6種類あるソリオのグレードを徹底解説!バンディットとの違いも
ソリオは、スズキの小型トールワゴンです。「小型トールワゴン」とは、軽自動車のハイトワゴンとミニバンとの中間に位置するカテゴリで、コンパクトカーの車格を持ちながら広い室内空間を確保しているのが特徴のひとつです。
ソリオは、ベーシックから高級グレードまで合計6種類のモデルをラインアップしています。ソリオの購入を検討している人は迷うのではないでしょうか。そこでこの記事では、ソリオのグレードの特徴を中心に紹介します。
※目次※
・1グレードを除いた残りの5グレードは全てハイブリッド
・通常のハイブリッド以外にコストパフォーマンスに優れたマイルドハイブリッドも用意
・最大12色の豊富なボディカラーを設定
ソリオのグレードは6種類
ソリオは6種類のグレードを用意しています。一体どんなグレードなのか、まずは以下の表にまとめました。
ソリオ |
HYBRID SZ |
HYBRID MZ |
|
HYBRID MX |
|
G |
|
ソリオ バンディット |
HYBRID SV |
HYBRID MV |
(2023年6月時点の発売モデルより)
ソリオシリーズには、「ソリオ」と「ソリオ バンディット」と大きく2つのモデルがあり、そこからさらにモデルを細分化して6種類のグレードを展開しています。「ソリオ」はシリーズの中核モデルで、「バンディット」はより高級感を追求したモデルです。
純粋なガソリンエンジン車も用意していますが、基本はハイブリッド車というのも特徴と言えます。スズキのハイブリッドはユニークな特徴を備えています。なんと2種類のハイブリッドシステムを用意しているのです。具体的に見ていきましょう。
ハイブリッドシステムとは
車においての「ハイブリッド」とは、タイヤを回すためにエンジンと電気モーターの2つの動力を備えていることを指します。車を力強く加速しようとアクセルを踏み込むと、エンジンの回転数が上がることは誰もが体感すると思います。エンジンは回転を上げないと力が出ないことが理由です。
そこで電気モーターをエンジンに組み込めば、力の弱い低回転時のパワーを補うことができます。エンジンの回転が低ければ燃料を節約できるので、燃費を向上させることが可能になります。さらに加速も良くなるというのがハイブリッドシステムの特徴と言えます。
ソリオシリーズではGを除く全てがハイブリッドですが、特に「HYBRID SZ」「HYBRID SV」は、モーターのパワーも強く電気自動車(EV)としても走行可能な「ストロングハイブリッド」というシステムを採用しています。
マイルドハイブリッドシステムとは
「マイルドハイブリッド」とは、簡易的なハイブリッドシステムのことを指します。エンジンには電気を作るための小さな発電機が付いています。発電機はモーターと表裏一体の機器なので、発電機に電気を流せばモーターとして回転します。この性質を利用したのがマイルドハイブリッドと言えます。
通常の発電機よりも出力の大きい「モーター機能付き発電機(ISG)」を取り付け、加速時など必要に応じてエンジンをサポートします。
通常のハイブリッドと比べて大型の電動機類を必要とせず既存のエンジン系統を生かせるので、低コストで車体価格を抑えることが可能と言えるのです。ちなみにソリオシリーズでは「HYBRID MZ」「HYBRID MX」「HYBRID MV」がこのシステムを採用しています。
スズキセーフティサポートとは
「スズキセーフティサポート」とは、スズキの安全運転支援システムの総合名称です。その機能の一覧は以下になります。
・デュアルセンサーブレーキサポート
・デュアルカメラブレーキサポート
・レーダーブレーキサポートⅡ
・レーダーブレーキサポート
・後退時ブレーキサポート
・誤発進抑制機能
・後方誤発進抑制機能
・車線逸脱抑制機能
・車線逸脱警報機能
・ふらつき警報機能
・アダプティブクルーズコントロール
・車線維持支援機能
・ブラインドスポットモニター
・リヤクロストラフィックアラート
・標識認識機能
・ヘッドアップディスプレイ
・ハイビームアシスト
・先行車発進お知らせ機能
・全方位モニター用カメラ
