車が水没して動かない場合どうする?修理できる範囲と費用を解説
車の水没は頻繁に起こることではありませんが、台風やゲリラ豪雨が原因で誰に起きてもおかしくないトラブルだともいえます。実際に車が水没して動かなくなり、途方に暮れたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、車が水没して動かないときに、どのように対処すればいいかをご紹介します。修理時の費用や保険についても解説しますので、参考にしてください。万が一車が水没してエンジンがかからなくなった場合でも、落ち着いて行動できるようになるでしょう。
※目次※
・車が水没したときの修理費用は水没の度合いによって異なり、2万円台から50万円以上とさまざま
・水没時の修理費用に保険を適用できるかどうかは、車両保険の水害補償が付いているかがポイント
・車が水没して動かなくなった場合は、車の状態をチェックするとともに、貴重品を忘れずに回収しよう
水没した車が修理できる範囲とかかる費用
車が水没したあとに故障した部分を直そうとする場合、どれくらい水没したかによって修理の費用が変わります。水没の度合いがひどいとそれだけ損傷し、修理にお金がかかるからです。修理ができないほど損傷している場合もあります。
では、どのようなケースでどの程度の修理費用がかかるのでしょうか。目安となる水没の度合いと修理にかかる費用をご紹介します。
【タイヤ下半分の水没】比較的安い費用で修理が可能
水没したのがタイヤの下半分くらいであれば、修理費用がそこまで高くなることはないでしょう。修理するパーツも多くないからです。高くても2万円台で済むかもしれません。
確認しておきたいのは、タイヤとブレーキローターです。タイヤは雨の日に走っても特別なケアが必要ないので、少し濡れたくらいなら平気だと思うかもしれません。しかし、長時間水に浸るとホイールの内側が錆びてしまうことがあります。
ブレーキローターは名前のとおりブレーキに関係するパーツです。ブレーキローターが壊れると、事故につながることがあります。タイヤのホイールと同様に錆びると危険なので、タイヤが水没したあとは忘れずにチェックしましょう。
【タイヤ上半分の水没】10万円台の修理費用が必要
タイヤの下半分と上半分の水没では修理する内容が変わります。水がタイヤの高さ半分以上の位置まで達した場合、より多くのパーツに影響が出る可能性があるため、10万円台の修理費用が発生するかもしれません。
特に注意が必要なのがドライブシャフトです。ドライブシャフトはエンジンが生み出す回転力をタイヤに伝える大事なパーツで、壊れると走行できなくなります。
修理が必要なのは、ドライブシャフトが完全に壊れた場合だけではありません。水没して潤滑油が溶けてしまったり、泥がついてしまったりすると、故障の原因になりかねないので交換が必要でしょう。
ドライブシャフトを交換する費用は5万円~10万円程度です。車には2本のドライブシャフトが付いているため、両方を交換すると20万円ほどかかることもあるでしょう。
【マフラーの浸水】50万円以上の修理費用が必要
マフラーにも浸水した場合、修理はさらに高額になる可能性があります。マフラーを経由してエンジンまで水が入ると、エンジンが壊れてしまうかもしれません。エンジンが壊れた場合、50万円以上の修理費用が必要になることもあります。
少しでも被害を抑えるためのポイントは、慌ててエンジンをかけないことです。マフラーまで水没していてもエンジンルームには水が達していない可能性もあります。その場合には、自分でエンジンをかけて移動させようとせず、修理業者を呼びましょう。修理業者に適切な対応をしてもらうことで、エンジンへの影響を防ぐことができるかもしれません。
【フロアへの浸水】修理が困難
フロアに水が入り込んでしまうと、修理が困難な可能性が高まるでしょう。フロアまで水が達しているということは、エンジンルームも被害にあっていると考えられます。エンジンが水没の影響を受けて機能しなくなった場合、修理は難しいでしょう。
また、ひどく浸水すると、泥水や汚水の影響を受けます。泥水や汚水には細菌や虫がいることもあり、大がかりな掃除が必要になるでしょう。エンジンの修理ができたとしても悪臭がとれなかったり、衛生面に不安が残ったりします。
フロアまで水が浸入すると大がかりな修理が必要になるため、買い替えを検討するのもひとつの方法です。多額のお金をかけて故障したパーツの修理を行うよりも、新しい車を用意したほうが安く済むかもしれません。
水没した車の保険はどうなる?
