ジムニーに適したタイヤサイズとは?インチアップとインチダウンの違いも紹介
本格クロカンであるスズキ ジムニーを所有しているのであれば、街乗りだけでなくオフロードを走ってみたいものです。そこで重要になるのがタイヤの選択です。オフロードでもグリップするブロックタイヤや最低地上高を上げるためのリフトアップなどが必要になってきます。
タイヤサイズは変更できるのか、またタイヤメーカー4社を取り上げ、ジムニーに合うタイヤの特徴を解説します。そして、リフトアップしたジムニーが基準を超えてしまったときの対処法、タイヤをサイズアップした際に車検で必要となる手続きについても触れています。
※目次※
5. ジムニーのタイヤサイズをアップすると車検に影響がでる?
・ジムニーのタイヤサイズは変更できるが、タイヤ外径は大幅に変えない方がいい
・走るステージによってタイヤの種類を選択しよう
・車検に通らないインチアップやリフトアップでは、構造変更の申請が必要
ジムニーのタイヤサイズとは?
スズキ ジムニーのタイヤサイズやホイールサイズを変更したり、インチアップ、インチダウンしたりする前に、まずは純正タイヤとホイールのサイズを知っておきましょう。
現行モデルの場合は、どのグレードでも同じで175/80R16 91Sです。純正ホイールはXCのみアルミホイールが標準装備され、XLとXGはスチールホイールです。
スズキ ジムニーは純正のアクセサリーパーツやアフターパーツも豊富に用意されているため、タイヤとホイール選びに困ることはないでしょう。
また、中古でスズキ ジムニーを購入した場合は、パーツが交換されている場合もるので、装着しているタイヤとホイールサイズを確認しましょう。
ジムニーのタイヤサイズは変更できる
ドレスアップや乗り心地、走行性能などを目的に、ジムニーでも純正タイヤとホイールのサイズを変更できます。タイヤサイズのみの変更、ホイールサイズのみ変更、もしくはタイヤとホイールサイズの両方を変更することも可能です。
実際のサイズ変更についてはジムニー専門店やタイヤ専門店で相談すると安心です。ここでは、カスタムの定番であるインチアップとインチダウンについて説明します。
インチアップ
インチとはホイールやタイヤのリム径のことで、インチアップとはホイールサイズやタイヤのリム径を一回り大きなものへと交換することです。
インチアップでタイヤの外径は変更せずに、ほぼ同じサイズのものへと交換するためタイヤの偏平率は下がります。
インチアップは偏平率が下がるためタイヤの変形が少なく、コーナリング性能やブレーキ性能、操縦安定性が向上しドレスアップ効果もあります。
その反面、乗り心地や燃費の悪化と走行音が少し大きくなる場合があります。
インチダウン
インチダウンはインチアップの逆で、ホイールサイズやタイヤのリム径を一回り小さなものへと交換することです。
インチダウンでもタイヤの外径はほぼ同じサイズを選択します。タイヤの外径を変更してしまうとスピードメーターに誤差が起こったり、タイヤがホイールハウスに接触したりする危険性があるからです。
インチダウンでは乗り心地がマイルドになることや、ハンドルが軽く取られにくくなることがメリットです。また、タイヤの価格が安くなることも利点でしょう。
タイヤを選ぶときは特徴を確認しよう
タイヤは路面に触れる唯一のパーツであり、重要な役割を持ちます。タイヤを選ぶときには、サイズや値段だけでなく、タイヤのことをよく理解しておくと自分の目的にあったものを探しやすくなるでしょう。
インチアップするのかインチダウンするのか、未舗装路を走るのかによってもタイヤ選びは違います。ここでは、もう一度タイヤについての基礎知識をしっかりと学んでおきましょう。
ゴムの性質
タイヤはさまざまな素材を組みあわせて作りますが、路面に触れるトレッド部分で使用される複合ゴムのことをコンパウンドと呼び、主な素材はゴムや硫黄、カーボンブラックなどです。コンパウンドは素材の配合によって「ハード」「ミディアム」「ソフト」と性能が大きく分かれます。
ハードタイヤは転がり抵抗が低く、摩擦が少ないため長持ちする特徴がありますが、同時に路面に吸い付く力が弱いのでグリップ性能は低くなります。逆にソフトタイヤは高いグリップ力がありますが、他のタイヤに比べて摩耗しやすく燃費もよくありません。
ミディアムタイヤは、ハードとソフトタイヤの性能の中間に位置しています。
トレッドの種類
タイヤの表面にはさまざまな模様の溝が刻まれています。タイヤの溝はトレッドパターンと呼ばれ大きく分けて4つのパターンがあり、タイヤの性能に違いを生み出す役割を持っています。
リブ型 |
ラグ型 |
リブラグ型 |
ブロック型(クロカン用はこちら) |
・安定性、操作性に優れる。 ・タイヤ音が小さい。 ・転がり抵抗が少ない。 |
・駆動力、制動力に優れる。 ・非舗装路における、けん引力が優れている。 |
・リブ型とラグ型両方の特徴を併せ持つ。 |
・積雪路や悪路走行に向いている。 ・駆動力、制動力に優れる。 |
タイヤサイズの表記
現行モデルのジムニーのタイヤサイズはフロント「175/80R16 91S」、リア「175/80R16 91Q」です。サイズ規格はISO(国際標準化機構)が定めた表記で、「175」はタイヤ幅(mm)で、「80」は偏平率(タイヤ幅に対する高さの割合で数値が低いほど薄い)を表しています。
「R」はタイヤの構造がラジアルタイヤであることを示しています。「16」という数字はホイールのリム径を指しており、この場合のリム径は16インチです。「91」はロードインデックスで、規定条件下でタイヤへの荷重指数を示し615kgまで許されているということです。「S」は速度記号で最高速度180km/hまで、「Q」は160km/hまで走行可能なことを示しています。
ジムニーのタイヤはどのメーカーを選ぶ?