機能を箇条書きにするとこれだけの数になりますが、大別すれば「誤発進抑制」「車線逸脱防止」「死角検知」「部分自動運転」にまとめられると思います。多数の運転支援機能で、危険の防止と快適性をサポートしていると言えるでしょう。
ソリオとは違うソリオ バンディットの特徴
ソリオ バンディットは、ベースのソリオに比べてより上級・高品質の内外装をまとっているバリエーションモデルとなります。
外装はメッキパーツなどを使用しカスタムテイストを向上、内装は黒を基調とした落ち着いた空間を演出しています。なお、走行機能や運転支援機能など車の根幹をなす部分はソリオのものと共通となっています。
ソリオのグレードと特徴
ソリオはソリオバンディットを含む合計6種のグレードを設定し、それぞれに特徴を持たせています。ハイブリッドシステムの違いや、パワースライドの設定の違いなど細かい設定がありますが、ここではコストパフォーマンスの高い純エンジンとマイルドハイブリッドのグレードを4つご紹介します。
エントリーモデルのG
Gはシリーズ中最もベーシックなモデルと言えます。車体価格を抑えることに特化したモデルと認識して良いでしょう。
大きな特徴は、ハイブリッドシステムを省いたシリーズ唯一の純粋なエンジンモデルである点と言えます。アダプティブクルーズコントロールや車線逸脱防止機能、ナビを含む全方位モニターといった運転支援システムも省いています。
しかし、誤発進抑制機能や車線逸脱抑制機能、標識認識機能といった危険回避系の機能は標準装備となっています。とにかくローコストに仕上げてあるグレードなので、会社の営業車に使用するといった用途に向いていると言えるでしょう。
片側パワースライドドア搭載モデルのHYBRID MX
HYBRID MXは、これより後に紹介するマイルドハイブリッドシステムを採用しているグレードの中では、最もコストパフォーマンスを優先したグレードと言えます。
Gに搭載のある誤発進抑制機能や車線逸脱抑制機能などの危険回避系の機能は全て搭載済みですが、LEDヘッドランプはオプション設定とし、無駄を省いていると言えます。
しかし、片側パワースライドドア(左後方)を採用している点は大きな特徴と言えます。ドアノブを引くと自動でドアが開閉する機能で、力のないお年寄りが乗る際などに大変重宝するものと言えるでしょう。
両側パワースライドドア搭載の最上級グレードHYBRID MZ
HYBRID MZは、ソリオの中での最上級グレードになります。MXで紹介したパワースライドは両側への搭載となり、後席への乗降がより便利になります。
また、危険防止機能や運転支援機能は全て網羅していると言うことができます。運転支援系で言えば、全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールの搭載が大きな特徴でしょう。
全車速追従機能付きとは、前方を行く車の速度に自動的に追従し、停止までも自動で行うものです。加えてMZには車線の逸脱を抑制するハンドル支援機能も付いています。高速道路などを、より快適かつ安全に移動することが可能なグレードということができます。
個性的なデザインが魅力の派生モデルHYBRID MV
HYBRID MVは、ソリオ バンディットに設定のあるマイルドハイブリッドのグレードになります。内外装がバンディット専用の高品質なものになっている以外は、HYBRID MZと同様です。
バンディットには「HYBRID SV」というグレードも設定がありますが(ソリオにも同じくHYBRID SZがあります)、大きな違いはマイルドハイブリッドかストロングハイブリッドかの差と考えて良いでしょう。
SVの燃費は22.3km/LでMVは19.6km/L(両方ともWLTCモード値、ソリオも同様)で、SVの方が燃費は優れていますが、駆動方式がFFのみのラインアップです。実はMV(およびソリオのMZなど)には4WDの設定があることから、雪道の走行などにはMVの方が適していると言うことができます。
ソリオとソリオ バンディットのボディカラー
ソリオおよびソリオ バンディットには、さまざまなボディカラーの設定があります。ボディカラーは、ユーザーの個性や好みを反映する重要な選択箇所と言えます。一体どのグレードにどのようなカラーの用意があるか、2023年6月時点の発売モデルを参考に見ていきましょう。