水没してしまっても、思い入れのある愛車は修理して使い続けたいと思う方もいるでしょう。高額になるかもしれない修理代は、保険でまかなうことができるのでしょうか。
車が水没したときに保険が適用されるかどうかは、加入している保険の内容によって異なります。水没に関わる保険について知っておきたいことをまとめました。
まずは水害補償のある保険に入っているか確認しよう
加入している保険でチェックするのは水害補償が付いているかどうかです。保険サービスのなかの車両保険に含まれる補償で、台風や高潮などによって水害が発生したときの損害を対象にしています。
水害補償で気をつけたいのは、保険会社によって補償金額など保険内容の詳細が異なることです。自分が加入している保険の内容をしっかり確認することが大切です。実際に被害にあい修理に出す前に、受け取れる保険金の目安を問い合わせてもよいでしょう。
保険金を請求する際の条件も確認が必要です。たとえば、台風や高潮が原因の水害は保険金の支払い対象でも、津波によって起きた水害は補償の対象外になることがあります。
水害補償がついている場合は保険適用
水害補償のついている保険に加入していれば、水害が原因の故障に対する修理費用に保険を適用できる可能性があるでしょう。たとえばドライブシャフトを交換して10万円~20万円かかった場合、その金額を一部でも保険でカバーできれば大いに助かります。
車両保険を理解するには、全損と分損という考え方を覚えておくことが必要です。全損か分損かによって、受け取る保険金額が異なります。水害が発生して保険金を請求する場合は、多くのケースで全損になるでしょう。水没した車は修理自体が困難な状態であったり、修理費用が保険金額を上回ったりするからです。
全損の場合、一般的に免責金額なしに保険金を受け取れます。保険金を全額受け取れれば、車を買い替えやすくなるでしょう。保険金に加えて一時金を追加で受け取れる保険もあります。
水没に対する保険に入っていない場合は全額自己負担
自分が加入している保険に水害に対する補償が付いていない場合、修理費用を保険会社に請求することはできません。全額自分で負担する必要があります。
車が水没するのではないかと心配であれば、ふさわしいタイミングで補償を付けるのもひとつの方法です。補償の追加や契約の見直しを検討してみましょう。ただし、契約内容によっては次の更新タイミングまで変更できないこともあります。
車両保険に入っていない場合は全額自己負担
保険が水害によって故障した車を直す代金を補償しているのは、車両保険にその補償サービスがあるからです。車両保険自体に加入していないと、車が水没したときの補償を受けられません。その場合も、修理にかかる費用はすべて自分で支払う必要があります。
水没した車の購入費用をローンで支払っている途中に被害にあうというケースもあるでしょう。その場合、水没した車のローンと新しく購入する車の費用を両方負担しなければいけないという事態になるかもしれません。
駐車場や車を職場などが浸水しやすければ、水害補償のついた車両保険に加入したほうが安心でしょう。また、購入費用の高い新車を買ったときなども、車両保険を手厚くしたほうがいいかもしれません。
水没した車を修理して運転する際の注意点
水没した車を修理業者に確認してもらうと、修理をすればまた乗れるようになると提案されるかもしれません。その場合は車を買い替える必要がなく、慣れ親しんだ車に乗り続けられるので、嬉しく感じることもあるでしょう。
しかし、買い替えではなく修理を選ぶ前に確認したい注意点があります。水没した車に引き続き乗る際のポイントをチェックしてみましょう。
汚れ、臭いの対処
特に車内まで水が入り込んでしまった場合、汚れや臭いに注意が必要です。タイヤ周りやエンジンルーム内のパーツは交換すればよくなるかもしれません。しかし、浸水時にシートやマットに付いた汚れや臭いは簡単には落とせないことがあります。
すぐに落ちる汚れは自分で掃除できますが、車内全体を掃除する場合は業者に依頼することになるでしょう。業者に頼んで掃除してもらっても、完全に清潔な状態に戻すのは難しいこともあります。水没してしまった車に乗り続けたい場合は、清掃費用の見積もりを出し、よく検討するとよいでしょう。
車の価値が低くなる
故障した部分を修理してまた運転できるようになったとしても、水没した経験がある車の価値は著しく低くなってしまいます。
水害にあい、室内フロア以上に浸水した車や、通常の使用では発生しないサビや汚れがある車は「冠水車」と呼ばれます。修理をして再び走行できるようになっても、冠水歴があると車の価値は低下するのが一般的です。売却をしたいときになかなか買い手が見つからないこともあり、売却に苦労するかもしれません。
車が水没して動かない場合に必要な行動
水没が原因で普段使っている車がまったく動かなくなると、ショックや不安で落ち着いた行動を取れなくなるかもしれません。水没の度合いがひどく、動かない場合はどうすればよいのでしょうか。
ここでは水没が原因で車が動かないときに取るべき行動をご紹介します。これからご紹介する方法を実践すれば、被害を受けたあとの難しい決定も下しやすくなるでしょう。
車の状態を一通りチェック
車のことを詳しく知らない人でも心配する必要はありません。修理業者に頼めば詳細な部分もチェックしてもらえます。修理業者の説明をしっかり聞いて、まずは車の状態を把握しましょう。
全体的な状態を把握できれば、動かなくなった車をどうすればよいのかが見えてきます。修理してまた乗るべきか、買い替えを検討するべきかの判断がしやすくなるでしょう。修理を選ぶ場合、長期的な視点で問題が発生しないかの確認も忘れないようにします。
車内に残っている貴重品の回収
修理業者に車を引き渡すなど、車が手元を離れる前には貴重品の回収を行いましょう。運転席周辺やシートの裏側など、収納スペースをしっかりチェックします。免許証やETCカードなど、悪用される恐れのあるものも忘れてはいけません。
修理業者が善意で保管してくれる場合もありますが、意図せずに紛失することもあります。車が水没したうえに貴重品をなくすのは大きな痛手ですし、トラブルにつながるかもしれません。
買い替えを検討する
修理費が高い場合や修理不能になった場合は、買い替えを検討するのも有効です。修理のために時間やお金をかけるより、速やかに次の車を探したほうがよい場合もあります。保険金の支払い条件など、状況に応じて判断することが大切です。
少しでも買い替えを検討しているなら、販売業者に相談してみましょう。ネクステージなら日本全国に販売店を展開しています。車種やカラーも豊富なので、ぜひご相談ください。
まとめ
車が水没した際、どのように対処するかはどれくらい水没したかによって異なります。水がマフラーまで達していた場合は、エンジンをかけずに修理業者に確認してもらうのがよいでしょう。修理費用は2万円台で済む場合もあれば、50万円以上かかることもあります。
エンジンがかからなくなった場合は、車を一通りチェックすることや貴重品を回収することが大切です。車の故障度合いや修理費用を参考にして、買い替えを検討するのもよいでしょう。
車の買い替えをお考えなら、ぜひネクステージにご相談ください。多数の車種を取り揃えているため、予算に応じて希望の車を探せるでしょう。軽自動車や普通車など、車のタイプに合わせた保証サービスもご用意しています。
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