかるチャンスは上がります。
取り寄せも難しい手続きではないので、幅広い中古車の在庫から検索してみましょう。
ライフスタイルに合った1台が見つかりやすい
新車を購入する場合は、オーナーの希望に合ったオプションや装備、カラーを選択して組み合わせることができます。一方、中古車は在庫している車から探すことになるため、希望条件にぴったりと合う車はなかなか見つけるのは難しくなります。
人気車種のミニバンやSUVなどは、近隣の店舗でも比較的見つけやすいのですが、ライフスタイルに合わせた車や趣味性の強い車は、取り寄せを前提で探してみましょう。
レアな車種でも見つかりやすい
探している中古車が珍しい車種のときは、近隣の店舗で見つけられることはレアケースでしょう。希少な車種を探しているときは、長い時間をかけてようやく見つかるくらい出会いにくいこともあります。近隣や近県で探していると選択肢が狭くなるので、さらに時間がかかってしまうでしょう。
希少車種を専門に扱っている中古車店であれば在庫していることもあるので、希望の車種を見つけた場合には遠方であっても、取り寄せを検討してみましょう。
オプション装備がそろった車両が手に入りやすい
中古車選びは根気が必要ですが、選択肢が広ければお気に入りの車と出会う可能性は高くなります。遠方の店舗で販売されている車も購入の候補にすることで、お手頃な中古車を見つけることにもつながります。
例えば、ボディカラーは、ホワイト、ブラック、シルバーなどが一般的には人気です。それ以外のカラーは、同じ車種でも安価で販売されていることがあり、幅広く探していると、このような安く売り出されている車に巡り合えるかもしれません。
オンライン購入なら自宅で受け取れる
インターネットで買い物するのが当たり前の時代になり、中古車もインターネットを使ってのオンライン販売に対応している中古車業者もあります。
オンラインは、希望する車の条件を入力するだけで簡単に見つけやすく、店舗に出向いたり、スタッフと直接会ったりすることもないため、自分の都合の良いタイミングで取引できます。また、オンライン購入はスタッフの人件費を抑えることができるため、店舗購入より安い場合もあります。
取り寄せで中古車を手に入れるときの注意点
中古車を取り寄せて購入する場合は、いくつか注意点があります。近隣の店舗での購入に対して費用がかさむことも予想されます。見積もり取って内容をしっかりと確認しましょう。
また、購入後にトラブルがあった場合、店舗が遠方になると気軽に訪問できないため、アフターフォローについても考えておくことをおすすめします。
取り寄せにかかる費用が発生する
遠方の店舗で購入したときには、運搬費用がかかります。購入者が自ら取りに行くことも店舗によっては可能ですが時間や手間がかかるでしょう。
一般的には運送業者に依頼して納車するのですが、費用はボディサイズや距離によって異なり、10万円以上する場合もあります。そのため、あらかじめ運搬費用を確認し、総額を把握するようにしましょう。
また、納車前だとしてもキャンセルした場合は、運搬費用がかかる可能性があります。キャンセル料が発生するのはいつからかを店舗に確認しておきましょう。
納車までに時間がかかる
通常、中古車を購入した場合は、陸運支局での登録や車庫証明の発行など合わせて1週間~2週間程度の期間が必要です。
しかし、遠方で購入したときは陸送する期間があるので、プラス1週間程度を見込まないといけません。距離が遠ければ1週間以上の期間がかかることもあり、繁忙期ではそれ以上の時間を要する可能性もあります。契約後にすぐに納車とならないのが取り寄せるときの注意点です。
外装や内装の状態を確かめにくい
中古車を取り寄せる場合は、車の状態を直接確認したいものの、遠方の場合は見に行く費用がかかってしまいます。しかし、一度も車の状態を見ないまま購入するのは不安なものです。
購入する客目線で考えることができる親切な店舗や担当者の場合は、車の状態を写真でも説明してくれます。しかし、写真では光の具合やピントが合ってない、夜で暗いなどの問題もあります。また、エンジンをはじめとした機能のチェックも難しいです。
そこで理想なのはオンラインのビデオ通話や動画で確認することです。店によっては、ビデオ通話や動画撮影に対応しているところもあるため、可能な限り利用すると良いでしょう。
購入後のアフターフォローを受けにくい
新車で購入したときは、6ヵ月点検、1年点検など販売店がアナウンスしてくれますし、購入した店舗でアフターサービスも受けられます。近隣の中古車販売店で購入した場合も同様に、アフターサービスの心配はないでしょう。
しかし、遠方の店舗で購入したときは事情が異なってきます。故障のときは販売店が保証して責任を負いますが、車を持って行く作業が大変です。購入した店舗の距離が遠いということは、アフターサービスが受けにくいということを承知しなければなりません。
他府県登録費用が発生する
遠方の中古車販売店で購入した場合は、以前のナンバープレートを登録していた運輸支局の管轄が違う可能性が高いです。購入者が新しいナンバープレートへ変更するには、他府県登録費用がかかります。
中古車のように所有者が変わるときは、名義変更を行わなければならないのですが、これは新しい所有者が住む陸運支局で実施します。そのため遠方の中古車販売店は代行を使って名義変更やナンバーを取得するのです。このように近隣の店舗で購入するときより登録費用がかかります。
取り寄せで中古車を購入する際の流れ
