車を下取りに出す際の仕訳方法!購入時の記帳のポイント
営業や配送など、自営業の方で車を使用して仕事をしている方も多いでしょう。仕事で使用している車が古くなった場合、新しい車を購入するために下取りに出すことも考えられます。しかし、車を下取りに出した際、帳簿付けの「仕訳」をどうすれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、車を下取りに出す際の仕訳方法についてご紹介していきます。購入時の記帳のポイントに付いても解説を行っていきますので、ぜひチェックしてみてください。
※目次※
・車を下取りに出してから購入する場合の仕訳は複雑。購入、下取りを分けて仕訳を行い、その後に合算仕訳を行うと非常に分かりやすくなる
・仕訳の方法は、個人と法人で異なる。さらに、直接法や間接法、税込みや税抜きでも仕訳方法は変わるので、自分がどの方法で帳簿付けを行うのかを把握しておこう
・車は下取りよりも「売却」の方が高値となる傾向である。下取りと売却で迷っている方は、ネクステージに相談してみよう
車を下取りに出してから購入する際の仕訳方法
自営業で、仕事用として使用している車を下取りに出してから購入する際には、帳簿付けを行うために仕訳をすることが必要不可欠です。複雑なため、慣れていない方だと仕訳の仕方で迷うこともあるかもしれません。
しかし実際は「下取り車の仕訳」、「購入した車の仕訳」、「買い替えを合算した仕訳」の3段階に分けることで、とても分かりやすく理解することが可能です。
下取り車の仕訳方法
下取り車の場合は、非常に単純で分かりやすい仕訳です。シンプルに考えれば、所有していた車を売却して得たお金が入り、車を購入したときの価格からこれまで発生した減価償却費を差し引いた資産(車両運搬具)が出ていく、ということになります。
下取り車の場合は、下記のような仕訳です。
【借方】 |
【貸方】 |
現預金 |
車両運搬具 |
|
預託金 |
|
固定資産売却益 |
上記で示した仕訳の場合、車を購入したときの取得価額から減価償却費を差し引いた「現在の資産価値」よりも、下取りで売却時に付いた価格の方が高く、結果的に「固定資産売却益」の発生となっています。もし反対のケースであった場合は、借方に「固定資産売却損」を勘定科目として仕訳する必要があります。
なお「預託金」とは、「リサイクル預託金」のことを指します。
新たに購入した車の仕訳方法
新たに購入した車を仕訳する際も、考え方としては至ってシンプルです。手元から出ていく支出は「現金や預金」のみということになります。反対に、手元に入ってくるものが「車」です。
さらに、車は車両本体価格だけでなく、リサイクル預託金や手数料、環境性能割や自動車税などの税金、保険料も発生します。
新たに車を購入した場合の仕訳は下記の通りです。
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
現預金 |
預託金 |
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支払手数料 |
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租税公課 |
|
保険料 |
|
支払い手数料は、「検査登録費用」や「リサイクル委託金資産管理費用」が該当します。「下取りして車を購入」と考えると複雑に感じますが、「新しく車を購入する」という部分だけを切り取れば、下取りではなく普通に購入したときの仕訳と同じです。
なお、保険料とは「自賠責保険」のことを指します。
車の買い替えを合算で行う場合の仕訳方法
車の買い替えを合算で行う場合、ここまで解説をしてきた「下取り車の仕訳方法」と「新たに購入した車の仕訳方法」の仕訳は、合算することで表すことが可能です。仕訳方法や勘定科目を変更することなく、そのままの形で合算できます。
車の買い替えを合算で行う場合の仕訳方法は、下記のようになります。
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
車両運搬具 |
預託金 |
預託金 |
支払手数料 |
現預金 |
租税公課 |
固定資産売却益 |
保険料 |
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合算で仕訳を行った際、仕訳方法や勘定科目を変更することはありませんが、今回の合算仕訳では「現預金」のみ金額が変わります。新しく車を購入したときに支出として出ていった現預金から、下取りして収入として入って来た現預金を差し引いた額が、今回の合算仕訳の際の金額となります。
買い替えでローンを利用した場合の仕訳方法
