車の下取り時にリサイクル料金はどうなる?返金されない場合や注意点も紹介
車を購入した際は、廃車になることを想定してリサイクル料金を支払っています。しかし、その車を廃車処分せず、下取りに出す方もいるでしょう。このような場合、リサイクル料金はどうなるかご存じでしょうか。
本記事では、車の下取り時におけるリサイクル料金の詳細と返金されないケースを紹介します。「返金される金額の内訳を知りたい」または「返金されるための条件・手続きを知りたい」といった方の疑問もきっと解決するでしょう。ぜひ参考にしてください。
※目次※
3.車の下取り時にリサイクル料金が返金されない場合はあるの?
・リサイクル料金は新車購入時に支払う。下取り時にはリサイクル券や預託状況の証明書を渡すことで返金される。
・下取りした車が廃車扱いとなる場合は返金されないこともある。リサイクル料金が含まれていない状態で契約した場合もその後の返金は難しい。
・リサイクル料金は主に「シュレッダーダスト」「エアバッグ類」「フロン類」といった車の構成要素で決定する。Webページで事前に金額を確認することも可能。
車のリサイクル料金とは?
リサイクル料金は車を所有するうえで発生する費用のひとつです。しかし、これは何に対して支払う費用であるか、ご存じでない方も多いのではないでしょうか。まずこの項目でリサイクル料金の概要や支払うタイミングを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
リサイクル料について
車はいずれ廃車となり、解体業者にとって処分されます。この際の解体処分にかかる費用を前もって支払うものがリサイクル料です。
リサイクル料は「自動車リサイクル法」に基づいて、車の所有者が支払うことを義務付けられています。自動車リサイクル法とは、廃車による環境負荷を低減するために定められた法です。この仕組みにより、鉄などの有用金属やフロン類、エアバッグ類を適切に処理することが可能になりました。
自動車リサイクル法によると、廃棄物の処理に伴う環境への負荷を低減するための責任を排出者が負うべきとされています。このため排出者となる車の所有者は、処理費用を負担する必要があるのです。
(参考:『自動車リサイクル法とは|経済産業省』)
リサイクル料金を支払うタイミング
基本的にリサイクル料金を支払うタイミングは新車購入時です。金額は「処分後に残るプラスチックくずの量」「フロン類の量」「エアバッグ類の個数・取り外しやすさ」などで異なります。
この時にリサイクル券が発行されますが、これはリサイクル料を支払った証明となるものです。廃車時や売却時に必要となるため、大切に保管しておきましょう。
リサイクル券と種類
リサイクル券はAからDの4つの券で構成されています。それぞれの名称と内容を以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
|
内容 |
A券 |
預託証明書。リサイクル料金を預託したことを証明するもの。 |
B券 |
使用済み自動車引取証明書。売却などで車を手放す際に引取業者が必要事項を記入して最終所有者に交付するもの。 |
C券 |
資金管理料金受領書。自動車リサイクル促進センターが資金管理料金を受け取ったことを証明するもの。 |
D券 |
料金通知書兼発行者控。車の所有者に対して料金の通知を行ったことを証明するもの。事業者側が保管する。 |
(2021年7月時点の情報です)
(参考:『よくあるご質問:リサイクル券について|自動車リサイクルシステム』)
車の下取り時にリサイクル料金の返金はどうなる?
使用中の車は廃車まで使い続けるとも限りません。買い替えのために下取りに出すこともあるでしょう。廃車ではなく下取りなどの売却を選択した場合、リサイクル料金は返金対象となるのでしょうか。この項目で下取り時のリサイクル料金の詳細を見ていきましょう。
リサイクル料金は通常は返金の対象
廃車時の所有者が負担するものとして、リサイクル料金は存在します。つまり、走行可能な車は次の持ち主に負担義務が移行する仕組みです。そのため、基本的に車の下取り時にリサイクル料金は返金されます。
この時に用いられるものがリサイクル券です。下取りの際は業者が売却主よりリサイクルを受け取り、その後販売された後に購入者の手に渡ります。このように対象の車が廃車となるまで、リサイクル料の負担義務が移っていくのです。
見積もりでは下取り/買取価格に含まれる場合もある
リサイクル料の返金はどのタイミングで受け取るかご存じでしょうか。業者によりますが、多くの場合リサイクル料は下取り・買取価格に含まれています。
しかし、下取りの際は値引きなどで見積もり価格が複雑になりがちです。「契約後に返金されていなかったことに気付いた」ということがないように、見積書にリサイクル料が含まれていることを確認しましょう。
リサイクル券を紛失しても返金される
車は長年使用するものであるため、リサイクル券を紛失してしまい不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
リサイクル券は再発行することはできませんが、紛失していても返金に影響はありません。この場合は、自動車リサイクル料金の預託状況の用紙が証明の代わりとなります。
預託状況は自動車リサイクルシステムが管理しています。自動車リサイクルシステムのWebサイトで印刷できるため、簡単に入手可能です。この時に「車体番号」と「登録番号」を入力する必要があるため、車検証を確認しながら検索するといいでしょう。
車の下取り時にリサイクル料金が返金されない場合はあるの?