全国の中古車販売店から取り寄せて購入するメリットと注意点はわかったと思います。取り寄せて購入する場合は、店舗に行くことも、車を実際に見ない場合もあるでしょう。
不安なくスムーズに取り寄せで購入するためにも、ここでは、中古車選びから取り寄せまでの一般的な流れを紹介します。
中古車の選定
まずは、希望の車種を決めて、どのようなモデルにするか、年式やグレード、そしてオプションや装備などの詳細を詰めていきましょう。どのような車を選ぶかは、取り寄せだけではなく最寄りの店舗で購入する際も先に決める要素です。
ある程度の候補が決まったら、次はウェブや雑誌などを使って検索します。ウェブではかなりの頻度で情報を更新しているので、希望の車種がなくてもあきらめずに定期的に検索してみると、ふとしたタイミングで出会えるかもしれません。もし希望の車種が見つかったら、時間を置かずに在庫を確認しましょう。中古車はその車しかないので、購入まではスピード勝負です。
販売店に連絡する
検索で希望の車が見つかったら次は販売している店舗にウェブや電話などで連絡をとり、在庫の有無を確認します。ウェブの情報は頻繁に更新しているといっても、すでに購入の交渉段階や売却済みのときもあります。
まずは在庫しているかの確認を取り、販売ができる状況ならば状態などを聞いてみましょう。
見積もりをとる
購入する車が在庫していたら、続いては状態や詳細を確認しましょう。遠方の店舗から取り寄せることになるので、実車を見ずに決めることもあります。写真や動画などを店舗に依頼し、購入しようとしている車にどのような傷や内装の痛みがあるかなどを確認しておくと良いでしょう。
状態に納得したら次は見積もりをとりましょう。店舗によって上述してきたような運搬費用や他府県登録費がかからないこともあります。大手の中古車販売店ならば近隣の店舗まで持ってきて実車確認ができる場合があるので確認してみましょう。
契約と書類の準備をする
見積もりをとって状態も確認できたら、あとは購入するかの判断です。先ほども触れたように同じ条件の中古車は他にはないので、購入までのスピードが重要です。購入しようとする車を気に入っている人が他にいないとは限らないので、納得したら購入の手続きに入りましょう。
購入するときは現金なのかローンなのかによっても手続きが変わりますが、契約書にサインすれば他の人が購入する可能性は少ないでしょう。
納車の手続き
近隣の店舗で購入する場合は納車日に購入者が取りに行くのが一般的ですが、遠方から取り寄せる場合は、購入した車は運搬されてきます。もし、引き取りに行きたいときは、担当者に希望を伝えましょう。店舗によっては納車する際は、運搬のみの場合もあります。
運搬で納車されるときは引き取り場所が指定されるので、その場所と日時を担当者と打ち合わせしましょう。
中古車を取り寄せる場合は店舗選びも重要
近隣の店舗で購入する場合は、実際にスタッフと会って購入する中古車についていろいろ話したり、他に在庫している車を見たり、店舗や店舗の周辺環境なども確認できます。
しかし、取り寄せで購入するときは、一度も来店せずに買うことが多いため中古車販売店も慎重に選びたいものです。ここでは良い中古車販売店の選び方について解説します。
質問に対して詳しく説明してくれるか
中古車販売店のスタッフにいろいろ質問したときに、的確で納得できる回答をしてくれるのかは重要です。質問に対して答えない、はぐらかす、わからないのに無理に答えようとするようなスタッフは要注意です。
例えば、店に在庫している同じ車種中でも1台だけ安い車があったり、購入予定の中古車が走行距離、年式のわりには安かったりした場合に、安い理由を質問しても明確な回答がないのは、修復歴車や水没車、メーター改ざん車などの理由があるかもしれません。
適切な価格で取り寄せできるか
中古車を購入する場合には、車両本体価格の他にも法定費用や代行費用、納車費用などがかかりますが、取り寄せで購入するのであれば、さらに運搬費用も加わります。
中古車購入では見積もりを必ずとるようにして、どこのどういった名目の費用がかかり、その費用は適正なのかも判断する必要があります。費用が高い場合はスタッフに質問してその理由を明確にしておきましょう。
こちらから質問しなくてもあらかじめ先回りして話してくれるスタッフがいる店舗が理想です。
車の保管に適した周辺環境か
取り寄せでは実際に店舗に行くことがないため、土地勘がない限り店舗や店舗周辺の環境はわからないでしょう。例えば、販売店が積雪地域や潮風が多い沿岸地域などでは、車のサビが心配です。また、火山灰や降り注ぐ地域ではボディの塗装を傷つける要因でもあるため注意したいところです。
Google マップの航空写真やストリートビューを使えば店舗の立地条件はある程度はわかるため、一度調べることもおすすめします。
まとめ
中古車を取り寄せることは、それほど難しいことではありません。希望の車種を全国の店舗から探すことができれば、希少車であっても見つかりやすくなるはずです。
しかし、取り寄せのときは、近隣の店舗で購入するより費用や時間がかかる可能性があることについても考慮しておきましょう。取り寄せでは、実際に車や店舗を確認できないため、スタッフの対応や中古車販売店選びは大切です。
▼ライタープロフィール
鈴木博之
エディター／ライター
出版社でさまざまなジャンルの雑誌編集を経験したのちフリーランスとして活動。現在は自動車だけでなく、EVバイク、電動アシスト自転車など、面白い乗り物を見つけては取材しているフリーランス編集ライター。
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