タイヤの簡単な知識を身につけたら、次は実際にジムニーにどのようなモデルを選ぶことができるのか調べてみましょう。
ここでは「ヨコハマタイヤ」「トーヨータイヤ」「BFグッドリッチ」「ブリヂストン」の4メーカーを取り上げて、それぞれのメーカーのジムニーにあったタイヤの特徴を紹介します。
ヨコハマタイヤ
ジムニーのタイヤをサイズアップするのにおすすめなのが、ヨコハマタイヤの「GEOLANDAR(ジオランダー) M/T G003」です。
ジオランダーはオフロード走行向けとして、マッド、ロック、ダート、砂利などの走行性能とロングライフ性能を追求したタイヤです。
世界中の過酷なオフロードレースやデザートレースに参加し、レースで得たデータをフィードバックし、前モデルの「GEOLANDAR M/T+」から構造、トレッドパターン、サイドデザイン、コンパウンド、プロファイルまで全面的な見直しました。
オンロードへの配慮も忘れておらず、前モデル同様の静穏性や快適性を確保しています。
トーヨータイヤ
トーヨータイヤの「OPEN COUNTRY M/T」は、過酷なオフロードを走破するための、アグレッシブで機能的なトレッドデザインが特徴のタイヤです。
世界一過酷と言われる「Baja1000」を始めとした、数多くの国際的なオフロードレースで優れたパフォーマンスを発揮してきました。特に大型SUVが普及している北米市場においては高い評価を得ています。
不整地やマッドなどのあらゆる悪路も走破でき、スペシャルトレッドコンパウンドがロングライフと低発熱を実現しています。
バットレスデザインや高強度サイドウォールコンパウンドは、耐外傷性に強いタフネス構造になっています。
タイヤ外径は少々大きくなりますが、LT225/75R16 103/100Qサイズのタイヤ側面にはホワイトレターを採用しています。
BFグッドリッチ
BFグッドリッチは、フランスのミシュランタイヤが主に北米で展開しているタイヤブランドです。
BFグッドリッチの「ALL TERRAIN T/A KO2」は、ショルダーブロックの裂けを抑制するアドバンスド・デフレクション・デザインや、石噛みを抑制するストーン・インジェクター、オンやオフロードでも均等な接圧分布を実現させるアドバンスド・タイヤフットプリントシェイプなどの機能があります。
タイヤの側面に描かれたホワイトレターのデザインも人気で、本場アメリカでのレースで培ったデータからタフサイドウォールラバーとニューデザインを採用しています。
ブリヂストン
ジムニーの純正タイヤは、ブリヂストンの「DUELER H/T684Ⅱ」が装着されていて、ジムニーの特徴でもある低燃費性能や操縦安定性を実現するために選ばれました。
ブリヂストンでは、DUELERはSUVをもっとプレミアムにするためのブランドとして位置づけています。オンロードでの快適性を重視した「DUELER H/L850」、オンとオフロードの両方に対応するオールステージタイヤの「DUELER A/T001」、マッドでも走破できるハードなオフロード向きの「DUELER M/T674」があり、純正タイヤから変更する場合は求めるステージによって選ぶといいでしょう。
ジムニーのタイヤサイズをアップすると車検に影響がでる?