車を新しく購入するときに、現金一括ではなくローンを利用する際の仕訳は、勘定科目が変更になります。一見すると複雑だと感じるかもしれませんが、ローンの場合の仕訳もシンプルです。
車をローンで購入するという方も多くいるでしょう。ローン購入時の仕訳方法も覚えておくと便利です。
車の購入でローンを利用した場合の仕訳方法は、下記のようになります。
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
長期未払金 |
預託金 |
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支払手数料 |
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租税公課 |
|
保険料 |
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長期前払い費用 |
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現金一括での購入と異なる点は、貸方の現預金が「長期未払金」となっている点と、借方に「長期前払い費用」が追加されていることです。
長期未払金は、「ローン」のことを指します。シンプルに、現金からローンに仕訳が変更されたと考えましょう。長期前払い費用は、ローンに発生する「割賦手数料」を指します。仕訳方法は、現金一括払いの際とあまり変わらないので、難しく考える必要はありません。
個人の場合の仕訳方法
個人と法人の場合で、下取りして購入する際の仕訳方法は異なります。個人の場合は、車を売った際には売却ではなく「譲渡」として見なされ、事業所得ではなく「譲渡所得」として処理が行われます。そのため、車を売却した際の利益や損失は、固定資産売却益(損)ではなく、「事業主借(貸)」で表されるので注意しましょう。
また、もし事業用だけでなく自家用としても車を使用する場合は、その割合に応じて按分計算を行う必要があります。租税公課や保険料などの金額から自家用分を差し引き、差し引いた分を「事業主貸」として借方処理する必要があるので注意が必要です。
直接法で行う場合
「直接法」で仕訳を行う際は、下取りを行った車の取得価額に、これまで発生した「減価償却費」を直接差し引き、現在の資産価格をそのまま表示します。例えば、当時の取得価額が100万円であり、これまでに発生した減価償却累計額が80万円であった場合、100万円から80万円を差し引いた「20万円」を現在の資産価格として仕訳を行います。
また、車の購入や売却時に発生する「消費税」を、資産や売却益に含めて仕訳するか別途で仕訳するかでも仕訳内容が変わってきますので注意が必要です。
個人が直接法で仕訳を行う際は、下記のようになります。
・税込み処理
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
車両運搬具 |
預託金 |
預託金 |
支払手数料 |
現預金 |
租税公課 |
事業主借 |
保険料 |
|
・税抜処理
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
車両運搬具 |
預託金 |
預託金 |
支払手数料 |
現預金 |
租税公課 |
事業主借 |
保険料 |
仮受消費税等 |
仮払消費税等 |
|
このように、固定資産売却益が「事業主借」と変更されますので、注意が必要です。なお、保険料(自賠責)は非課税項目であり、仮払消費税等の対象は「車両運搬具」と「支払い手数料」の2つになります。
そして、仮受消費税の対象は、車の下取り価格となります。
間接法で行う場合
間接法で仕訳を行う場合は、直接法とは反対の方法となります。下取りを行った車の取得価額でそのまま貸方仕訳を行い、今までに発生した減価償却累計額を借方仕訳することで、帳簿上での金額を合わせます。
当時の取得価額が100万円の車で、これまでの減価償却累計額が80万円であった場合で例を挙げます。当時の取得価額の「100万円」をそのまま貸方に仕訳し、「減価償却累計額」という勘定科目を用いて、減価償却累計額を「80万円」として借方へと仕訳を行います。
個人が間接法で仕訳を行う際は、下記のようになります。
・税込み処理
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
車両運搬具 |
預託金 |
預託金 |
支払手数料 |
現預金 |
租税公課 |
事業主借 |
保険料 |
|
減価償却累計額 |
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・税抜き処理