先述の通り、下取り時のリサイクル料金は基本的に返金されます。しかし、これは「新たな所有者が再使用できること」「リサイクル料金を含めて正しく下取り契約を完了すること」が条件です。
そのため、リサイクル料金は下取り時の車の状態や契約状況によって、返金されない場合もあります。この項目ではリサイクル料金が返金されないケースをいくつか見ていきましょう。
下取りした車がその後に廃車扱いとなる時
下取りした車がその後に廃車扱いとなる場合は、リサイクル料金返金の対象となりません。車を下取りする際、業者側は基本的に再販することが目的です。
ただし、走行することが不可能なレベルで著しく劣化している場合、その車は再販されず廃車となります。先述の通りリサイクル料金は最後の所有者が支払うが決まっているため、返金はありません。
契約後に返金を求める
下取り契約が完了した後に、リサイクル料金の返金がされていないことに気付くこともあるでしょう。このような場合に返金を求めても、契約が成立してしまっているため返金は困難です。
業者のなかにはリサイクル料金をあえて換算せず、自社の利益としている可能性もあります。そのため、契約前に見積書とその内訳を入念に確認しておくことが重要です。見積書の記載は業者によって異なりますが、リサイクル料金が該当する「諸費用」や「法定費用」の項目を特にチェックしておきましょう。
下取り時に気になる車のリサイクル料金とその内訳
下取り時に返金されるリサイクル料金の具体的な金額が気になるところでしょう。リサイクル料金は、複数の料金で構成されています。この項目でそれぞれの内容と料金相場を見ていきましょう。
指定3品目のリサイクルの料金
まずは指定3品目のリサイクル料金です。指定3品目には、「シュレッダーダスト」「エアバッグ類」「フロン類」が該当します。あまり聞き馴染みがない言葉かもしれませんが、それぞれ以下のような内容です。
リサイクル料金の構成要素 |
内容 |
シュレッダーダスト |
有用な部品や鉄などの金属資源を回収した後に残る樹脂やゴムなどのクズ |
エアバッグ類 |
エアバッグやシートベルトプリテンショナーの両方をあわせた装置の総称 |
フロン類 |
カーエアコンに使用されている冷媒 |
これらは有用な資源であることに加え、環境への害と危険性の観点から適切に処理・回収されるものです。
リサイクル料金の大半に、これらの処理費用が含まれています。金額相場は6,000~1万8,000円程度です。「車のサイズ」や「エアコン・エアバッグの数と取り外しやすさ」に比例して金額が変化します。
(参考:『リサイクル料金|公益社団法人 自動車リサイクル促進センター』)
自動車リサイクルシステムの情報管理料金
自動車リサイクルシステムの情報管理料金も、リサイクル料金の構成要素のひとつです。廃車となる車を適正管理・処理するためには「電子マニフェストシステムの運用・維持費用」「外部の問い合わせ対応による運営費用」など、一連の実務に費用が発生します。
これらの費用は自動車リサイクル法に基づき、車の所有者が負担する必要があるのです。金額は一律130円と設定されています。
リサイクル料金運用の資金管理料金
最後の構成要素、リサイクル料金運用の資金管理料金です。その名の通り、リサイクル料金の運用・管理業務における一連の実務に発生します。こちらも情報管理料金と同様に、自動車リサイクル法に基づき車の所有者が負担することが義務です。
金額は新車購入時の場合は290円、使用済自動車引取時は410円を支払います。下取りの場合は後者です。
事前に金額の確認も可能
自分が現在所有している車のリサイクル料金が気になる方もいるでしょう。具体的な金額は自動車リサイクルシステムのサイトで事前に確認することが可能です。
車検証を見ながら「車両区分の選択」や「車台番号」「リサイクル券番号」などの入力を行うだけで簡単に確認ができます。新規購入における費用面を細かく把握するためにも、ぜひ利用してみてください。
車の下取り時や売却時のリサイクル料金の返金手続き
リサイクル料金の返金手続きをどのように行うかご存じでしょうか。これらは「業者に下取りしてもらう場合」と「個人同士で車の売買をする場合」で異なります。それぞれのケースにおける手続きの内容をこの項目で見ていきましょう。
業者に下取りしてもらうケース
業者に下取りを依頼するケースでは、多くの場合においてリサイクル料金は査定額に含まれています。そのため、自身で行う特別な手続きなどはありません。「リサイクル券」または「自動車リサイクル料金の預託状況」を業者に提出するだけで、返金処理は自然と進むでしょう。
この時に、リサイクル料金が見積書に正しく含まれているか確認しておきましょう。
個人同士で車の売買をしたケース
個人で売買したケースでも、リサイクル券を譲渡することで業者間同様にリサイクル料金の返金は受けられます。ただし、個人の場合は見積書も自身で用意する必要があるため、金額があいまいになりがちです。
「リサイクル料金の項目をつくり確実に見積もり書に記載する」「リサイクル券に代わる書面を準備する」など、後のトラブルにつながらないよう的確に進めていきましょう。
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まとめ
車の下取りであっても、基本的にリサイクル料金は返金されます。しかし、お得に車を手放す上では店舗選びも重要です。リサイクル料金の返金はもちろん、高額査定や丁寧なサービスを実現している店舗を利用しましょう。
車の売却をご検討の際は、ぜひネクステージをご利用ください。見積書の疑問点や手続きの流れも、ご納得いただけるよう丁寧に対応いたします。相談から承っておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。