ジムニーはノーマルでも十分楽しい車ですが、タイヤや車高をカスタムすることにより、本格クロカンとしてのポテンシャルを発揮します。
ここではタイヤサイズやリフトアップしたことによって、国土交通省が定める保安基準を満たせず、車検を通すことができなくなったときの対処法を説明します。
違法改造は取り締まりの対象になるだけでなく、危険が伴うので必ず基準値内に収めましょう。
リフトアップと地上高
車検に影響がでない全高の変更は±4cmまで、最低地上高は9cm以上が必要です。車検証に記載された全高の+4㎝までのリフトアップであれば問題なく車検に通ります。もし、それ以上の大幅なリフトアップをする場合は、軽自動車検査協会へ行き「構造等変更検査」を受ける必要があります。
リフトアップやインチアップ、インチダウンにおける軽微な変更であれば手続きは不要です。
また、タイヤ外径のサイズを大きく変更していた場合は、スピードメーターの誤差が生じてしまい車検を通らない可能性があるので注意が必要です。
ジムニーの純正タイヤはもともとブリヂストンの「DUELER」を装着しています。リフトアップせずに、ノーマルサスペンションでタイヤハウス内に当たらず装着できるタイヤサイズは「185/85R16」または「195/80R16」で、タイヤ幅が215サイズになるとはみ出す可能性があります。
現行モデルであるジムニーを車検に影響がでない範囲でリフトアップした場合のサイズとしては「175/80R16」「185/85R16」「195/80R16」「215/70R16」「225/70R16」が考えられるでしょう。
ちなみにフェンダー以外、ほぼ同サイズである普通自動車のジムニーシエラのタイヤサイズは195/80R15 96Sで、タイヤ幅が広がっているもののホイールサイズは1インチダウンしています。
直前直左確認鏡の技術基準
2007年1月1日以降に作られたジムニー(3代目のJB23含む)は、「直前側方運転視界基準」に適合しなければいけません。直前側方視界基準は運転席から視界を確保するために設けられたルールです。
リフトアップされた車両は死角が増えるため、車検を通すためには「直前と左側面に置かれた高さ1m、直径30cmのポール」を、運転席から確認できなければなりません。こちらの基準を満たせばリフトアップしたジムニーを車検に通すことができます。
基準を超えた場合は必ず構造変更手続きを
リフトアップなどで基準を超えてしまった場合は「構造等変更検査」が必要です。軽自動車検査協会へ行き、構造変更の検査を受け手続きしましょう。構造等変更検査の申請費用を自分でする場合は、検査手数料1,900円、技術情報管理手数料400円がかかります。
必要書類は「自動車検査証」「点検整備記録簿」「自動車損害賠償責任保険(共済)証明書」「申請審査書」「自動車重量税納付書」「自動車検査証記入申請書(軽第2号様式)」「軽自動車検査票」「申請依頼書(本人の場合は不要)」です。
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※価格は支払総額
ジムニーをバックシャンに!タイヤカバーでも遊ぼう
ジムニーは本格的なクロスカントリーであることもあり、スペアタイヤはリアハッチに装着されています。そのため、スペアタイヤカバーを変えるだけでもドレスアップ可能です。
一見すると簡単なカスタムですが、ジムニー純正のタイヤカバーのバリエーション豊富です。純正のロゴやキャラをあしらったタイヤカバーに、フロアマット、マッドフラップ、デコステッカー、携帯リモンカバーなどもそろえることができるため、選ぶ楽しみもあるでしょう。
タイヤカバーのバリエーション
アフターパーツとしてのジムニーのスペアタイヤカバーのバリエーションは豊富にあり、フルカバー、ハーフカバー、ハードタイプ、ソフトタイプ、レザー、センターカバーなどの種類があります。
また、ジムニーを専門にカスタマイズするショップからも同様のパーツが発売されていて、他のカスタムパーツと合わせことも可能です。
もちろん、スペアタイヤカバーのみを交換しても、リアまわりのイメージチェンジは絶大です。
スペアタイヤレス
スペアタイヤをあえて外すというカスタムもあります。スペアタイヤを外すことで、ジムニー本来のフォルムを楽しめます。
以前はスペアタイヤを搭載していないと車検に通りませんでしたが、最近ではスペアタイヤの代わりにパンク応急修理キットを積んでいれば問題ありません。
ただし、リアハッチに搭載するジムニーの場合では、車検証に記載されている全長よりも短くなるため注意が必要です。今後もスペアタイヤを外して乗るのであれば、構造変更の審査を受けておいた方がいいでしょう。
純正カバーも人気
ジムニーには豊富なアクセサリーも用意されていて、純正カバーも人気です。1980年代のデザインである「四駆」、定番デザインの「サイ」、カタカナロゴなど幅広い種類があり、自分好みに仕上げられます。
中でも1981年にデビューした、SJ30系のスペアタイヤカバーに描かれたサイのイラストは人気です。
純正アクセサリーのスペアタイヤカバーは、表面がハードなものやホイール部分のみを覆うハーフカバーデカール、ソフトなカバーなどがあります。
まとめ
スズキ ジムニーは、インチアップしたりタイヤをブロックタイヤに変更したり、さらにはリフトアップなどさまざまなカスタムができて楽しい車です。また、スペアタイヤがリアハッチに搭載されていることもあり、タイヤカバーの変更だけでも簡単に自分好みの個性を作り出せます。
リフトアップする場合は、車検の範囲内でするのか、構造変更の申請をしてカスタマイズをするのかにもよってもパーツの選択肢は変わってきます。
スズキ ジムニーのカスタマイズやチューニングを専門に取り扱っているショップもたくさんあるため、相談して合法的にカスタマイズしましょう。
▼ライタープロフィール
鈴木博之
エディター/ライター
出版社でさまざまなジャンルの雑誌編集を経験したのちフリーランスとして活動。現在は自動車だけでなく、EVバイク、電動アシスト自転車など、面白い乗り物を見つけては取材しているフリーランス編集ライター。
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