ソリオ「HYBRID MZ」「HYBRID MX」のボディカラーは8色
ソリオのHYBRID MZおよびMXには8色のボディカラーの用意があります。具体的なカラーとその名称は以下となります。
・キャラバンアイボリーパールメタリック(ZYL)
・タフカーキパールメタリック(ZZL)
・メロウディープレッドパール(WAF)
・フレイムオレンジパールメタリック(ZWD)
・スピーディーブルーメタリック(ZWG)
・スターシルバーメタリック(ZMU)
・ピュアホワイトパール(ZVR)
・スーパーブラックパール(ZMV)
ホワイトやブラックといった定番色に加えて、鮮やかなブルーやオレンジといったおしゃれなカラーも用意しているのが特徴と言えます。
ソリオ「HYBRID SZ」のボディカラーは11色
HYBRID SZには、合計11色のボディカラーの用意があります。具体的なカラーと名称は以下になります。
・キャラバンアイボリーパールメタリック ガンメタリック2トーンルーフ(E56)
・タフカーキパールメタリック ガンメタリック2トーンルーフ(E57)
・メロウディープレッドパール ガンメタリック2トーンルーフ(E2K)
・フレイムオレンジパールメタリック ガンメタリック2トーンルーフ(E55)
・ピュアホワイトパール ガンメタリック2トーンルーフ(DYH)
・キャラバンアイボリーパールメタリック(ZYL)
・タフカーキパールメタリック(ZZL)
・メロウディープレッドパール(WAF)
・フレイムオレンジパールメタリック(ZWD)
・ピュアホワイトパール(ZVR)
・スーパーブラックパール(ZMV)
MZやSZとは違い、ルーフをガンメタリック色に塗装したツートーンカラーを5色採用しているのが特徴となります。それ以外はルーフも同色塗装のカラーとなります。
ソリオ バンディットのボディカラーは12色
ソリオ バンディットのHYBRID MVグレードには、合計11色のカラーの用意があります。それに加えてMVのみに設定されているカラーも1色あり、具体的なカラーと名称は以下となります。
・キャラバンアイボリーパールメタリック ガンメタリック2トーンルーフ(E56)
・タフカーキパールメタリック ガンメタリック2トーンルーフ(E57)
・メロウディープレッドパール ガンメタリック2トーンルーフ(E2K)
・プレミアムシルバーメタリック ガンメタリック2トーンルーフ(FBZ)
・ピュアホワイトパール ガンメタリック2トーンルーフ(DYH)
・キャラバンアイボリーパールメタリック(ZYL)
・タフカーキパールメタリック(ZZL)
・グリッダーバイオレットパール(WAG)
・メロウディープレッドパール(WAF)
・プレミアムシルバーメタリック(ZNC)
・ピュアホワイトパール(ZVR)
・スーパーブラックパール(ZMV)
ソリオのHYBRID SZと同様にツートーンカラーの用意があるのですが、全体的にはトーンを抑えたカラーを採用しています。MVのみで設定できるカラーはグリッターバイオレットパールで、深みのある紫色が高級感を演出してくれます。
まとめ
ソリオには6種類のグレードがあり、最大12色のカラーを設定していることを紹介しました。選びがいのある多彩なラインアップと言って良いでしょう。
ソリオシリーズは実用性が高い小型ワゴンと言えます。エンジンは基本的に排気量が1.2Lなので税金が安く、その上G以外はハイブリッドなので燃費が良く維持費を抑えることができます。
室内・荷室の空間が広く、後席は電動スライドドアで乗降がしやすい工夫を施しています。さらに安全運転支援機能も充実し、日常で使用するには十分な機能を備えている優等生と言えるでしょう。
■この記事の執筆者
北野晶夫
オートバイ雑誌と自動車WEB媒体の編集部員を経験後に独立し、フリーの記者・編集者となり現在に至る。 新車取材のほかチューニングカーやレースの取材等も行う。写真撮影も行い、撮影・執筆・編集と一連の制作を担当することが多い。読者のカーライフを応援できる記事づくりがモットー。