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
車両運搬具 |
預託金 |
預託金 |
支払手数料 |
現預金 |
租税公課 |
事業主借 |
保険料 |
仮受消費税等 |
仮払消費税等 |
|
減価償却累計額 |
|
貸方の車両運搬具が取得価額そのままの金額であっても、これまで発生した減価償却累計額を借方に仕訳することで、金額の帳尻合わせが行われることになります。
法人の場合の仕訳方法
法人の場合は個人の場合とは異なり、「固定資産売却益(損)」をそのまま使用しても構いません。個人の仕訳の場合はあくまでも「譲渡」として処理が行われますが、法人の場合は「売却」として処理が行われます。
また法人の場合、車の下取りは「課税取引」として見なしますので、税込み処理を行うのが一般的です。
直接法で行う場合
法人で直接法の仕訳を行う場合は、なじみのある「固定資産売却益(損)」を使用できるので難しくありません。
また個人の場合で「自家用」として使用する際は、自家用として使用する割合に応じて
租税公課や保険料などの金額から自家用分を差し引きます。差し引いた分を「事業主貸」として借方処理する必要がありました。
しかし、法人の場合は事業主借(貸)処理を行わないので、非常にシンプルです。法人が直接法で仕訳を行う際は、下記のようになります。
・税込み処理」
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
車両運搬具 |
預託金 |
預託金 |
支払手数料 |
現預金 |
租税公課 |
固定資産売却益 |
保険料 |
|
・税抜き処理
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
車両運搬具 |
預託金 |
預託金 |
支払手数料 |
現預金 |
租税公課 |
固定資産売却益 |
保険料 |
仮受消費税等 |
仮払消費税等 |
|
間接法で行う場合
間接法で仕訳を行う場合も至ってシンプルです。個人の場合と同様に、下取りした車を取得価額そのままの金額で貸方仕訳を行います。そして、今までに発生した減価償却累計額を借方仕訳とすることで、結果的に金額の帳尻が合うようになります。
法人が間接法で仕訳を行う場合は、下記のように行います。
・税込み処理
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
車両運搬具 |
預託金 |
預託金 |
支払手数料 |
現預金 |
租税公課 |
固定資産売却益 |
保険料 |
|
減価償却累計額 |
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・税抜き処理
【借方】 |
【貸方】 |
車両運搬具 |
車両運搬具 |
預託金 |
預託金 |
支払手数料 |
現預金 |
租税公課 |
固定資産売却益 |
保険料 |
仮受消費税等 |
仮払消費税等 |
|
減価償却累計額 |
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法人の場合は特殊性がなく、なじみのある仕訳方法で行えるため、簡単に仕訳を行えます。
車は下取りよりも売却がおすすめ
車を売るのであれば、下取りに出すよりも「売却」を行うのがおすすめです。車の下取りは、新しい車を購入する店でそのまま古い車を売る手続きができるため、手間がかかりません。
新しい車を購入する店とは違う店に車を売却する場合、手間がかかります。しかし、下取りよりも売却を行った方が買取価格は高くなる傾向にあり、結果的に得をすることにもなります。
中古車販売のネクステージでは、さまざまなメーカーや車種の買い取りや販売をしており、多くのノウハウを蓄積し、知識も豊富です。そのため、どんな車種であっても確かな見る目で買取査定を行っているので、下取りよりも高額で売却を行える可能性が高くなります。下取りよりも、ネクステージに売却の相談をしてみましょう。
まとめ
この記事では、車を下取りに出す際の仕訳方法やそのポイントについてご紹介してきました。個人や法人、さらには直接法や間接法、税込みや税抜きなど、自分の立場や帳簿付けの方法によって、下取りして新たな車を購入する際の仕訳方法が変わるので注意しましょう。
また車を下取りに出すよりも「売却」に出した方が、より高値となる傾向にあります。下取りと売却で悩んでいる方や、その仕訳をどうすれば良いか悩んでいる方は、一度ネクステージにご相談ください。
ネクステージは、全国100店舗以上で約1万2,000台もの在庫数を誇っています。毎日多種多様な車を扱っており、ノウハウや高い技術を持った確かな目で車の査定を行います。車のことでしたらお気軽にご相談ください。